粟ヶ岳 厳冬期 恐怖の雪山ピークハント
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- GPS
- 07:06
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 1,282m
- 下り
- 1,271m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇りのち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
各所に雪崩クラック。午の背を過ぎると、雪から氷の世界。 |
写真
装備
個人装備 |
結果的には12本刃アイゼンとピッケルが必須だった。
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感想
冬の新潟では貴重な晴れ予報。県外遠征が続いたので今回は地元。昨年も1月に登って快心登山のイメージがあり、再び五百川ルートで冬の粟ヶ岳へ挑む。
※昨年同コースでの記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1043091.html
スタート時点でマイナス5℃。出だしでは雪が締まっておりツボ足でも難なく行けた。登山口を過ぎて山道に入ると、沈みこむようになり、スノーシューに。序盤は天気も良く、久々の地元里山を満喫しながらの雪山ハイクだった。
様相が一変したのは午の背あたりから。ところどころ雪崩のクラックが薄気味悪く大きな口を開けている。雪崩危険地帯を過ぎると、更に山容が一変。雪が吹き飛ばされ、テカテカツルツルのアイスバーンとなる。氷の斜面には再び不気味なクラックがあちらこちらに走っている。それでも状態の良さそうな場所を選び、スノーシューの刃を氷に差し込みながら慎重に登り切った。ここまではなんとかなった。この状態では下りは大変なことになる。とにかく無事帰ることだけを隊長とともに確認しあった。
で、恐怖の下り。本来、12本刃のアイゼン着用で、ピッケルを差しながら確実なルートを慎重に下るべきだった。が、それらの装備を持ってこなかった。完全に想定外で昨年の成功体験がアダになった。軽アイゼンは持っていたものの、刃が短く氷への差し込みが浅い。トラバースでの下りでフラットフッティングが出来ていなかった。
あっ、と思ったその時だった。足を滑らせたのだ。氷の斜面を一気に滑り落ちた。ものすごいスピードで全く制御不能だった。ストックを持っていたが何の意味もなさなかった。どこをどう滑っているのか全くわからない、とにかく止まってくれ、そう願っていた。気がついたらやや勾配が緩くなったところで止まっていた。雪まみれになっていた。徐々に意識が戻り現実に帰る。手足が動く。外傷も無い。この状況で奇跡のようなものだった。上を見たら隊長が手を振っていた。どうやら紙一重のところで救われたようだ。谷底から隊長の待つ主稜線まで登り切る。心臓がバクバクしていた。
その後も最悪の雪状態で、何度か滑った。今までに重い雪もサラサラ雪もいろんな雪山を経験してきたつもりだったが、今回ほど劣悪なコンディションは今までに体験したことが無い。幾度も足をとられ、もがきながらなんとか生還した…
あれだけの滑落をして外傷ゼロ。運が良かった。それに尽きる。下山の途中、いろいろなことを考えた。ヤマレコを書いている今もあのときの恐怖がフラッシュバックする。 決して冬山を甘く見てはいた訳では無いが、まざまざと冬山の怖さを思い知らされた…
ご無事で何よりでした。
冬の粟ヶ岳は、標高の割に雪の量も、雪庇の張り出し方も、凍り方も高山と変わらない山になりますよね。
私も天候に恵まれた山行が多く、劣悪条件下での体験が決定的に足りません。肝に命じて、山に向かおうと思います。
これからもどうぞご安全に。またどこかでお会いできますように(^_^)
cheeさん、コメントありがとうございます。お久しぶりです♪
いつもクオリティの高いレコを羨望の想いで拝見しております。
幾度かヒヤリとした経験はあったのですが、今回は本当にヤバかったです。
アイスバーンの下りは滑ったら終わりで、今回たまたま途中で止まったのが奇跡でした。
本年もどうぞよろしくお願いします。
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