【蓼科】膝痛コンビでリハビリ登山。短距離でも思い出深い登山となりました。
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.8km
- 登り
- 629m
- 下り
- 623m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
高崎駅⇔登山口 【自動車】 |
コース状況/ 危険箇所等 |
▼将軍平の少し手前辺りから残雪ゾーンと言った感じでした。 ▼将軍平から山頂直下の急登・急降下はスリルがありました。中にはアイゼンなしで挑戦していた人もいましたが、アイゼンは絶対にあった方がいいです。 |
その他周辺情報 | 【たてしなの郷・権現の湯】入浴料400円と安く、浴室も広く、浅間が良く見え眺望も良いいい温泉でした。 |
写真
感想
▼先週の奥武蔵での縦走で再度膝痛を発症した私。今週の山はどうしようかと考えていた。多分一回お休みがいいんだろうなと漠然と思っていました。一方、A隊長も四月の奥秩父七峰縦走で膝を痛めてから結構深刻な膝痛に悩まされることに。
▼そんなA隊長が週末に山行を実施すると言う。白毛門に行きませんかというお誘い有り。もの凄い急登ですが距離は短い。だから膝も大丈夫なのではないかと考え、同行させていただくことにしました。高崎駅西口に7時に集合。
▼今度はサポーターを忘れずに最初から装着して最寄駅を始発電車で出発、高崎駅西口に7時少し前に到着。なんか駅前が綺麗に区画整理されていた。その綺麗に区画整理された一画にA隊長の車が止まっているのを確認。近づいていくと運転席のA隊長、なにやらスマホとにらめっこ。A隊長『今朝出がけに谷川を見たら雲が多かった。小持山も見えなかったので、眺望はきっと良くない。白毛門からも谷川岳も良く見えないだろう。アイゼン持ってきた?持ってきているなら蓼科に行き先を変更しよう。あっちの方はまだ天気が良いみたいだから北アルプスの山々みえるのではないか。七合目まで車で登れば往復で4時間くらいの行程だから。(膝にはそんなに深刻なダメージはないだろう)』私『了解しました』
▼という訳で行き先が白毛門から蓼科に急きょ変更になった。蓼科って確かそんなに難しくない山だったなと考えていると、A隊長『最後の急登部分は多分まだ雪が残っているからそこだけ少し注意を要する』と言っているのを聞き逃さない私。多分下りが大変なんだろうなと登る前から早くも下りを心配し始める生まれながらのチキン気質の私。
▼碓氷峠を過ぎた辺りから、北アルプスの山々が目に飛び込んでくる。A隊長『これなら頂上からも色々山が見えるな』思惑通りの様です。そのうち蓼科山も見えてくる。私『思ったより雪少ないのでは?』A隊長『あの残雪の部分を登って行く』私『・・・(下り大丈夫かしら)』
▼なんだかんだ言っているうちに七合目登山口に到着。車で随分上まで登ってきた感じがする。これなら確かに山行距離は短いだろう。兎に角膝と十分会話しながら慎重に登って行こうと登山口で決意した。
▼A隊長も膝の具合を探っているのでしょう。いつもの登山隊とは全く違う非常にゆっくりとしたスピードで登って行く。歩幅を出来るだけ小さく、段差の小さいところを選んでゆっくりと登って行く。こうした気配りが良かったのか、距離が短かったからか、サポーターの効果もあったからか、何が決め手だったかは分からないが結論から言うとこの山行中深刻な膝痛は起こらなかった。この辺が今後膝痛と付き合っていく為のキーワードなのかもしれない。一方、A隊長は左膝に少しだけ痛みが出たみたいですが。
▼段々傾斜が急になり、残雪も現れ始める。徐々に緊張感が増してきました。将軍平でアイゼンを装着。いよいよ雪道の急登が始まりました。思っていたより急です。途中スイスイと登って行く女性もいましたが、自分のペースを乱さない様、滑落しないように集中します。ですので写真を撮影できるほど精神的な余裕はありませんでした。本当は一番急な部分の写真を撮影したかったのですが、修行が足りませんね。ちょっとした難所で写真を撮れるか否か。これはその難所に対する自分の実力を測る結構正確な尺度ではないかと思います。即ち、写真を撮影できる場合は精神的にも余裕があり、その難所に対し十二分に対処できるだけの実力ある。今回私は、あの急登急降下に対して十二分に対応できる実力は持ち合せていなかったというのは間違いないだろう。
▼まあ、なんとか頂上に到着。広い広い、しかし全面を岩に覆われた頂上でした。360度のパノラマ。写真を撮りまくっていることからも私の精神が高揚しているのがお分かり頂けると思います。苗場山山頂の時の感動に少し似ていた。玉に傷なのは、大きな岩がゴロゴロしているので移動に手間が掛るり意外に大変なことです。しかしそれが段々良く感じるようになってくる。なんかやっぱり不思議で魅力的な山です。
▼ある程度の高度があり360度のパノラマなんて中々ないチャンスです。山座同定を存分に楽しみました。現地ですぐ確認できた100名山は、浅間、両神、八ヶ岳、御嶽山、穂高連峰、槍ヶ岳の六座、A隊長に教えてもらいながら確定できたのは、四阿山、金峰山、日光白根、赤城山、乗鞍岳、火打山、妙高山、上州武尊、鳳凰三山の九座、現地でPeakFinderで確認した南アルプスの山々、北岳、間ノ岳、甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳、塩見岳、悪沢岳の六座、家に帰ってからPeakFinderで確認した中央・北アルプスの山々、白馬岳、五竜岳、鹿島槍岳、常念岳、空木岳、木曽駒ケ岳の六座、その他見えていた、或いは可能性があった百名山が、谷川岳、至仏山、美ヶ原、苗場山、剱岳、立山、水晶岳、雨飾山、高妻山の九座、計36座です。意外なことに富士山は八ヶ岳に隠れて蓼科山からは見えない模様。それでも三割以上の100名山が見える山というのも中々無いでしょうね。
▼と言うわけで、一番百名山が多くみられる山頂はどこだと気になって調べて見た。やっぱり富士山だって。意外性がなく面白くなかった。そして50座以上見える山、こんなにあるのね。、蓼科山より先先週行った至仏山の方が百名山沢山見えるみたいだし。調べてみないと分からないことって多いな。http://walstone.sub.jp/data/m100.html
▼さて、一時間弱ほど山頂に滞在後、いよいよ今回のメインイベント急斜面雪道の下りが始まります。慎重に慎重に下りて行きました。急斜面を撮影する再チャンスだったのですが、当然そんな精神的な余裕はありません。少し前を進んでいる女性が滑落したのが見えました。幸い大事には至らなかったのですが、その少し前に私も尻もちをついて滑落しかけたのでより緊張感が増しました。下りが得意なA隊長がスイスイ下って行くのが見えます。『いいなあ、もうあんなところまで下りていて。イカンイカン、自分の事に集中。足元がおぼつかないことに恐怖心を感じるのなら、他人の作ったステップに頼らずに、自分で一歩ごとに踵を強く雪に落としてステップを切って行こう。効率が悪くても焦らず、足元を安定させることを優先しよう。時間が掛るけどこれが一番自分に合っている』
▼踵を雪に強く叩きつける作業は膝に悪影響が出るかもと思ったけど、そんなこと気にしていられません。『兎に角将軍平まで下りれたら、その後は少々膝が痛んでも下山は出来る筈。ゆっくりとでいい。確実に、確実に。隊長、もう将軍平まで下りているだろうな。私が下りて来ないから心配しているだろうな。でも申し訳ないけど時間掛けさせていただきます。』
▼これだけ気をつけていたけど、一度だけ足を滑らせ尻もちをつき、そのまま数メートル滑落した。でもあまり焦りはなかった。滑り落ちていく先に岩があったが、スピードはそんなに出ていなかったので、岩を足で受け止めることで滑落を中断出来た。『寧ろ楽に高度を下げられてラッキー』と思ったくらい。先々週に至仏山でシリセード橇をやっていた経験が生き、冷静さを保てたと思う。
▼後続の人に続々と抜かれながらも、なんとか無事将軍平まで下りてきました。多分標準時間の2倍の時間が掛ったと思う。先に将軍平に着いたA隊長、いつまでたっても私が下りて来ないので、心配して再度登って来てくれました。A隊長『あまりにも遅いから、下りてくる人に途中で滑落して動けなくなっている奴いないかと何度か聞きましたよ。或いは忘れ物でもして山頂までひきかえしているのかと』ご心配おかけしました。
▼残雪期の蓼科山直下急斜面は、決して難易度の低いルートではないと思います。途中半ベソかきながら登ってくる女性、その女性を献身的にサポートしているせいか、自分も何度も足を滑らせていてあまり安定感がない初老の男性、連れに将軍平までという約束を破られ急斜面を登らざるを得なくなったが、やはり途中で怖くなりこのまま登山を継続するか中断するか迷ってしまい立ち往生している女性(下山中に少し会話した)と、この急斜面に大苦戦している方も少なからずいました。一方鼻歌交じりで滑る様に下りて行く人もいましたけど。あんな急斜面でグリセードチックなことできる人も世の中にはいるんですね。
▼今回使用したアイゼンは六本歯の軽アイゼンです。踵に歯がない分どうしてもステップを切った後の安定性に絶対の信頼を置けなかった事が、下りに異常に時間を要した最大の原因だったと思います。10本歯以上のアイゼンの存在意義、身を以って体験いたしました。
▼かなり怖い思いもしましたが、良い経験をさせていただいたと思います。時間は掛りましたが、寧ろ敢えて時間を掛けることを方針としてパニックにならずに自分自身で難関に冷静に対応できたことは、今後の人生でも大きな糧となるのではないでしょうか(少し大げさ過ぎか?)いつも貴重な体験をさせてもらうA隊長には本当に感謝いたします。
▼下山後も興奮していたのでしょうね。入浴後、17時半頃高崎に帰還。いつもの焼肉屋で反省会。焼酎大瓶1本と小瓶1本、いつも4人くらいで飲む量を2人で飲んだことも手伝い、いつもかなり長くA隊長と話し込んでしまった。
▼長居をした影響で、20時頃に発生した高崎線線路内に投げ込まれた自転車と電車の接触事故に巻き込まれる。大幅な遅延が発生した為、自宅に帰った時には日付が変わっていたというオマケまでつきました。兎に角最後まで色々あった思い出深い一日でした。
コメント
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こんばんわ
レコにコメント頂き有難うございます。
ご覧頂いたのでご承知かとは思いますが、山頂から将軍平までの雪の斜面で滑落しかけたのは私の妻です
幸い周りを巻き込んだり、爪で誰かを怪我させたりしなかったうえ、妻も無傷でしたので不幸中の幸いでした
今度の冬には雪山講習に参加して、歩き方や滑落停止動作等を学ばなければいけないと帰宅後に話していました
これから本格的な山のシーズンですよね
お互いに無理のない計画で安全に山を楽しみましょう♪
air_4224さん、こんばんは。ご丁寧にコメント頂きましてありがとうございます。レコではたまにお邪魔したりしていましたが、まさか蓼科で実際に遭遇することになるとは思いませんでした。世の中やっぱり狭いのでしょうね。こういったネット社会の発達が更に世間を狭くしているのかもしれません。
さて、今回は奥さま、色々大変だったみたいですが大きな怪我も無く無事ご帰還できて何よりでした。私も今回少しだけ滑落しましたし、いくら慎重に下ったとはいえ、あの時間のかかり方はやはり異常なので、一回プロの方から基本動作を学んだ方が良いのでしょうね。
また近いうちにどこかの山でお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございました。
始めまして。私、A隊長さんと以前親しくしていただいた者です。Aさんと皆さんが登山されているのを時々レコで拝見しています。よろしくお伝えください。
mkyagi さん、コメントありがとうございます。A隊長は仕事も山も全力という人です。私もいつもお世話になっていて、感謝の言葉もありません。隊長、この頃少し膝を痛めてしまったみたいですが、それも登山スタイルが全力投球というか、プロレスで言うストロングスタイルというか、相手の技を全部受け切った上で倒すというか、そんな方針を継続した結果かもしれません。隊長にはお伝えしておきますね
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