雲取山 鴨沢〜七つ石山〜雲取山〜三峰
- GPS
- 30:08
- 距離
- 20.6km
- 登り
- 2,023m
- 下り
- 1,499m
コースタイム
二日目 8:30奥多摩小屋出発-9:48雲取山頂上-10:16雲取山荘-11:51ミツドッケの標識の三叉路-12:11白岩山-前白岩山13:02-13:51お清平-14:28霧藻ヶ峰休憩所ー15:48三峰駐車場
天候 | 2日間とも晴天 ただ、寒かった |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雲取山荘からミツドッケの三叉路までが特に雪が深く、疲れました。 |
写真
感想
一日目 奥多摩 鴨沢バス停より登頂開始・七ツ石小屋・七ツ石山登頂・奥多摩小屋幕営地にてテント泊
二日目 奥多摩小屋より出発・雲取山登頂・白石山・霧藻ヶ峰を経て三峰へ下山
先週降雪があっただけに雪がとても多かったです。小袖の登山口から下山口まで、ずっと真っ白でした。グチャグチャ腐った雪は一切無く、また氷も無く、降ってすぐの雪がそのまま残っているようでした。そのせいで、けっこう疲れたかな。
雪が多いからか人も多く、真冬なのに鴨沢行きのバスが三台も出たのでした。
それでも、一日目は順調に終わりました。
いつもどうり七ツ石小屋に寄り七ツ石山頂上に登り、奥多摩小屋にテントを張りました。
普段、奥多摩小屋の前は、雪があってもそんなにおおくありません。でも、この日はたっぷりあり、まず雪を踏んで整地するところから始めました。その日奥多摩小屋の幕営地は、グループ用テントが二つ、単独者用が二つ。数は普通ですね。
僕は一人静かにキムチ鍋を食べ、ビールを飲みました。
日が落ちるとテントの中でもかなり寒くなってきましたが、キムチ鍋をがっつり食べると体が温まり、冷たいビールが美味しく飲めました。
そのあと、雪を溶かして水を作り、ポットに熱いカフェオレを入れ、プラティパスの水筒にもお湯をたっぷり入れて湯たんぽにしました。
この時点で7時過ぎ。
トイレに行くため外に出ると、空は素晴らしい星空でした。富士山までは見えませんでしたが。ほんとに天気が良いと、夜でも富士山が見えるんですけどね。
戻って、湯たんぽ入りのシュラフに入ると暑く感じるくらいでした。そうして就寝。
夜中、3時過ぎ、少しの寒さとトイレに行きたいのとで目が覚めました。
寒いので外には行きたくないので、こういう時のために広口のペットボトルを一本持って来てます。テントの中で用を足せます。問題無しです。
でも、ちょっとシュラフから出ただけで、ずいぶん寒くて驚きました。
テント内にぶら下げている腕時計の温度計機能を見てみると、マイナス9・9度。寒いはずです。では、外気温は何度でしょうか。外にはアナログな温度計をぶら下げていたので、試しに見てみました。すると、マイナス15度からマイナス20度の真ん中あたり。マイナス18度とでも言うつもりでしょうか。
いくら山の上が寒くても、そこまで下がるものでしょうか。
腕時計をちょっと外の空気にあててみました。
すると……
「あれ?あれ?」
温度計が表示されなくなったのです。どうやら、この時計の温度計機能はマイナス10度が限界のようなのでした。
とりあえずマイナス10度以下は確実のようなので、黙って寝ることにしました。ちなみにさっきのペットボトルはシュラフの中にしまいました。テントの中でもシュラフ以外の場所では水は凍り付いてしまうので、朝トイレに中身を捨てに行く時困るからです。
1月29日(日)
翌朝、5時にはなんとなく目が覚めてましたが、外が寒そうなのと、テントの中も結露がバリバリに凍り付いて霜がついていて片付けが面倒臭そうだったのとで、しばらく寝てました。
仕方なく起きたのは6時過ぎです。隣のパーティの片付けの音が聞こえてきたので。
登山道を歩く人の雪を踏み締める音も聞こえてきます。
結局いつまでも寝ている訳にはいかないのです。
寒いので目だし帽をかぶり、シュラフ出ました。頭がテントの壁に当たると、ハラハラと白い霜が落ちます。昨日水を作ってた時に床を拭いたりしていたタオルは、凍り付いて板になってました。 霜をできるだけ落とさないよう床に手をつきながらシュラフから出ました。いきなり、手が冷たくて驚きました。ジンジン痺れるくらいです。慌てて手袋をさがしてはめました。
「あれれ、なんか寒いな?」と思いました。
冬に山に来てるので寒いのは当たり前ですが、それにしても寒いと思いました。
昨日いれておいたポットのカフェオレを飲んで、それから昨日の鍋を温めてうどんを食べようと思いました。キムチ鍋うどんを食べ終わると、身体はすっかり温かくなりました。
いよいよ戦闘開始です。中を片付けてザックにものをしまったあと、テントをかたすために外にでました。
空気が、冷たくてビリビリします。まるで北国。出しっぱなしの温度計は、マイナス15度を指していました。もう太陽が出てるのにマイナス15は無いんじゃないの?壊れたかなこいつ、と思いましたが、寒いのは本当です。
今思い出しましたが、いつもなら、テントの下に敷くグランドシートが一夜明けると地面が少し解けて凍り付いてバリバリに地面に張り付いているんです。
でも、今日は地面は雪のままでした。テントの下の雪が解けることもなかったということです。それだけ気温が低かったということでしょうか。
南のほうには、朝焼けに染まって奇妙なほど美しい富士山が浮かび上がっています。湿度が低いからなのか、空気が澄んでいるので、遠い距離にあるはずの富士山がとてもクリアに見えます。そのせいで、遠近感が狂うような、実物のものではないような、不思議な感覚を覚えます。
風があまりなかったのでテントの片付けには手間取りませんでした。次は山登りの準備です。
今日は三峰のほうに下りるつもりで、あちらは雪が多いので、アイゼンをつけました。そして、ピッケルも。ピッケルは使う場面はなさそうですが、取り回しに慣れたかったので持って来ました。
そうこうして8時30分出発。
雪は、昨日はサラサラしてたのですが、今日は少し締まってアイゼンがよくかみます。ギュウという音がします。ピッケルも石づきを雪に刺すと、キウッと鳴るのです。やっぱり気温がまだかなり低いのでしょうか。
ザックのベルトにぶら下げた温度計を見るとマイナス15度。
「太陽出てるのに本当かよ」
声に出てしまいました。 後ろから来たおじさんが聞き付けて、
「どうかしたの?」と聞いてきました。
訳を話すと、
「いや、正確にはわかんないけど、今日はそれぐらいあるかもね。空気の感じが違うから。頬っぺたとかビリビリ来るから」
言われてみれば、たしかに。僕は今まで冬の雲取山で目だし帽の必要性を感じたことはなかったのです。来月マイミクさんに冬山に誘われているので買ってみたのです。が、今日は肌がビリビリするので、目だし帽をかぶりたくなってしまうのです。
手袋もそうです。ちょっと何かの用事で手袋をはずすと、ものすごく冷えてきます、痛いほどに。あわてて手袋をはめても、すぐには暖かくなりません。太陽は燦燦と照っているのに。
ただ、天気はいいので、富士山が神々しいほどに美しく見えます。何度も写真を撮りました。
九時45分 雲取山(2017m)登頂。東京都最高峰です。
僕の出発が遅かったからか、頂上には誰もいませんでした。景色を独り占めです。
富士山も南アルプスの山々も見えます。
円盤の風景案内があるのですが、南アルプスの北岳と甲斐駒ヶ岳が見えました。甲斐駒ヶ岳は去年じゅんじゅんさんや☆いっけい☆さんと登りました。とてもたいへんな山でしたが、またぜひ行きたい山の一つです。北岳もいつか行きたいな。
手前には飛龍山もあります。今年辰年だから、そのうち行こうと思います。
雲取山頂。
でも、もう9時45分。
こっから三峰神社まで下りるには、ちょっと遅いなと思いました。
去年2月にも三峰まで歩いたんですが、あの時は早起きができて雲取頂上で日の出を見ることができました。6時半くらいです。そして三峰に下りたのが12時。下山まで約10キロに五時間半かかってます。
今日は雪が多いだろうからもっと時間がかかるとして多めに見て6時間から7時間かかるとしたら、三峰につくのは四時か五時頃。
これは急がなきゃならないぞと思いました。朝シュラフの中にいる時もなんとなくわかってましたが。
時間としては五分もおかず、頂上を離れました。ここから三峰神社まではずっと山の北側を行きます。日があたらないので雪がたっぷり残っていて歩きにくい道です。
10時16分 雲取山荘到着。
りっぱな山小屋です。一度泊まってみたいものです。
ここでトイレを借り、座るところを借りてポットの温かいカフェオレを飲みます。少し腹も減ったのでボリボリと行動食の干し小魚をかじります。加藤文太郎さんがやられていて有名なことですが、干し小魚はミネラルが採れるんで行動食に良いです。
この後は、三ツドッケという山を通って白岩山へ。
今回は雪が本当に多くてこのあたりで本当に難儀しました。雲取山荘から三ツドッケまでが雪が多く、また踏み跡が消えている場所もあり、ラッセルというと大げさですがそんな風にして歩く場面もありました。
また、山の北側に来てから風がいよいよ冷たく、頬が痛いほどでした。目出し帽をしていても露出部分は少しあるので、そこが痛いほど冷えるのです。
時間は遅く、歩みものろいため、去年は三ツドッケ頂上に登りましたが、今回は巻き道を選びました。巻き道なのに、僕はずいぶん辛かったですが。
左の写真から右の三つドッケのところまで、50分かかってます。雪が無かったら30分ほどの距離なのに。
12時11分 白岩山到着。
ここまでが、雪が多くて本当に辛かった。
この時点で、まだ三峰までの道のりの三分の一なのです。
心が折れそうになりました。ヤマケイのガイドブックでは、雲取山荘からここまでは50分とあります。しかし、今回は僕は1時間55分もかかっています。倍以上です。
でも、ここから後は、登りも少しあるけど、全体としては下りが多くなります。脚への負担はありますが、スピードを出せるようになります。
ところどころ道標があります。まだあと、半分もあるのかと思いながら歩きます。
白岩山の後、いったんかなりの急坂を下ります。雪がなくてもきつい坂だと思います。
その後、13時02分、前白岩山到着。
このあとさらに、前白岩山の肩という地名もありますが、くどいのでそれは省略。
またかなり下ります。足が痛くなるほど下ります。
すると白岩山と霧藻ヶ峯の鞍部、お清平につきます。13時51分。
お清平。地名は悲劇のヒロインのお清さんの故事から。世の中かわいそうな女性ばかりです。詳細なストーリーは忘れましたがロミオとジュリエットとかみたいな話です(←ホントか)
ベンチがあるのでここで、小休止。靴の中で靴下がよれてたので直したりし、ちょっと時間をかけました。
お清平から、最後の登りがあります。この後の最高地点の霧藻ヶ峯の休憩所まで、約100メートルの標高差があるのです。前回はこれがとてもキツくてキツくて汗だくになった記憶があります。が、この日は、
「あれ、もうついたの?」
という感じで休憩所につきました。たいして強くなった訳でもないと思うのですが、なんででしょう。
14時28分、霧藻ヶ峯の休憩所到着。
終わりました。ほとんど終わりました。ここから三峰までは全部下りです。しかも緩やかな。ほとんどハイキングレベル。後一時間半でしょうか。
なので省略。
15時48分、三峰のバス停に到着しました。
バス停の時刻表を見ると、なんと、15時45分にバスがあったのでした。なんてことでしょう、あとせめて三分早くついていたら、バスに乗れていたのです。登山口を出るところでタラタラアイゼンを外していたのがまずかった。後半走っても良かったのに。
悔しい〜!
次のバスは16時45分。仕方なく一時間ぼーっとしました。
いつもなら下山口のバス時刻表を持ってきてるんです。今回は忘れました。
油断です。油断、油断。
今回は、来月八ヶ岳に行くのでその練習という気持ちでいました。
今思えば、僕は雲取山をナメていたのです。雲取山がこんなに寒くなったりあんなに雪が積もることもあるんですね。
問題は無かったから良かったけれど、けっこうキツい山行でした。
山はナメちゃいけない、つくづく思いました。
おしまい。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する