甲武信ヶ岳 〜いろいろ勉強になったなぁ
- GPS
- --:--
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,568m
- 下り
- 1,565m
コースタイム
13:45甲武信小屋13:50‐14:14甲武信ヶ岳14:20‐14:29甲武信小屋‐14:50木賊山‐
15:55近丸新道分岐16:00‐17:03徳ちゃん新道入口‐17:25駐車場
天候 | 晴れ時々曇り たまに小雪舞う |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
17日金曜日に雪が降ったようで、サラサラな雪がトレース上にあり、それが滑り ある程度斜度のあるところは足が滑ってなかなか前に進めませんでした。 「体力は残ってるのに前に思うように進めない」という感じでした。 雪は中間地点以降は 15〜20Cm程度新雪が積もっているように感じました。 |
写真
感想
「もっと寒いところに行きたい!」という気持ちが強く、ほかの方の記録を
参考に、『‐16℃』でかつ現在は『雪がそれほどでもない』ということで
甲武信ヶ岳へ行くことに。−16℃を体感しに行ってきました。
しかし、今回は山をなめていました・・・・。
前日、会社の飲み会。2次会へもしっかり行き・・・・すっかり午前様になり
当然の事ながら朝予定通り起きれず、家を出たのは6:00。
「遅起きは三文の徳を得ず・・・・」。おまけに高速は渋滞箇所が多く、なんと
駐車場へ着いたのは9時となってしまいました。
この時点では「ま、なんとかなるかな」と・・・・。
9:24 駐車場
準備を終え、出発です。気温‐6°。標高差を考えると頂上は‐14°になっている
はず。ワクワク。駐車場の気温‐6°は2回目なので特段寒いとは感じず。
上:インナー、ソフトシェル、ハードシェル
下:インナー、3シーズンズボン、レイウェア
でスタート。少し空模様が気になる。
9:50 徳ちゃん新道入口
6本爪アイゼンを付け、ハードシェルを脱ぐ。
歩き初めてすぐ「お腹減ったな」と思う。いつもなら昼飯を食べるまで我慢する
が、今日は時間がなかった為か『カロリーメイト』を2本口に入れる。(結果
としてこれがの後の行動に対しプラスに働く)
徳ちゃん新道は途中から雪が全面を覆っていた。途中途中にある急坂は、足場が
あまり良くなく歩きやすくはない。足元をしっかり確認しながらバランスを崩さ
ないように注意し歩く。「物足りない」くらいユックリと。
11:35 近丸新道分岐 <小休止> -10°
「距離の割に意外と時間がかかったな」というのが正直な感想。この時点で
「甲武信ヶ岳までは行けないかな」と考え始める。紅茶を飲み汗で濡れたソフト
シェルを脱ぎハードシェルに替える。雪山はハードシェルの方が防風・換気が
1枚ででき便利と自分は思う。ここで携帯を雪面に落とし携帯が使えなく
なる。電源が入るが写真が撮れない・・・・。ショック!
そして、ここからが計画外の状況に直面。ここから木賊山まで急坂・大きな段差
がほとんどになるが、雪が柔くて前になかなか進めない。なんというか踏ん張れな
い状態。ズルズル足が下に流れる。足場を確認しながら、6爪アイゼンが効きそう
なところにフラットに足をおき、時に木を支えにしなが歩を進める。ワカンとか
スノーシューなら状況は変わったんだろうか・・・・。
木賊山まで30分位のところで下山してきた二人の青年と少し話す。
「あとどれくらいですかね?」
『いや〜、結構ありますよ。日帰りなら無理と思いますよ』
「そうですか。じゃあ途中で引き返すかな」
『その方がいいですよ。あの、一応名前教えてもらえますか?縁起でもないです
が万一を考えて』
優しい若者だなぁ。しかし、やっぱり甲武信ヶ岳までは無理か・・・・と。
テンションが落ちそうになる。でも、山歩きをギリギリ迄楽しもうとまた歩を
進める。ただ、ひたすら歩く。
cf.途中1回小休止。紅茶を飲みストックを出す。
13:31 木賊山 ‐18℃
「さあ、どうしよう」と思案。「甲武信ヶ岳の山容だけでもみようか」と前に
進む事を決める。確認で地図を見る。「ちょっと待てよ。甲武信ヶ岳近いな。
ここからのコースタイムを見ると1時間半で戻れるかも。そうすると3時。ここから
下まで下り道なら2時間で行けそうだ。よし前に行こう。甲武信小屋までの下りの
スピードで木賊山からの下山タイムが分かる。(早く歩けるかどうか)。
甲武信ヶ岳まで行くかどうかは甲武信小屋で決めよう」と計画を修正。
甲武信小屋までの下りを駆け下りる。やっぱり下りは楽チン。途中足が膝まで
沈むところもあるが、かなりハイピッチで歩ける。ただ「ここ登るのか・・・・」
と一抹の不安も。
この下りで鼻が痛くなる。
13:45 甲武信小屋 <小休止> ‐15°
3時まで75分。「よし行ける」と甲武信ヶ岳迄行く事を決める。大樹の小枝を食べ
ながら目出し帽を被り、ヘッデンを出し乾電池を装填。スイッチを付け動作を
確認し左ポケットに入れる。お湯を沸かし新しい紅茶を作る事が時間的に出来ない
ので、予備に持ってきたアクエリアスを飲む。アクエリアスは1/3がシャーベット
になっており非常に冷たかった。
そしてスタート。下りの後の登りは歩くペースを掴み難い。登り初め苦労するが
途中からペースを掴む。
14:14 甲武信ヶ岳 ‐15°
山頂のケルンが見えたところの段差がなかなか上がれない。雪がズルズルと。
手を使い、四つん這いになり泳ぐようによじ登る。
「着いたー!!!!」 始めて感じる達成感!本当に嬉しかった。
ハードル高い方が喜びは大きく、山頂で「○したー!」と奇声をあげる。
そして、「携帯が動いた!」。奇跡的に携帯が動き、写真を数枚取る。
ほとんど踏み跡がない山頂。いや〜、嬉しい。
もっといたかったが時間がないので数分で撤退。
14:29 甲武信小屋 ‐15°
ここから、本日最後の苦難へ。木賊山への急坂。下った感じだと「長くて急」
というイメージ。まさにイメージ通り。「辛い・・・・」もう修行の世界。
今日は大休止を取らず歩き詰めなので、精神的にも辛い。
でも、木賊山まで上がれば後は「下り」と心を奮い立たせ歩を止めずに進む。
14:49 木賊山 ‐17°
予定通り。測ったように。数枚携帯で写真を撮り(撮った後完全に携帯のバッテリー
が逝ってしまう)、液体状で残っているアクエリアスを喉に流し込みいざ下山へ。
最初は樹林帯。下りは歩きやすい。かなり早いペースで歩いている実感あり。
この辺で指先と左腕に痺れが。寒いと感じていないのに寒さで痺れている。
そして、若干気持ち悪い。多分、キンキンに冷えたアクエリアスが飲んだせいと
思う。身体が急に冷やされて体調が悪くなったとしか思えない。なので、ペース
をフルに上げ、身体がこれ以上冷えないように頑張る!歩いてる途中途中で
「よくこの連続した急坂、雪道を登ったたものだな〜」と我ことながら感心。
大分行くとシャクナゲ地帯に。ここが歩き難い。何回コケたか・・・・。
石や木の根っこに柔らかい雪が乗っているところを踏むとツルっと滑る。でも
雪の上から石や木の根っこが見えるわけもなく、ホント滑りまくった。
15:53 近丸新道分岐 <小休止> ‐10°
予定以上のタイムで降りてこれて一安心。今日初めて座る(石の上に)。
目出し帽を脱ぎ、残った紅茶を飲み(かなりヌルかったが)一息つく。
かなり疲れている。ザックよりチョコベビーを出し、大好きな明治のチョコ
を体に入れる。すると元気が出てくる。「あと1時間!」と気持ちを再度
引き締めスタート。
ここからの急坂はスピードが上がらない。足場が悪く早く歩けない。なので、
途中途中にある「緩斜面」は走る。『日が暮れない内に歩き終えたい』という
意地があったかもしれないし、その方が呼吸と心拍数が急坂と一緒になってペース
が取りやすいように感じる。
17:03 徳ちゃん新道入口 ‐6°
17:25 駐車場 ‐7°
日が暮れる前に帰り着きました〜。
途中で脱いだソフトシェルと目出し帽は、自分自身の汗で凍っていました。
恐ろしい〜。
【雪山について】
黒斑山でも感じたことであるが、「雪山は時間がかかる」。9:24スタートでは
遅すぎる。今回はなとか山頂まで行けたが時間に追われ「山歩きを楽しむ」という
気持ちにはなれなかった。本当に反省。
【冷えについて
「寒い環境下で冷えた飲み物を体に入れるのはあまりよくない」と思った。
帰りの車で「スナック菓子を食べよう」と冷えたファンタグレープを購入し飲む。
そしたら、暖房の効いた車の中でも手先が冷えたまま。途中自販機で温かい
コーンスープを買い飲んだところあっという間に手先が温まる。
今回下山時の木賊山先で手先と左腕が痺れ、気持ち悪くなったのは「キンキンに
冷えたアクエリアス」を飲んだせいと思う。行動時間に余裕をもち、温かい飲み
物を作りそれを補給しながら歩く事の重要さを感じた。
【冷えについて◆
今回‐15°(場所によっては‐18°)の場所を歩いたわけだが、インナー+
ハードシェルで寒いとは感じなかった。流石にピットジップは締めたが、
「中にもう一枚着よう」とは思わなかった。風をほとんど感じなかった事も
あったかもしれないが、おそらく自分は標準な人より寒さに強い方だと感じた。
(小学生の頃はランニング+半ズボンで一年中いたからなぁ〜)
ただ、顔は・・・・。裸なわけで、今回初めてつけた目出し帽は必要と思った。
【冷えについて】
今回の山行の課題の一つとして「今履いている靴(モンベル ツオロミーブーツ)」
でどこまで行けるか?と考えていた。大休止がなくほとんど行動していたので
100%今後の参考になるかはわからないが、全く問題はなかった。若干
「冷たい?」くらいに感じた場面もあったが、基本的に足が冷たいという事は
なかった。元々足は冷えない方でスキーの時も一度も「足が冷たい」と思った
事が元来ない。『足先の冷えは人それぞれ』と言われるが、自分は寒さに強いの
ではないか?と思う。(・・・・北八ヶに行けたかもと思ったり)
【その他】
食料の準備、状況判断・・・・今回その点は良かったかなと。
カロリーメイト、歩き始めに食べておいて良かった。このエネルギーがあったから
こそ甲武信ヶ岳に行くパワーがあったのかなと。それと大樹の小枝。やっぱり
スティックタイプのお菓子は歩きながら食べれて良い。時間短縮ができるし、
「ある場所に停滞し続けないといけない」という事を避けることができる。
今回は時間的問題があったが、悪天候時などにも有効と感じた。
アクエリアス。冷えてる物を体に入れるリスクは勉強になった。しかし、『水分』
は必要。そいう意味で予備で持ってきてよかった。(今回初めて使用した)
地図とコースタイムからの予定変更とその判断。ここ最近は地図を見ながら歩き、
これから歩く自分の道(急なのか巻道なのか)と想定タイムを考えまた振り返って
いた。そうした事の結果として今回は甲武信ヶ岳まで行けたと思う。また、
ヘッデンの利用。これまでに「早朝登山」でヘッデンを使っていたことが、今回
甲武信ヶ岳まで行くと決めた要因にもなった。使ったことがない、暗闇を歩いた
ことがない・・・・、という状況なら諦めていたと思う。
まとめると、「今までの経験を最大に活かせたなあ」と本当に思った。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する