甲斐駒ヶ岳 (黒戸尾根往復、七丈小屋テント泊)
- GPS
- 26:59
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 2,640m
- 下り
- 2,646m
コースタイム
- 山行
- 8:12
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 8:42
- 山行
- 3:16
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 3:28
5:52駐車場-7:34分岐-9:44五合目小屋跡-10:36七丈小屋-10:48七丈小屋テント場
(休憩とテント設営)
11:30テント場発-12:52甲斐駒ヶ岳山頂-13:10同発-14:25テント場
11月3日(土)
5:10テント場-5:22七丈小屋-6:00五合目小屋跡-8:49駐車場
天候 | 11月2日(金):快晴、微風・無風、気温低し 11月3日(土):晴れ、微風・無風、気温低し |
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過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
良く整備されていて、間違うような所はない。七丈小屋までは積雪凍結なく夏道のつもりで歩けるが、七丈小屋から上、特に八合目より上は凍結箇所が多く慎重な行動が必要。今回の往復の時点ではアイゼンは使わなかったが、今後積雪の度に氷の箇所が増えていくと思われる。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
昨年と同様に、文化の日の祝日にからめて黒戸尾根往復で甲斐駒ヶ岳を訪問した。七丈小屋にてテント泊も昨年と同様だが、昨年よりも今年の方が気温が低く寒かった。以下に詳細。
11月2日(金)
まだ真っ暗の駐車場には5:15頃に到着。気温3℃で寒い。駐車場はガラガラに空いているが、準備中の人も見られた。食事と準備をして6時前に出発、ヘッドライトは使わずに歩き始める。例の如く駒ヶ岳神社にお参りし、吊り橋を渡ると本格的な登山道が始まる。金土と好天予報が出ているのでもう少し人出を予測したが、全然いなかった。既にこの山域はオフシーズなのかもしれない。それよりも、持参したウェアが寒くてこのまま山頂まで行けるか心配になるほどだった。昨年と同じウェアの筈だが、今年の方が気温が低い。そうは言いつつも歩けばじきに暖かくなる。樹林帯歩きだが、比較的樹木の密度は低いので、あまり暗い印象はない。樹林帯なので展望はゼロだが、それでも毎年きてしまう不思議な登山道だ。今年は昨年の教訓を活かし、防寒着をしっかり持ってきた。また各種ウェブサイトを参照したところ、既に山頂付近は初冠雪していて、その時の雪が凍っているらしい。念の為チェーンスパイク(CS)も持った。1泊2日は昨年と同じだが、昨年より重い。そのためかペースは上がらずノロノロの登りになる。標高が低いところから歩き始めるので、もっと早い季節だと暑くて仕方ないはずだが、11月に入りしかも気温3℃の中から歩き始めたので、汗は滲むようになっても大汗を絞るようなことはなかった。刃渡りをこなし、黒戸山の北方をかすめ下りに入ると五合目に到着。ここでようやく黒戸尾根の前段が終わった雰囲気。ここで座って大休止してから先に進む。心配していた寒さはなんとかなりそうで、クルマの運転中に着ていたパタゴニアのフーディニジャケットをそのまま登りの時も着ていたが、暑くも寒くもなく、いい仕事をしていた。この先はハシゴ、鎖、ロープ連発だったな、と思いだして休憩の後にストックをザックにしまう。果たして自分の記憶は確かでストックは使わずに両手両足で登って正解だった。最後急傾斜をこなして無事に七丈小屋に10:36に到着。水場の水は勢いよく出ていた。ここで受付してテント場の料金を払い、水くみしてからテント場に向かう。この時間なら無人だろうなと思ったら、案の定そのとおりだった。昨年と同じ場所に張り、サブザックを取り出し、山頂往復に必要な物だけ詰めていざ出発。テント場までは積雪凍結はなかったが、小屋番曰く上は凍っているとのこと。CSをサブザックに入れていく。テント場を出てもしばらくは夏道だったが、徐々に積雪というか氷が見え始め、八合目に至る頃にはあちこちに。更に進むと日陰などにはびっしり氷が残っていた。幸いにして岩石が頭を出しているのでその上を歩いて行けばよかったが、場所によっては案外厳しいところもあって、都度右往左往して安全に登れる場所を探す。いつの雪かは分からないが、雪では全くなくて、見られたのはいずれもカチカチの氷だった。八合目過ぎて鎖場などもまた見られるが、足場に氷があったりして慎重な通過が必要だった。とにかく滑ったらやばい。慎重にも慎重を重ねて行動し標高を上げ、テント場を出てから1.5時間弱かかって甲斐駒ヶ岳の山頂に到着。ここまでは風はほぼなかったが、山頂はさすがに少し吹いていて、更に風は冷たかった。昨年11月以来1年ぶりの甲斐駒。しかもこの時間登山者は皆無で貸し切りだった。寒いが周囲の山々を見つつ休憩。北岳間ノ岳方面は既に雪がびっしり着いていて、素人には手が出そうもなかった。北アルプス方面も真っ白。お隣の仙丈ヶ岳は雪は見えなかったが、甲斐駒にあって向こうにないことはないだろうと思った。しばし座って休むが寒いのと、ガチガチの氷の斜面を下る必要があるので、山頂ではあまりゆっくりしないで13:10に出発。山頂直下から少し下ると例の氷地帯。登りは勢いで登ってしまったが、やはり下りはかなり厄介だった。一歩踏み出せば先に進めるが、その一歩で下手をすると滑って滑落という箇所がいくつかあり、慎重に進むしかなかった。登りよりくだりの方が時間がかかるような気がするくらいだった。とにかくよく見て慎重に進み、八合目付近までくると氷がなくなりホッとした。それ以下はもう夏道なのでいつものペースで進み、14:25にテント場に戻る。テントは一張り増えていた。その後夕方までに更に3張り増えてこの日は計5張り。既にオフシーズンだし、寒いし、何より平日なのでこんなものか、と思う。テント設営時は日が当たりポカポカしていて暖かだったが、テント場に戻った時点で既に太陽は山影に入っていた。行動直後は体が温まっていたが止まっていると寒い。トイレを済ませ水くみをしてテントに潜り込み、持参した防寒着を着込む。夕方のテント内は冷えてあっと言う間に気温が一桁台に。寒いし外に出るともっと寒いのですることがなく、早めに夕食をとって17:30頃にはシュラフに入る。今年も冬用シュラフなのでぬくぬくして暖かい。夕方6時前には本格的に寝てしまった。
11月3日(土)
3:45にスマホのアラームで叩き起こされる。腕から外して放っておいた腕時計の温度計はマイナスを示していた。テント内の息が白い。テント内部の結露した水分が凍っていた。水筒の水も一部凍っていた。夜寝ていても鼻の頭が冷たいのが我ながらよく分かった。撤収準備と朝食を済ませて外に出る。外は無風で、一晩寒い所にいたためか、あまり寒さは感じない。テント場から見える星空と、甲府方面の夜景がきれいだった。夜景をみながらのテント撤収も悪くなかった。5:10にテント場を出、小屋でトイレを済ませて行動開始。五合目まではストックは使わないので手で色々掴みながら下る。登りの時凍結するところは見なかったので、日の出前の行動でも大丈夫だろうと判断したのだが、ハシゴの上に霜が降りていて、それは予想外だった。慎重に降りれば問題ないのでゆっくり下ったが、垂直では?というようなところもあったので緊張した。6時ちょうどに五合目に付く頃にはすっかり夜も明け明るくなった。ここで着る物の調整と水分補給。七丈小屋で汲んだ南アルプスの天然水は、氷水のように冷たくて、というか、昨夜テント内で凍った氷が浮いているので冷たいのは当然だった。ここから先、黒戸山に向けて登り返す以外はずっと下り。ハシゴ連発もないので少し気が楽。しかし両足の裏にマメができてしまい、痛くてペースが上がらない。痛いのでゆっくり進むしかない。今日明日連休の人が多いためか、登りの人はとても多い。下りつつ見た登山者は30名以上ではなかったか。去年よりものろいペースで下り、吊り橋を渡って神社にお礼を言い、駐車場へ向かう。当然ながら、これから登る人とすれ違うこと多数だった。テント場から約3.5時間で無事駐車場に到着。登りも下りも昨年より時間がかかったが、荷物が多く重いので仕方ないと諦める。
11月の黒戸尾根利用の甲斐駒ヶ岳往復は、年によってコンディションが異なり、今年のように標高の高い所で氷になるとペースが落ち日帰りの時は厳しいかもしれない。また、気温の差も大きくて、昨年はテント内で水が凍るなんてことはなかったが、今年は色々凍った。時期に相応の装備が必要だろう。
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