ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 1673160
全員に公開
ハイキング
東海

宇津ノ谷峠 蔦の細道〜江戸東海道〜明治のトンネル

2018年12月08日(土) [日帰り]
 - 拍手
bool その他7人
体力度
1
日帰りが可能
GPS
03:08
距離
4.6km
登り
259m
下り
232m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
2:46
休憩
0:22
合計
3:08
距離 4.6km 登り 259m 下り 250m
10:04
42
坂下バス停
10:46
10:56
14
11:10
11:12
25
11:45
11:46
3
11:58
1
13:12
宇津の谷入口バス停
峠道を行ったり来たり、1.5往復したものの、昼食休憩を含めても3時間程度の山行でした。
静岡市が頒布しているガイドマップでは、一周およそ2〜3時間としているので、ほぼコースタイム通りかと。
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2018年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
JR藤枝駅または静岡駅より静鉄バス「坂下」または「宇津の谷入口」下車。
コース状況/
危険箇所等
とてもよく整備されたハイキングコースです。
急登や道幅の狭い個所もありますが距離はごくわずかなので、それほど危険はありません。
その他周辺情報 静岡市外や藤枝・焼津市街地に近いので、周辺の施設を利用できます。
静岡側・岡部側の両方とも登り口に飲食施設併設の道の駅があります。
静鉄バス「坂下」バス停からスタート。
すぐ南側に「道の駅宇津ノ谷峠」(岡部側)の駐車場が広がっています。
道の駅宇津ノ谷峠は、峠を境に北側(静岡市駿河区)と南側(藤枝市岡部)の両方に施設がある珍しい道の駅。
どちら側の施設にも隣接してバス停と駐車場があり、ハイキングの拠点としても有用です。
2018年12月08日 10:10撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:10
静鉄バス「坂下」バス停からスタート。
すぐ南側に「道の駅宇津ノ谷峠」(岡部側)の駐車場が広がっています。
道の駅宇津ノ谷峠は、峠を境に北側(静岡市駿河区)と南側(藤枝市岡部)の両方に施設がある珍しい道の駅。
どちら側の施設にも隣接してバス停と駐車場があり、ハイキングの拠点としても有用です。
峠の麓、坂下地蔵堂。
このお堂を右に回れば平安時代の古道「蔦の細道」、左に回れば江戸時代以降の東海道経由で峠を越えていきます。
今回はまず蔦の細道から静岡へ、そして一度江戸時代の旧東海道で引き返し、さらに明治時代の隧道で再び静岡側に至る、一周半の変則コースで歩く計画です。
2018年12月08日 10:17撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:17
峠の麓、坂下地蔵堂。
このお堂を右に回れば平安時代の古道「蔦の細道」、左に回れば江戸時代以降の東海道経由で峠を越えていきます。
今回はまず蔦の細道から静岡へ、そして一度江戸時代の旧東海道で引き返し、さらに明治時代の隧道で再び静岡側に至る、一周半の変則コースで歩く計画です。
地蔵堂から歩くことしばらく。
右手にあずまや風のトイレと、小川を渡る吊り橋が見えてきます。
2018年12月08日 10:24撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:24
地蔵堂から歩くことしばらく。
右手にあずまや風のトイレと、小川を渡る吊り橋が見えてきます。
蔦の細道の登り口までは、木和田川に沿って細長く伸びる「つたの細道公園」を歩いてアプローチすることにします。
木和田川には明治時代に築かれた石造りの堰堤(木和田川砂防堰堤)が残されています。
2018年12月08日 10:25撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:25
蔦の細道の登り口までは、木和田川に沿って細長く伸びる「つたの細道公園」を歩いてアプローチすることにします。
木和田川には明治時代に築かれた石造りの堰堤(木和田川砂防堰堤)が残されています。
木和田川堰堤は8基残され、登録有形文化財に指定されています。
近代のコンクリート堰堤とは違った、自然と一体化した風情ある景色。
2018年12月08日 10:29撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:29
木和田川堰堤は8基残され、登録有形文化財に指定されています。
近代のコンクリート堰堤とは違った、自然と一体化した風情ある景色。
目の前に立ちはだかる石段。
ここが平安時代の旧東海道、蔦の細道の藤枝側の登り口です。
『伊勢物語』、『十六夜日記』などはこの道を経由して東国を目指しました。
2018年12月08日 10:36撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:36
目の前に立ちはだかる石段。
ここが平安時代の旧東海道、蔦の細道の藤枝側の登り口です。
『伊勢物語』、『十六夜日記』などはこの道を経由して東国を目指しました。
石段と石畳の中間のような坂道で、ガレ場まではいかないものの歩きにくいです。
ただ距離自体はさして長くないので、準備運動と捉えて慎重に登っていきます。
2018年12月08日 10:37撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:37
石段と石畳の中間のような坂道で、ガレ場まではいかないものの歩きにくいです。
ただ距離自体はさして長くないので、準備運動と捉えて慎重に登っていきます。
落石にはくれぐれも注意。
2018年12月08日 10:39撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:39
落石にはくれぐれも注意。
いかにも古道歩き、といった雰囲気。
この道幅が平安当時のままだとすれば、戦国末期にわざわざ新道を切り開いたのにも頷けます。
2018年12月08日 10:42撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:42
いかにも古道歩き、といった雰囲気。
この道幅が平安当時のままだとすれば、戦国末期にわざわざ新道を切り開いたのにも頷けます。
蔦の細道の名所(らしい)、通称「猫石」。
自分の目では、とても猫のようには見えないのですが……。
どんな由来なんでしょうかね?
2018年12月08日 10:44撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:44
蔦の細道の名所(らしい)、通称「猫石」。
自分の目では、とても猫のようには見えないのですが……。
どんな由来なんでしょうかね?
唐突にミカン畑に到着。
ごく短い距離の間に、ころころと景色が変わるのが宇津ノ谷峠ハイキングコースの特徴であり、面白いところでもあるように感じます。
2018年12月08日 10:45撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:45
唐突にミカン畑に到着。
ごく短い距離の間に、ころころと景色が変わるのが宇津ノ谷峠ハイキングコースの特徴であり、面白いところでもあるように感じます。
蔦の細道の宇津ノ谷峠頂上に到着。
木和田川沿いの登り口からは15分ほどでの到着ですが、その間に一気に急登を駆け登ってきたことになります。
本来ならばこの方角に富士山が見えるらしいのですが、折悪く雲で隠れてしまっています。
2018年12月08日 10:50撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 10:50
蔦の細道の宇津ノ谷峠頂上に到着。
木和田川沿いの登り口からは15分ほどでの到着ですが、その間に一気に急登を駆け登ってきたことになります。
本来ならばこの方角に富士山が見えるらしいのですが、折悪く雲で隠れてしまっています。
針葉樹林の急坂を下り、静岡側の登山口に向かいます。
石はガレてはいませんが、落ち葉で滑りやすいのでくれぐれも足元注意。
2018年12月08日 11:01撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:01
針葉樹林の急坂を下り、静岡側の登山口に向かいます。
石はガレてはいませんが、落ち葉で滑りやすいのでくれぐれも足元注意。
小さな沢にも橋が架けられていて、ハイキングコースとしてとてもよく整備されているのがわかります。
2018年12月08日 11:09撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:09
小さな沢にも橋が架けられていて、ハイキングコースとしてとてもよく整備されているのがわかります。
静岡側の道の駅宇津ノ谷峠に到着。
現代の国道1号線はコンクリートのトンネルで宇津ノ谷峠を貫いています。
2018年12月08日 11:14撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:14
静岡側の道の駅宇津ノ谷峠に到着。
現代の国道1号線はコンクリートのトンネルで宇津ノ谷峠を貫いています。
跨道橋を渡り、今度は江戸時代の峠道を目指します。
2018年12月08日 11:20撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:20
跨道橋を渡り、今度は江戸時代の峠道を目指します。
江戸東海道に沿って軒を連ねる、宇津ノ谷集落の建物群。
観光地らしいお土産物屋などはほとんどありませんが、閑静な雰囲気が味わい深いです。
2018年12月08日 11:27撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:27
江戸東海道に沿って軒を連ねる、宇津ノ谷集落の建物群。
観光地らしいお土産物屋などはほとんどありませんが、閑静な雰囲気が味わい深いです。
江戸期の旧東海道宇津ノ谷峠。
もとは秀吉の時代に、小田原への進軍のために道幅が広く、かつ標高差の少ない新道を切り開かせたのが始まりとされています。
実際に比べてみると、たしかに歩きやすさは雲泥の差。
2018年12月08日 11:37撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:37
江戸期の旧東海道宇津ノ谷峠。
もとは秀吉の時代に、小田原への進軍のために道幅が広く、かつ標高差の少ない新道を切り開かせたのが始まりとされています。
実際に比べてみると、たしかに歩きやすさは雲泥の差。
巨大な石垣は、かつてここにあった地蔵堂のもの。
このあたりは明治時代の集中豪雨の影響で、本来の旧道が土砂に埋もれてしまっているらしい。
もとは石垣の上に東海道が通っていたそうです。
2018年12月08日 11:43撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:43
巨大な石垣は、かつてここにあった地蔵堂のもの。
このあたりは明治時代の集中豪雨の影響で、本来の旧道が土砂に埋もれてしまっているらしい。
もとは石垣の上に東海道が通っていたそうです。
切通しのような江戸期東海道の宇津ノ谷峠頂上。
効率化重視のせいで眺望は皆無です。
2018年12月08日 11:47撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:47
切通しのような江戸期東海道の宇津ノ谷峠頂上。
効率化重視のせいで眺望は皆無です。
台風の影響か、峠の南側は倒木が目立ちます。
撤去のための手が足りていないらしく、いまだにほったらかし。
2018年12月08日 11:49撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:49
台風の影響か、峠の南側は倒木が目立ちます。
撤去のための手が足りていないらしく、いまだにほったらかし。
岡部側まで降りてきて、今度は明治時代に開通したトンネルを経由して、再び宇津ノ谷集落に戻ります。
2018年12月08日 11:57撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 11:57
岡部側まで降りてきて、今度は明治時代に開通したトンネルを経由して、再び宇津ノ谷集落に戻ります。
宇津ノ谷「明治のトンネル」。これも登録有形文化財。
ほかにも大正、昭和、平成と、4時代のトンネルがいずれも現役で使われている、全国でも貴重なトンネル群です。
2018年12月08日 12:01撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 12:01
宇津ノ谷「明治のトンネル」。これも登録有形文化財。
ほかにも大正、昭和、平成と、4時代のトンネルがいずれも現役で使われている、全国でも貴重なトンネル群です。
内部は赤レンガ造りですが、もとは木の枠で固定されていたそうです。
そのためカンテラの炎が原因の火災で一度崩落、その後レンガ造りで再開通したのが現在のトンネル。
2018年12月08日 12:02撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 12:02
内部は赤レンガ造りですが、もとは木の枠で固定されていたそうです。
そのためカンテラの炎が原因の火災で一度崩落、その後レンガ造りで再開通したのが現在のトンネル。
日本最古の西洋式歩行者用トンネルにして、現存最古のトンネルでもあります。
かつては有料でしたが、現在は無料で通行できます。
2018年12月08日 12:05撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 12:05
日本最古の西洋式歩行者用トンネルにして、現存最古のトンネルでもあります。
かつては有料でしたが、現在は無料で通行できます。
静岡側の道の駅宇津ノ谷峠、その上り線側に到着。
バス停「宇津の谷入口」が隣接しているので、ここからまたバスで藤枝へ、または静岡へ向かうことができます。
2018年12月08日 13:21撮影 by  COOLPIX AW120 , NIKON
12/8 13:21
静岡側の道の駅宇津ノ谷峠、その上り線側に到着。
バス停「宇津の谷入口」が隣接しているので、ここからまたバスで藤枝へ、または静岡へ向かうことができます。
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ソフトシェル ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 ザック 飲料 レジャーシート 計画書 ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ガイド地図(ブック) 常備薬 保険証 携帯 時計 カメラ
備考 普通のスニーカーでも歩けますが、軽登山靴やストックがあれば携行をおすすめします。

感想

旧東海道の難所、宇津ノ谷峠。
その峠道を平安・鎌倉から戦国・江戸、そして明治へと時代の変遷とともに移り変わるさまを歩いて体験するという、ちょっと変わった趣向のハイキングです。

道の宿命として、「より楽に」「より短く」「より低く」という方向へと変化していくのは必定です。
そう考えると、こうしたハイキングとか登山全般はまさに時代に逆行しているようにも感じますが、要するに実用重視から娯楽へと、峠を登る目的が変化したというわけかと。
実際、こうして娯楽ハイキングとして宇津ノ谷峠を歩いたことで、今や何気なしに自動車でものの数分で通過できてしまう宇津ノ谷が、いかに難所であったかを身をもって感じることができたように思います。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1495人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら