ミホガハラのこぎり岩/初対面から11年、人知れぬ岩壁を攀じる
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- GPS
- 03:01
- 距離
- 1.1km
- 登り
- 198m
- 下り
- 192m
コースタイム
- 山行
- 2:10
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 3:05
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ミホガハラ直下からのこぎり岩の基部をトラバース巻いて行くが、一部ザレがひどく、かつ足元が切れ落ちている個所が多く少々面倒。 ルート近くになると木を伝ったザレた急登と卦蘢度の岩場あり、確保の判断適宜。 |
写真
誰も手を付けていませんので、ざらついた核心が意外と悪く感じました。アンカーを設置した際は控蘢度ではないかと思っていましたが、リードしてみると5.9以上。
感想
ようやく、のこぎり岩を登りました。この岩壁は西上州の主だった山から見えないため、その存在を知る人は多くないでしょう。ルート開拓すると内容が分かってしまっているため、なかなかリードして登ろうという気持ちが湧かず、ひと夏超えてしまいました。もしかすると、のこぎり岩の初登になるのかもしれません。こんなへんぴな所で開拓しクライミングしようという物好きは、そう居ないでしょうから。
(ルート概要)
岩質は多分安山岩系、榛名黒岩と同質です。西上州にしては脆くない。
2ピッチ、グレードは5.10a
1ピッチ目は20m弱、5.10a(5.9かもしれない)、ボルト4本
核心で左へ逃げすぎると浮石があるので注意(グレードは下がる)
2ピッチ目は45m、5.6から5.7、ボルト5本
設置したアンカーボルトは、ヒルティ社HSA-R(90mm全長)
一応、ルート名は「アニバーサリー35」にしておきます。
開拓の履歴は別レコにて。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1093676.html
---------- (以下、自分のための覚え書き、ヒストリー) ----------
西上州の山へ足を踏み入れてから約35年。山渓連載のワンデイハイクに紹介された鹿岳へ登ったのが最初だった(妙義山塊は除く)。ちょっとした岩場のスリリングな登り、地形図とコンパスを駆使した徘徊。まさに自分のためにあるかのような山域で、様々な山を歩き回った。
岩雪のクライミングからやがてフリールートの開拓を行うようになり、再度西上州の岩場に目を向けたのが、もう25年も前の話。鹿岳や毛無岩はすでに登られており、開拓するのなら誰も登っていない壁と思い、あちこち歩き回った。黒滝山の九十九谷も良かったが、当時思い描いていたラインは引けそうになく、他の岩場を捜し歩いた。人知れぬあちこちの壁を探しては見たものの、結局は毛無岩へ戻ってきた。
既成ルートは頂上ヘッドウォール部の急傾斜かつスラブ状は避けており、ここを開拓しようと考えた。山頂のブッシュを束ねラペルの支点にしたが、足元の大空間にラペリングしていくには心もとなく、1本のボルトを設置した。30mほど下降して数本のボルトを設置したものの、岩質は悪く表面から5cm程度内部で浮いている状態だった。全くクライミングできないわけではなかったが(5.10以下)、この壁にアンカーを設置しても大した支持力を期待できないことが分かり、そのまま放置してしまった。頂上のアンカーボルトが目障りだと思うので、いつか撤去しに行こうと思いつつ、いまだ実行できていない。
毛無岩開拓から十余年、山と高原地図を眺めていると西上州の西はずれに「ミホガハラのこぎり岩」という文字が目に留まった。手元の大昔のマップには記載が無かった名称だった。この壁は西上州の山からは見えない位置にあり、話題になることも無くその存在を知らなかった。所詮西上州、クライミングの対象にはなる訳はないだろうとは思いつつ、ぶらぶらとハイキングがてらに妻と訪れてみた。予想外に岩質は良く登れる手ごたえをつかんだのだが、開拓意欲がいま一つ盛り上がらずに10年経ってしまった。
ここ数年、再び西上州の山歩きに目覚め、のこぎり岩を開拓する意欲が湧いてきた。昨年11月に開拓スタートしたが、幅広い壁は自分がどの位置にいるのかを把握できない。写真で壁全景を撮ってルートを思い描いた位置と実際の位置を合わせることが一苦労だった。
この壁はクラックなどの弱点がはっきりある訳でもなく、どこでもルートとして成り立ってしまう構成のため、クライミングラインの設定にかなり悩んだ。壁の初登ルートとして弱点と見えるライン、かつ自分の登ってみたいラインを繋げられるように設定した。壁の傾斜、構成からルート難度は高くないが、西上州では比較的スケールのあるクライミングを楽しめることを思えば、まずまずか。
特筆するようなクライミングルートでもないが、西上州の山にのめり込んで約35年も経ったということで、その記念にルート名を「アニバーサリー35」と名付けることとした。ほかに格好の良い名称も思いつかず。
残りの人生、この先もこんな岩場を見つけては喜び遊んでいくのだろうか。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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アクセスが大変。
アプローチも大変そう。
そして、壁も・・う〜ん・・難しそうだ!
お誘いしようと思っていたのですが、思い立ったのが前日でちょっと遠慮しました。相変わらず計画性のない人間で。。。大騒ぎするようなルートでもないので。
アプローチは、Sue-chanさんのように藪岩スペシャリストなら全く問題ないですよ。
まあ、短いルートだし高難度でもないし、わざわざ西上州でちっぽけなクライミングをしたいもの好きクライマーも少ないでしょうから、10年後には埃にまみれているでしょう。のこぎり岩は西上州のいくつかの壁の中では岩質がベストな方なので、気が向いたら壁にぶら下がっているかもしれませんが。
ルート開拓でトラブルが出ている時代なので、ヤマレコ掲載にはちと迷いがあったのです。私のように無料会員だと5日目以降は新着山行に掲載されないようなので、敢えて掲載を遅らせて目立たないようにしたのです。が、それでも数人の閲覧者がいるんですね。仕組みが分かってないのですが、プレミアム会員なら新着に表記されたりするんでしょうか。
また、藪岩でもフリーでも誘ってくださいね。
アニバーサリー35、登ってきましたよ〜。
pochi23がおっしゃる通り、西上州にしては岩も固くて快適でした。
一本岩とは大違いでしたわ〜(笑)
いや〜2P目のラインどりには苦労しました。
3ピンが下からでは見えなくて、岩の弱点を攻めれば左上するし・・・で迷いました。 run out も怖かった〜!
まっちゃんから登ってきたとのメールが届いてました。
この壁はどこでもルートとなってしまう構成なので、2ピッチ目はあえて途中から右へ傾斜の強い部分、のぺっとした部分を選んでいます。グレードも低めなので死なない程度にボルト打ちさぼっちゃいました。
どこか楽しそうな壁を見つけて遊んでみたいのですが、西上州にはもう無いかなぁ。
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