金剛山…神宿る 霧氷天国 杉地獄🌲
- GPS
- 04:25
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 723m
- 下り
- 752m
コースタイム
- 山行
- 3:07
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 4:25
天候 | くもり |
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過去天気図(気象庁) | 2019年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 【金剛山 登山道情報】 http://www.kongozan.com/ |
写真
装備
個人装備 |
行動着(ソフトシェル / ハイネックセーター / Tシャツ / ズボン / ヒートテックタイツ / 靴下 / 冬季用グローブ / 防風グローブ / 防寒キャップ / 靴)
防寒着(ウインドシェル / ライトダウン)
予備着(タイツ / フリースハイネック / ハイソックス / ウォーマーキャップ)
雨具
ザック30L
食事( おにぎり×2 / カレーパン )
行動食(バウムクーヘン)
非常食(ピーナツあられ / チョコレート / ガム)
飲料(水500mL×1 / ポカリスエット500ml×1)
登山道具(山と高原地図 / コンパス / 腕時計 / サングラス / メガネ / タオル×2 / 笛 / 軽アイゼン)
緊急道具( ヘッドランプ / 予備電池 / エマージェンシーシート / ライター / マッチ)
救急道具(テーピング / ファーストエイド / 消毒液 / 塗り薬 / ポケットティッシュ / ウェットティッシュ / トイレットペーパー / バンダナ)
その他(スマホ / 一眼レフカメラ / コンパクトデジカメ / 一脚 / たばこ / ポケット灰皿 / 財布 / 保険証)
【計8.0kg】
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備考 | 【思い出の曲】 DMA's "Lay Down" Beach House "Space Song" |
感想
金剛山、地元の大阪では最も有名な山。
年間を通して登山客が多く、“健康登山”や“回数登山”の山として有名である。
この山には、小学校での耐寒遠足や後輩との正月登山で、何度か登ったことはある。そのどれもが大阪府側の千早口からのもので、水越峠からのダイヤモンドトレールを辿るのは初めてだ。
無事に大和葛城山の下山を終え、登山口のゲート脇から“ガンドガコバ林道”に入る。作業車向けのダート道が2kmも続く。周りも杉の植林で見どころがない。“越口”という大和平野が望めるベンチをやり過ごし、水場である“金剛清水”に着く。午前中に、葛城山の山頂で出会ったオジさんが、美味しそうにラーメンを食べている。「さっきは、どうも。」「お先に行きますね!」と挨拶を交わし、先を急ぐ。道には、薄っすらと雪が見え出す。“カヤンボ”で橋を渡り、林道歩きがようやく終わる。
解放されたのも束の間で、今度は杉の植林がお出迎え。花粉症の人は確実にやられそうな杉の多さ。正午過ぎだというのに森の中は暗闇。作業道が入り乱れ、伐採された木もゴロゴロ。ここは“杉の地獄”みたいだ。山は荒れ放題で、ダイヤモンドのへったくりもない。意気消沈しながら、淡々と斜面を登る。
尾根の稜線まで駆け上がり、“旧パノラマ台”に着く。御所市方面の展望が開ける。陰気な杉地獄から解放され、明るい気持ちに。おにぎりを食べ、軽く一服をする。
ここからの稜線の道は、手入れされた杉の道。幾分かの明るさがある。石柱が所々にあり、往時の交通の要衝であったことがよく分かる。足元の雪は踏み固められ、ヒンヤリと凍結。油断をすると足元を抄われてしまう。途中、北側の展望が開け、丸っこい高原の葛城山がよく見える。自然林が杉の継ぎ接ぎを受けて、痛々しい。
金剛山まで1.0kmの標識を見ると、杉の巨木が目立つようになる。どの木々もすごく高く、まっすぐに天を突いている。上の方は霧氷で真っ白。荘厳な雰囲気で、ここが神域であることを感じさせる。さすがは歴史のある山だ。
“一の鳥居”を潜る。“葛木神社”の一角で、ここからは金剛山の核心部。千早口から来たと思われる登山者がたくさんいる。積雪が多く真っ白な世界。参拝路の脇の墓地で、軽アイゼンを装着する。周囲の木々は、ひときわ白く異彩を放っている。クリスマスツリーのような杉の喬木と霧氷を飾ったブナの枝。近くには、親分の“仁王杉”が立ちはだかる。樹齢500年。なんと室町時代から生きている。他にも同じような大木がゴロゴロとあり、厳粛な空気が漂う。
神社の裏の“ブナ原生林”にも行ってみる。僅かだが、関西にもまだブナは生きている。杉の植林により、住処を狭められはしたが…。ここのブナたちは、息苦しそうに葛城山を眺めている。昔は、広大なブナ林が広がっていたのだろうか?…残念だ。
階段を少し上がると、“葛木神社“の境内に出る。“一言主神”を祀った神社だ。金剛山の最高地点である葛城岳のすぐ手前にある。しかし、残念ながら頂上は踏めない。木の柵に囲まれ、「神域のため立入禁止」とされている。中を見ると、伐採された木が放置され、ゴミ捨て場のように無造作。なんとも罰当たりな光景で、神聖な雰囲気が全くない。これなら、山頂を踏ませてくれればいいのに…。
回り込むと“葛木神社”の本殿に出る。参拝客は2人しかいない。御神酒を振舞うはずの巫女さんが、足をばたつかせながらパイプ椅子に座っている。よほど寒いのだろう。後ろにはストーブがあるが、意味をなしていない。気の毒で可哀そうになる。
神社から、“福石”、“宝剣塔”と下っていくと霧氷の群れが広がる。“葛城家歴代御廟所”の周辺が特に美しく、一面が銀世界。木々の枝には、氷が砂鉄のように長く伸び、黒い杉を背景にして、幻想的な光景を創っている。この霧氷を見られただけでも、登ってきた甲斐がある。通りすがりの見知らぬ人と「来て、良かったですね」と自然に会話をしてしまう。
隣には“転法輪寺”。役行者が修行の場として開いた葛城修験道の総本山である。金剛山の名前も、この寺の山号からとったらしい。参拝客は数えるほどで、鎮まりかえっている。
すぐ下には、山頂扱いされている“国見城跡”の広場がある。掲示板には“田中陽希”君が訪れた時のチラシが掲載され、食い入るように見入ってしまう。下山しようと歩き出した時、見覚えのある笑顔が。御所市のオジさんである。千早口に下山されるとのこと。「また、どこかでお会いしたいですね」、最後のお別れをして下山する。
“夫婦杉”を通り、ふたたび葛木神社に。もう誰もいない。寒がっていた巫女さんも撤退したみたいでホッとする。「平和のお祈り」を捧げて、最後の目的地である“湧出岳”に向かう。“出迎え不動産”のある分岐点からは、もう人の気配がない。
“湧出岳”には一等三角点がある。展望がなく、代わりに無線中継塔が何本も立っている。殺風景で山頂らしくない。時間は15時を過ぎ、薄暗くなってきた。雪も舞い出し、早々に引き上げる。
帰りは、足の調子を確かめるように、走ってみる。“旧パノラマ台”までの2.4kmを25分で下ることが出来た。もう大丈夫だ。杉地獄を軽くかわし、“金剛清水”でご褒美のピーナツあられを平らげ、無事に下山することが出来た。
金剛山、杉の植林はいただけないが、冬の霧氷は相変わらず綺麗だった。
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