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無雪期ピークハント/縦走
東北

中岳・四角岳

2009年10月25日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
9.6km
登り
765m
下り
745m
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2009年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車

感想

2009年10月25日、岩手・青森・秋田の県境付近にある「中岳・四角岳」に登ってきました。

「中岳・四角岳」と言われても、マイナーな山ゆえ「どこにあるの?」という方もいるかと思います。また、里山の常で「登るよりも登山道にたどり着くまでが難儀」という事もありますので少々詳しくアプローチについて説明したいと思います。

盛岡側からのアプローチです。
国道282号を西進し、田山の町へ入ります。JR花輪線田山駅入り口を過ぎて少しすると、県道195号との交差点がありますので右折します。この交差点には信号はありませんが、花輪鉱山6劼寮調波弔あります。

県道に入ると、すぐに「日泥踏切」があります。
踏切名は見やすい場所にあるのでチェックしやすいかと思います。

踏切を過ぎ、しばらく行くとY字路がありますので右折します。
右折して少し行くと神社があれば正解。
そのまま道なりに進みます。

道はやがて未舗装となりますが、よく整備された道であり普通乗用車でも通行可能です。しばらくすると左側に森林作業用の詰め所のプレハブが現れます。
森林整備作業が行われている時は、ここから先の林道がクローズになったりするようです。その場合は、このコースからの登山は諦めなければなりません。
なにせ、この先、車でも20分以上かかる道のりですので…。

「未舗装になってから」3本目の橋を渡ったところにある分岐点を左に曲がります。
写真のように、橋を渡ってすぐの分岐は他にありませんので分かりやすいかと思います。ここまででだいぶ奥地に入ってきた気になると思うのですが、まだまだ奥に進みます。

最後の分岐点は直進します。
左折すると中岳・四角岳への旧登山道の登山口方面へ向かいます。

やがて小さな橋をわたります。
橋を渡ると登山口が近いですので、見落とさないように注意して進んで下さい。

そして写真の場所が登山口となります。
写真左奥方向から進行してくる形になります。
2009年現在では「林道交通安全」の旗が立っているのが目印ですが、こんな旗、いつまで立っているかわからないので、あまりアテにしない方が良さそうです。

登山口には、小さくて朽ちかけた標識があります。
車に乗っていると見落としかねないので注意が必要です。

登山口に2台、少し行った所にある空き地に3〜4台車を停めることができます。
また、近くに路肩が広くなった場所が数カ所有るので、そちらに停めることもできます。車を停める場所に困るほど混雑するとも思えませんが、タケノコ採りの季節だけは例外的に込み合うとの情報もありますのでご留意下さい。

無事に登山口を発見。9時45分に登山を開始します。
いや〜、それにしても盛岡から2時間半かかりました。
しかもその時間の内、30分は未舗装の林道を走行していた時間です。
岩手広すぎ、そして山すぎ(^^;

始めは針葉樹林の林の中を尾根を目ざして登っていきます。
この道は、登山道として開かれのではなく、木材の搬出作業道跡を利用した道ということで非常に広く作られています。もしかしたら重機が入っていた時期があったのかもしれません。

ただ、どこからともなく水がしみ出し路面はあちこちでぬかるんでいます。
しばらく雨が降っていないのに、これだけの水量があるということは、この付近は常に水が流れてグチャグチャしているのかもしれません。

20分ほど登ると笹藪と雑木に覆われた平らな地形となります。
急勾配はここでいったん終わり、しばらくなだらかな山道が続きます。

「水源涵養保安林」の標柱が立てられていましたが、「黒いヤツ」にかじられてました。この標柱は木製でなく、プラスチックのような素材だったのですがやっぱり囓られてました。ヤツらが囓るのは、木製のものだけでは無いんですね。
人間が設置していったものは、みんなお気に召さないようです。
それはそうか。彼らの庭に入り込んで好き勝手しているのは人間の方ですからね〜。

この尾根上に、旧道との分岐があるはずなのですが、往路では発見できませんでした。帰りに、藪の中にかすかに続く踏み跡と赤テープで「もしかしたらココかな?」という場所は見つけましたが何れにしろ、旧道は廃道同然であると思って差し支えなさそうです。

道は尾根筋を左に外れて進んでいきます。
このあたりはむしろ下り勾配になっていて、沢筋に向けて少しずつ高度を下げていきます。せっかく登ったのにもったいない…(笑

やがて高度を上げてきた四角沢とぶつかり、渡渉ポイントとなります。
とりたてて危険な事はないですが、意外と水量があり、下手をこくとドボンの可能性はあります。まぁ、片足を濡らす程度でしょうけれども。

沢を渉り、四角岳からなだらかに下りてくる斜面を巻くと、四角分教場跡地へ着きます。このあたりまで来ると、前方に中岳、そして四角岳へと続く稜線が見えてきます。四角分教場跡地には立派な石碑が建てられ、往事を偲ばせていますが、その場所は、登山道が少し広くなっただけにしか見えません。
このスペースに分教場が建っていたとは、にわかには信じられない感じです。きっと私が考える「小さいながらも校庭があって、鉄棒の一つでもあり…」というような校舎では無かったのでしょうね。

分教場跡地で小休止をとり、これからの登りに備えます。
登山口から尾根にあがったのを除いて、ここまではほぼ水平移動で来ましたが、その分、最後に標高差200m弱を一気に詰めなければなりません。

分教場跡地を出て、もう一ヶ所の渡渉点を通過します。
やがて左側に四角鉱山の遺構、ずり捨て場が現れます。
ずり捨て場とは、鉱山で採掘を行った際に出たよけいな土砂などを捨てる場所です。
捨てられてから半世紀は経過しているはずですが、未だ草木がまばらに生えている程度で、いかにも人工的な地形が露出しています。
なにか鉱毒的なものでもあるんですかね…。

道は中岳と四角岳を結ぶ稜線の鞍部を目ざして登っていきます。
さすがに直登というわけにはいかず、斜面にジグを切って登っていきますが、ここまで平坦な道を歩き馴れた体が悲鳴をあげます(^^;

二十分強を費やして、鞍部まで上り詰めました。ここは岩手側からの登山道と秋田側への登山道、そして中岳・四角岳を結ぶ登山道が交差しています。立派な標柱が立てられていましたが、これも「ヤツ」にガジガジされていました。

中岳と四角岳、どちらを先に登るか…というより、どちらでランチにするかで少し迷いましたが、少し風が出てきたため、風当たりが弱そうな四角岳でランチにすることに決めました。ですので、まずは中岳へ登ります。

十字路から中岳山頂までは、距離にして400mほどなのですが、ものすごく急傾斜で、おまけに苔と刈り払いされた笹が地面を多い滑りやすいのなんの。
登りは息が切れてしんどかったですが、下りは下りで怖そうだなぁ…。
誰か「ズコー!」をやりそうな予感…。

「あともう少しで頂上だ!」という気持ちが強く、一気に登ってしまったので上に着いたときはクラクラ来ました(^^;
しかし、息を整えて周りを見ると、それはそれは素晴らしい眺望が待っていてくれました。

北には八甲田連峰がどっしりと横たわり、その右手前には先日登った十和利山・十和田山が。足下には田代の平原が枯れ草色に広がり、白い風車が優雅に回っています。
残念ながら十和田湖は外輪山が邪魔をして、その姿を見ることができません。

西側に目を移すと、霞の中にうっすらと岩木山の姿を見ることができます。足下の山は一面の笹原。標高1000前後で、これだけ山頂付近が開けているのも珍しいのではないでしょうか。最初は頂上効果による疑似森林限界かとも思ったのですが、かなり麓の方まで樹木が無かったので、もしかしたら林業や鉱山の影響でしょうか?

南に目を転じれば、八幡平や岩手山、安比高原や七時雨山など岩手県北の名だたる山々が一望の下に。岩手・秋田・青森の山々が同じくらいの大きさで見え、ここが県境の山であることを実感させてくれます。

東側には、これから向かう四角岳の姿が見えます。
ツンと尖った中岳とは対照的に、平べったい山容が特徴的です。
その向こうは茫洋とした蒼霞で判然とはしませんが、もしかしたら太平洋が見える…かも?

中岳からの素晴らしい眺望を楽しんだあとは、四角岳に向かいます。
そこでランチです♪ 自然と足も速まりますね♪

中岳から20分強で四角岳山頂に到着します。
四角岳山頂は四方を笹藪に囲まれていて、あまり眺望は良くないのですが、それでも岩手山方向が若干刈り払われており、眺めを楽しむことができます。

四角岳の山頂は岩手・青森・秋田の三県の県境が接しているという全国的にも珍しい場所で、それを示す標柱も立てられています。若干朽ちかけてはいますが(^^;
この標柱のまわりをぐるっと一周すると、徒歩で三県を回ったことになるわけです(笑

復路は、往路と同じ道をたどります。
とくに問題となる危険箇所もキツイ場所もないので、サクサクと下り1時間半ほどで登山口まで戻ってくることができました。

そういえば、途中でバイクの轍を発見しました。オフロードタイプのヤツですね。
行きでは見なかったので、我々の後から来て、先に帰っていったようです。
渡渉点で引き返したようでしたが。
尾根にあがってからの平坦な道はともかく、よくもあのぬかるみの急傾斜を登ってきたもんだと感心しました。

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