立山室堂〜鬼岳〜獅子岳〜五色ヶ原〜鳶山〜越中沢岳〜スゴ乗越〜間山〜北薬師岳〜薬師岳〜北ノ俣岳〜飛越トンネル

- GPS
- 25:37
- 距離
- 37.3km
- 登り
- 2,784m
- 下り
- 3,803m
コースタイム
- 山行
- 7:34
- 休憩
- 2:04
- 合計
- 9:38
- 山行
- 7:26
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 9:06
- 山行
- 6:11
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 6:53
| 天候 | 晴れ(3日目午後曇り) |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
飛越トンネルから神岡濃飛バス営業所までタクシー(約12000円)、濃飛バスで富山駅まで(1360円) |
| コース状況/ 危険箇所等 |
・立山室堂-一ノ越 : シール。観光道路です。 ・一ノ越-2530m地点 : 滑走。緩んだザラメ。 ・2530m地点-龍王岳と鬼岳のコル-鬼岳の肩 : シール。問題なし。 ・鬼岳の肩-獅子岳手前のコル : 斜面をトラバース滑走。 ・獅子岳手前のコル-獅子岳 : シール。後半はシートラアイゼンで。 ・獅子岳-ザラ峠 : 夏道の左の谷部を快適滑走。急斜面ではあるが緩んでいれば問題なし。通過できなくても既に夏道で下降可能。 ・ザラ峠-鳶山 : シール。視界ない場合は方角注意。 ・鳶山-2358m : 右手に見える少ピーク手前のコルまで滑走可能、その後東側の際どいトラバースをシートラで突破。以後は夏道シートラと雪面滑走のミックス。 ・2358m-越中沢岳 : 途中雪切れでスキーを肩に担ぐところあり。概ねシール。 ・越中沢岳-2304mのコル : 夏道と残雪との間を行ったり来たりしながらシートラで下降。下部には二つの岩峰があり東側の雪面トラバースがかなり厳しそうだったので岩峰をクライミングとクライムダウンした。かなり危険であった。夏道の下りも兼用靴では時間がかかった。一日目の核心部分。結果的に時間切れで2304mで幕営になった。 ・2304m-2431m : 雪が固くシートラ。地図ではトラバースする夏道があるが見つけられずピークまで登り右折。結果的にGPSを見れば夏道通り。 ・2431m-最初の鞍部 : 雪が固くシートラで下降。緩んでいれば滑走可能。一部夏道を使った。 ・最初の鞍部-スゴ乗越小屋 : 最初のポコを超えてから滑走してスゴ乗越まで来たが、細かいアップダウンが多く消耗。登り返しはシールで。すべてシールが正解か。 ・スゴ乗越小屋-間山 : シール ・間山-北薬師岳 : 何回か雪切れと雪庇崩壊を避けるために夏道と行ったり来たりしてその度にシートラや肩に担いだ。概ねシール。 ・北薬師岳-薬師岳 : 下降は夏道が出ている部分はシートラ、雪があるところは僅かに滑走、岩峰を左に巻いた。 登り返しはシールで。反対方向に進むなら金作谷に滑り込んで北薬師に登り返すのが楽しくかつ簡便。 ・薬師岳-薬師峠 : 夏道が一部雪切れあり。そのままカール側に少し登り返して行けば雪は繋がっていたと思うが、右の斜面をトラバース気味に滑走して薬師岳山荘まで出た。以後は今回一の快適ザラメを味わって峠まで。 ・薬師峠-太郎平小屋 : シール ・太郎平小屋-北ノ俣岳 : シール ・北ノ俣岳分岐-寺地山手前のコル : 朝で雪面は固く滑走は慎重に。 ・寺地山の手前のコル-寺地山 : シートラ ・寺地山-1680m : 何とか雪をつなげて滑走、スキーでの歩きも多い。 ・1680m-飛越トンネル登山口 : シートラ。雪とヤブとドロのミックス。トレースが無いとルーファイは困難な部分あり。基本夏道通り。 |
| その他周辺情報 | 神岡町の濃飛バス営業所周囲には売店などなく自販機のみ。温泉も近くにはない。 |
| 予約できる山小屋 |
立山室堂山荘
|
写真
装備
| 個人装備 |
最小限の登攀下降用道具
シュラフ
マット
火器
食器
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
日よけ帽子
毛帽子
着替え
ブーツ
ザック
ビーコン
スコップ
ゾンデ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
ガムテープ
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ビンディング
スキー板
シール
|
|---|---|
| 共同装備 |
テント
テント内シート
ロープ30m1本
機器充電用大型バッテリー
|
感想
富山に住んで山スキーをやっているからには一度はやって見たい長大ツアールート、通称日本オートルートは立山室堂と新穂高温泉あるいは上高地を結ぶ。どちらかの全行程をやるには大体短くても正味4日、予備日入れて5,6日の計画で行くのが順当の様だ。今回僕の連続休日は3日間、シンモンさんも同じだった。室堂〜新穂高を3日間でやった人もいるじゃないか、では挑戦してみようか、となった。天候・体力・技術・ルート状況に恵まれなければできないだろう。叶わなければ中途の飛越新道に下りればいいということで。
結果案の定叶わずだったが、これで実力通りと思う。先ずは初日に室堂からどこまで行けるか、一ノ越、雄山谷、鬼岳、獅子岳と進んで五色ヶ原までは意気揚々、鳶山登りまではシールで快調に進めたが、その先の下りでシートラ夏道になったり滑走に戻ったりで手間かかるなと感じていた。越中沢岳に着いて、午後4時を回っているので遅れ感はあったが、眼下に見えるスゴ乗越までは行けるのだろうと思った。ところがその下りがその日一番の難所で、一旦下り切ったスゴノ頭の手前のコルで時間切れ、幕営とした。
2日目は挽回のため早く出発すべきところが寝坊して6時を過ぎてからになった。シンモンさんは目覚ましを消してしまったと述べているが、僕は普通テン泊では2時位には目が覚めていて、満を持して3時には這い出すものだったが、それがなかった。それだけ疲れていたということだろう。北薬師岳への長い登りも遅れを取り戻すペースには出来ず、正午を過ぎても薬師岳への稜線で手間取って、黒部五郎へはその日には行きつけないことが明白になった。薬師岳からは楽しんでじっくりと滑り降り、それでも北ノ俣岳位までは行こうと思っていたが、太郎小屋にチカウさん達が来ていると判り、じゃそこに泊まろうと、宴会に合流して撃沈したのだった。
想定通りに進められなかったことについて、新穂まで3日間で走破した昨年のjustice55さん達の記録と比べてみた。室堂出発は10分遅れ位で、その時間差のままでザラ峠までは来ていた。五色ヶ原、鳶山へと登る所で遅れ始め、鳶山の下りでシートラに換装、夏道を歩いた分余計にかかっている。越中沢岳からの下りでは彼らが標高差100mほど滑り降りているが、僕らはその半分、その後の岩場下りでかかっている。この越中沢岳の下りで決定的に遅れたように現場では感じていたが、それだけだと30分位のもので、それまでの登りを含めて全体で2時間ほど遅くなった。例年より残雪が少ないというコース要因も多少あるにはあるが、技術的に問題ない登り区間での遅れの方が効いていて、それも一日の後半で生じているので、テン泊装備でペースを保つ体力がなかったのだと言うことになる。2日目もそうで、スゴ乗越小屋通過時点で2時間の送れが北薬師岳で3時間になり、薬師岳で3時間半となった。北薬師以降はもう先を急ぐのを諦めているからだが。
この次同じ予定コースを行くのなら、5日以上の日程を確保して臨みたい。また3日位しかなければ、飛越新道から入って未踏の後半をやるかな。
Nishidenさんと3日間の休日が合い、なおかつ三日間とも好天が予想されたので、オートルートにチャレンジしてきた。
結果的には半分ほどで断念となった。
記録を見直してみると、GW混雑でスタートが見込みより30分ほど遅くなった。鳶山の下降・越中沢岳の登行に意外に時間を要している。下降できわどいシートラトラバースがあったからか。1枌翅岳からの下降はわずか500mほどの水平距離に1時間半を要している。岩峰部分をスキーで巻けなかったこと、雪・石ミックスの夏道の下降が兼用靴では時間がかかったことが原因か。しかしここを早朝に超えるのは更に危険であり一日目で超えることができてよかった。後続のパーティーは翌朝に越中沢岳のピークに立っているのを見たが、その後は一度も見ることはなかった。超えられたとしてもかなり時間を要したことだろう。て麁目の行動開始が遅い。これは私の責任。目覚ましを消してしまった。テ麁目の稜線歩きは雪のついていない夏道と稜線上の残雪との間の行ったり来たりが多く、その度にモードチェンジ(シール登行←→シートラ)し時間を浪費した。ゴーロ帯の夏道は兼用靴では歩きにくい。夏道がすべて雪で覆われていればもっと効率的に抜けられたであろう。
スキー山行のいいところは細かい稜線のポコを巻くことにあると思うが、今回のように急峻かつ雪庇が発達している側のみ雪が残って、緩やかな反対斜面(およそ夏道)の雪がなくなっていては機動性に物を言わせることができない。小雪を恨んでもしょうがないが。
二日目にもう少しプッシュして北ノ俣岳や中俣乗越まで行くことも考えたが、翌早朝の黒部五郎岳のカール滑走は厳しいだろうという判断で太郎平小屋で留めた。その時点で翌日の南進は諦めて飛越トンネル下山が決まった。
太郎平小屋では高岡カラコラムクラブの面々と薬師岳山スキーに来ていたチカさんと合流。個人的には仕事の大先輩S氏もいらっしゃったし、有名な会長さん、T氏も同席していたので、ありがたくお呼ばれし珍味とアルコールに舌鼓を打った。
その中の会話はとても刺激的であった。到着が遅れたお陰で(予定通りなら神岡新道分岐あたりですれ違ったであろうか)新たな出会いがあった。山行を完遂できなかった悔しさはあるものの、これも何かの縁と紛らわすようにアルコールにまみれてその日は小屋に泊まった。
翌日はもはや消化試合。ゆっくり食べてゆっくり準備して出発した。出掛けに会長さんからたくさん声掛けを頂いた。こちらも一期一会にお礼を申し上げた。
北ノ俣岳では景色を堪能した。また再訪します。
不思議と昨日のアルコールは全く体に残っていなかった。日本酒ばかりだったのに! いい酒席だったということか。
神岡新道から入って今回踏むことができなかった残りのルートを完遂することは比較的容易だと思うが、室堂からのすべてのルートをまたチャレンジすることがあるだろうか? (三泊は必要だが)
どうせなら6泊くらいかけて上高地下山か?
四日で完遂するにしてもきっと天候の崩れる日もあるだろうし、そこでまた何かを試されるのだろう。まだまだ自分の身の丈には合わない山行ということなのかもしれない。
Nishidenさんとこの好天ならもしかしたら…と3日間での通過を願ったが今回は断念。
しばらくは重い荷物は背負いたくない気分です(笑
Nishidenさん、同行ありがとうございました。
Nishiden
しんもん



















ニシデンさん、シンモンさん、お疲れさまでした。
お二人の力量をもってすれば、
もし、もうちょっと雪が付いていて、
微妙な場所での誘惑に打ち勝っていたら、
完走できていたものと推察します。
ですから、今回の敗因は、
寡雪と誘惑の世界でしょう!
なにはともあれ、
テント泊フル装備の山スキーでのオートルート挑戦、
あっぱれだと思いました。
クマ
kuma-sanこんばんは!
コメントありがとうございます。
いろんな条件を引き当てるのも実力のうちとも思い、雪の状況にどうこう言ってはいけないと実は反省してます。
さらにチカさんと出会うだろうなぁ、S先輩もいるだろうなぁ、そうしたらきっと酒だなぁってのは山行前からあって、それを言い訳にしてしまうのではないかと思いながら山行に入り、
そしてしっかり飲んでしまいました
まだまだ心が弱いです
しかしとても良い天気に恵まれて本当に楽しかったです。
また形を変えて、こんなテン泊山行をしてみたいですね!
富山から東京に移動している間にいっぱいコメントがついてましたね。
クマさんの励ましありがとうございます。
3日間での期限内での第一の高い目標には達しませんでしたが、想定した次の段階には行ったとして敗退とは考えないことにします。
ニシデンさんシンモンさんこんばんは!
ロングで濃い山行お疲れさまでした
写真28のトラバースですが、見た目50度くらいの斜度ですね。雪の固さにもよりますがこの斜度でスリップすると制動停止するのはかなり難しく、ましてや朝の固い雪ならぶつかるまで止まることはないでしょうから、コメントに書かれている通りロープ出して確保するのが正解だと思います。できれば空身ではなくザックを持って背中を保護したいところです・・・というのが先日御前峰からの斜面で転倒してスリップした経験から守りに入ったモードでの感想です(汗)
それがなければ私の場合はシール剥がしたスキーで突っ込んでいたことでしょう(大汗)
それはともかく、きっと達成感はハンパないでしょうね。羨ましい限りです!
momochannこんばんは!
写真28の場面では雪はもう「ぐずぐず」で崩れそうな状況でした。きちっと蹴り込めば大丈夫でした。
が、やっぱり怖くて一か八かではロープだしても良いのかなぁとも思ったということです。
しかし向うにたどり着いた私が、何の支点もない雪面で確保するにはピッケル刺して肩絡みってことになるのでしょうが、したことありません
確保できる自信ないです。
雪訓(この響きなぜか好きです)必要なんでしょうね!
モモちゃんどうもです。
確かに大変な雪壁のトラバースで、シンモンさんは「偵察します」と率先して突っ込んで行っちゃいましたから、先行トレースで足場はしっかりしてるかなと見てました。
雪ルートのロープ確保の訓練はしておいて、躊躇なく使えるようにした方が良いですね。
お疲れ様でした。
写真と文章を交互に拝見しながら読み進めました。
日本オートルートの壮大さ、過酷さ、そして風景の素晴らしさ。
気力、体力、知力が優ってないと踏破出来ないことでしょう。
今年の雪の少なさに想定外の展開もあったことでしょうけど、
自分もそのシーンの中にいることを想像しながら
写真の風景に魅入ってしまいました。
テントを担いでこそ、本当の山スキーの醍醐味ですね。
近いうちに私もなし得て見たいもんです。
tekapoさん こんばんは!
結局テン泊は1泊のみでしたが、貴重な体験でした。
天候が許すなら、日帰りにこだわらずもっと出かけてみたいなと思いました。
来年はぜひtekapoさんも!
テカポさん、
テント山行の醍醐味は確かですが、今回僕は荷物重量増でのペースダウンが思った以上でした。歩荷訓練しといた方が良いとも思いましたが、もっと余裕持った日程が組めれば、テカポさんとでも楽しく踏破できると思います。
テカポさん、
テント山行の醍醐味は確かですが、今回僕は荷物重量増でのペースダウンが思った以上でした。歩荷訓練しといた方が良いとも思いましたが、もっと余裕持った日程が組めれば、テカポさんとでも楽しく踏破できると思います。
ニシデンさん、シンモンさん、
室堂から飛越新道下山まであのアップダウンを
テンパク装備で走破したって
ボクにはできないと思います。
お疲れさまでした。ナイスチャレンジに拍手!
P.S. でも、あの絶妙のタイミングで会うって、やっぱ呑めってことでしょう。
チカさん、こんばんは!
いえいえチカさんも休みが合ってたら行ったでしょうし、同じように歩いたでしょうし、
二人では出てこなかった更に良い選択肢を産み出してくれたと思いますよ。
> P.S. でも、あの絶妙のタイミングで会うって、やっぱ呑めってことでしょう。
もっちろん!
そういう偶然には逆らわないように生きてます
Nishidenさんが薬師峠でLINEを開いて「チカさんが太郎平小屋にいるってー」と言った時は頭の中にビールしか思いつきませんでしたわ
本当にご馳走様でしたm(__)m
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