快晴の鳳凰三山、でも最終バスに乗り遅れ・・


- GPS
- 12:00
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 2,009m
- 下り
- 1,853m
コースタイム
空を見上げると満天の星空で雲ひとつありません。まだ、夜明け前の中ヘッドランプを頼りに歩きますが、それほどの勾配もなく危険個所もありませんので問題ありませんでした。少し高度を上げると、街の灯りがダイヤモンドのように輝いています。
5:30夜叉神峠
少し、明るくなってきましたが白根3山は暗くてぼんやりです。北岳と間ノ岳の稜線上に力強く輝いている明るい星が2つ。金星と水星なのでしょうか。
ここからは、もうヘッドランプなしでも歩けました。初めは笹の小道を下り、大石と木の根が混在する急な坂を登ると右側には街と背後には稜線です。次第に稜線上がオレンジ色に染まっています。途中、富士山を見ながら日の出を観賞し、シラビソ、コメツガ、ダケカンバの生い茂るなだらかな登り坂を歩きます。ちなみに
シラビソ は、幹に横の縞模様が、コメツガは、幹の皮が縦に割れているそうです。
6:40杖立峠
再びシラビソ、コメツガ、ダケカンバの生い茂るなだらかな登り坂となります。時より左側の木々の間からは白根3山が見えています。下の方はかなり紅葉が進んでいるようです。
7:25焼け跡
空は快晴です。正面には白根3山がバッチリ見えます。風もありません。稜線に出てから期待出来そうです。ここからは小石の混じる結構な急登から、樹林帯へ突入します。
8:10苺平
苺平に着くと、先行者の方が休憩中でした。ここから我々は辻山へ向かうことに。
メインの登山道ではないだけに踏み跡と赤テープが頼りのような心細い場所も若干あります。水準点の頂上は林の中で何も見えません。
8:30辻山8:45
頂上から、案内板に従って南側に進むと、突然、全く木がなくなり視界が広がります。正面には北岳から続く南アルプスの稜線、右側にはこれから登る砂払岳、観音岳、左側には雲海に浮ぶ富士山がドーンと見えます。絶景ですね。
ここから、来た道を戻り、近道と書いてある案内板に従い下りて行くとメインの登山道に合流します。いつもの北八ヶ岳のような苔蒸した林の中を歩くと南御室小屋が見えてきます。
9:20南御室小屋9:30
南御室小屋で、南アルプス天然水を給水し、おにぎりを食べて小休憩の後に出発。小屋横のヤナギランは当然枯れていました。今年は咲いている時に来ることは出来ませんでした。来年は美しい花を見たいと思いながら。小屋裏からの急坂を登ります。出足の急坂を越えればシラビソの樹林帯の中を歩きます。所々の木の間から砂払の白い花崗岩が見えて力が湧いてきます。
10:20砂払岳
樹林帯、最後の登りを越えると白い砂浜が目前に見え、花崗岩の大石と360度の大展望です。空はもちろん快晴で風もありません。最高の鳳凰山日和です。先行者の方々も景色を堪能されていました。
10:45薬師岳10:55
大岩を下り、薬師小屋からひと登りで薬師岳です。頂上までの砂の登りは蟻地獄のようですが、山頂の景色を早く見たいという気持ちで足にも力が入ります。
山頂は絶景です。南アルプス、富士山、八ヶ岳、浅間山、金峰山、そして富士山と見ているだけで言葉が出ませでした。
観音岳までは白い砂礫の稜線歩きです。北側はハイマツ帯で雷鳥君がいるかもと思いながら歩きます。
11:20観音岳
山頂は大岩が積み重なっています。中段部分に山頂の木碑があり、上段まで登るとまたまた360度の大パノラマです。薬師岳からは見えなかった地蔵岳のオベリスクや甲斐駒ケ岳の雄姿も見えて来ました。
12:30地蔵岳
観音岳から地蔵岳までは2つほどピークを越える登り下りがあり、かなり堪えます。ガレた下りもあるので注意が必要です。
13:20高嶺
この縦走コースの最後の登りです。ハイマツ帯の中の急登を越えると、高嶺山頂となります。この山頂も当然ながら360度の大絶景。時間的に南アルプス側は逆光となってきましたが、北アルプス方向までバッチリ見えます。ここから白鳳峠までの下りが一番の危険個所かもしれません。絶壁の岩場の下りや小石の混じるザレた急坂、そして浮石のゴーロ帯と続きます。
14:15白鳳峠
樹林に囲まれた峠から一気に下ります。樹林を抜けると北岳を正面に見ながら、浮石が混じる大ゴーロ帯を注意しながら下ります。ここを抜けると再び樹林帯になります。足元の悪い急坂や鉄はしご、鎖場がこれでもかと続きます。
16:35広河原
天候 | 快晴そして微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス | 中央高速道路、甲府昭和インターチェンジから南アルプス林道、夜叉神峠までマイカーで。駐車場は金曜の早朝なのでガラガラだと思いましたが、10台弱駐車中でした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
白鳳峠から、広河原までの登山道はかなり荒れておりました。 |
写真
感想
今日は、今年の5月以来の鳳凰山へ登りました。思えば、初めてこの山に登ってから、何故か何度でも登りたいと思わせる何かが、この山にはあります。薬師岳・観音岳・地蔵岳。どれも、隣の甲斐駒ケ岳と同じく、花崗岩で覆われ、そのために稜線は明るく、真っ白な砂、独特な形の岩。そこに青い空と来れば、都会に住む私にとっては別世界です。そして、その魅力的な稜線に至るまでの長く厳しい登山道も私を惹きつける何かなのかも知れません。
新しい山行のグッツとして、ダブルストックを初めて使用し、また新しい隊員1名との登山です。天気は事前の予報どおり晴天で、しかも風もないという絶好のコンディションに恵まれました。今までの中で最高の天気だったですね。
夜叉神峠登山口駐車場に着いたのが、4時ちょっと過ぎで、支度をして4時半にはスタートしました。満天の星空の中、ヘッドランプを点けて歩きます。夜叉神峠に着くと、白根3山がまだ暗闇の中にボンヤリ見えています。月は出ていないのですが稜線上に金星と水星が明るく輝いています。歩くにつれて次第に、東の空がオレンジ色に染まり、太陽が登り、雲海に浮かぶ富士山も見えて、杖立峠、焼け跡、苺平、南御室小屋と順調に進んで行きました。
砂払岳の稜線に出る少し前から、新しい隊員1名が少し遅れ気味になってきました。私自身も、かなり抑えて歩いていたのですが、さらに彼に合わせてさらにゆっくり歩きます。稜線に出てからは、ついて来れていたので大丈夫だろうと、今考えれば安易に楽観視していました。観音岳で写真を撮り、しばらく休憩したあとに、いくつかのピ-クを越えてアカヌケ沢の頭へと進み、地蔵岳まで来たところで、新しい隊員が少しグロッキー気味に。ここで戻るか進むか考えましたが、この地蔵岳から戻るよりは、広河原まで進む方が楽だろうと判断して、彼を励ましながら何とか高嶺まで。ここからは下るだけだと勇気づけて下山します。しかし、今度は下りに入り、足のつま先が登山靴の先にあたり痛みの始めたようで、さらにスピードダウンし始めました。聞けば、購入したばかりのオニューで今日初めて履いて歩くとのこと。何とか、白鳳峠に着いたのが14時15分で、最終バスは16時10分です。かなり危険な状況であると思いました。ここで最終手段として、彼の靴のサイズは25.5で私の物は27なので、靴を履き換えて再び歩き始めました。多少の効果はあったようで、若干スピードが上がりましたが、つま先以上に足全体にも疲労がきているようなので、これ以上急がせて、さらに重大な事故を起こしてはいけないと思い、ここで最終バスは諦めて、新しい隊員君には、何とかなると、励ましながらゆっくりと広河原まで何とか下りてきました。
長い樹林帯の中を下りながら、以後の策として、とりあえず広河原のインフォメーションセンタ-まで行き、乗合タクシーが残っていないか、若しくは戻って来てもらえないかを確認して、ダメならばFutaroさんのレコを思い出して確か3時間ほどで歩けるはずなので、林道を夜叉神峠まで歩こうと考えていました。林道の舗装路が見えた時に1台の工事用車両が広河原方向へ走り去って行くのを見て、ひょっとしたら、まだ工事の方が帰る車が来るかも知れない。それならばヒッチハイクをすれば乗せてもらえるかもと思い、幸運にもそのとおりに。
軽トラの荷台でしたが、この距離を歩くことを思えば大ラッキーでした。何度も荷台の上でバンウンドしながら、冷たい風にさらされても、きれいな夕焼けと紅葉を見ながら、今日の登山のゴールに向かい、妙な充実感を感じていると、突然、トンネル通過時に天井から冷たい水滴が落下してきて、登山は甘くはないぞと山の神からの洗礼?を浴びて大反省です。
本日の山行の成果として、ダブルストックは最高でした。何故に今まで使わなかったのだろうと思うくらい効果がありました。特に下りが楽でしたね。
帰りの車内では、笑い話になりましたが、ひとつ間違えば大事故に繋がりかねない事案なので、今後の教訓にしたいと思います。
南御室小屋〜観音岳あたりまで一緒だった者です。
私たちは15時すぎに広河原へ降り最終バスに間に合いましたが、お姿が見えなかったので鳳凰小屋にでも泊まられたんだろうと思っていました。
我々もバスに間に合うかヒヤヒヤしていたので、砂払への登りのペースを鑑みると間に合うのかなぁ・・・と心配していたんです。
けど無事ヒッチハイクできて良かったですね。ある意味貴重な体験だったのではないでしょうか。
それとBDのストック、あのウルトラディスタンスは多少長さ調節ができるので私も気になっていた商品で、途中で感想を聞いてみないなと思っていました。
使い勝手が良さそうですね。
PS ガマの石ですが、確か標識があったように思いました(ちょっと振り返らなければ見えない場所にありました)。
sssさん
いやぁ〜、大変なというか貴重な経験されましたね。
僕もこのような経験した事あります。街にいると決して味わう事のない経験。
とにかく、無事に下山されて良かったです!
BIMOTAさん、コメントありがとうございます。
薬師岳の山頂で、最終バスの時間を聞かれた方でしょうか?
この日は天候に恵まれて、最高の山行でしたね。
私は今回、Wストックデビュー戦だったのですが、効果絶大でした。私が使用したのは、Distance FL / 95-110僂箸いΕ檗璽襪如△泙此軽くて、長さも3段階で調節できて、私の好みの長さで使用できます。特に、私が苦手な下りがとても楽でしたね。広河原まで下りて来た際も、まだ20キロくらいは歩けそうな感じ?でした。
yamacatsさん、コメントありがとうございます。
そうですね。本当に無事に下山できて良かったと思います。
正直なところ、間に合わなかったらどうしようと不安にもなりましたが、途中からは開き直り、これ以上急いで転倒でもして、大けがをしないようにと下りて来ました。人の優しさにも触れることができて、有意義な山行となりました。
素晴らしい山行ですねエ〜。
大拍手〜。
青空の写真も素晴らしい〜。
yamaharu8さん、こんばんは。
この稜線を歩くと、ほとんど同じような写真を数多く撮影してしまいます。写真を撮影する場所も、ほとんど同じに。
でも、何度でも歩きたくなり、また同じ写真を撮影したくなってしまう不思議な山です。
SSSさん、はじめまして。
同じ日に同じコースを行っていたzucchiといいます。
BIMOTAさんと途中から一緒に行動させていただいていましたが、南御室小屋から砂払あたりでご一緒だったと記憶しています(うろ覚えですがピンクのバンダナを巻かれていらっしゃらなかったでしょうか・・間違っていたらすみません)。
時間的には私たちも余裕があったわけではなく、他に同じコースで下りられる予定の方がいらっしゃると聞いていたので気になっていましたが、無事戻られていらっしゃったのでよかったです。
話は変わりますが、写真もきれいに撮られていて、同じコースを同じ日に回っているのに、自分の写真と比べても全く違う上、コメントもわかりやすくまとめられているので参考になりました
今度記録を書くときの参考にさせていただこうと思います。お疲れ様でした!
zucchi
zucchiさん、コメントありがとうございます。
ご心配をおかけしました。この日は天気も良くて最高の山行だと思いながら歩いていたのですが、最後に思わぬ落とし穴?が待っておりました。油断大敵ですね。
また、どこかでご一緒しましたら、よろしくお願いいたします。
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