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Yamareco

記録ID: 1748804
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無雪期ピークハント/縦走
八幡平・岩手山・秋田駒

乳頭山・秋田駒ヶ岳縦走

2009年08月30日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
19.2km
登り
1,394m
下り
1,401m
天候 晴れときどき曇り
過去天気図(気象庁) 2009年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車

感想

2009年8月30日、黒湯から乳頭山に登り、そこから秋田駒を経由して国見まで
10卍兇離蹈鵐哀魁璽構珍にチャレンジしてきました。

車のデポ等、縦走の下準備を終えて、午前5時40分、黒湯登山口を出発!
まずは乳頭山を目指す。

噴気を上げる山肌を眺めながら本松沢を遡っていきます。
導水パイプが設置されているところをみると、ここが温泉の源泉なのでしょうか?

登山道は徐々に高度を上げ、本松沢を登り詰めていきます。途中、何度か沢を渡る場所があります。道もゴツゴツした岩の間をよじ登っていく感じです。

登山口から30分で、温泉が湧きだしているポイントに到着しました。
ここは沢の横合いから温泉が自然湧出しておりまして、湯船もございます。
もちろん混浴で、脱衣所もございませんが、これが正なる「秘湯」であります。
下山時であれば入浴も辞さないところですが、さすがに登山開始から30分で温泉に浸かってしまうのはどうかと思われますのでパスです。

登山道脇にイワテシオガマが群生していました。
数が少なく、けっこう希少種のようです。
踏んづけたりしないよう注意したいところ。

温泉から先、Mな人にはたまらない、急な階段道が続きます。
これが樹林帯を抜け、稜線に上がるまで延々30分近く続きます。
前にここを下ったときは「登りに使いたくねぇなぁ」と思ったモノですが、しっかり登ってしまっています。Mか? Mなのか!?

時折あらわれる花が、急坂にあえぐ我々を癒してくれます。
ハクサンシャジン、ウメバチソウなど。

登山開始から1時間30分、樹林帯を抜け稜線に出ました。
やっと行く先が見えてきました。

傾斜がゆるみ、木道が見えてくると山頂は近いです。
正面に乳頭山山頂が顔を覗かせています。

そして7時40分、乳頭山山頂に到着しました♪
登山口から2時間。まぁまぁ予定通りのペースです。

しかし今日はコレで終わりではありません。
これから、ずっと先に見える秋田駒ヶ岳まで行くのです。

今日は快晴というわけには行きませんでしたが、空気が澄んでいるのか意外なほど遠くの山まではっきりと見渡すことができます。
山頂から北を見ると、手前に「神の絨毯」と称される大湿原。
その向こうに焼山、さらに奥には岩木山。
青森の山が、こんなにクッキリハッキリ見えるとは…。

乳頭山山頂は、行動食を食べたり水分を補給するなどして休憩。
これから先の長い長い道のりへと備えます。
後から登ってきた東京から来たという二人組の登山者と会話したりして休憩時間も楽しく過ごすことができました。

30分の大休止後(…ん? 長すぎかな…?)意気揚々と縦走路へ踏み出します。
ここから先は初めて歩く道。
期待と不安が入り交じった奇妙な高揚感があります。

岩手側から見た乳頭山山頂。
いや、岩手側から見たのなら烏帽子岳と言うべきでしょうか。
同じ山でも角度を変えてみると新鮮なモノです。

咲いている花も、先ほどまでとは違うものが咲いていました。
これはハクサンフウロ…だったかな???

縦走路の足下には見事な池塘。
そして灌木が織りなすモッフモフしそうな緑の絨毯。
あ〜、あそこに飛び込んで転げ回りたい衝動に駆られます。

千沼ヶ原分岐まで来ました。
本来、秋田駒への縦走路は直進して笊森へ向かうのが本道なのですが私とツートンが、まだ千沼ヶ原を見たことがないということで寄り道して貰うことになりました。

お花畑を横切っていく木道。湿原を目指すので、こういったなだらかで穏やかな道が続くのかと思いきや、ときどき横切る沢が深い切れ込みを作っており、急なアップダウンが存在します。これが意外と足に堪えます。平地歩きに慣れた足に、この段差がダメージを与えてくるという寸法ですね。

ピンク色が入った綺麗なダイモンジソウがありました♪
ミヤマアキノキリンソウ…よくこんな名前覚えられますね、皆さん…。

道ばたに咲く花を楽しみながら進んでいくと、わりと簡単に千沼ヶ原に到着しました。分岐点から約15分。距離にして500mほどでした。

いや〜、噂には聞いていましたが、素晴らしいですね「千沼ヶ原」。
神々の庭園、などと称されるだけの事はあります。
また違う季節にも是非来てみたい場所です。

しばらく千沼ヶ原の景色を堪能していると、さきほど乳頭山頂で話をした登山者が追いついてきました。この登山者のお姉さま2人も、相当山を登る人らしく、ここで再び山談義、花談義に花が咲きます。ミズギクかウサギギクかで議論が沸騰しましたが、まぁまぁ、ここは私に免じて「イワテウサギギク」と「ナンブミズギク」ということで手を打っておくんなまし(笑

あ〜、リンドウが咲いてますな〜。
もう秋ですな〜。

千沼ヶ原に別れを告げ、本来の縦走路に戻るべく進路を変更します。
笊森へ向けて高度を上げていきます。

だいぶ登ってから振り返ると、今度は千沼ヶ原を上から一望することができます。
岩手山・鞍掛山・姫神山などがその後ろにはっきりと見えて、なんだかとても完成度の高い箱庭を見ているかのよう…。もう感動でため息しか出ませんねぇ…。素晴らしい景色だ。

しかし、いつまでも見とれているわけには行きません。
縦走路の本道と合流し、さらに先を目指します。
このなだらかな丘の上のピークが笊森山になります。

9時40分、笊森山山頂に到着。
乳頭山山頂からは1時間半弱の道のりでした。途中、寄り道をしながらのタイムですので、普通に歩けば1時間強というところでしょうか。

笊森山山頂から後ろを振り返ってみます。
乳頭山が眼下に見えます。あそこからここまで歩いてきたんですねぇ…。
近くにいた別の登山者が、ここから見る乳頭は特徴が無くてつまらんと言っていましたが、いやいや、見ようによっては深い森の奥深くに密かに建造された鉄壁の城塞にも見えますし、なかなか趣のある風景ではないですか。

翻って、南を向けば、これから向かう秋田駒がどどーんとそびえています。
ああ、こっちはこっちで天空の城の趣が…。
…っていうか、まだまだ遠いですね〜(^^;
ここで全行程の三分の一というところでしょうか。

途中、小ピークがあり「宿岩」という名前が付けられた岩があります。
人一人が、なんとか風雨をしのげるかな、といった感じのくぼみがある岩ですが他に何もなく吹きさらしのこの場所では、悪天時は目印兼休憩ポイントになりそうです。

宿岩を振り返って撮影。
一面のっぺりとした風景の中、存在を主張しています。

延々と続くかと思われた平原も終わり、湯森山への登りへとりかかります。
ここまで平地歩きだったのが、登り坂に変わるため、なんだか足が重く感じます。

このあたりでは、秋田側より岩手側の景色がよく見えます。
雫石の町から盛岡市内まで、一望の下に見渡すことができます。
おや? そういえば、朝は見えていた早池峰山が雲に隠れて見えない…。
これは、やはり秋田駒にして正解でした♪

11時。湯森山山頂へ到着。
笊森からジャスト1時間で到達しました。
頑張ってガシガシ歩いた甲斐あって、若干巻いた気がします。

11時15分、湯森山山頂を出発。次は焼森山を目指します。
ここで私、先頭を仰せつかりました。焼森山への道は、足場が悪く急傾斜なので大変だよと言われていましたが、なにせ予定より1時間近く時間が押していたので、頑張らねばと思い果敢に急坂に挑みます!

20分後…このヘタレっぷり(笑
絵に描いたような、というかマンガ的というかダレが見ても「疲れ切った人」という、非常にわかりやすい写真を撮られておりました。でも、頑張った甲斐あって30分ほど巻きましたよぉ。

焼森山山頂。
阿弥陀池の避難小屋でお昼にすることにしていたので、ここはさくっと通過。

横岳までやってきました。
トトロ岩が見えています。
この辺まで来ると見慣れた景色になります。

休憩ポイントの阿弥陀池避難小屋が見えてきました。ここらへんは、いつも大焼砂に向かうために背を向けて歩いたので、こちらからのアングルは新鮮な気がします。

12時40分、避難小屋に到着。
なんと松茸が登場!
山に登りに来て松茸が出てくるとは思いも寄りませんでした。

うひょ〜! 美味そう!!
っていうか、よく考えたら松茸をこんな風に食べた事ないですよ、私。
近くを通りがかった人も
「松茸!?」「すげ〜…」
とたいそう驚いた様子。そりゃ驚きますよねぇ…。

では、感想を一言。
「松茸って、こんな味だったんですね」
いや〜、本当に良い経験をさせていただきました。
もしかしたら、人生で最初で最後になるかもしれません(笑

美味しい昼食をたらふく頂き、まったりとした気分になってきました。ここまでの疲れが一気に出てきた感じですが、ここにへたれこんでしまうしまうわけには行きません。なにせ、我々は国見温泉まで下りて行かなくてはならないのですから。

阿弥陀池を横に見ながら、男岳方面へ向かいます。
もはや体が重いですなぁ…(^^;

雄岳稜線からムーミン谷へ急降下。
ここはものすごい急斜面で、足場もガレているので要注意!
何度か登った事はありますが下るのは初めて。
早池峰山の下りとどっちが怖いかなぁ…。

下りきって、そのままムーミン谷を通過し小岳分岐に向かうのかと思いきや、なんと、ここから女岳へ向かいます。makinobayasiさんたっての希望だったのですが、いやはや、皆さん本当にタフですね(^^;

隠し通路に乗り込みます。
道無き道、ではありません。
この藪の中に、ちゃんと道があるのです。
道しるべは「男岳」と「国見」になっていますがね。

女岳への道は、溶岩流の斜面をひたすら登っていきます。
1970年の噴火の時に流れ出した溶岩流の様子をつぶさに観察することができます。秋田駒は今でも「活火山」認定の山なのです。

噴火から40年近い歳月が流れたわけですが、溶岩の上にはコケ類が生え始めています。40年もたって「やっと」なのか、40年しかたっていないのに「早くも」なのか、そこらへんはよくわかりませんが、植物の旺盛な繁殖力を見た気がします。

コケ類にマジってイワブクロが咲いていました♪
今年初見です。

分岐点からおよそ20分。
女岳山頂に到着しました。
男岳や男女岳に比べて簡素な山頂標識です。

女岳から見る男岳・馬の背方面のパノラマです。
このアングルの写真もあまり見たことがないです。
秋田駒は見慣れた山なのですが、初めて見る角度からだとまた新鮮ですね。

ケルンの前にて記念撮影。女岳の画像は、今まであまりお目にかかったことがありませんから、これはなかなかレアなショットと言っていい…かもしれません。

初めて立った女岳山頂。
初めて見る景色、雄大な風景に時を忘れて見入ってしまいそうになりますが時計を見るともうじき15時を回ろうかという時間になっていました。
さすがにそろそろ下山の途につかなければなりません。

女岳では、今も地熱で暖められた蒸気がもうもうと吹き上げる場所があります。
蒸気地帯を突破して、ムーミン谷方面へと戻ります。
金十郎長根は、今回はさすがに時間がないということで、また次回に持ち越しです。

ムーミン谷へ降り立ち、小岳分岐を目指します。
いつもならゆっくりと湿原の花々を楽しむのですが、急ぎ足で通過。
すでに、我々以外の登山者の姿を見かけなくなっていました。

急いでいますが、ツートンは花の撮影に余念がありません。
これは紫苑…でしたっけ?

小岳分岐付近では、まだほんの少しコマクサが咲き残っていました。
本当に小さな、終わりかけの花ではありましたが…。
これから向かう横長根の長大な稜線と、田沢湖と。
本当にこのあたりの景色は雄大ですねぇ…。

そういえば今朝すれ違った登山者から、小岳分岐付近で熊を目撃したとの情報を得ていたのですが、ありましたありました、砂礫の斜面を斜めに登ってくる「ヤツ」の足跡! そろそろ夕方のお散歩の時間ですからねぇ…。いくら6人もいても薄気味悪いものがあります。

16時30分、国見口に無事下山。ハイタッチで縦走の成功を喜び合います。所要時間、実に11時間! 踏破距離は、正確には計っていないものの軽く10劼榔曚┐討い襪呂困任后いやぁ、ノートラブルの山行としては過去最長時間&最長距離を記録してしまいました。(トラブルありなら岩手山で12時間超というのがありますが…)

このあと、デポした車を取りに行き、アルパこまくさで入浴して帰路に就きました。
アルパこまくさの露天風呂から見た夕焼けに染まる田沢湖も美しかったなぁ…。
考えてみれば、今日は一日田沢湖を眺めながら過ごした事になりますね。

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