大倉〜三ノ塔〜塔ノ岳〜大倉 丹沢表尾根プチ雪山縦走体験
- GPS
- 26:41
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,720m
- 下り
- 1,707m
コースタイム
9:20大倉-10:31牛首-12:00三ノ塔(休憩 40分)-13:10烏尾山(休憩 40分)-14:12行者岳-14:56書策小屋跡-15:09新大日-15:25木ノ又小屋-15:52塔ノ岳山頂(尊仏小屋泊)
1/15(日)
8:04塔ノ岳山頂-8:30花立山荘(休憩 55分)-10:00堀山の家(休憩 10分)-10:28駒止茶屋-10:40一本松-10:51見晴茶屋-11:00大倉高原山の家(休憩 30分)-11:44観音茶屋-12:00大倉
天候 | 1月14日:くもり時々雪 1月15日:くもり |
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過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大倉ー三ノ塔:概ね良好 三ノ塔ー塔ノ岳:ところどころぬかるみ有り 塔ノ岳ー大倉:ところどころ凍結有り 全体を通して、積雪はあるが、アイゼンは不要だった |
写真
感想
今回の山行は、Hさん(♂)をリーダーとして、SさんとHさん(♀)のかわいがり(というなのトレーニング)がメインであり、そこにまだまだ登山経験値の低い私も同行させてもらうことになりました。目的地は丹沢・塔ノ岳。大倉から三ノ塔を経由して登頂し尊仏小屋に宿泊、翌日大倉尾根を下る予定です。当日の天気予報は晴れですが、山に近づくにつれて雲が広がっており、不安が募ります。
各自電車で小田急線 渋沢駅 8:30に集合し、そこから大倉行きのバスに乗車。30人ほど乗車し、十数分ほどで大倉バス停へ。我々はここから三ノ塔を目指しますが、ほとんどの登山者は大倉尾根方面に行ったらしく、同じ方向に進む人は誰もいません。
トイレやストレッチ等を済ませ、9時20分頃に出発。やはり天気は優れず、山は雲に覆われています。大きな吊り橋を渡った後、最初は舗装された林道を歩きます。しばらくして登山道との分かれ道があり、我々は登山道を選択し、林の中を尾根伝いに進みます。この頃から雪がチラホラ舞うようになりました。
しばらく尾根伝いに歩くと、再び林道と合流し、牛首に到着。再び登山道に戻り、三ノ塔へ向かって進んでいくと、だんだんガスがかかり始め、雪も目立ち始めます。ただ幸いなことに、林の中なので風はほとんど感じませんでした。
スタートしてから2時間40分ほどで、表尾根に合流。ここまで登山者は2組ほどしか見ませんでしたが、三ノ塔に到着すると4,50名はいました。大半の人が、ヤビツ峠から二ノ塔を経由して来たと思われます。
三ノ塔山頂(標高1205m)は、雪はさほど降ってはいませんが、さすがに遮るものがないため、南から吹く風が冷たく感じます。残念なことに三ノ塔の小屋は閉鎖されており、みんな小屋の影に隠れるようにして、休憩を取っていました。我々もここで昼食にしますが、正直なところあまり休んだ心地はしませんでした。
三ノ塔から丹沢表尾根を進みます。雪・風はさほど強くないものの、やはり昼食時の寒さのせいか、みんなの足取りが重いまま、何とか烏尾山(標高1136m)に到着しました。Sさんは風邪が治りきっていないせいか体調がすぐれず、このまま山行を継続するべきかも迷うところです。ここでリーダーであるHさん(♂)の判断から、昼食休憩からあまり時間は経っていませんが、あえて烏尾小屋で休憩することにしました。
小屋の中は薪ストーブで暖まっており、予めお湯で温めたカップに入れた、暖かい濃い目のコーヒーを頂くことで、みんなの体は温まりました。そのまま先へ進むことが出来そうです。ひとしきり管理人さんとの会話を楽しんだ後、改めて塔ノ岳を目指します。なお烏尾小屋は週末のみの営業で、宿泊は素泊まりのみの営業とのことです。
暖まったおかげでみんなの足取りも軽くなり、丹沢表尾根を先へ進みます。晴れていれば眺望が望めるこの辺り、残念ながらほとんど見えません。雪はちらつくものの、風は強くないため、体を動かしていれば寒さはあまり感じません。
しばらく歩くと行者岳(標高1180m)に到着します。Googleマップや国土地理院地図だと、もう少し塔ノ岳寄りの標高1209mのピークに行者岳と記されていますが、実際の標識はココ。山と高原地図・Wikipediaでは正しく記されています。
行者岳を過ぎると、いよいよ今回の最大の難所・鎖場に到達です。百戦錬磨のHさん(♂)以外は全員登山経験が浅いため、鎖場には緊張が伴います。わずかに降り続ける雪から、岩の一部に凍結箇所も見られましたが、幸いなことに滑るほどではありません。トップバッターは私が行きます。高所恐怖症ではありますが、三点支持の何たるかがようやくわかりかけてきたおかげで、何とか降り切ります。二番目はHさん(♀)。二回目の登山で、鎖場は初体験!でも落ち着いた手足のとりなしで、難なく降りてきます。さあ、三番目はSさんです。私と同様高所恐怖症の彼女、何度か鎖場を経験してはいますが、まだ慣れていません。がけの恐怖の中軽いパニック状態になりますが、それでも何とか降りることができました。この経験が彼女の糧となってほしいところです。もちろん、Hさん(♂)は難なく降下。ちょうど我々が鎖場と格闘していたころ、一時的に太陽が顔を覗かせ、わずかながら青空が見えてきました。
さて、再び丹沢表尾根を進みます。わずかに雪は降り続き、時折ガスの中から姿を見せる山々は、白く美しい化粧を施しています。木の枝には霧氷ができ、神秘的な様子を見せています。今回同行していませんが、丹沢を主としているEさんは「丹沢の本当の楽しみは、妖精が出てきそうな樹林帯を歩くことだ」と教えてくれました。正にその通りと思います。また尾根道の雰囲気は、私の数少ない登山経験の中で、北アルプス表銀座と似ていると感じました。北アルプスと違うのは、足元が泥でぬかるんでいるところでしょうか(笑)
新大日(標高1340m)を過ぎて下りに差し掛かったところで、メスの鹿の群れ(5頭ほど)に遭遇しました。噂には聞いていましたが、人が来ても全く逃げる様子もありません。みんなわずかに残された笹の青い葉っぱを食べていました。
木ノ又小屋、木ノ又大日(標高1396m)を過ぎれば、山頂はすぐそこです。16時前に塔ノ岳山頂(標高1491m)に全員無事到着しました。今日帽子をかぶっていなかったSさんの頭には、霧氷が出来ています(^o^) 本日の歩行距離は10匐。雪のちらつく中、みんなよく歩きました。あいにくのガスで、周りはほとんど見えません。富士山、相模湾、駿河湾などが見えるはずだったんですが、、、残念。
本日の宿である尊仏小屋にチェックインしたところ、私以外のメンバーとは面識のあるMさんが待ち構えていました。聞けばMさんは、ヤビツ峠から表銀座を通り、我々より2時間近く先に到着していたようです。明日は5人で大倉まで降りることになります。この日は残念ながらそのまま天気が回復することもなく、期待していた夜景も見えませんでしたが、消灯時間である20時までみんなで酒を飲みながら語り合いました。
翌日天気は多少回復し、空に雲は残っているものの、富士山や南アルプス、相模湾から江ノ島、三浦半島、さらには房総半島まで望むことができました。以下URLより、全方位パノラマ画像を確認することが可能です。
http://photosynth.net/view.aspx?cid=10d5fa0a-f069-4abb-8394-044e037eb71e
時間的に余裕があることから、丹沢山へのピストンしてからの下山も考えましたが、無理せず途中で何度か休憩しながら、ゆっくりと大倉尾根を降り進むことにしました。8時過ぎから下りはじめ、最初の休憩は花立小屋。ここは消灯21:30だそうです。今度から泊まるならこっちかな(笑) 毎年6月には、砂利を積んだザックを担いで登る「丹沢ボッカ駅伝」が行われるそうで、そのゴールが花立小屋です。
小屋前で休憩していると、尊仏小屋を後から出た人から「カメラのレンズを忘れませんでしたか?」との問いかけが。Hさん(♂)のものです!最近人から譲り受けたばかりで、まだ自分のものとの認識が薄かったとのこと。まだ降りてから時間も経っていなかったことから、一人尊仏小屋まで取りに帰ることになり、予期せぬ長時間の休憩となりました。しばらく待っていると、さすがに体が冷えてきたので、Mさんを花立小屋に残し、他の3人はゆっくり下りはじめることにしました。下りはじめてほどなくして、無事2人は追いつきました。
次の休憩は堀山の家。標高950mと大倉尾根の中腹にあります。週末のみの営業で、全員ボランティアとのこと。小屋の前には、木の実で作ったリースを販売しており、女性たちはさっそく目をつけ購入していました。塔ノ岳を目指すには中途半端ですが、宿泊もできます。始めからここが目当てで登ってくる人も多いとか。ホームページやブログもやってます。入口に張ってある「猛人注意」の意味も分かるそうです(^o^)
http://www.horiyamanoie.com
http://blog.horiyamanoie.com
最後の休憩は、丹沢唯一のテント場のある大倉高原山の家。テント場には、人張りだけテントがありました。大倉高原山の家の名物はコーヒー。一杯130円とドトールより安い!ご主人がその場で引いた豆をドリップした淹れたてのコーヒーをいただきました。コーヒーと一緒に、Mさんが持参したプリンをみんなで頂きます。
ここまで来ればもう少しです。12時過ぎには、大倉バス停に全員無事に到着しました。バス停前の蕎麦屋「さか間」で打ち上げ。ビールや日本酒をいただきながら、そば粉薄皮巻きやてんぷら、おそばなどを堪能しました。
14:10のバスで大倉を後にして渋沢駅へ。まだまだ時間はたっぷりあるので、電車で鶴巻温泉まで行ってゆったりお風呂につかります。風呂上りにまたビールなどを飲みながらのんびりし、18時前には鶴巻温泉駅を出発し新宿へ。新宿には19時過ぎに到着し、みんな帰路に着きました。といいながら、まだ新宿で飲み続けた肩もいらっしゃるようですが。
皆さん、二日間お疲れ様でした。
天気には恵まれませんでしたが、冬山・雪山をちょっと体験できた、なかなか有意義な山行だったと思います。丹沢の魅力も少しわかってきました。
夏は暑いのでたぶん来ませんが、奥多摩同様、冬から春は丹沢で楽しめそうです。
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