万の助沢遡行-黒松内岳
- GPS
- 06:29
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 865m
- 下り
- 837m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
ganさんのMLから
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■酌婦
前日の磐石温泉には若干の付け足しがいる。
我々が風呂から上がったときに一台の車が来た。
降りてきたのは函館のすがちゃんだ。
何の打ち合わせもないのに、ここで逢うとは沢屋の世界の狭さの証拠か、はたまた多くが無料の風呂を求めているのか。
午後3時過ぎから始まった宴会に遅れてすがちゃんも参加する。
Bさんご接待係りを命じられたkennちゃんはビールとワインが効いて、例の如く途中で首がコックリだ。
最後は3人かがりで布団に寝せる。
私も8時過ぎにはバタンと眠り、おとーちゃんの酌婦は10時頃まで続いたようだ。
酌婦とは時代錯誤もはなはだしいが、Bさんには酌夫よりはお酒が美味かったことだろう。
馬刺しを食べ逃したのを翌朝私は後悔した。
■好転
万の助沢の存在は分っていたが、先日のパパご一行の遡行を知って、では行ってみるかと計画に入れる。
パパの記録を詳細に読んだら面白さが半減すると、あえて読むのを止めた。
事前の天気予報では日曜は芳しくなかったが、途中から好転したようだ。
朝目覚めたときに夜半の雨跡は確認できたが、空には星が輝いている。
6時に落部を後にした。
国道から黒松内岳への林道を2.3km進んだ先で橋を渡る。
その直ぐ先で右折する道があり、角に車を止める。
林道を歩き出して1分も立たないでいきなりおとーちゃんが石につまずき、前のめりに倒れ込む。
柔道の後ろ受身は知っているが、前受身は初めて見た。
後から聞いたが、これがかなりのショックだったようだ。
5分歩いて万の助沢に出合う。
殆ど小川の近い水量だった。
■粛々
標高100mから歩きだす。
万の助沢は実に歩きやすい。
2mほどの沢幅にくるぶし程度の浅瀬が続く。
適度に石があるだけで、しかも晩秋だから見通しがいい。
この時季だからこその静かな沢歩きが粛々と進む。
晴れた空、適度に冷えた凛とした空気。
虫一匹発見できない。
175で小さいナメと50センチの微滝が2個ある。
たまりの中にいきなり魚影が行き交うが、後続のおとーちゃんには見つけられない。
195で小滝と小釜がミニミニ七ツ釜の再現だ。
210では小釜が6個続く。
まるでおもちゃの箱庭を見ているようだ。
215がこの沢一番の景勝地か。
1m、50センチ、1mの滝の先で奥行2mの深い釜を持った3mの滝が右から落ちる。
右から足元を探りヘツリで進んで滝を直登する。
おとーちゃんの真剣さが一段と高まる。
■体液
2か所で上モノのボリボリを見つけて小躍りする私だった。
一枚岩盤のナメが次々と現れて、遡行してよかったな、と小市民的な幸福感にも浸るのだ。
沢は右に曲がる。
幅2mの1m滝はがっしりしている。
230分岐は左に進むと、そこには5mの滝だ。
30センチ前後の細い流れはきゃしゃ過ぎて、ここを直登するのが申し訳ないが、左側からお邪魔する。
長さ10mの斜滝が5mの高さで落ちる。
幅、高さ2mの滝の先からまたナメが始まると、2m、1m、50センチ、50センチの4段の小滝が続く。
迫力こそ欠けるが、その情緒溢れる景観には心が洗われるようだ。
7時4分265分岐は1:1で10分の休憩中にkennちゃんが体液を沢に流す。
果たしてさきほどの魚は生きていけるのか。
1個のりんごを3人で分ける。
右を取ると、すぐにくの字の流れの5mの滝だ。
2m弱の岩が沢を半分塞ぎ、その先から一枚岩盤がまた続く。
ペロンとした2mの滝の先で3m、2m、1mと小滝のオンパレードだ。
340分岐は1:2で水量の多い右を取るが、そこは5mの滝になっている。
380分岐の左は涸れて、右を進むと400で右から水が流れ込む。
9時54分にまた分岐だ。
右は濡れているが、ここは左は僅かな流れだ。
左を取った。
■砦
実は歩き出して早々に私とkennちゃんは前方にある砦のようなポコを588の右にあるポコだと思っていた。
今回そのポコと588のコルに上がろうとしていた。
しかし地図を読みながら分岐を進むとそのポコの右に行っている。
読図でのポコはさらに右のほぼ平坦なポコだったのだ。
途中で間違いに気づいた時にはもう遅かった。
435分岐は僅かに右に流れはあったが、左を進む。
稜線は目の前だった。
10時20分485で藪を漕ぐが最後5分だけは太い竹だが、密集度は低い。
始めに間違った砦のすぐ下に上がるとそこには古い刈分け道があった。
砦のように見えたポコは単なる稜線の端に過ぎなかった。
おとーちゃんが疲れてヘナヘナと座り込んだ。
私とkennちゃん二人でザックを置いたまま、確認のため砦に上がる。
588付近の林道を確認しようと思ったが、見えなかった。
遥か遠くに黒松内岳山頂が見えたのだ。
■再会
刈分け道を西に下ると広く刈られた広場に出た。
kennちゃんのGPSにはその下にある林道を示している。
藪のような刈分けを1分歩くと立派な林道に出た。
588ピークを巻くように続く林道を30分歩いて黒松内岳への刈分け道に着く。
そこから更に30分のアルバイトでやっと黒松岳山頂に着いた。
誰もいない山頂だったが、満足感溢れる到着だった。
当初ゴロー越沢かぶな滝沢からの下山も視野にはあったが、メンバーの疲れを考え素直に夏道を下る。
途中で遇った紀ちゃんとは何年振りの再会だったろう。
夏道途中のう回路を初めて降りたが、沢沿いの変化ある道で一度は歩く価値はある。
それでも50分ほどで登山口に着いた。
そこから30分の林道歩きの間に6か所でヒグマの糞が等間間隔で道中央に盛り上がる。
国道脇の駐車場で着替えを済ませ、ぬるい湯の黒松内温泉を止めて昆布温泉へ向かう。
鯉川温泉は最近の定番だ。
ゆっくりと温泉に浸かり、露天風呂脇の小滝の直登に思いが走る。
100円ロッカー事件やら、洗濯屋ケンちゃんなどここには書けない逸話が満載の二日間はこうして終わる。
札幌宮の森に着いたとき、6缶のビール缶が助手席に転がっていた。
■おまけ
夏ならうっとおしい歩きも秋なら実に爽快だ。
175付近からの凝縮した沢のエキスは一度は味わう価値がある。
もう少し時季が早ければ沢縦走も楽しめる。
また行きたい沢の一つだ。
コメント
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kennちゃん、ヤマレコupありがとうございました。
沢山の写真、大変だったでしょう?
一枚一枚見るごとに楽しかった記憶が蘇ってきます。
仕事でヤなことがあってうだうだ夜更かししてたけど、かなり気分が晴れました。
またあしたがんばろーっと
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」式に写真を撮りまくる(のに肝心な写真がなかったりするが)上に、優柔不断なので、写真の取捨選択と補正(これでもしてる)等に時間がかかり、さらに月曜から毎日父を病院に連れて行ったりしてたので、すっかり遅くなってしまいました。
これだけ喜んでもらえると、素直にうれしいものですね(今まで、あまりそんなことがないので...)。
私も頑張らなくてはならないかな。
ヤなことがあったら、私に言いなさい。写真upしてあげるから(笑)
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