石鎚山
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 980m
- 下り
- 963m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
2009年6月1日。この日は四国第一の高峰であり、西日本最高峰でもある石鎚山に登りました。前日の剣山とは違い、高度差・所要時間などもそれなりなので登山の基本「早立・早着」を心がけ、前の日は石鎚山の麓に宿をとりました。
ところが、ロープウェイの始発は9時(笑
オフシーズンの平日だったもんで始発がこんな時間だったのでした。普段、平日に山に登るなんてことは絶対にあり得ないので無意識に休日の時刻表を見ていたんですね…。
反対側の登山道であれば、登山口まで車で行くことができるので交通機関の時刻と関係なく朝早くから登り始めることも可能なのですが、これに気が付いたのが旅程の組み替えがきかなくなってからだったので甘んじてこの時刻から登山を始める事を受け入れなくてはなりませんでした。
で、その始発便をタッチの差で逃しまして(笑
さらに20分押しの午前9時20分、第二便のロープウェイに乗り込み、ようやく石鎚山登山がスタートしました。なんだかさい先が不安なスタートです(^^;
ロープウェイ山頂駅から歩行開始となりますが、ここはまだ登山道という感じではなく成就社までは幅広の傾斜の緩い道を歩いていきます。
上空には荷運び用の古い索道が通っていたりして、独特の雰囲気がある道です。
20分ほどで成就社に着きました。
宿泊できる場所があるとは知っていたのですが、山小屋や宿坊のようなものを思い浮かべていたので観光地然とした雰囲気に少々驚きを感じました。
参道の両脇に軒を連ねたおみやげ屋さんから客引きの声が響き、おでんやカレーの香りがプーンと漂ってきて、なんだか登山スタイルで歩いている我々が場違いのような雰囲気じゃないですか。
しかし観光地然とした雰囲気もここまでで、成就社の山門をくぐると道は一気に「登山道」へと趣を変えました。正面には、これから目ざす石鎚山が岩肌を露わにした荒々しい姿を見せています。
さあ、登るぞ! と気合いを入れますが、登山道はいきなり下りになります。
そのままゆるゆると1劼曚媛爾蠅続き、100mほど高度が下がります。
…せっかくロープウェイで高度を稼いだのに、それが100mも無駄になるなんて!(笑
坂を下りきったところに鳥居が立っています。
ここが「遥拝所」ということらしいです。
体力に自信がなく石鎚山に行けない人は、ここから拝むようにとの事。
うーん、木々に遮られて何も見えませんが、ここから拝むの?(^^;
このあたりから登山道は登りに転じます。
遥拝所までの緩い傾斜とは対照的に、かなりの急勾配。
ぶわっと汗が一気に噴き出してきます。
あ、暑い! これはもう北東北の夏山となんら変わりがありません。
傾斜は急ですが、登山道は良く整備されているので安心して歩くことができます。
…というよりむしろ整備されすぎのような気もします。
やたらと階段が設置されていて、かえって疲れるというか…。
暑さになれない体が悲鳴を上げ始めた頃「試しの鎖」に到着しました。
事前学習で石鎚山には4ヶ所の鎖場があり、試しの鎖はその最初の鎖場にして、もっとも傾斜が急な鎖場である、ということは知っていました。
そして、全ての鎖場に迂回路があり、鎖場を通らなくても山頂には行けることも。
実際に鎖場の前に立ってみて、登る分には問題あるまいということで登りは鎖場を、下りは迂回路を通ることにしようということになり小休止後、鎖に取り付きました。
ま、これが間違いの始まりだったのですが…。
鎖場を登ります。
下から見上げると、まるで垂直に見える岩の壁ですが、実際に登ってみると手がかり、足がかりはあるし、鎖もあるしで、とりあえず素人でも登ることができました。
で、登り着いた場所は、ぽっかりと空に突き出した岩場の上。
いやぁ、良い天気だ♪ そして良い眺めだ♪
眼前には石鎚山がその偉容を見せ、眼下にはこれからたどる登山道が細く延びていくのが見えます。
ん? 「眼下」に登山道?
っていうことは、この岩の上から下るの!?
そうなのです。実は「試しの鎖」は登ったら下りなくてはならなかったのです。
「登るだけなら問題ない」はずだったのに、鎖場を下る羽目になってしまいました。
う〜ん、このあたりの情報が漏れていた…。
うわ〜、失敗した〜とは思ったものの、後悔先に立たずで、登ったモノは降りなくてはいけません。しかし降り口が見つからない。後から登ってきた年配のご夫婦共々降り口を探し回ります。で、登ってきた側とは反対側に鎖が下ろされている場所があり、ここが降り口であろうということになったのですが…
怖くて下れません!(笑
最初の一歩を置く場所が少々オーバーハング気味になっていて足を置く場所が見えないのです。手探り(足探り?)で、足場を探っては見たものの本当に体重を掛けて良いのか判断できないわけです。最悪足を滑らせたとしても鎖をしっかり握っていれば落ちることはないのでしょうが…。
結局、山慣れしていると思われる年配夫婦の旦那さんに先に降りてもらい、足場を指示してもらってようやく元の地面に降りることができました。いや〜、危なかった…。あの場面で、ヘロヘロ隊だけだったら降りることができなかったかもしれません…。
石鎚山でこれですからね〜。槍とか剣とか、考えられません(^^;
すっかりお世話になってしまった旦那さんには「まぁ、こういうのは回数重ねていけば馴れるもんだから…」と励まされ?ました。
もともと押し気味だったわけですが、この試しの鎖の一件でさらに押し押しになってしまいました。そりゃーね、数十メートル進むのに30分以上かかったわけですから…。
試しの鎖を通過したあたりに、バラック小屋が建っています。
オンシーズンには飲食物などが売られるようですが、この日は無人でした。
山の中で物を売っているというのが、すごく新鮮です。
岩手だと岩手山8合目の避難小屋くらいですからね〜。
この売店からもう一登りすると夜明峠です。
樹林帯が途切れ、目の前に石鎚山がどどーんと迫ってきます。昔は道も未整備だったことから今よりもずっと時間がかかり、このあたりで日が暮れてしまったそうです。
で、ここで夜が明けるのを待って、石鎚山を目ざしたことから夜明峠という名前が付いたんだとか。
その名残なのか夜明峠付近にはキャンプ場が設定されていますが、今は利用する人もいないのか「なんとなく道が広くなっている」ような場所になっていました。
まぁ、今なら日帰りで登れる山ですし、もし山泊するにしても山頂に快適な小屋がありますしねぇ…。
夜明峠からは、今までの急登とはうってかわって、なだらかな道となります。
…が、遮る物がなくなり、今度は暑さとの戦いになりました(^^;
この日は下界では最高気温が29℃だったそうですから、山の上とて暑くなります。
ようやく春本番、という岩手から来た身には堪えますわぁ…。
土小屋からのコースと合流すると急に登山者の数も増えました。
やっぱり土小屋からの方が楽なようで人気も高いのでしょう。
ここから先、山頂までは急登につぐ急登となります。
迂回路を使おうが、鎖場を登ろうが、です。
もちろん、ここは鎖場を登るのが筋というものでしょう。
石鎚山の醍醐味のようなものですし。
これ、一の鎖です。
しかし、先ほどの試しの鎖の一件で「ビビリ」が入った我々は迂回路を選択しました。まわりに居た人からも「え!? 鎖場行かないの!?」と驚きとも非難ともつかない声がかかりました(^^;
いや、ビビっただけじゃないんですよ。他にも理由が有ったんです。
まずは時間が押し押しになっていたこと。
そして一番の理由が、実は私の「膝」。登山前から若干の違和感を感じていたのですが、ここにきて段差を下る時に痛みが出てきていたのです。
というわけで、泣く泣く迂回路を通ることにしたのですが、下からも鎖場を見ることができます。樹林に隠れている「試しの鎖」「一の鎖」とは違い、「二の鎖」「三の鎖」はオープンになってます。うひょ〜、あの崖を登るんすか! ありえね〜(笑
一方、迂回路はこんな感じです。
文明の利器を使って無理矢理作りました、という感じ。
これくらいやらないと、ここには「立って歩ける」道は作れないんでしょうなぁ。
とはいえ、この鉄製の階段も谷側に手すりが無いですし「安全」とは言い難いような…。今日は晴れているからいいですが、雨の日は滑って転んだら転落しますよ。
迂回路とはいえ油断大敵です。
巨大な岩の城壁が迫ってきました。
迫力がありますね〜。
三の鎖を下から眺めます。
うへ…、なんか見ているだけで股ぐらがスースーしてきました…。
山頂直下に古い山小屋が建っています。
現在は倉庫のように使われているらしく人の気配はありません。登山道脇にトイレだけが現役で使われているようですが、これがただならぬ臭気を放っています。急登の途中にあるので深呼吸して息を整えたいところなのですが…(^^;
12時45分、石鎚山弥山山頂に到着しました。
う〜ん、やはり標準コースタイムより30分弱よけいにかかっています。
さて、石鎚山登頂!…と言いたいところですが実は石鎚山最高峰はこの先に見えている「天狗岳」なんですよね。
うーん、見るからに険しそうな道です…。
ちょっと今の膝の状態では行ける気がしません…。
時間も押していますしね。
でも、まぁ石鎚山登頂ってことでいいですよね? ね?(笑
いつかまた四国に来ることがあったら、次こそはあそこまで行きたいと思います。
苦労して登ってきたので、存分に景色を楽しみたいと思います。
瀬戸内海が綺麗に見えていますね。
条件が良ければ、大山まで見えたりするらしいですよ。
無事に下山できるようにお参りしておきますか…。なんか正式な遙拝の仕方が書いてあったのですが、なんかよく分からなかったので普通に神社式に参拝してきました。
社の裏側に回ると鳥居がありました。ここが弥山の最高地点なのかな?
裏側と言いましたが、すぐ足下に三の鎖の頂上があるところを見ると、ここが本来の表側になるんでしょう。
こんな岩だらけの場所にもけなげに花が咲いていました。
これは…なんていう花でしょうね?(笑
こんな天気の良い日の山頂というのは、いつも去りがたいものですが、この日は膝が痛いのも手伝って、いつも以上にその思いが強かったです。
…下りないわけには行かないので、意を決して下山を開始しました。
もちろん鎖場は全て迂回路を通過。
それでも各所にある急な下り階段がキツイ…。
途中からは脂汗が出るほどに膝が痛みだし、忍耐に次ぐ忍耐の下山となりました。
意識がもうろうとしてきたころに、山頂成就の山門が見えてきました。
こんなにも下山路が早く終わってくれと願った登山も稀です…。
いつぞやの岩手山とか鳥海山の時以上の苦行でした(^^;
というわけで、四国遠征登山第二弾「石鎚山」でした。
古くから人の手が入っていた山ということで、東北の山とはだいぶ雰囲気が違っていてとても新鮮でした。
そして試しの鎖の恐怖が鮮烈に記憶に残っています(笑
最高峰に立つことはできませんでしたが、とても有意義な山行となりました。
いつか機会があったら、天狗岳リベンジにいくぞー!
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