三峰山…紺碧の 天空に咲く 白花火❅
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- GPS
- 07:24
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 730m
- 下り
- 724m
コースタイム
- 山行
- 4:09
- 休憩
- 3:15
- 合計
- 7:24
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
行動着(ソフトシェル / 長袖ウィックロンシャツ / Tシャツ / ズボン / ヒートテックタイツ / 靴下 / 冬季用グローブ / 防寒キャップ / 靴)
防寒着(ウインドシェル / ライトダウン)
予備着(タイツ / フリースハイネック / ハイソックス / ウォーマーキャップ)
雨具
ザック30L
食事(Bigカップヌードル / おにぎり×2 / 三色パン)
行動食(バウムクーヘン)
非常食(こっこ / チョコレート / ガム)
飲料(水550ml×1 / 水600ml×1 / ポカリスエット500ml×1)
登山道具(山と高原地図 / コンパス / 腕時計 / サングラス / メガネ / タオル×2 / 笛 / 軽アイゼン)
緊急道具(ヘッドランプ / 予備電池 / エマージェンシーシート / ライター / マッチ)
救急道具(テーピング / ファーストエイド / 消毒液 / 塗り薬 / ポケットティッシュ / ウェットティッシュ / トイレットペーパー / バンダナ)
その他(スマホ / 一眼レフカメラ / コンパクトデジカメ / 一脚 / たばこ / ポケット灰皿 / 財布 / 保険証)
【計9.0kg】
|
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備考 | 【思い出の曲】 Lorde "Royals" Sigur Ros "Hoppipolla" |
感想
2005年以来となる、後輩との“正月休みの山旅”
霧氷で有名な三峰山に行ってみた。
みつえ少年旅行村に車を止め、登山開始。右手には、霧氷で白くなった三峰山の山頂部が見え、気持ちが逸る。人気のないキャンプ場、異様な数の多さのコテージ棟、無用に長い滑り台、ガードレールのように目立つ白い取水管、用を成さない堰堤など、醜い人工物が「これでもか」と続く。
山あいに入ると杉の人口林に囲まれる。一昔前に見た“タカスギ”のCMを思い出す。薄暗く陰気な森。間引きされた倒木が放置されたままで、痛々しさに輪をかける。鳥のさえずりも聞こえない。森は完全に死んでいる。途中に小さな水流がツララとなっており、「関西もやっぱり寒いんだ」と実感。無人の小屋を2つやり過ごし、ようやく“人工物地獄”から解放される。
新道登山口から、いよいよ山の雰囲気に。霧氷の木が現れ、左手の尾根が真っ白に雪化粧。右手には相変わらずの“鹿除けフェンス”。人工物の生き残りだ。それを打消すかのように朝陽が射し、霧氷を白く輝かせる。沢はガチガチに凍り、ジェルのようなオブジェに変身。気泡も固まり、瞬間冷凍にされている。雪の斜面に木陰が伸び、白と黒のツートンカラーが眩しい。木々から零れる尖った霧氷の欠片が、まるでホワイトチョコの粉末で、白さに磨きをかけている。峠のある尾根に近づき、森がようやく元気になる。
新道峠から三畝峠まで、尾根伝いの道が続く。緩やかなアップダウンで、気持ちの良い自然の森。純青な空と純白の霧氷。満開の桜、花火大会…ずっと見ていたくなるような光景で、一向に前に進まない。霧氷が狂い咲いている。早くも今日のクライマックスを迎える。
登り尾峰付近で休憩。弟からの正月土産である静岡名産の“コッコ”がやけに美味しい。上を見上げると満開の霧氷。冬の花見もなかなかいい。周りには、阿修羅のように枝を広げたオオイタヤメイゲツや、幹をピカピカに光らせたヒメシャラがウヨウヨとしており、大好きなブナも悠然と座っている。「関西の山も捨てたもんじゃない」と思わせる。ただ、それも尾根の左手だけであって、右手の三重県側は杉の植林。せっかくの自然をぶち壊し。なんとも残念である。
三畝峠から、より白い霧氷のトンネルが続く。大日如来を過ぎると雪が明らかに増え、左手の斜面は霧氷を越えて冬山の様相に。木曾御岳山ビューポイントで展望が広がる。残念ながら、御岳山は目を凝らさないと見えない。こんな天気の良い冬なのに“このざま”。昔はよほど空気が澄んでいたのだろう。居合わせたオジさん夫婦と「御岳山を見んのなら、もっと近くに行けばいいやん。何もこんな遠くから眺めんでも…」と身も蓋もない会話をして爆笑する。手前には、意外に特徴のある大洞山と尼ヶ岳。その奥には青山高原や鈴鹿山脈が連なる。御在所岳の存在感ある分厚さと雪の多さに目が奪われる。シロヤシオの低木帯を抜け、三峰山の山頂に出る。
山頂には、自分たちのほかに2組5人の登山者がいる。みなさん、気持ちよさそうに霧氷を楽しんでいる。笑い声も聞こえてくる。北側の展望が開け、禿げた山肌の倶留尊山とコンモリした古光山がよく見える。左隣には住塚山と国見山。さらにその奥には、昨日に登った金剛山と葛城山。小さく二上山までもが見えている。
カップ麺とコーヒー、タバコでたっぷり寛ぐ。ポカポカの太陽が冬を感じさせない。霧氷も一気に溶け出し、落ちる氷が顔にあたる。気持ちがいい。と同時に名残惜しさも。見事な霧氷が終わりを迎えようとしている。白と青の世界…年末の寒波と今日の快晴のおかげである。奇跡に感謝。恐らく明日は、グレーの世界が待っているのだろう。
1時間半の休憩後、すぐ下の八丁平に立ち寄ってみる。台高の山々が一望に見える大展望台。右手から明神平、白鬚岳、池木屋山、大台ヶ原、古ヶ丸山、迷岳、遠くには伊勢湾までもが見えている。大台ヶ原の左手にある双耳峰が気になる。山と高原地図で確認すると“テンネンコウシ高”とある。初めて知る山。まだまだ知らない山もあるものだ。
山座同定をしていると、にわかにニホンジカが顔を出す。プックラと丸々だ。じっとにらめっこに。なかなか胆が座っている。すぐにシャッターをパシャリ。難なく仕留めることが出来た。
ここからは鋭峰の高見山が見えない。うまく見えるところがないものかと、周りをウロウロ。樹林に阻まれ、どこに行っても見えない。誰も踏み歩いていない残雪で、獣の足跡を見つける。それも至る所にある。いるものだ。野生が残っていることに嬉しくなる。
午後の日射しを受け、霧氷も完全に消滅。いい時間帯になってきたので下山に入る。例の杉の植林に突入だ。昼なお暗く、時間感覚が奪われる。ついでに道も凍らせてくれる。思わずスリップ。「おいおい!いらんことすんなよ」。下山路は、曽爾高原の展望以外に見るべきものがない。全く不要な展望所や休憩小屋が現れ“ガッカリ山”に落ちぶれる。
小屋の前では、猟師が軽トラで待機。シカを狙っているのか?騒ぎながら小屋に入り、次の行動を監視。しこたまタバコを吸いながら待っていても、彼は居眠りをして動かず。日も陰ってきたので小屋を出る。あとは気持ちの悪い陰気な植林帯を残すのみ。クールダウン気味に一気に駆け下りる。
登山口に着くと、西の空からウロコ雲の大群が押し寄せてくる。物凄い速さで、雪崩れ込んでいるという感じだ。明日の天気はきっと下り坂。
「今日の三峰山、いい天気に恵まれて、ほんまに良かった!」
・・・大満足な山旅となった。
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