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Yamareco

記録ID: 174185
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

赤岳(夫婦でゆるりテント泊のつもりが、、、、、)

2012年03月10日(土) ~ 2012年03月11日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
12.1km
登り
1,215m
下り
1,215m

コースタイム

一日目
13:45赤岳山荘駐車場→15:30赤岳鉱泉
二日目
6:20赤岳鉱泉→7:00行者小屋→9:07赤岳→11:00行者小屋→11:35赤岳鉱泉(テント撤収)12:40→14:00赤岳山荘駐車場
天候 一日目:車でのアプローチ中は大雨→長坂ICから雪。鉱泉まで粉雪。
二日目:快晴
過去天気図(気象庁) 2012年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
美濃戸から赤岳山荘駐車場までは、写真にある通り。
コース状況/
危険箇所等
美濃戸から赤岳山荘駐車場までは、写真にある通り。
四駆のSUV&冬タイヤ&チェーン必須、出来れば4輪ともチェーンを。
凍結状況によっては、八ヶ岳の稜線上より危険。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

稜線上は、クラストした上に新雪が20〜30cm積った状態でした。
新雪が崩れてアイゼンが効かない個所も多く歩きにくく、注意が必要。

雪崩には、細心の注意が必要な状況。中岳、阿弥陀方面は、その危険性大。

前日、地蔵尾根からの登頂者がなくラッセルが大変と考え、文三郎尾根からのピストンに計画を変更。
文三郎尾根のトレースは、noborundaさん。ありがとうございました。

<装備>
ハーネス、シュリンゲ(長短)×3、ロープ30m8mm×1、エイトカン、ATC、ヘルメット
注)赤岳一般ルートですが、私たち夫婦の場合いつもフル装備で臨んでいます。
チェーン規制渋滞、小淵沢まで7kmに2時間かかりました。冬タイヤ装備しましょうね、皆さん。
2012年03月10日 11:25撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/10 11:25
チェーン規制渋滞、小淵沢まで7kmに2時間かかりました。冬タイヤ装備しましょうね、皆さん。
美濃戸からは、念には念を入れてチェーン装着。軽SUV四駆+冬タイヤ+チェーンですが、、、。
2012年03月10日 12:42撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/10 12:42
美濃戸からは、念には念を入れてチェーン装着。軽SUV四駆+冬タイヤ+チェーンですが、、、。
徒歩の美人の4人パーティーを、少しよけてあげようとしたのですが。左前輪がドボ。
2012年03月10日 12:42撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/10 12:42
徒歩の美人の4人パーティーを、少しよけてあげようとしたのですが。左前輪がドボ。
ありがとうございました。救世主パーティーは山岳ガイドの安部さん。装備が違う!
2012年03月10日 13:35撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/10 13:35
ありがとうございました。救世主パーティーは山岳ガイドの安部さん。装備が違う!
粉雪が舞っています。
2012年03月11日 21:04撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 21:04
粉雪が舞っています。
少し明るくなってきました。奥(lon)絶好調。私、珍しく不調。
2012年03月11日 21:04撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 21:04
少し明るくなってきました。奥(lon)絶好調。私、珍しく不調。
これなら、大丈夫ですね。赤岳鉱泉の雪上車。
2012年03月10日 14:35撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/10 14:35
これなら、大丈夫ですね。赤岳鉱泉の雪上車。
ますます、絶好調。
2012年03月10日 14:35撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/10 14:35
ますます、絶好調。
アイスキャンディー。
2012年03月10日 15:24撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/10 15:24
アイスキャンディー。
ブルーのシェルターが、キャンディーのアイスブルーに映えますね。
2012年03月10日 16:30撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/10 16:30
ブルーのシェルターが、キャンディーのアイスブルーに映えますね。
いいと思うのですが、「テント沼」住民の自己満足?
2012年03月11日 21:05撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 21:05
いいと思うのですが、「テント沼」住民の自己満足?
悪条件下でありながら、赤岳主稜にチャレンジ。あきらめたけれど、文三郎からノートレースの赤岳登頂、はぁー。
noborundaパーティーには呆れます、お名前どおり。
2012年03月10日 17:10撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/10 17:10
悪条件下でありながら、赤岳主稜にチャレンジ。あきらめたけれど、文三郎からノートレースの赤岳登頂、はぁー。
noborundaパーティーには呆れます、お名前どおり。
ということで、乾杯!赤岳の状況をnoboさnから聞いて、奥(lon)は、むずむず言いだしてます。
2012年03月10日 17:47撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/10 17:47
ということで、乾杯!赤岳の状況をnoboさnから聞いて、奥(lon)は、むずむず言いだしてます。
夜中、粉雪が少し舞っていますが、月が出てきました。
2012年03月11日 21:06撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 21:06
夜中、粉雪が少し舞っていますが、月が出てきました。
朝ー、出発、快晴!冬山フル装備。
2012年03月11日 21:06撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 21:06
朝ー、出発、快晴!冬山フル装備。
他のパーティーも続々と。鉱泉の泊まり客は200人!
2012年03月11日 06:20撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 6:20
他のパーティーも続々と。鉱泉の泊まり客は200人!
朝日を受ける硫黄岳と大同心。
2012年03月11日 06:43撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 6:43
朝日を受ける硫黄岳と大同心。
阿弥陀岳、なぜかこちらは一回しか登ってません。
2012年03月11日 06:59撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 6:59
阿弥陀岳、なぜかこちらは一回しか登ってません。
右、阿弥陀北稜。左、文三郎尾根。
2012年03月11日 07:11撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 7:11
右、阿弥陀北稜。左、文三郎尾根。
私たちは、もちろん文三郎。noborundaさんは、早い時間に阿弥陀北稜に入ったみたいですね。
2012年03月11日 07:11撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 7:11
私たちは、もちろん文三郎。noborundaさんは、早い時間に阿弥陀北稜に入ったみたいですね。
北稜、数名が見えます。
2012年03月11日 07:22撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 7:22
北稜、数名が見えます。
朝日を浴びて。
2012年03月11日 07:23撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 7:23
朝日を浴びて。
文三郎方向より、こちらの方が人が多そうです。下山路、どうするのかなー、ちょっと気になります。
2012年03月11日 21:07撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 21:07
文三郎方向より、こちらの方が人が多そうです。下山路、どうするのかなー、ちょっと気になります。
取り付きの急登、おおきなお尻。
2012年03月11日 21:07撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 21:07
取り付きの急登、おおきなお尻。
赤岳主稜に取り付いているパーティー、凄い。
2012年03月11日 08:06撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 8:06
赤岳主稜に取り付いているパーティー、凄い。
阿弥陀南稜、綺麗なラインです。
2012年03月11日 08:41撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 8:41
阿弥陀南稜、綺麗なラインです。
権現岳の向うに南アが。
2012年03月11日 08:41撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 8:41
権現岳の向うに南アが。
本日のベストショット。
2012年03月11日 08:41撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 8:41
本日のベストショット。
奥(lon)登ります、絶好調。一方、私は絶不調。
2012年03月11日 21:08撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 21:08
奥(lon)登ります、絶好調。一方、私は絶不調。
青空、岩、雪に、華麗な(加齢ではありませんよ)ステップを刻む奥(lon)。
2012年03月11日 21:08撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 21:08
青空、岩、雪に、華麗な(加齢ではありませんよ)ステップを刻む奥(lon)。
もう少し、やっぱり大きいおしり。
2012年03月11日 08:54撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 8:54
もう少し、やっぱり大きいおしり。
快晴ですが、やはり、風はね。
2012年03月11日 09:07撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 9:07
快晴ですが、やはり、風はね。
権現岳方向、雲が上がってきてますね。
2012年03月11日 09:07撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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権現岳方向、雲が上がってきてますね。
阿弥陀の頂上直下に数名見えます。noboさんも登頂したかな。ヤマレコユーザー、阿弥陀・赤岳同時登頂でしょうか?
2012年03月11日 09:07撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 9:07
阿弥陀の頂上直下に数名見えます。noboさんも登頂したかな。ヤマレコユーザー、阿弥陀・赤岳同時登頂でしょうか?
心持細身になったかな?
2012年03月11日 21:09撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7
3/11 21:09
心持細身になったかな?
雲も上がってきましたし、地蔵尾根のトレースもわからないので、文三郎をピストンする事に。
2012年03月11日 10:09撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 10:09
雲も上がってきましたし、地蔵尾根のトレースもわからないので、文三郎をピストンする事に。
中岳のコルに阿弥陀からの先行パーティーが。
2012年03月11日 21:09撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 21:09
中岳のコルに阿弥陀からの先行パーティーが。
良く見ると頂上から、続々と下降中。
2012年03月11日 10:27撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 10:27
良く見ると頂上から、続々と下降中。
奥(lon)、がんがん下りますが、足元が崩れる場所もあります。
2012年03月11日 10:27撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 10:27
奥(lon)、がんがん下りますが、足元が崩れる場所もあります。
右が中岳沢、雪崩の巣。したがって、文三郎分岐まで登り返す必要があります。しんどそう。
2012年03月11日 10:34撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 10:34
右が中岳沢、雪崩の巣。したがって、文三郎分岐まで登り返す必要があります。しんどそう。
置いてゆくなって!
2012年03月11日 10:44撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 10:44
置いてゆくなって!
横岳方面
2012年03月11日 10:44撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 10:44
横岳方面
中岳。
2012年03月11日 11:04撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 11:04
中岳。
赤岳、阿弥陀、ありがとう。
2012年03月11日 11:04撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 11:04
赤岳、阿弥陀、ありがとう。
横岳、地蔵尾根。
2012年03月11日 11:04撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 11:04
横岳、地蔵尾根。
大同心と硫黄岳。
2012年03月11日 11:19撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 11:19
大同心と硫黄岳。
赤岳鉱泉まじか、撤収です。
2012年03月11日 21:11撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 21:11
赤岳鉱泉まじか、撤収です。
凄い人です。でも赤岳ではあまり人に会いませんでした。noboさんによると、阿弥陀岳は30名は登ったらしいです。
2012年03月11日 21:11撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 21:11
凄い人です。でも赤岳ではあまり人に会いませんでした。noboさんによると、阿弥陀岳は30名は登ったらしいです。
アイスとドライです。
2012年03月11日 12:44撮影 by  uT6000,ST6000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/11 12:44
アイスとドライです。

感想

「ゆるりテント泊」のはずが、アクシデントの連続。

赤岳山荘の駐車場に到着したのは、13時半!
ゆっくりいって、10時〜10時半には到着できる時間に自宅を出ていますから、
3時間超の遅れとなりました。これじゃー「ゆるり」はできませんね。

要因は、
々眤道路のチェーン規制。小淵沢ICまで「渋滞7キロ」でしたが、この7キロに2時間弱。
冬タイヤ装備してる車、少ないです。装備しましょうね、皆さん。

美濃戸直前の、ゆるーい坂が登れない車が一台。FF車で冬タイヤですが、登れません。
これでは道路をふさいで美濃戸に行けませんので、後続の車の方数名で押し上げます。
何とか脱出。
ちなみにチェーンは持ってないとの事。冬タイヤ装備でも、山に行くならチェーンは必須と実感。
でも、これは兆しでした。

H濃戸からは、軽SUV+冬タイヤ+チェーンのフル装備で臨みました。
しかし、徒歩の美女4人パーティーを、ちょっと避けてあげようという親切心(すけべ心)があだとなり、
左前輪を落としてしまいました、雪の下に道路はなかった、とほほ。
どうやっても上がりません。
万事休すか、と思いきや「救世主」の登場です。
牽引用のロープに、鉄製のアイゼンみたいな滑りどめ。
すごい装備です。
後ろから牽引してもらい見事脱出。
感謝感激どころではありません。「救世主」にお礼をしたくて、名刺を頂いたら
「山岳ガイド・安部英治」さんでした。
本当にありがとうございました。


自らのためと恩返しのために、来シーズンからは現在の装備に、
牽引用ロープ、鉄製のアイゼンみたいな滑りどめ、ブースターを加えようと心しました。

「雪山装備、忘れてませんか車の装備」

追加>noborundaさんの「本気の八ヶ岳ァ

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail.php?did=175384&com_id=256103&com_rootid=256103&com_mode=flat&com_order=0#comment256103


【noborundaさんとの楽しい宴】

出だしからハプニング続出で、予定を大幅にオーバーして赤岳鉱泉に到着。
テントを設営していると、「こんにちは」と元気な声が。
noborundaさんでした。
テント設営後、休憩中のnoborundaさんにお声かけし、ウチのテントでしばし歓談。
お互いコンビニで買ってきたおつまみと鉱泉で買ったビールや赤ワインという質素な宴でしたが、
山の話は尽きず、とても楽しいものでした。

この日早朝からお友達と入山したnoborundaさんは、阿弥陀北稜を目指すも雪の状態が悪く、赤岳主稜に変更。
が、ここもトラバースが危険と判断されるが、時間が早くてもったいないから赤岳登ってきました、とのこと。
はぁ、スゴイです。
私だったらとっとと鉱泉に戻って、呑んで寝てましたよ、きっと。
この辺の気合がちがうんだなぁ。

文三郎で一部腰までのラッセル、と伺い、かなり不安な気分に...。
テントの受け付けの時、状況を聞いた時も
「赤岳?ヤバイ、ヤバイ。今日行ったガイド連中も皆途中で帰ってきてるし。
クラストした斜面に新雪がのって、アイゼン効かないから。無理しないでね」
と、小屋の方から言われていた私は、そもそもテンション下がり気味だったわけでして。
noborundaさんからは「大丈夫、大丈夫」と励まされ、明日再度阿弥陀北稜にチャレンジされるというnoborundaさんと、
お互いの無事と健闘を祈って1時間ほどで宴はお開き。
このへんの「サッパリ感」がいいですな。



【ロープワークの練習】

翌朝4:30に起床すると、天空は満天の星と輝くお月さま。
風もほとんど感じない。
雪の状態はともかく、どうやらお天気には恵まれたようである。
準備をして6時過ぎに出発。
トレースバッチリの道を、シンとした朝の空気に包まれて一歩一歩進む。
アイゼンのキュッキュッという音だけを響かせて。
このなんともいえない静けさが「八ヶ岳の朝」らしくて、大好きだ。
ほどなく行者小屋に到着。
ここも12張り程のテントが張られており、そこそこのにぎわいである。

文三郎道に入り、しばらく樹林帯の急登が続く。
それほど歩きにくさは感じず、いつも通り一歩一歩前進する。
樹林帯を抜けるとそれなりの風を感じるようになる。
耐風姿勢が必要なわけでもないのでそのまま進む。
そのうち先行するワカモノ(♂)2名に追いつき、道を譲られる。
分岐に向かうトラバースに入るとトレースはなく、踝くらいの新雪がのった中、
慎重に歩を進める。
分岐からはジグザグとトレースをたどり、風を避けられるところで休憩後、山頂へ。
途中下山中のパーティ3組程とすれ違うが、皆、文三郎ピストンとのこと。
地蔵尾根からの入山者が確認できず、トレースもないので、とのことだった。

登頂後、下山路をどうするか夫と相談し、せっかくロープも持参しているのでロープワークの練習をしつつ、
文三郎を下りることにする。

山頂の岩で夫が自己確保をとった後、ロープでつながれた私はクライムダウンし、事前に夫から指示されていた支点に
自己確保し、OKのコールをする。
降りてくる夫に合わせてロープをたぐり、夫が到着すると再度、同様の練習をした。
本来、ロープは必要ない箇所だったが、なぜか登ってくる人の気配もないし、せっかくなので、練習である。
今度は自分で支点となるものを見つけなければならず、下りながら適当な岩に見当をつけ、ロープが半分出たところで夫から
「半分」とコールがあり、そこで目星をつけた岩で自己確保をとる。
OKのコール後、夫が下り始める、といった具合である。


今回の練習を通して気付いたことは以下の通り。

ー己確保をとるための目標物は、登りの時点からよく観察して見当をつけておく

行動は確実に、かつ素早く
支点を見つけるのに手間取ったり、シュリンゲのセットやインクノットでの自己確保は確実でなければならないが、
素早く行わないとすぐに体が冷えてしまう。
これは、自分だけでなく、それを待っている夫も同様である。

C羇峪拇世魄媼韻垢
今回中間支点はとらなかったが、それを意識することは重要。
ロープの距離感をイメージすること。周囲をよく観察すること。

ぁ嵋が一」をイメージする
ロープが必要な個所、とは、つまり滑落の危険性がある個所である。
従って、自分が落ちた時、及び後から下りてくる夫が落ちた時、どのような体の流れになるのかをイメージし、
それも踏まえて中間支点や自己確保の支点をとる


そうこうしていると、登ってくる人が現れたので、練習は終り。
文三郎をグングン下る。
行きと違ってトレースもついているし、多少滑るところもあったが、アイゼンが効かない程でもなく、快調に下る。
この日、登・下山で出会ったのは20人ほど。
赤岳鉱泉には200人の宿泊だったそうだが、赤岳は、非常に静かでした。



【全体の感想】

今シーズンは丹沢の大雪のおかげで、八ヶ岳には全然行けず、春の足音が聞こえるにつけ、1回は行っておきたいなー、
という軽い気持ちでの山行でした。
「雪山入門」といわれる赤岳は、今回で5回目の登頂となりましたが、そろそろもう「ちょっとだけ」ハードでロングなルートを歩きたい、
という気持ちがあったのも事実です。

冬の赤岳といえば、私にとっては風が強く、気温が低く、文三郎はクラストしてカリカリ、というイメージでしたが、
今回は、まったく違っていました。
やはり、雪の状況その他で全然違うことが実感できてよかったです。
そのおかげでアイゼン歩行のおさらいが十分にでき、またロープワークの練習もできたことで、
非常に収穫のある山行でした。
これも予報に反して、穏やかなお天気だったことに起因します。
もちろん、山頂からの眺望の素晴らしさは、いうまでもありません。
赤岳の神様、ありがとう!!

アイゼンワークに関しては、我ながら会心の出来。
さまざまな雪面に対して、落ち着いて、合理的な歩行ができました。
このように、天候に恵まれた時に(余裕が持てる時に)自分の「歩き」をキチンと確認できたのは、
なによりの収穫です。
悪条件下で、自分の力を100%出せるか否かは、そうでない時にいかに「意識」して歩いているかにかかってくると思っています。
それはほんのわずかな「確信」ではありますが、自分にとって困難な状況に陥った時に、
それはまぎれもなく「冷静さ」を保つ礎となってくれることでしょう。


「雪山の入門」であり、「雪山の先生」である、赤岳。
再訪するのは、来シーズンとなるでしょうが、これからも何度も訪れたい大好きな山です。



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コメント

ricalojpさん、ricalonさん、こんばんは。
やはり八ヶ岳はいいですねー。
写真を拝見していたら、また行きたくなってしまいました。
南アをバックにしたベストショットが特にいいデス(あっ!もちろんブルーのテントも)

lonさんも調子よろしかったようで、何よりです。
2012/3/12 18:54
お疲れさまです。
こんばんわ(^ー^)ノ
アクシデント災難でしたね。
残雪期に赤岳いきましたが、美濃戸までの登りで、
轍がひどくて、同じく難してる車をみかけました(´Д` )
山に辿り着くまでの、装備も重要ですねっ、改めて発見☆彡
それにしても、二日目の晴天は素晴らしいですねー、
日頃の行いでしょうか(ベースケ心は別として(*☻-☻*))
来季はいくぞっ、冬の赤岳( *`ω´)
2012/3/12 19:37
ricalojpさん、ricalonさん、こんばんわ〜
雪の状態でいけるいけないは全然変わってきますよね〜。
そんな中、赤岳登頂できて良かったですね!
そしてロープワークの練習もとのこと、いいですねぇ
青空の阿弥陀、赤岳最高です!

最近ハイキングしかしてないので、
そろそろ凛とした空気感のある八ヶ岳にいきたいなぁと思ってます。
2012/3/12 21:12
ゲスト
ricalojpさん、ricalonさん、こんばんは!
雪の八ヶ岳、まさに絶景ですね
素晴らしい景色!

こういう山に登るには、ロープワークも必要になるのですか…
夏の八ヶ岳だって僕にはまだまだ無理ですけど、いつかは自分の足で行って、こんな素敵な写真を撮りたいなぁ

お疲れ様でした
2012/3/12 22:16
いい天気
ricalojpさん、ricalonさん

赤岳お疲れ様でした。

降雪のち晴れ、
また白くなった八ヶ岳の山々が青空に映えてますね。
写真でこれだけ良いのですから
実際は感動でしょうね
2012/3/12 22:36
リカロご夫婦お疲れ様でした
イヤー、なんと言っていいか。凄いですね。
ブルーのテント?は、目立ちますね。全国どこに行っても、そのテントがあればリカロさんと認識できます。
阿弥陀北陵ですか、20歳の頃に登った記憶があります。今の私の体力、気力、技量では、この季節は絶対に無理です。
次回の塔はいつ頃ですか? お会いしたいです。例のM指令?のお礼もありますし。

ミクニです。
2012/3/12 23:45
参考にします
確かに青のテント、アイスキャディーの近くにあったし、目立ってました(笑)
(大同心大滝でアイスクライミングいってきました)

うちらは、来週の日〜火で、行者小屋〜赤岳主稜〜赤岳〜横岳〜硫黄岳を予定しており参考になりました
2012/3/13 0:12
お疲れ様でした。
ricalojpさん、ricalonさん、お疲れ様でした。

出だしは渋滞&アクシデントがあったようですが、
登頂+練習で充実の山行のなられたのでは。

次の山行も楽しみにしてます。
2012/3/13 2:53
geraniumさん、ricalojpです。
そうなんですよね。
今回は、天気に期待していなかっただけ、うれしさ百倍でした。

まあ、テントの方は自己満足ということで。

奥(lon)からもレスがあると思いますが、確定申告つかれ(?)で、
本日はおねんね見たいです、お許しあれ。
2012/3/13 5:46
jin411さん、おはようございます。
いくつになっても、美しい女性には弱いです。

しかも、冬山装備でかっこいいシェルをまとった女性が4名。

稜線でも、気をつけよっと。
2012/3/13 5:53
tamaoさん、おはようございます、jpの方です。
ロープワークといっても、私たちの場合、奥(lon)を如何に下すかだけに特化しています。

なにせ、雪壁の途中でセミになられると困るので。

http://www.yamareco.com/modules/diary/21428-detail-31867

夫婦でのアンザイレンは、禁止事項。
まぁ、落ちるなら一人でという夫婦愛ですかね。

この時期になると、八ヶ岳からそろそろ北アが魅力的。今シーズンは、乗鞍を狙ってます。
2012/3/13 6:04
u-taさん、ricalojpです、おはようです。
私たちは、一般ルートしか行かないので、ロープを使うことなどめったにありません。

雪山は、「行ってみないと分からない」ケースが多いので、備えあればって事です。
おかげで、今のところ赤岳は、積雪期に10回チャレンジして登頂は9回です。
敗退は、最初のガイド登山でしたが。
2012/3/13 6:13
kankotoさん、おはようございます。
期待していなかった時の、好天はやはり感動ひとしおですね。
最近、期待してない時の方が良いケースが多いです。

写真が下手なので、眺望で何とかでしょうか?
奥(lon)のお尻は撮り慣れてはいるのですけど。
2012/3/13 6:19
Mikuniさん、おはようございます。
ガリガリやってたんですね。
私、北稜は一度だけガイド登山で登りましたが、
限界ですね。
一般ルートで十分です。

塔には3月31日、4月1日に荷揚げ予定です。
奥(lon)も、是非一度お会いしたいといっておりますので、
時間があればってことで。
2012/3/13 6:25
436さん、初めまして、おはようございます。
参考には、ならないと思います。中高年の夫婦登山ですから。

アイスは見るだけで、十分楽しいです。
自分ではちょっと。

神奈川岳連の冬山教室の講師の方が
「アイスが一番面白い、ハマるよ」と仰っていたので、ハマらない様に避けてます。

ハマるのは「テント沼」で、もういいかと。
2012/3/13 6:30
millionさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。

ちょっと歩きこみ不足が、気になる山行きでした。

帰りも静岡で事故渋滞に巻き込まれたりで、車ばっかり乗ってたような。

来週は挽回の策を練っていますが、どうなる事やら。
2012/3/13 6:34
noborundaさん、おはようございます。
コメもらってないのにレスするの変ですが、国内出張ご苦労様です。

山行記録を作成する時間も大変のようですが、
ユーザーの方が期待されていますので、よろしくです。

<noborundaさんの今回のルート>
一日目:鉱泉→赤岳主稜取付(危険と判断)→赤岳(初トレース)→鉱泉

二日目:鉱泉→阿弥陀北稜→中岳→赤岳南稜→地蔵尾根→鉱泉

早く見たいですねレコ。
2012/3/13 6:53
ricalojpさん、ricalonさんおはようございます。
どうもはじめましてです
もう何度もレコを読んでしまいました。
今の私達には到底無理で登れませんが
いつの日か登れるように知識と経験を積みたいと思います
毎回雪山のレコは読んでるだけでびびってしまいます
2012/3/13 8:20
pentarouさん、おはようございます。
西黒尾根でセミになってた奥(lon)が、赤岳登っちゃうようになりますから。

pentarouさんご夫婦は、着実にステップアップされていて、加えて有益な詳しいレコ。
いつも、感心しております。
夫婦登山のお手本だと。

いつか、夫婦コラボをお願いしたいです。北八、天狗あたりで。
2012/3/13 8:57
凄いです〜♪
ricalojpさん ricalonさん こんばんは!

赤岳登頂お疲れさまでした

装備には念には念を入れて・・・その通りですね
装備のパワーアップ とても勉強になります。
それにしても、山岳ガイド 「救世主」カッコ良すぎます ヒーローっているんですね

雪の八ヶ岳、まさしく絶景、素晴らしい眺望ですねhappy01
そして、素晴らしいレコに感動してしまいました。

私達ド素人の夫婦には絶対無理ですが、少しでも近づいてみたいと思いました。

これからも、お手本になる お二人の「山行」レコを「参考」にさせていただき精進して行きたいと思っております。
2012/3/13 17:46
beelineさん、こんばんはです。
コメントありがとうございます。

今日は早速、近くのホームセンターでお買いもの。
牽引ロープ、ブースター、やすり、ジェントスのヘッデン、黒のガムテープ。

残念ながら、鉄のアイゼンみたいなのは、なかったです。
年間0.5日しか積雪のない静岡では売ってないでしょうかね。

やすりは、もちろん、アイゼン研ぎトギのため、以前のより大きいのを。
奥さまの指令です。12本×6(私が二つ、奥が一つ持ってます)、結構大変。

ヘッデン、高かったペツルのが壊れました。ジェントスの1000円ちょっとので十分かもと。

黒ガムテープ、用途は多彩。ダウンのパンツの補修やらピッケルのグリップとか、などなど。

パワーアップどころか、メインテで精一杯。

今週末は、ほんとうのゆるりにしようよね、奥さま。

・・・・・・・・

お互い、頑張りましょうね、とほほ。
2012/3/13 19:41
二日目は最高ですね。
こんばんは
ricalojpさん

二日目は最高の天気でしたね。
一日目のイレギュラーも帳消しです。

今回の山行記も面白く読ませてもらいました。

もう少し、雪がなくなったら訪問したいです。
2012/3/14 19:48
快晴の南八ヶ岳、最高でしたね
ricalojpさん、ricalonさん、こんばんは。

最高の天気で良かったですね この素晴らしい写真を見ると、雪の有る内に八ヶ岳に行きたくなりました

ところで今年、どこも雪が多くないですか?1月までは例年並みの様な気がしますが、2月、3月と随分と多い気がします。そのせいか、鳳凰三山も八ヶ岳も例年に比べてロングの記録が無いですよね。やっぱり大変なんですね、雪が多くて
2012/3/14 20:13
Futaro さん、こんばんは。
年明けまでは、びっくりするぐらい雪は少なかったですが、
2月そしてここのところ多いですよね。

通常、3月の中旬以降になると八ヶ岳もそろそろで、北アの方に転身するのですが、
今年は、まだまだ行けそうですね、八ヶ岳。

3月中は、予定が入っているので仕方がないですが、4月にも、
山梨側から入山しようかと考えています。

今週末は、「ゆるり」と思っていたのですが、奥(lon)は、
「歩きこみが足りない、24時間待ってるし」
とうるさいです。
2012/3/14 20:31
TODAYさん、こんばんは!!!
レスが前後して、申しわけありません。

あくまで私の印象なんですが、ラッセル、道迷いなどのリスクは、今の丹沢山塊の方が、
八ヶ岳より大きいと思います。

八ヶ岳は、何といっても毎年これぐらいの積雪はありますしね。
一方は、4年ぶり数年来の積雪ですから。

八ヶ岳のトレースは、一日でバッチリです。
2012/3/14 20:46
いつの日か・・・
是非いきたいですっ

来年は冬用のテントを購入し雪山テン泊デビューをしたいですねぇ〜
少しずつステップアップ
2012/3/15 19:38
pentarouさん、おはようございます。
ゴールデンウイークの後半に、南ア南部をめざしてまして、
そのためにも、4月には一度か二度は八ヶ岳に行こうと思っています、歩き系で。

雪上テント泊は、ま、おいといて、都合があえば、いつでも御伴させていただきます。
2012/3/16 7:23
リカロご夫妻、お疲れさまでした!
遅コメですみません

脱輪大変でした 救いの神も現れ、ある意味人の入ってる赤岳で良かったですね

それにしても2日目の景色の素晴らしさたるや〜!!
これぞ雪山の醍醐味でしょうか

しかしこの時期でもかなり雪は多いんですね
確かに飛行機から見下ろすと丹沢方面も再度雪を被ってるようですし、八ヶ岳はまだまだ雪山を楽しめそうですね

乗鞍も計画されてるなんてウラヤマシイ…

最近ヤマレコも余りチェックできないので久々に刺激を頂きました!

massy
2012/3/17 6:49
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積雪期ピークハント/縦走 八ヶ岳・蓼科 [2日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

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