飯盛山ー横尾山ー小川山縦走
- GPS
- 29:40
- 距離
- 48.4km
- 登り
- 2,384m
- 下り
- 2,516m
コースタイム
2日目:カヤトの原(4:30)-信州峠(5:05)-小川山林道口(5:55)-瑞牆山荘(6:35-6:40)-富士見平小屋(7:10-7:15)-八丁平(8:05)-小川山(9:25-9:35)-展望台(10:40-10:45)-金峰山荘(11:20)-川端毛(12:05)-信濃川上駅(14:50)
天候 | 1日目:晴れ時々曇り 2日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:JR信濃川上 |
感想
清里駅から飯盛山、横尾山と縦走する計画は前々から立てていたのだが、途中のヤブが怖くて、夏場に行く勇気が出なかった。秋になって、ようやく実行に移すことができた。
この縦走は、日帰りでは難しいので、同じく日帰りが困難な小川山と合わせて、テント泊の縦走とした。
---1日目 ---
清里駅に9:15に到着。私の家から電車のみで清里駅に行くと、一番早い電車でも、10:20になってしまう。その1時間も前に到着できた理由は、JR長坂駅から出ている清里行きバス(北杜市民バス)のおかげだ。この情報は、cellistさんの山行記録で拝見して知った。
閑散とした清里駅から東に向かう。今日は、夏日という予報だったが、それほど暑くなく快適だ。
登山口から飯盛山に向かう道は、登山地図に書かれた道が見つけられず、林道のような太い道を進む。
平沢牧場の辺りで、登山地図の道と合流する。
この先に飯盛山が見えるが、まさに名前の通りの形をしている。山頂付近に木がなく、人が大勢いるのが見えた。
山頂まですぐに到着。20人以上の人で溢れている。小さい子供もいる。どうやら平沢峠に車を止めて、そこから来る人が多いようだ。
今日は雲があるが、ガスがないので、展望が効く。山頂からは、甲斐駒や八ヶ岳、富士山、金峰山などが一望できた。中でも赤岳が巨大に見える。
今日のコースは、道が分かり辛いとのことで心配だが、ここから三ツ沢の頭、木賊ノ頭、横尾山が見えたので、少し安心した。ガスが濃かったら、先が不安になるところだ。
混み合う山頂を後にして、十文字峠に下りる道を下って行くと、進行方向から来た2人のおじさんと出会った。
話をしたところ、この2人は別々に、槍方向に向かったらしいのだが、2人とも、途中の鹿よけ?の柵に阻まれて撤退してきたとのこと。十文字峠の手前から、有刺鉄線の柵に沿って、その左側を登って行くと、1656ピークの手前辺りで、突如、頑丈な鹿柵が出現し、それが三ツ沢の頭に向かう尾根と北側に伸びているらしい。一人のおじさんは、そこから柵に沿って北側に降りて、ゴルフ場まで下ってしまったらしく、その後ヤブ漕ぎをして戻ってきたとのこと。もう一人のおじさんは、その柵のところで、有刺鉄線をくぐって、牧場側に出て、そこから鹿柵沿いに三ツ沢ノ頭方向に向かったが、山頂手前で、その柵は西側に曲がっていってしまい、それに阻まれて山頂に行けず戻ってきたとのことだった。
私が事前に調べたところ、鹿柵が開けられるといの情報があったので、それを伝えたのだが、開けられるところなんて無かったとのことだった。
お二人に励まされて、先を進む。
有刺鉄線の柵が尾根上に連なっているので、それを右手に確認しながら進む。道はまだしっかりしている。十文字峠(地形図の登山道が十字になっている箇所)の手前で、2頭の鹿が、余裕で柵を飛び越えて行くのを目撃。この柵は、高さが1.2mほどなので、鹿よけにはならないのかもしれない。
十文字峠から先は、急に道が悪くなる。膝下くらいの笹薮の中を、薄い踏み跡に沿って進むが、あまり歩かれていないようで歩き辛い。ただ、右手に有刺鉄線の柵を見ながら進むので、道に迷うことはない。
しばらく進むと、問題の鹿柵に行く先を塞がれた。格子状のしっかりした鉄製の柵で、高さは2mほどある。早速、開けられる箇所を探すが、見つからない。北側に延びる柵の途中に開けられる箇所があるはずなのだが、見つけられない。しばらく北側に降りて行って探すも、見つからず。
仕方がないので、2人目のおじさんと同じく、右側の有刺鉄線をくぐって牧場側に入った。
牧場側は、ヤブがなく、とても歩きやすい。下の方に放牧された牛が見える。
今までは、有刺鉄線の柵が尾根上に伸びていたが、今度はそれに変わって、先ほどの格子状の頑丈な鹿柵が、ここから三ツ沢の頭の手前まで伸びている。
おじさんの話の通り、山頂から西側に延びる尾根の手前で、柵が右に曲がって下の方までずっと伸びている。確かに、これでは、山頂に行くことができない。
しばらく考えて、柵を乗り越えることにする。柵の高さは2m程だ。まず、柵の向こうにザックを放り投げるが、テント装備が重く、かなり手こずった。頑丈な鉄柵は、小柄な私の体重ではびくともせず、乗り越えることができた。
ようやく難関を突破したが、この先がヤブが深いらしい。確かに山頂までは、かすかな踏み跡があるものの笹薮に覆われ、ほとんど分からない。三ツ沢ノ頭まで強引に登ると、赤テープがあった。
そこからは、東に80mほど下って、120mほど登り返せば、槍に着くはずだ。道はほとんど見えないが、すぐ目の前に槍が見えるので、不安はない。赤テープも所々にあって助かる。
鞍部に降りた所、地形図では、十字に登山道が交わるようになっているが、そのどれも見当たらない。
腰下ほどの笹ヤブを赤テープに従って進む。槍までの登りが辛い。槍の手前でススキのヤブに変わる。
ようやく槍に到着した。ここで少し安心する。
昼食を取りながら景色を堪能した。富士山も金峰山の五丈石も良く見える。今日の目的地の横尾山と今日の宿泊地、カヤトの原も確認できた。
ここから木賊ノ頭の手前までは道が分かりやすいとのことだったので、安心して進む。確かにさっきまでの道と比べると、大分良い。あまり注意せずに進んで行ったら、木賊ノ頭まで進んでしまった。
そのピークの手前に、横尾山に向かう道があるのだが、分岐が非常に分かり辛い。
しばらくうろうろして、道を発見する。進むと四角い豆腐岩が見えてきた。ここは、直進しやすいが、直角に右に折れて南に進まなくてはいけない。
この先は、猛烈な笹薮だ。赤テープを頼りにヤブを進んで行く。横尾山の直下辺りも倒木などで道が分かり辛い。
ようやく横尾山に到着。今日は、このすぐ先のカヤトの原でテントを張るだけなので、山頂でのんびりとした。
ここからは、一気に道がよくなる。カヤトの原までは、すぐだ。
カヤトの原は、なだらかなススキの原で、木がないので展望がよい。富士山がよく見える位置にテントを張った。
夜中、空を見上げると、今までに見たことのないような数の星で埋め尽くされていた。
--- 2日目 ---
今日は、小川山に登って川端下までの20km程の行程で、破線ルートもあるので、早めに出発。
信州峠まで、真っ暗な道を進む。道がしっかりしているので、ヘッドライトの光だけでもなんとか迷わず、下ることができた。
峠についても、まだ真っ暗だ。ここから車道を延々と歩き、瑞牆山荘まで行く。
うっすらと明るくなってきて、瑞牆山のシルエットが見えてきた。小川山も確認できたが、こちらから見ると普通の山で、ロッククライミングで有名な山には見えない。
瑞牆山荘では、車が何台も停まっていて、登山者の姿も見える。ここからは、2年半前に歩いたルートで富士見平小屋まで行く。
足の調子が良く快調に進む。小屋の手前の水場で、水を調達。
小屋の前のテント場には、10張ほどのテントが張られている。空身で瑞牆か金峰に向かっているのかもしれない。
瑞牆に向かう道を進んで行くと、八丁平に向かう分岐がある。ここから道が、急に細くなるが、迷うような所はない。飯森山を巻くように進み、途中、沢を越えたりする。瑞牆の岩峰が目の前に見える。
八丁平の周辺は苔むした原生林だ。奥秩父の山奥に来た感じがする。
八丁平からは、稜線を進む。ぬかるみが多く、歩き辛い。樹林帯を進むと、途中、岩場に飛び出すところがあり、目前の瑞牆山が堪能できた。
この先、登山地図には、倒木が多い、とあるものの、実際は全くなく、順調にシャクナゲの中を進む。
あっという間に小川山に到着した。予定より大分早い。八丁平〜山頂までのCTは、倒木が多かった頃のもののためか、3時間となっているが、今の状態なら2時間といったところかもしれない。
展望の無い山頂で、軽い食事を取って、下山することに。山頂から東に進む道があったので、そこを降りて行く。倒木などで歩き辛い。
この先は、木々で覆われていて道が見えない所が多数ある。ただ、赤テープの数が多いので、迷うことはなかった。ザックが木に引っかかって大変だ。
しばらく下って行くと、展望台と書かれた岩の所に到着した。ザックをおろして、岩に登って見ると、小川山の岩峰群が一面に広がっていて高度感がすごい。ロッククライミングをする人達は、あの岩をよじ登るのだろうか。
この先は、楽なのかと思ったら、梯子が連続する岩場の急斜面で気が抜けない。慎重に下って行くと、車道に飛び出した。
人で溢れる金峰山荘を横目に川端下に向かった。川端下に着くと、まだ正午だ。登山地図を見ると、信濃川上の駅まで15kmほどなので、3時間もあれば着けそうだ。今日は、とても天気が良く気持ちがいいので、駅まで歩くことにした。
ようやく、八ヶ岳と奥秩父の間のルートを歩くことができた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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johndoeさん、こんにちは。
長坂駅からのバス情報をご覧下さってありがとうございます。
逆方向になりますが、信州峠→横尾山→飯盛山というルートは、私もそのうち歩きたいと思っていて、計画だけは立ててあったりします。
今回の記録からこのルートの近況が良く分かって、とても参考になりました。
ちなみに私も公共交通派です。
バス路線などの衰退による制約が年々厳しくなっていく中で、これをいつまで貫けるものかという不安を感じているので、同じようなポリシーをお持ちの方の存在はとても心強く思っています。
今後もjohndoeさんの記録を参考にさせて頂きますね。
どうも、初めまして。
cellistさんのHP、よく見させてもらっています。
私は、横浜市内に住んでいるのですが、横浜線の朝一の電車に間に合う時間がcellistさんと同じなので、とても参考になります。
今回はcellistさんの情報が無ければ、完全に1時間遅れでのスタートでした。
日帰りで、よくあれだけいろんな山に登れるものだな、と感心して拝見しています。
信州峠→横尾山→飯盛山を公共交通機関で日帰りで行くのは、私には無理そうですが、cellistさんなら行けるかもしれません。
小田原の御幸が浜から 日本海の親不知海岸まで
会社の土日を利用してテントで約三年間で歩きました
毛木平から 大垂水 金峰 富士見 信州峠から横尾
飯盛 清里駅から自宅へ帰りました このコ−スも
いいですね 何時か 歩いて見たいです
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