道間違い遭難【伊豆ヶ岳〜武川岳〜武甲山】
![情報量の目安: B](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_B2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan.png)
- GPS
- 07:22
- 距離
- 21.9km
- 登り
- 2,328m
- 下り
- 2,368m
コースタイム
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 7:22
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
---|---|
アクセス |
写真
感想
武川岳〜妻坂峠間でプチ遭難しました。本当に怖い思いをしました。
武川岳を過ぎて間もなく急勾配の下り道に入り込み、ガンガン降りてしまいました。「アレっ?」と思いGPSを開くと写真の通りです。登り返そうと見上げると、それはものすごい大変な事のように思われました。ここで少し水平移動して様子を見ようとしたのが大間違いでした。もう少し進むと見晴らしの良さそうな所がある、とさらに進みます。その道は既に非常に困難な道になっていました。辿り着くとそこはそれ以上進むことを許さない崖でした。マズイと引き返しますが、もう戻る道すらわかりません。しかもとんでもない斜面に居り、四方どちらに進むのも難しいような場所に自分が居たのです。
ここでようやく自分の窮地を理解しました。もう一度GPSを開き、地形などからこの後進むべき道を考えます。自分のいる場所は急傾斜の崖地です。もう水平移動は不可能です。下手に動いたがために そこから登り返すのが非常に難しい状況を作ってしまいました。出した結論は「とにかく下るしかない」というものでした。幸い木々のまばらな山肌はずっと下まで見通せます。地図を見ると行く手を遮る沢などはありませんし、200mほど標高を下げれば登山道にぶつかることも間違いありません。死ぬことはないと思いました。怪我さえしないように十分に気を付けようということだけ自分に誓いました。覚悟を決めました。時計を見るとまだ11時です。空は澄み渡り暖かです。「よしっ」。長袖を身につけ、水を飲み気合を入れなおして下を目指します。
とにかく酷い斜面なので2足で歩くことができません。作戦としては木から木へ猿のように捕まりながら移動をするわけです。次はこの木、その次はあの木という具合です。ところがまばらな林であるが故に時として木を頼れない場所に出くわします。そういう時はお尻を付けて滑っていきます。またある所ではどうにもならず2mくらい飛び降りなければならないような所もありました。等高線の狭さが表すように とにかくずっと崖でした。
しばしの悪戦苦闘の後、涸れ沢に達した時には心底ホッとしました。なぜならそこは川底のような岩道になったからです。まちがいなくこの先は下ります。傾斜は相変わらずでしたが、ようやく手も使ってですが2足歩行をすることができました。GPSを見ると登山道まであとひと頑張りだということもわかりました。
登山道にたどり着きました。確認すると腕は擦過傷だらけ。タイツが破れ、もも裏から少し出血していました。ホッとし過ぎて何を勘違いしたか、そこから妻坂峠に「戻って」しまいました! その後は意地で計画通り武甲山へ向かいました。ペットボトルも運びました!!
以上、私のこれまでの最大のピンチについて振り返ってみました。お読みくださった方々、ありがとうございました。この出来事は私の大きな財産になっています。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する