大和葛城山…雲低し 寒風やまぬ ススキ原☁
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- GPS
- 03:02
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 535m
- 下り
- 476m
コースタイム
天候 | くもり 時々 はれ |
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過去天気図(気象庁) | 2019年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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その他周辺情報 | 【国民宿舎 葛城高原ロッジ】 http://www.katsuragikogen.co.jp/ |
写真
装備
個人装備 |
行動着(ソフトシェル / ハイネックセーター / Tシャツ / ズボン / ヒートテックタイツ / 靴下 / 冬季用グローブ / 防風グローブ / 防寒キャップ / 靴)
防寒着(ウインドシェル / ライトダウン)
予備着(タイツ / フリースハイネック / ハイソックス / ウォーマーキャップ)
雨具
ザック30L
食事( おにぎり×2 / カレーパン )
行動食(バウムクーヘン)
非常食(ピーナツあられ / チョコレート / ガム)
飲料(水500mL×1 / ポカリスエット500ml×1)
登山道具(山と高原地図 / コンパス / 腕時計 / サングラス / メガネ / タオル×2 / 笛 / 軽アイゼン)
緊急道具( ヘッドランプ / 予備電池 / エマージェンシーシート / ライター / マッチ)
救急道具(テーピング / ファーストエイド / 消毒液 / 塗り薬 / ポケットティッシュ / ウェットティッシュ / トイレットペーパー / バンダナ)
その他(スマホ / 一眼レフカメラ / コンパクトデジカメ / 一脚 / たばこ / ポケット灰皿 / 財布 / 保険証)
【計8.0kg】
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備考 | 【思い出の曲】 Ash "Girl From Mars " Arctic Monkeys "She's Thunderstorms" |
感想
新年あけましておめでとうございます。
2019年の初登山は、実家から近くの大和葛城山。
この山には、小学生の頃に登った気がする。恐らく、その時はロープウェイを使ったと思うが、確かな記憶がない。一応、大阪府の最高峰(標高959m)で、役行者が初めて開山した山である。登山口までは、実家から車にして約30分。こんなに身近な山なのに、自分の足では登ったことがない。「なんて失礼なことをしてきたものか…」
昨日に買った“山と高原地図”を見ると、気になるルートがある。“ダイヤモンドトレール”。略して“ダイトレ”。二上山の北にある景勝地の“ドン鶴峰”から和泉山脈の西端にある“槇尾山”まで距離にして45km。何とも惹かれるベタなネーミングの道である。その中でもメインの峰は、大和葛城山と金剛山。その間にある“水越峠”からだと、一日で二つとも登れそうだ。
父の車を借りて水越峠に向かう。峠の手前の駐車場は既に満杯で、道路脇にたくさんの車が数珠つなぎ。さすがに大阪、人が多い。無理に駐車をしようとすると、バスの運転手から「邪魔だ。どけっ!」と怒鳴り声。「これも大阪だなあ」と懐かしくもあり、嬉しくも思う。
峠のすぐ手前に金剛山への登山口がある。多くの人たちが、そちらへ消えて行く。結局、葛城山の登山口にいるのは自分だけ。「なんとも人気のない山だ!」
登りはじめは石畳の道。石で組まれた水路や石垣も残っている。さすがは関西、歴史を感じさせる。この大和の地域には、“戒那千坊”という人の史跡が多いというが、その名残の一つであろうか?
杉林の植林に囲まれ、急な登りになる。丸太の階段が整備されて歩きやすい。その反面、自然を感じることはない。全く味気のない道。植林地帯を抜け、広葉樹林になったと思いきや、人の手の入った雑木林。「おいおい、単なる“裏山”やん。どこがダイヤモンドなん?」とがっかり。追い打ちをかけるかのように、親切な看板が何度も登場する。これは期待できない。先月に左太腿の肉離れを起こしたばかりだし、「今日はリハビリ登山に徹しよう!」
うっすらと積もった雪の道を歩き、パラグライダー用の広場に出る。展望が開け、大和平野の広がりが見下ろせる。大和高田市の街並み。天香久山(152m)、畝傍山(199m)、耳成山(140m)の大和三山。その奥には、巨大な秀峰の額井岳が聳えている。残念ながら、台高・大峰の山々は黒い雲で見えない。高い山はやっぱり荒れてそうだ。青く澄んだ寒空と雲の低さが印象的で、なかなかいい眺め。リハビリとしては十分過ぎるご褒美だ。
おにぎりで遅い朝食を済ませ、展望を楽しむ。それにしても風が冷たく、ジッとしていられない。タバコを立て続けに3本も吸いながら、広場の隅を行ったり来たり。身体は温まるが、耳だけはどうしようもない。昔話の“耳なし芳一”を思い出してしまう。
少し歩くと、この山の代名詞である“一目百万本のヤマツツジ”の大草原に出る。もちろんツツジは咲いていないが、金剛山の見ごたえは十分である。裾野を大きく伸ばし、どっしりと構えている。山頂の辺りは、薄く雪化粧。霧氷が身頃なのかもしれない。
そして、そのすぐ上には“葛城高原ロッジ”。どこからやってきたのか車が3台。「山頂まで車で来れる?ほんまに山なんかいな」と変な気分になる。ロッジの入口には、鴨料理と天然温泉のポスターがある。「ここは、スーパー銭湯か!」…。完全に娯楽施設に成り下がり、もう無茶苦茶。鴨鍋に若干の気持ちを惹かれるも、プライドを維持し、手は出さないでおく。
凍り付いた芝生を歩き、すぐに山頂に出る。大阪府最高峰、2等三角点。達成感が出る場面。だがそれも、仰々しいほどの柱式の山頂標識に打ち砕かれる。「やりすぎだ」…誰もいない山頂は、強烈な風が吹き、寒さを通り越して痛すぎる。長居は出来そうもない。
せっかくの山頂。展望だけは、きっちりと脳裏に焼き付けておく。河内平野が大きく広がっている。大阪のビル群が林立し、建物が鮨詰めに。夜景を見るには最高の場所かもしれない。遠くには、大阪湾や六甲山脈までもが見えている。海が思った以上に近く、大阪の狭さを改めて感じてしまう。「あ〜、密集している」
山頂を退散する前に、一人のおじさんがやって来る。地元の御所市の人だ。「みんな、金剛山に行ってますな。正月の三箇日は、御神酒が振舞われますんで」と。道理でこの山には人がいないはず。金剛山がよく見える場所を丁寧に教えていただき、そちらに行ってみることにする。
そこは、ススキと笹が広がる草原になっている。立ち枯れはしているが、高原らしい雰囲気。金剛山が大きく、和泉山脈の山並みもなかなかいい。「いつかダイトレの縦走をしてみようか」と思ってしまう。この山の一番の場所を教えていただいたオジさんに感謝だ。ぐずぐずしていると、次の金剛山に行けなくなる。やむを得ず下山することに。
下山に入っても、自然を少しでも味わいたくて、“原生林”と地図に記されたところに寄り道をしてみる。期待外れと言うより予想通り。望んでいた自然が見当たらない。パラグライダー広場での展望が精一杯の慰めで、もう見所がない。諦めて下りることにする。
時折、雲間から日差しが漏れて、光のカーテンを創る。澄んだ青い空も顔を出し、雑木林が一気に輝く。美しくなる光景に思わず足が停まる。だが、それも一瞬であって長くは続かない。その後は、もう見せ場が訪れることもなく、植林地帯へ突入。風景に興味がなくなると、さすがに足早に。一気にサクサクと下る。幸い、違和感のあった太腿に痛みが走らない。どうやら本調子に戻ったみたいだ。30分程で無事に登山口に到着。
登山初めとしては、まずまずの山旅。
「リハビリ登山、大成功!」であった。
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