黒部峡谷・下ノ廊下 〜饒舌な秋は、冬を誘い〜
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- GPS
- 11:38
- 距離
- 25.7km
- 登り
- 1,758m
- 下り
- 2,619m
コースタイム
- 山行
- 6:59
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 7:20
天候 | 10/29 雨 10℃ 10/30 霙ときどき雨あられ マイナス2℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
10/28(土)23:15新宿駅西口臨時便26番乗り場(5519便) → 10/29(日)5:32扇沢駅 片道6,200円(深夜便料金) 7:30扇沢 → 7:46黒部ダム 片道1,540円 ◆さわやか信州号(新宿駅〜扇沢) http://sawayaka.alpico.co.jp/area/hakuba/shinjuku/# →バスのりば案内 https://www.alpico.co.jp/access/station/shinjuku.html ◆扇沢トロリーバス時刻表 http://www.kurobe-dam.com/access/trobus_timetable.html 【帰り】 13:10欅平駅 → 14:28宇奈月 1,710円(オープン車両料金) 14:47宇奈月温泉 → 15:10新黒部 570円 15:26黒部宇奈月温泉 →(はくたか568号・指定席)→ 17:52東京 11,860円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
▲下ノ廊下は各ガイドにも記載あるように上級者向けだと思いました。 距離は30kmほどですがアップダウンが多く、水平歩道では随所で高度感があるため集中力を要します。 ※コメント欄にも遭難騒ぎの顛末を記載しております ▲旧日電歩道や水平歩道は断崖につけられた道のため、基本的には常時危険が伴います。道幅も狭くすれ違い出来る箇所も限られるので、シーズン中の好天日は渋滞が凄いそうです。 ▲基本的にはひたすら黒部川沿いを下降する断崖沿いのコースなので、道迷いポイントはありませんが、黒部ダム側から向かった際に十字峡の広場で「右の矢印は周回ルート」、「左下の吊橋が進むルート」となっています。 ※dan_no_sukeさん、情報ありがとうございます! ▲全般を通して水を浴びる場面が多いので、ウェアやザック、携行物ともに防水対策を万全に。足元も基本的に水たまりが多数、GORE-TEX仕様でも染みました( ;∀;) ▲頭上に岩が多いのでヘルメットは必須。志合谷トンネルはヘッドライト必須。 ▲登山ポストは扇沢駅にあり |
その他周辺情報 | ▲阿曽原温泉小屋 テント800円+温泉700円 http://azohara.niikawa.com/ ※2017年は10/29(日)宿泊までで営業終了 ▲欅平温泉・猿飛山荘 ※この日は500円で入湯できました http://www.kurotetu.co.jp/onsen/sarutobi/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
半袖シャツ
インナーシャツ
アウター
タイツ
長ズボン
半ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
包帯
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト(サバイバルシート)
ストック
ナイフ
カメラ
三脚
シュラフ
ヘルメット
テント(3型)
グラウンドシート
|
---|---|
備考 | 反省点: グローブが完全防水でなかったので手がズブ濡れ! 寒風に吹かれ霜焼けになりそうだった。 |
感想
何年か前の山雑誌で、紅葉のアルプス特集として「下ノ廊下」を知った。
息子が産まれる前に黒部ダムを訪れたことはあったが、そこから川を下るように、こんな切り立った峡谷に登山道があると知って、ずっと心に残っていたのだ。
調べれば下ノ廊下は残雪が多く、開通するのが毎年9/下以降。
そして中継地となる阿曽原小屋も10月で小屋閉めとなるので、行ける期間がものすごく短い…
そんな中、10月後半に連休を取れそうだったので、いの一番に計画。
ヤマレコでも色々と情報を探し、準備万端!
折しも10月は毎週末、秋雨全線や台風の影響で登山者にとっては手痛い毎日...
この週末も見事に台風22号が本州に接近しているということで、直前まで予断を許さない状況であった。
台風本体は何とか北陸地方からは離れていくとはいえ、雨風の影響は避けられない。
途中撤退を覚悟の上で、新宿から扇沢行きの夜行バスに乗り込んだ。
△ △ △ △ △ △ △
明朝5:30の扇沢はまだ暗く、待合所も閉まっていた。
6時を過ぎると開催前の待合所も開き、中で待つことが出来たので腹ごしらえ。
7時前になると観光バスが到着したらしく、大勢の乗客が始発便を待つ列をつくる。
定刻通り7:30にトロリーバスが出発。
聞いたところこの路線、2018年でトロリーが引退し、2019年4月からは電気バスになるらしい。来年はトロバス・ラストイヤーキャンペーンなんだとか...
△ △ △ △ △ △ △
黒部ダムに到着後、ダムへ向かう観光客の皆さんを尻目に旧日電歩道へ進入。
すぐに沢沿いの道へたどり着き、いよいよ黒部峡谷歩きがスタート!
小雨が降りしきる中だったが、気温は10℃ほどあり、軽く汗ばむ程度。
起点から同じ行程を行くK氏と共に歩くことに。
峡谷はその切り立った断崖に赤、橙、黄色と色とりどりの紅葉をまとい、圧倒的なスケールで目の前にグングン迫ってくるようだった。
足下の切り立った崖や、滝で濡れたトラバースを慎重に進みながら、眼前に広がる黒部の谷をしっかりと目に焼き付けることが出来たと思う。
10月最後の日曜日だったが、悪天候が重なりこの日はほぼ貸し切り状態...
先行する人たちも途中2カ所で会ったくらいで、ほぼ立ち往生することなく進んだ。
△ △ △ △ △ △ △
阿曽原温泉小屋についたのは15時過ぎ。コースタイムを少し縮めたという程度。
やはり雨の降る中は歩きにくかったが、無事にたどり着いて正直安心した。
明るい女将さんと会話を交わしたが、
「もともと110名あった予約が20名まで減ってしまった」とのこと!
今シーズンは本当に悪天候に振り回された...という感じだ。
こんな雨風の日、他にテント張る人いないだろう...と思いきや、
夜までに合わせて7張りはあったか?恐るべし下ノ廊下人気である(笑)
△ △ △ △ △ △ △
二日目、テントをたたきつける雨音で目が覚める。
結局夜通し降り続いたことになる。
やけに雨音が大きいなと思って外を確認したら、どうやら「あられ」が降っているらしく、気温もグッと低めだった。
雨の弱まった時間を狙って、一気にテントを撤収。
前回、白馬の時よりも迅速に撤収することが出来たかな。
この日は欅平まで、そのほとんどの工程は水平歩道。
巨人のような岸壁に穿ってつくられた歩道には、この道を切り開いた先人たちの魂がある!などど一人ブツブツ考えながら、ひたすらに道を行く。
雨は時折みぞれ混じりの氷雨となり、やがて登山道も白く積もる。
まさに秋から冬への移り変わりを目の当たりにしたようだ。
この日も予定より一時間ほど早く欅平に到着。
猿飛山荘の露天風呂で冷えた身体を十分に温めた後は、アツアツのかき揚げソバ&生ビール!
予約しておいた新幹線も1本早い便に変更し、夕方18時前には東京に帰還。
正味二日間の山旅、早くも太もも筋肉痛...(笑)
少々鈍った身体には、ほどよくハードなハイキングとなった。
健脚向けだけど、絶景は折り紙付き!
息子が中学生くらいになったら誘ってみようかな??
△ △ △ △ △ △ △
《遭難騒ぎに直面しました》
黒部ダムを訪れ、旧日電歩道に入ろうとした際、一人の青年が声をかけてきました。
「昨日、阿曽原からこちらへ向かった父親が到着していない」とのこと...
一応捜索願は出しているということだが、これから向かう先で発見するかもしれないので、特徴を伺い、書き留めておくことにしました。
歩き始めて30分ほどした頃、先ほど聞いていた特徴の男性がしっかりした足取りで、前から歩いてくるではありませんか...良かった!無事で!
聞くところによると、前日体力が底を尽きて、岩屋でビバークしたのだとか...
途中で出会った山岳ガイドさんに、連絡をしてもらったということで、登山口で待っていた息子さんも安堵されたと思います。
気温も低くなかったようなので、無事に一夜を過ごせたとのこと、本当に無事で良かったです...!
sekihiroさん はじめまして
私も同じタイミングで計画していたのですが、ヘタレなので今回は(も)断念しました。消息がわからくなった方の無事が確認できてよかってですね。
こうしてsekihiroさんのヤマレコ見てると、“がんばって行ってもよかったかな・・”
とも思いますが、来年の楽しみに残しておこうと思います。
hoyanさん、おはようございます
初めまして、コメント残していただきありがとうございます!
台風の接近もあり、今回ばかりは直前まで行くのを迷っていましたが、
以前よりは天気図などを見て、判断できるようになったのかもしれません
阿曽原小屋のブログなどによると、今年は大きな事故はなかったものの、
やはり途中で行動不能になってしまう方や、夜22時に小屋にたどり着く…!という事態もあたようです。
今度はもう少し時間に余裕をもって、大混雑でも快晴の日を狙って行こうかなと思いました(笑)
この時期限定の下の廊下を踏破しましたか、。
最近よく山レコにもUPされてますが、、。
セキヒロさん、今回はお一人ででしたね(^。^)
そうは遠くない未来にあの息子さんと行くのですね(^。^)
しかし、体力だけではなく気力も必要ですね。
まぁ、台風接近の最中に無事で何よりです。
お疲れ様でした( ̄▽ ̄)
teheさん、おはようございます
行ける時期も、入れる人も限られるのが下ノ廊下!
でも実際は山レコをアップされるような健脚の方ばかりではないのが現状のようです
今回は悪天候でほとんどそういった方々はいらっしゃいませんでしたが、
こうしたレコを通じて危険性を伝えるのも大切なことだなぁ…と思いました!
下ノ廊下へ!
生憎の天気でしたが、思い切っての遠征、テン泊!素晴らしい行動力です!
この渓谷の景色、紅葉の美しさと雪渓と楽しまれたようで、レコから臨場感が伝わってきました。
明日は、sekihiroさんの歩いたルートを当選した関電ツアーで乗り物の力を借りて 通り抜けてきます!でもレコ見てたらやっぱり歩きたい
mierinさん おはようございます
いやいや、さすがに阿曽原小屋に着いたときは、
「テントやめて、小屋に泊まっちゃおうかな…」
と心が揺れましたが、節約モードで初志貫徹しました
今回晴れ間はありませんでしたが、深い峡谷の濡れた紅葉もなかなかの絶景でした♪
関電ツアー!?うらやましい!
道中、色々なところに作業道や施設維持の設備がありましたが、
そんなツアーがあったとは〜
sekihikoさん、こんばんは。
ともかく完走ならぬ完歩、おめでとうございます。
私ら二日目だけ雨に降られただけですけど、二日間とも雨模様でした?しかも幕営でしょ?凄いなぁ。
長時間雨に降られちゃあ、ゴアだろうと完全防水だろうとダメですよね(笑)でも、曇天のお陰で紅葉が良い感じです。
阿曽原温泉小屋の女将、良い方でしょ?あのコースと小屋のご飯が頂けるなら、毎年行きたいですね。
再び楽しませてもらいました。
今度、子供さんと岩やりますか?オフは広沢寺でトレーニングしてます。
ダン之助でした。
dan_no_sukeさん おはようございます
今回は山行前にアドバイスを頂戴し、ありがとうございました。
danさんの十字峡でのアドバイスが的確過ぎて、時間のロスは皆無でしたよ(笑)
二日間を通してずぶ濡れの山行でしたが、黄葉があれほど迫力をもって迫ってくるとは想像もしていませんでした…
あと、阿曽原の女将さんの笑顔には癒されました♪
いつかは息子と小屋泊まりで再訪したい秘境ですね〜
岩登りやりたいか、彼に聞いてみますね(笑)
sekihiroさん こんばんは
下ノ廊下!! 行かれましたか・・・いいですね。行ってみたいな、なんて思っているうちに気が付くと雪に閉ざされてしまう。本当にシーズンの短いルートなんですね。|厳しい峡谷から見る紅葉は最高!!それと滝と岸壁の道と吊橋・・そして温泉!! ワクワクとドキドキとホッとする時間。まいったな・・旅心というか冒険心とういかsekihiroさんに駆り立てられてしまったようです(笑)。楽しませてもらいました。ありがとうです (^^)/
.
todayさん おはようございます
とうとう行けました!振り返れば4年越しの念願達成でした!
下ノ廊下、今年のシーズンは毎週末のように悪天候に見舞われ、登山者は少なかったと思います。私も4年前だったら、行くのを躊躇していたかも知れません。
でも、入山に厳しい条件があるからこそ手つかずの自然の景観がそこにあるというか…
とにかく、黒部の谷は深いという言葉がピッタリでした!
渓谷に穿たれた道…冒険心を駆り立てられます!そして阿曽原小屋の露天風呂はおススメです。いつかは晴れた時に行きたいですね
sekihiroさん こんにちは
1日目ともに歩いたKです。
雨に降られたとはいえ、全行程で最高の景色でしたね!
私が道中撮影していたアクションカメラの映像は途中からレンズについた水滴で画面の大半が見えなくなってました・・・残念。
次回には来るときには息子さんもですかね?今度は晴れを狙って景色だけでなく空気感も味わっていきたいですね!
kinpuma34さん こんにちは!
メッセージありがとうございます。
下ノ廊下では色々ありがとうございました。
天候の悪い中、並走していただいてとても心強かったです。
晴れ間はありませんでしたが、しっとりとした紅葉もまた、絶景でしたね♪
来年以降、晴れた日狙いで再訪決定ですよ〜
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