奥手稲山〜春香山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 1,025m
- 下り
- 1,012m
コースタイム
25日:林道入口-(1)-林道終点-(2)-奥手稲山の家C1
26日:C1-(0.5+)-奥手稲山-(2.5)-銀嶺荘-(0.5+)-春香山-(2.5)-林道入口
天候 | 25日:晴れ時々雪 26日:晴れのち雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
25日
道内は全体的に天気が良くないことと、長らく冬の奥手に行っていないtentyoの要望もあり、
今回は近郊の山でスキーツアーに行くことに。
道道1号線の国際スキー場より2kmほど下にある夕日の沢林道の入口に車をデポして出発。
春香小屋は半分くらい埋まっている。自分が見た中で一番雪は多いかもしれない。
最近の降雪でラッセルはないか心配していたが、幸いトレースがついている。ごっつぁん。
林道唯一の分岐は右へ。左は銀嶺荘へと続く。
筆者も冬に小屋に行くのは久しぶり。
2年生のときの通いなれたところなので、林道でもいろいろなことが思い出されて懐かしい。
林道の雪崩警戒箇所は2か所ある。パーティを離して通過するのがいいだろう。
ラッセルはなかったので快適に1時間で林道終点に到着。
道が狭くなるのですぐわかる。左手にはスキー斜面があるが、シール外すのが面倒なので今回はカット。
林道が終わっても沢沿いなのは変わらないが、夏道になると時折渡渉をしなければならない。
この時期ならば、しっかりしたスノーブリッジはあるが、その前後が急になっていることもあるので転倒は注意。
3回ほど渡渉を繰り返し進むと夏道のコース分岐へ到着する。
顔の高さくらいに赤い目印の看板がある。夏は見上げる高さにあることを考えると驚きの積雪量である。
この時期はトラバリコースは斜面となってしまい、雪崩や滑落の危険があるので、沢沿いのコースを進み続ける。
渡渉以外にも、雪崩を警戒する箇所もありパーティを離したりして対処する。
特に面倒なこともなく、コンパスの切り返しの目安である沢の屈曲点(南向きから東向きに変わるところ)に到着する。
目印である枯木はワンゲルでは「プリングルス」と呼ばれているが、いまだに何がプリングルスなのかはわからない。
もう少し沢沿いにいって、微沢が入っているところからコンパスを使って、尾根を目指して登っていく。
大きな針葉樹が生えてる植生から、細いカンバが等間隔に林立する植生に変わる。
この奇跡の林立からミラクルワールドと呼ばれているが、植林なんだろうか。不思議だ。
尾根を乗り越えていくと、赤看板が目に入る。このあたりくるとカンバは突如として大木が増える。
ここから尾根沿いの登っていくと、もう1つの赤看板があり、これが小屋に向けてのトラバリ開始の目印となる。
しかし、この赤看板は進行方向は向いておらず、油断をすると見落としてしまう。
昔、向きを変えようとしたことがあるが、強固に固定されていて諦めたのを思い出す。
トラバリ斜面は雪崩には警戒すべきポイント。
斜面に生えているしっかりとした木を繋いで、パーティを離していく。
半分くらい進んだら、目印の赤看板が目に入るのでそこを目指す。
雪崩が怖いところではあるが、ここも滑ったら楽しそうだ。
ここまで来たら小屋は目前。
手前にある深い沢を渡ったら、われらが奥手稲山の家に到着する。
中に入って、昼飯がてらの休憩。石炭ストーブに火をつけ、インスタントラーメンを食す。
気持ちがいいのでちょっとうだうだ。ワンゲル部員がさまざまなことを書き込んでいる小屋ノートを読んだりする。
昔の自分の書き込みもあり、すこしくすぐったい。
石炭ストーブのぬくもりという誘惑に負けそうになるが、当初からの目的であったスキーに出かける。
もちろん小屋の西側にあるユートピアだ。
第1ユートピアは小屋からも望むことができる。
沢を渡って、左手の樹林をだらだらと登っていく。
最初に第2を滑るつもりだったので、とりあえず第1の始まりくらいから左手に左手に進んでいく。
すると白く抜けた斜面が見えてくるので、その上部にある台地を目指して登る。
白く抜けた斜面が第2ユートピアだ。第1よりも最初のほうは斜度がきつくかなりの広さを誇る。
はやる心を抑えて弱層テスト。特に弱層はないのでさっそく滑る。
久しぶりの山スキーで急なところはなかなかうまく滑れなかったが、途中から勘を取り戻し始め、気持ちのいい滑りができた。
楽しいのでもう一度登りかえして滑る。
第2は調子に乗って下部の沢型まで滑り降りると面倒なので、緩くなったところから左手の樹林の中へ戻る。
そうして適当にトラバースをするとちょうど第1の上に帰ってこれる。
今度は第1を滑る。適度な斜度とパウダーで最高。
まっさらな斜面に思い思いのシュプールを刻むのは爽快。まさにユートピアだ。
2ピッチほど滑って、小屋へ帰る。
小屋に戻るとお客さんが2人来ていた。
ストーブに適当に再点火し、お茶を飲む。
まただらだらして、暗くなり始めるくらいでランプに火を灯し、晩御飯を作る。
今日は麻婆豆腐。石炭の火力に中華鍋は鬼に金棒。なかなかおいしく作れた。
その後はだらだらと酒を飲んではつまみを食べていたが、小屋なんだからもう少しいい酒といいつまみをもってくればよかったと後悔した。
26日
翌朝は、思ったよりいい天気だ。冬型決まるまでの間髪かな?
マルチャン正麺が朝ごはん。確かに普段のインスタントとは一線を画する麺だ。スープもなかなかおいしい。
小屋の誘惑に負け、予定より遅めにデッパ。
昨日、ユートピアからも見えていた奥手稲山を目指す。
青空のもと近郊らしい雰囲気の森を進んでいく。
カンバもタンネも太くて大きく、見ていてすがすがしい。
小屋から直線ルートで行くと登りが急で面倒そうなので、途中から同コンタでトラばって、適当に南東のコルを目指す。
頂上付近はたらっとしていて、木も疎になり思っていたよりもいい感じ。ただ今日は風が強め。
ちょっと探すと申し訳程度にくくりつけられたピークの赤布を見つけた。地味に初登頂。
もっと晴れていれば、札幌近郊を見渡せて気持ちがいいのだろう。
ここから見える手稲山はなんか要塞のようだ。
山スキーは東壁を滑るらしいが、自分がいったらおそらく滑落になるだろう。
そして残念ながら、カメラの電池終了のお知らせ。ここからは写真なしだ。残念。
シールを外して次の865手前のコルまで滑りを楽しむ。今日も快適。
コルからは726へショートカット。
726でシールを付けて838に登る。ここも木が疎でなかなか気持ちがいい。春香山や和宇尻、海なども見える。
しかし、それよりも気持ちがよかったのはここからスキー。
銭函峠あたりを目指して、コンタ差150mをいっきに滑り降りる。雪質も最高。
今山行最高のスキーだった。
平らな地形に出てからは、適当に710をまいて沢沿いに進む。
沢を渡渉したところにはエゾライチョウがいた。ライチョウといえども、そこまできれいでもなく、一回りくらい小さい。
本州でいうところのコジュケイみたいなものだ。
しかし、こんなに近くでまじまじと眺める機会は初めてなのでうれしかった。
沢を登って斜面を登ると、銀嶺荘へ続く林道へ出る。
それを歩いて行く。銀嶺荘手前の沢の渡渉の直前の左手の斜面は雪崩には注意。
銀嶺荘は初めてだが、かなり大きく立派だ。奥手と同じくらいかそれ以上で、人臭さもある。次来るときは宿泊してみたい。
休憩400円・宿泊800円だ。
冬型が決まり始めたのか、すっかり天気は悪くなってしまったが、今回2つ目のピーク春香山を目指すことにする。
そこそこ急な斜面を木を繋いで登っていく。すでに昼なので斜面にはいくつもシュプールが入っている。
ところどころ雪崩が怖いところにも入るので、パーティを離したりする。
ひいこら登り小一時間登りピーク着。
あいにく天候で、なんにも見えない。しかし、登ってきたところにスキーは楽しいのは間違い。
弱層テストをして問題ないことを確認し、滑り降りる。
さすが、近郊のスキーのメッカ。200mほどをパウダーを散らしながら滑るのはヤミツキになりそうだ。
登った時間に比べると一瞬で終わってしまうが、久しぶりの楽しい山スキーに大満足。
あとは林道に合流して歩くのみだ。
638付近に来ると林道はわからなくなるのが、沢を適当眺めつつ行けば問題はない。
586に近づくと突如としてタンネが現れるのは不思議だ。
586から夕日の沢林道に戻るには、分岐は右折。少し先の分岐は左にとって進んでいく。
途中、スノーモービルとすれ違った。どこから入ってくるのだろうと思っていたが、あとで地図をみたらおそらく朝里峠からだろう。
晴れたり雪が降ったりのなか、林道をだらだら歩いていく。
531手前の崖マークは白くなっているので雪崩は注意。
送電線の下をくぐると勝手知ったるいつもの林道に戻ってきた。
そして、林道入口へ。
久々に奥手稲山の家へ行けて、近郊の山とスキーを存分に楽しめ、満足のいく山行だった。
小金湯温泉で汗と石炭ですすけた体を流して帰札。お疲れ様でした。
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