宮之浦岳と縄文杉



- GPS
- 56:00
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 1,326m
- 下り
- 2,062m
コースタイム
- 山行
- 5:43
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 6:10
- 山行
- 5:24
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 6:29
天候 | 初日曇り一時晴れ、2日目雨、3日目曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
船 飛行機
復路:屋久島空港から飛行機 |
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備されています。危険個所はありません。 |
写真
感想
宮之浦岳登山経験のある九州の友人らの計画に便乗し、屋久島に行きました。宮之浦岳登山は1985年に計画するも仕事の都合でキャンセルして以来の念願で、24年ぶりに成就しました。以下はリーダー執筆の山行報告からの抜粋です。E氏が私です。前夜、鹿児島入りする予定でしたが、小型機の着陸失敗により鹿児島空港が閉鎖されため、宮崎に飛び、早朝に高速バスで鹿児島入りしました。
10月31日(土)
埠頭で、東京組の一人、E氏と合流。今回の山行は、“早め早めの行動”がKey Word(この後、何度も痛感!)。よって、島内で豪華ランチといきたかったが、船中ランチ(粗食)で我慢していただく。グルメ隊長としては後ろ髪引かれる思いだったようですが、寝場所確保優先!とさせていただきました。曇り空の屋久島(安房港)に到着し、もう一人の東京組であるT氏と合流。これで総勢8名全員が揃い、予約しておいたタクシー(一週間前の予約でギリギリセーフ)に乗り込み淀川登山口へ向かう。途中、S氏のリクエストでビール(ロング缶6本)を購入。「紀元杉」を見学しながら、1時間ほどの道程を、運転手さんのガイドで淀川登山口まで移動。登山口で荷を整え、記念撮影をした後、早速、縦走への第一歩を踏み出す。どんどん登山客がやって来るので、早く小屋に着かねばぁ〜!鹿児島港で声を掛けてきた大阪のおばちゃんらしき人が、我々の行程を聞いて嫌な顔、同じ行程と思われた。30分ほどで淀川小屋に到着(途中、縦走してきた人や山頂までピストンして下山してくる人たち数組とすれ違う)。 到着後、皆さん目にも止まらぬ速さで寝場所と食事場所のベンチをkeep!小屋にはまだ一組しか到着していなかったが、この後10分もしないうちに、登山客が次から次へと到着し始めた。我々以外のほとんどがガイド付きの中高年グループ。80箸離競奪を背負ったガイドが若くて可愛かった(へへへっ・・・)。今夜の小屋はほぼ定員いっぱい。明日はもっと凄いことになるだろうなぁ〜(ホントに凄いことになった!!)。早速腰を落ち着けて、S氏購入の冷えたビールで一回目の乾杯!初日の酒量はビール、ウィスキー、焼酎、梅酒だったかな?こんな調子だから、長い夕食になるだろうなぁと思ったが、我々以外はサッサとシュラフに潜り込むので、こちらも早い就寝となる。
11月1日(日)
夜中の2時頃、雨音で目が覚める。天気予報が当たってしまった。4時前から他のパーティーが朝食の支度を始めたので、こちらもゴソゴソとシュラフから這い出る。朝食は野菜たっぷりの即席味噌汁を使った雑煮。朝食後、予定より遅れて出発する。辺りはまだ真っ暗。夜来から降り始めた雨は止みそうにない。今日は念願の宮之浦岳の頂に立つ予定だが、足取りが重い。 約1時間出発を遅らせる(花之江河では夜が明けていて欲しかったから)。標高が高くなるにつれ風雨が強くなる。花之江河に着く頃には靴の中はグショグショ。湿原で写真撮影するも風雨が強く、周囲の景色はぼやけていた。そのとき、鳴き声の後に一頭の鹿が出現!水墨画を見ているような幻想的な光景に息をのむ。この先さらに風が強くなり、ガスも出てきて展望はゼロ。天気が良ければ黒味岳や投石岳、安房岳等々が望めるのにぃ!登山道は、ロープが設置されている所が数箇所あるものの、よく整備されていて登りやすい。淀川登山口からの往復登山が増えているのも納得だ。とにかく整備されまくっていて、ちょっと拍子抜け。ガイドブックには 「ガスが出てきたら動くな」と書いてあったが、ここまで整備されていれば、遭難はまずないのでは(←油断大敵)。 山頂をピストンしてくる若い男性一組とすれ違う。その超軽装に驚く(翌日は、それ以上の軽装に衝撃を受けることに)。風雨で見通しが悪く、何処をどう登ったのかわからない。後の急登に喘ぎ、4時間弱で宮之浦岳山頂に到着。しかし山頂は暴風雨!山頂からの眺望はもちろんゼロ。ご褒美の絶景が望めないので、まるで訓練をさせられているようだ。先客が一組いるものの、記念撮影をしたらサッサと下山していく。こちらも山頂に長居する気にはならず、写真を撮ったあと新高塚小屋へ急ぐことにした。15分ほどで永田岳への分岐に着くも、この天候では誰も無関心なのでスルー(ザックが5、6個放置されていた。この天候でも頑張っている人、いるんだぁ〜と感心。*永田岳は新九州百名山の一。今回登っておきたかったが、このお天気では諦めざるをえませんでした。後で、下山してきた人に聞くと、風強く雷も鳴ったとか。正解でした)。
11月2日(月)
前日の雨はすっかり上がっていた。縄文杉まで1時間弱なので、ゆっくりと支度をする。(この後、)覚悟はしていたが、トイレは長い列。それでも私の前は4人ほど・・・後ろはかなり並んできた。長蛇の列に諦めたFさんはトロッコ道まで我慢。準備万端さぁ出発という時に事件勃発!F氏の靴が無い!ゆっくりしていたため、小屋に残っている人はほとんどいない。20代くらいの女性が二人、入り口でゴゾゴゾ準備している。彼女の靴をよく見てみると、F氏の靴だ。指摘するが、「自分のだ!」と言い張る。見かねた連れが、彼女の横にあった靴を「こっちじゃないの」と差し出しすと、「あっ!」と言っただけ。詫びる風でもなく、それに履き替えるとそそくさと出て行ってしまった。こちらは唖然!! まったく、自分の靴かどうかも分からないのか!と、F氏に代わって毒づく。気を取り直していざ縄文杉へ! 途中、猿の喧嘩する声を聞いたT嬢が「熊が出た!」と叫ぶので、「熊はいないよ」と言ったら、「だって熊毛郡だもん!」と意味不明の答えが返ってきた。またまた気を取り直して縄文杉へ!!すっかり夜が明けて明るくなったデッキの前にその姿はありました。縄文杉です!! デッキから見る姿ですが、他の木々とは違う存在感。世界中から見物客が押し寄せる理由が納得できた。早朝のためさほど混雑しておらず、ゆっくり鑑賞できた。でも、やはりもっと近くで見たかった!荒川登山口からやってくる見物客が押し寄せる前に早々に退散。縄文杉を過ぎた辺りから、登山客の客層と言っていいのだろうか? 縦走者とは全く違う人種が続々登場。T氏が言うところの20代女性だ!とにかくその数が凄い!ウィルソン株辺りは「週末の岩田屋広場前かっ(ローカルな話題ですみません)?」と思わせるほど若者が溢れている。縦走の中高年層は、すっかり存在を消されてしまっている。若者に囲まれたI氏が嬉しそう。←その訳は、ランスカ(ランニングスカート)ならぬハイスカ+レギンス姿の女性がいたから。急いで下山したいが、登ってくる女性達で思うように進めない。で、彼女達の服装チェックをして遊ぶことにした。もちろんザックは小さめで、中にはショルダーバックの人もいる。お〜っと、レンタルウェアもいるぞ!! えっ〜?!レンタルシューズぅ〜?!それはないでしょぉー(おじちゃん達びっくり!!)。そんな彼女達がいるトロッコ道から分かれて、白谷雲水峡に向かう。途中、太鼓岩に登り、昨日望むことができなかった山々と紅葉を楽しむが、宮之浦岳は雲がかかっていて見えなかった。これからは白谷雲水峡の幻想的な苔の森を進むことになる。縄文杉方面と違って、こちらはファミリー向けのトレッキングルートであるせいか、家族連れが多いようだ。途中、若い男性から「辻の峠って何があるんすかぁ〜?」と聞かれ「峠!!」と答えたいのをぐっとこらえ、眺望が良いスポット(太鼓岩)を教えてあげる。別れるとき足元を見ると、ビーサンだぁ〜!!この後も、ショルダーバックにローファー姿のご婦人を見かける。S氏は若い女性から「もののけの森ってきれいですかぁ〜」と聞かれ、嬉しそうに「きれいだよぉ〜」と答えていた。が、Hさんは知っている、S氏は「もののけの森」がどこだったか分かっていないことを・・。そんなこんなで、後半はギャップの大きさにショックを受けながら、全員無事に下山。これから帰京するT氏&E氏と慌ただしく挨拶を交わし、予約しておいたタクシーに乗り込み、一路、今夜の宿へ!FさんとKはお二人を空港に送ってから宿へ。・・・・
お天気には恵まれませんでしたが、怪我もなく、ばてたり足を吊ったりする人もなく、無事全員縦走でき、本当に良かった。屋久島は世界中から観光客が押し寄せ、ゴミやトイレの問題が深刻化していることを新聞などで知っていましたが、現地に行ってそのことを肌身で実感しました。トイレが新設されたばかりに森が一部消えてしまった箇所も見ました。白谷雲水峡も、5年前にはなかった「進入禁止」のロープが張られ、景観を損ねていました。ロープを張っても、進入する人が後を絶たないそうです。縄文杉以上に古い杉を探して登山道を外れ、遭難する登山客もいると聞きました。楽しかった半面、いろいろと考えさせられた今回の山行でした。人気の島です。山小屋に入れないことを考え、E、F、Kがテントを持ってゆきましたが、使わずにすみました。今回も雨。それも登頂日である2日目。我々は登頂後早めに小屋に入ったので大丈夫でしたが、後から来た人の話では、風強く雷も鳴ったとか。あらためて、山では早出早着が基本であることを実感(してくれましたか?)。宮之浦岳では雨に降られましたが、前回は通行止めにより訪れることができなかった縄文杉に行け、十分満足!屋久島の人達が培ってきた自然と人との優しい関係。この「共生」の関係がいつまでも続くことを願ってやみません。
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