番屋山(古道を歩く)
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 532m
- 下り
- 523m
コースタイム
- 山行
- 3:40
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 4:00
コースタイムは小休憩含みます
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
二週続けて台風襲来。しかし、明日は晴れの予想だ。しかし、なんとなく気乗りがしなくて山行の準備に取り掛かれない状態だ。やっぱり山行は、何日も前から行き先を決め、徐々にモチベーションを高めながら、一気呵成に実行するという流れが大事である。いつもそうありたいものだが、夜遅くなっての番屋山である。雨生池(あまおいいけ)の紅葉も楽しみである。
八木鼻を過ぎると、左手に粟ヶ岳やカタガリ山と呼ばれる烏帽子山など特徴ある山々が青空にくっきりと浮かび上がり、いやがうえにも山行意欲が高まって来る。この一帯の山は、独特の個性的な山容の山が多い。この付近に尖頂の山が多いのは、地滑りによって硬い地質の部分が残ったからであろう。しかし、地形図に表記されているのは、蕗山、柴倉山、猿ヶ城くらいで、あとは無名峰である。一帯の最高峰はP645で、地元では内ノ倉と呼ばれているらしいがこれも表記されていない。道の有無はわからないが、積雪期に自らルートを思い描いて歩いてみるのも一興である。
番屋山登山の起点となる吉ヶ平は1970年代に集団離村したが、現在は「吉ヶ平自然体感の郷」として整備され、旧吉ヶ平分校を利用していた「吉ヶ平山荘」も新築された。吉ヶ平フィッシングパークも整備され、ハイシーズンには結構にぎわっている。出発時間は遅いが車は置けると思っていたがすでに満車である。誘導員に奥に駐車場が有るのでそこへ停めるように指示される。行ってみると、駐車場として整備されたものではなく、ただの平地だった。もともと村のあったところだから駐車スペースは多い。
出発の準備をしていると車が一台やって来た。同じような人がいるものだ。雨生池に行くという年配の方で格好を見ると写真撮影のようだ。「昔一度行ったことは有るがうろ覚えなので、ついて行っていいですか」という。私も一回しか行ったことは無い。迷いようのないところだが、一緒に行くことになる。おじさんは三脚を持参していて、カメラが趣味だということは直ぐにわかった。聞けば展覧会などにも出品して本格的だ。
歩き出しから草の繁茂する段々畑のような土地や墓石が残っていて、村の跡だったことは直ぐにわかる。おじさんとは、歩くペースは合わないが雨生池まではペースを合わせる。ほどなく戻ってくる人とすれ違う。その人たちは、おじさんの知り合いだった。そのあとも知り合いの人と二組くらいすれ違い、あれこれ近況報告などを話していた。地元の人だから知人も多いという事なのだろうが受け答えを見ると地域の名士に違いない。整備された天保古道を下って周回して来たと話す人がいた。そういえば、新聞で見たような記憶が有る。帰りはその道を下りようと思う。
空は晴れあがり青い空が広がる。道中のモミジの紅葉に思わず声を上げる。きっと、雨生池の紅葉もキラキラ輝いているに違いない。池の手前に雨生神社の入り口が有る。神社は奥まったところにあり確認できない。おじさんはその場で手を合わせていた。この神社は記憶になかった。雨生池はそこから一息だった。夫婦連れと思われるペアがいて、おじさんの知り合いのようで、早速、写真談議が始まる。私は、一度神社まで戻って、お参りしてから番屋山を目指す。
ブナの大木が林立し、枝葉を通して秋の日が射し込む。自然に晴れ晴れとなるような気分。今が紅葉の真っ盛りなのかもしれない。いい雰囲気、いい気分。水面をよく見ると、小さな魚が泳いでいるのが見えた。アブラハヤでもあろう。道は良く整備されているが、馬追沢の標識を過ぎるとロープの下がる急坂部が出て来る。池までは比較的楽な道だったが、池を過ぎたら急に負荷が強くなった。
ちょうど倒木が道を覆っていて、そこで休もうとしたら、倒木の下にナメコが出ていた。これは神のお導きに違いない。すると、老若男女30人くらいのグループがやって来た。前にすれ違った人が話していた、三条市の八十里越えツアーに違いない。反対側の只見町から登って来たのだ。通り過ぎてからなめこゲット(^^)/ そこから一息で番屋山山頂である。
ご夫婦と思われる二組のペアと単独行男性一人。男性は中高年。途中ですれ違った家族連れとツアーの方々を含めると、今日は50人くらいの登山者か。一躍人気の山である。山頂は狭いが、守門岳・粟ヶ岳から矢筈岳など川内山塊の眺望が有る。おけさ柿を二個食べたら腹がいっぱいになった。一組のペアが新しく整備された天保古道を下りて行った。ほどなく私も出発。いきなりロープの下がる急登だ。先行ペアの女性が難儀していた。俗に言えば、ロープを掴んでへっぴり腰。思わず「お一人ですか」と声をかけてしまった。一人だったらちょっとフォローしなきゃと思ってしまったのだ。「お父さんと一緒です」との答えに、それなら大丈夫、とそのまま進む。
直ぐに鞍部に出る。天保古道は、吉ヶ平から椿尾根を越えてここに登ってきて、稜線通しに八十里越えに進んでいったのであろう。いつかそちらの方にも整備は進むのだろうか。鞍部からは、確かに道は有った、と思われる痕跡が残っている。山腹のヒドを渡るところは道型が流されていてロープが下がっているところが有った。手入れされない道は朽ち果てていくものなのだ。やがて道は、椿峠方向に向かって下る。5,6人のパーティが登ってきた。ちょっと遅いのでは、と思ったら今日はこれで二山目だと話していた。例によって例のごとし、頑張る中高年である。
椿峠から先も、伐開は進んでおり、明治新道と書かれた標識がいくつも立ててある。さらに古道の整備は進むようだ。移動方法や搬送法の進歩、土砂崩れなど地形の変動により道の形態やルートも移り変わるものである。現代の八十里越えは、近代的なトンネル主体の道路が建設中であり、完成すれば一帯は大幅な変容を見せることとなる。歴史の移り変わりを感じさせる山行である。
コメント
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妙高さん、こんばんは。
そちらも紅葉がきれいですね。
鮮やかな赤もいいですが、黄色になり始めの明るい葉の道が私は好きです。ワクワクして歩いていて元気が出ます。
そして葉の落ちたブナの林の写真もとても素敵です。
古道をいにしえに思いを馳せながら歩くのも趣があっていいですね。
昔の人の生活道路だったのでしょうか。
harunonekoさん おはようございます。
秋の陽はカラッとしていて紅葉の中にいると華やかな感じになりますね。いい感じです。落ち葉の敷詰まった道もいいですね〜。しかし、なんとなく寂しさも漂いますね。何とかしなくちゃというような、わけのわからないもどかしさも感じます。やっぱり秋は寂しいんです。
古道は八十里越えといって、越後と会津を結ぶ主要な街道だったようです。八十里もあるわけないのに、そのくらいあるように感じる大変な道だったという事らしいです。いま別なルートで建設工事が進んでますので完成すれば移動時間は短縮されますね。ではごめんください。
myokohiuti さん
おはようございます。
青空の下に紅葉が綺麗ですね。
番屋山は近年人気急上昇の山になりましたね。関越道回りの新潟遠征時に、当日の登山先と位置付けているうちに、何年も経ってしまいました。
新潟は毎日の様に天気予報を眺めているのですが、晴天が長続きせず、遠征が出来ない状態です。
待っている間に冬山になってしまいそうです。
tonkaraさん こんにちは〜。
番屋山は、標高は低いんですが、意外に展望があるんです。守門岳はもちろん、川内山塊の山々が良く見えるんです。
周りのこまごました山も個性的な山容が目につきます。道は有るのか無いのか判然としませんが、雪を利用して歩くのも面白いですよ。ルートを思い描いて、その通りに登れた時など達成感が有りますね。もちろんプチ達成感ですが。
ではまた。
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