コイワザクラ咲く檜洞丸〜「富士隠し」大室山を周回(北丹沢・神ノ川ヒュッテゲートから)
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- GPS
- 08:55
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,802m
- 下り
- 1,796m
コースタイム
- 山行
- 6:45
- 休憩
- 2:10
- 合計
- 8:55
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
丹沢山塊の大室山は八王子近辺の人間なら、名前は知らなくてもその存在は多くの人が知っているはずだ。
八王子近辺から富士山を見ると南側の肩の下、場所によっては真正面にそびえ立ち富士山の姿を隠すので、「富士隠し」と呼ばれているからだ。
自分も子供の頃からその存在は知っていたし、山に登るようになりその山が大室山と知ってからは何度か登ろうと試みたのだが、結局今まで登らずに来てしまったのは、その交通アクセスの不便さからだ。
大室山の最寄りとなる、北丹沢の津久井・道志方面のバス便が非常に少ない。
南側からアクセスしようとしても西丹沢ビジターセンターからになるので、そこまで回り込むのも時間がかかる。
そんな大室山に職場の先輩がこの週末に檜洞丸とセットで車で登りに行くというので、これはチャンスとばかりに便乗させてもらうことにした。
2週間前のハーフマラソンが原因か右足甲の痛みが多少残っているのが心配だったが、先週の山行は自粛したお陰でそんなに悪い状態ではない。
このチャンスを逃すとまたいつ大室山に行けるか分からないので思い切って行くことにした。
橋本から国道413号・道志みちへと入り、大室山直下となる日影沢の神ノ川ヒュッテへと向かう。
この道志みちの南側には丹沢山塊、北側には道志山塊があり、魅力的な山々が多いのだからもう少しバス便が充実しないものかと思う。
八王子から1時間ほどで北丹沢の神ノ川ヒュッテへ到着。
この尾根の向こう側が丹沢湖から北上した西丹沢ビジターセンターだと思うと不思議な感じがする。
反対側はあんなに賑わうのに交通不便地の北丹沢は別名裏丹沢と呼ばれるだけあってこんなにも静かだ。
でもこれが北丹沢の良さなのかもしれない。
ただ駐車スペースには意外と車が多く、これは登山者ではなく渓流釣りの人たちが多いからのようだった。
先輩の山の知人と合流し、熊笹ノ峰へ向かっていきなりの急斜面を登り始める。
始めは人工林だったが、その内に自然林と変わり気持ちがいい。
今日も4月に入って何回目かの夏日になる予報で、新緑の様子が今年は平年より1週間か2週間くらいは早いのではないかと思う。
標高1000mあたりまで来ると周囲は見事なブナ林となり、ブナの新緑を楽しめる。
ブナの新緑は淡い緑色だけではなく、オレンジ色があったりと木によって色が違うので、それらが混じりあって水彩画のようだ。
丹沢には以前この時期にブナの新緑を楽しみに鍋割山に登ったことがあったが↓
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-631823.html
こんなに身近にブナの新緑が楽しめる山が近くにあるのは嬉しいことだ。
名前のとおりササが出てくると熊笹ノ峰の横の尾根に出る。
北丹沢から登ってきたので、目の前に塞がっていた尾根の上に出ると突然、目の前に富士山と南アルプスの大展望が広がり感動的だった。
そこで充分景色を堪能してから檜洞丸へと向かうと、途中の岩場でコイワザクラが群生していて花盛りだった。
またキクザキイチゲの群生もあり、さすがは人が少ない北丹沢、植生がよく保全されているなと思う。
檜洞丸山頂直前でとても見晴らしがよくなり振り返ると、箱根山、愛鷹山から富士山、そして南アルプス、奥多摩、奥秩父、その向こうには八ヶ岳まで見ることができた。
これから登る大室山もどっしりとした山容で、いつも八王子方面から見ている尖った姿ではなく、その緩やかな稜線はそんなに登るのにきつくなさそうだ。
檜洞丸山頂へ至ると、ブナ等の木々が多く展望は遮られてしまった。
が、強い陽光が遮られた気持ちの良いその木陰でしばし昼寝を楽しむことができた。
檜洞丸から熊笹ノ峰経由まで戻り、犬越路まで進む。
その稜線は展望のいいやせ尾根、ちょっとした岩場、広々としたブナ林の尾根など変化に富んでいて楽しい。
稜線には、ところどころ今は盛りとミネザクラ(タカネザクラ)が咲き誇っている。
覚えたばかりの米津玄師の「Lemon」のテンポが山歩きにちょうど良く、口ずさみながら気分良く歩いていると、心配していた右足甲が全く痛くないことに気が付く。
犬越路までは西丹沢ビジターセンターからの往復の人も多く、そこそこの人で賑わっていたが、そこから大室山に登り始めると登山者は途端に少なくなる。
同じ時間に登ってきたのは、いかにも高校生の山岳部の訓練といった感じの生徒たちだけだった。
大室山でも山頂直前に見晴らしの良い場所があり、西に傾いた陽に照らされた吉田大沢がくっきりと分かる富士山が見える。
気温が高かったからか下の方には霞が出てきていて、箱根山や愛鷹山を含めてまるで島のように霞の上に浮かんでいる。
大室山山頂はブナが立ち並び展望は利かなかったが、これはこれで丹沢の深山らしい。
どっしりとした山容なので、丹沢の峰々が崩壊した大正関東地震の際も山崩れしなかったのかもしれない。
大室山から神ノ川ヒュッテへと下るコースは破線コースとなっているが、取り付き以外は思いのほかしっかりとしたトレースや標識があり分かりやすかった。
蛭ヶ岳と檜洞丸を正面に眺めた後、人工林の中に突入。
人工林の中は高度を下げるだけになるので面白味に欠けたが、最後に日影沢の美しい渓流に出た。
今シーズン最初は念願の丹沢山塊の大室山に行くことができ、檜洞丸を含め大展望を楽しめた。
そして珍しいコイワザクラやキクザキイチゲまで見られ、幸先の良いスタートを切ることができた。
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