餓鬼岳〜唐沢岳【北ア最後の静寂峰満喫!】
- GPS
- 32:00
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 1,619m
- 下り
- 2,069m
コースタイム
天候 | 9/9(金)雨、9/10(土)晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
<復路>タクシー(白沢登山口〜中房温泉、9,990円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
<餓鬼岳登山口〜東沢乗越>北燕沢出合〜西大ホラ沢出合(?)迄は10回以上の渡渉あり。台風の後でやや増水しており、妻のような小柄な女性にはやや難儀かも? <東沢乗越〜餓鬼岳小屋>東沢岳〜餓鬼岳小屋迄は、岩場のアップダウンが連続。特に剣ズリの登りは疲労度大。あいにくの雨で滑りやすく、梯子&桟道も全体的にクタビレており、神経を使う場面が多かった。 <餓鬼岳小屋〜唐沢岳>近くに見える唐沢岳になかなか辿りつかない。迷う箇所は殆どないが、ルート上にある草&ハイマツが鬱陶しく「プチ藪こぎ」状態。そして岩場は鎖等は無く、まさに手足のみで登る。(岩場好きの妻は嬉しそう) <餓鬼岳小屋〜白沢登山口>大凪山〜最終水場迄のガレ場が、唐沢岳往復で疲れた足腰にはツライ。最終水場〜白沢登山口までは、沢沿いを歩くが、滑落したら一巻の終わり? と思われる苔だらけの岩のヘリ(10センチ幅位)を歩く場面が多く、最後まで緊張を強いられた。 |
写真
感想
先週は台風により出かけられず。今週はどうしてもどこかガッツリ歩きたい。
選んだ先は、北ア界隈で唯一?未踏であった餓鬼・唐沢岳。前々からどうせ行くなら唐沢岳まで足を伸ばしたいと思っていたが、夏の最盛期は暑くて藪こぎが面倒そうとか秋は混んでいるのではなんて思ったりしてなかなか行けなかった場所。
そして、今年は週末になると天気が崩れ、予定していた金曜の有休は2度キャンセル。
台風の通りすぎた今週こそは、と思っていたが、またまた金曜に雨マークが!しかし、残業続きの妻と相談する時間が無く、そのまま決行することに。
夜、残業で全然帰ってこない妻を待たずに寝てしまい、中房温泉に着いたときはやはり雨・・。雨のせいか6時という遅い時間にも拘わらず第一駐車場に普通に停められた。
一応、小屋の情報では、東沢、白沢の両登山道とも台風の影響は少なく、増水で橋が流されたりはしていないとのことであったので、東沢から進むことに。増水していたら合戦尾根から稜線を行こうと思ったが、雨で眺望も効かないし、東沢乗越を目指す。中房温泉からはほぼ全員合戦尾根へ向かっていったので、我々2人きり・・・。そして、渡渉はかなり水量が多くギリギリのところであり、もう少し増水したら渡れませんという感じ。特に足の短い妻は難儀。滑る岩と石の間をジャンプして渡渉を繰り返す。
登るに連れて風雨強まる。餓鬼までの稜線はケンズリとか岩場があるし初めて通るのでこんな悪コンディションで大丈夫か??
乗越手前付近から下りてきた方がいたので、「餓鬼からですか?」と聞いたら「いえ、燕からです」とのこと。うーん・・・。
東沢乗越でテンションは最悪。雨、風ともに強し。でも、明日の天気回復に期待して前進。ゆっくり行きましょう!!何も見えないまま東沢岳。巻けるが、せっかくだからと山頂に。と、一瞬、雨がやみ、景色が見えた!
おおっ、と思ったが、また雨、風とも強まってしまった。糠よろこび。
ここから岩場が多くなる。いつもはお助けになる桟道も雨で濡れて滑る滑る。
おまけに妻は靴中1cm水深になっているとのこと!一歩歩く毎に靴の中で水がたぷんたぷん言っているが、水を捨ててもどうせまた浸水してくるであろうし、もう進むしかない。
ケンズリとか越え、全然景色が見えないながらなんとなく餓鬼岳が近い感じがしてきました。
小屋が見えた!!と、ずぶ濡れのまま餓鬼岳小屋に転げこみました。
ストーブの回りにブルーシートが敷かれてあり、盛大に干しもの開始。本当は外が干場だけど、今日はお客さんも少ないので中で干せました。(結局、本日の宿泊者は我々入れて6名のみ。白沢からご夫婦2人、燕から単独の方2人)
妻は、浸水しまくりの靴をストーブにかざして乾すのに専念。確かにこのまま明日これを履くのは無理。妻が、「うーん、これは2年しか履いていないのになあ。しかももう1足と併用し、冬は別のを履いているのに痛みが早い。靴をかざし続けて炙っていたら腕が痛い。」としきりにぼやいているので、「これは、暗に靴炙りを手伝えと言っているのか」と直感し、時々靴干しを手伝いました。
皮肉なことに小屋に着いたら雨が止んで晴れてきた。「景色が見えてますよ〜」と言われ、外のテラスにサンダルで上がって見に行く。おおっ、通ってきたケンズリ方面が現れてルートがよく見える!裏手に餓鬼岳の山頂も。青空を従えて。一緒にいたご夫婦は「それじゃ、頂上往復してくるか」と出かけましたが、妻の靴が水浸しの我々はもう動けず。明日に期待してサンダルで辺りをうろつき回ります。
でも、ここでも十分景色は堪能できるし、下界も晴れています。
夕飯は、部屋の真ん中にテーブルが1本出されて準備されました。
こんな山奥にも拘わらず、彩りきれいな散らし寿司にルビーグレープフルーツが丸ごと半分ついて小鉢もついて嬉しい。
ご夫婦の奥さんが、お寿司が食べきれないと半分分けて下さって大変ありがたかったです、ごちそうさまです。
夕飯後は6名で山談義。皆さま経験豊富で色々行かれており楽しくおしゃべり。しかし、北アルプスにいるにも関わらず、奥多摩の(それも渋めの)ルートの話が多くなり、それもまた不思議な感じで面白かった。
そして、単独男性の方のお顏をどこかで見たような・・・。そうだ、PEAKS5月号のウルトラライトテン泊に載っていたハイカーズデポにお勤めの長谷川さんではないかと思いましたが、恥ずかしくて確認できませんでした。(お聞きすればよかったです。ツェルト乾していらしたし、初日に徳本、そして1日で蝶から燕というルート取りからしても恐らくそうだと思われるのですが・・・。)
景色はどんどん良くなり、綺麗な夕日とともに、夜は美しい夜景が。明日に期待。
6人だけなので、静かにゆったりと眠れ、7時50分には消灯。
翌朝。朝食を頼むことは珍しい我々ですが、美味しそうらしいので食べてから出発することに。美味しかったです。
本当はここに2泊しようかとも思いましたが、今日は団体もいて激混みとのことで、とりあえず唐沢岳まで往復してみて、行けそうだったら下山することに。本当なら早立ちしなきゃいけなかったが、美味しそうな朝ごはんの魅力に負けました。
さて、妻の靴も炙り続けた甲斐があり、なんとか履ける程度に回復。他の4人の皆様は下山されるとのことで、朝の餓鬼岳山頂までご一緒。
ここで皆さまに見送られ、元気に餓鬼岳出発!!
小屋に荷物を預けることも考えたのですが、2人きりなことが判っているし、何かあったらと思い、全部背負ったまま往復することにしました。
と、朝露で足が濡れまくったのでいきなりザックを下ろしてカッパのズボンを履きます。(最初から履いていればいいのに、と妻。おっしゃるとおり・・・。)
唐沢岳は近く見えるものの、ブッシュ、岩、ブッシュ、岩そして、下って、登って、下って、登って、のアップダウン続きで全然近づかない。
さすがに人があまり通らないだけあって、なかなかブッシュが凄い。鎖とかの人工物も無いので、岩も手足が頼り。幸い、フリクションの効き易い岩なのでそれは良かった。これが蛇紋岩だったら滑落必須。
天気が良いから暑いし。下界は30度越えているらしい。しかし、どんなに暑くても天気が良いに越したことはない。
何度かニセ唐沢岳山頂に騙され、ピークと思ったところから「また下るのか!」とガッカリさせられながら進む。
そして、漸く本物の唐沢岳山頂に出ました!!標識が見えたときは嬉しかった。
まさに、ぐるり360度の展望!そして、貸切。ここから見える一般登山道は全て歩いているだけに感慨無量。右手奥から白馬、立山連峰、その奥は剱立山、手前船窪、七倉、不動岳、烏帽子から野口五郎の稜線、烏帽子の向こうに読売新道からの赤牛、その奥にスゴから薬師の稜線、黒部五郎、鷲羽から双六、槍穂、燕、大天井、そして遙か彼方に富士山も。下を見れば湯俣から高瀬ダムの道。反対側には火打・妙高。
本当に、ここは北ア最後の秘峰と呼ばれるだけあって素晴らしいし、静寂だし。ピークはもとより、あらゆる稜線も全部繋げて歩いているので、あれこれの山行を思い返す。
ここは、この辺り全部歩いた後、最後に来るのがやっぱり正解であったな〜と、自己満足。(偶然ですけど)
妻とまったり快晴の展望を満喫。ここ唐沢岳は何としても晴れた日に来て、眺望を満喫したかったので、大満足。
さて、いついつまでもここにいたいが、本日中に下山するには、腰を上げねば。ガイドブックの「唐沢岳往復後その日のうちの下山は危険で事故も起きているから2泊しましょう」という文章がちらつくが・・・。
そんなことを言いながら小屋まで戻ったら風が抜けて涼しくて気持ちよく、ラーメンなぞ食べながら思いのほかゆっくりしてしまった。
そしてタクシー予約して下山にかかる。通常、コースタイムより早い我々なので、コースタイムより短い時間で予約したが、ツラカッタ。まず、団体含め、登ってくる登山者が多かった。その都度、よけたり何だり。また、急なガレ場では落石させぬよう最大限の注意を払い慎重にゆっくり進まざるを得ず、気温が高いし蒸し暑い。ということで、
なかなか思うように捗らない。唐沢岳往復の疲れも出ている??そして、途中、崩落している箇所が何カ所かあり、臨時の迂回大回りルートで時間とられる。
魚止めの滝から先はやや増水しており、岩は前日の雨と苔で滑るし、飛ばすと危ない。ということで、最後、登山口に出たら予約時間より5分遅れでした。しかも、「タクシーはこの先200m下にいます」との看板が。これが全然200mじゃなくて、600m位はあった。平坦なので飛ばしたが疲れた。
戻ってきた中房は、「車、無法駐車地帯」と化していた。こんなところまで、という下の方の道路にまで路駐車が!
しかも、我々は正規駐車場に停めていたのに真後ろに車が!たまたま、前の車がいなくなっていたから良かったものの、駐車されていれば動かすことはできなかった。ちょっと考えて欲しいです・・・。酷いなあ。どうするつもりだったのだろうか??
中房温泉に浸かって、一路帰宅。談合坂から25km事故渋滞の表示が出たが、まあ、いつもの混み具合の許容範囲でした。
今年に入ってからは全然新規開拓しておらず、既に何回も行ったことのあるルートばかり行っていたので、(唯一、仙丈から三峰岳までが初踏ルート)ルートだけではなくピーク自体も初めてというのは、1年ぶりか。
やはり、初踏というのは新鮮であり、とても楽しいと再確認した。
天気回復してよかったですね。
私は、今週、東北方面に行く予定が天候不良で中止です
お二人ともガッツリ歩けたみたいで、うらやましい限りです。
山頂も気持ち良さそ〜ですね
A2C_nさん、おはようございます!東北、北海道方面はお天気悪かったようでしたね・・。
唐沢岳、お勧めです。この前A2C_nさんが歩かれていた船窪、蓮華、針の木の稜線が近くに一望できました!連休は東北再チャレンジでしょうか。今年は暦が分断されていますね。
唐沢岳いいですね。静かな山行ができそうです。
連休は槍ヶ岳の予定です。
実は先月行ったのですが、ざあざあ降りで引き返しました。
リベンジできるかな。
槍の予定でしたか!どこから登ても『槍』は格別ですよね〜。北鎌は未踏ですが、どのルートから行ってもいいですよね〜。大キレットと東鎌尾根がお気に入りです♪
また雨の中を難しいところに行かれましたね。
渡渉で靴の中がビショビショですか、大変でしたね。
同じ北アでも中々目につき難いルートでちょっとマニアックな匂いがします。
でもちょっと興味もそそられるんですよね。
先月の烏帽子岳近辺から餓鬼岳と唐沢岳って見たくなくても目の前にあるし、
朝日もそちらの方から昇ってきたので必然的に見てしまいます。
いつかは線をつなげて制覇したいルートですが、もう少し先になるかも・・・
noborundaさん こんばんは!久しぶりに晴れた週末で、noborundaさんもジャンを満喫されたようですね〜!後で、レポお邪魔しますね〜。
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