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Yamareco

記録ID: 1766012
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無雪期ピークハント/縦走
八幡平・岩手山・秋田駒

沢尻岳・大荒沢岳

2007年07月29日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
10.1km
登り
983m
下り
983m
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2007年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車

感想

2007年7月29日。
前前日までの天気予報は「雨」予報だったのですが前日になって曇り予報に変わったため、急遽大荒沢岳行きを決めました。

一路県道1号線を和賀方面へ。
山伏トンネルを抜けてすぐの貝沢バス停から横道に入り林道へと分け入ります。
林道は途中までは綺麗に整備されて立派なのですが、途中から狭くなり、車で渡渉しなければならない場所が二カ所あります。
前日の雨で増水してはいまいかと若干心配だったのですが杞憂に終わりました。
「うははー、ジムニーの本領発揮じゃ〜」とか言いながらむしろ楽しんでみたり(笑)

立派な「登山道入口」の看板を見つけ車を停めましたが…登山道???
私の目の前には腰の高さに届こうかという藪…。
よく見ると、その奥に小さな道しるべとかすかな踏み跡があります。
ぐわ〜っ、藪っぽいとは聞いてたけど、いきなりコレかい!

登山道に入るのに5分ほど悩みましたが、天気も申し分なく晴れているし、ここで引き返すと後悔のタネが残ると思い、まずは行くだけ行ってみることにしました。

登山道入口の藪をかき分けると牧野に出ます。
よかった〜、入口だけだ…とちょっとホッとしたのもつかの間。
牧野の終端付近にある登山道入口の前は、またしても藪に埋もれていました…。

樹林帯へと入ると、道は明瞭になります。
しかし、二度の藪こぎですでに下半身がびしょぬれになってしまいました。
朝露というものの存在を忘れていました…。

いきなりテンションが下がってきましたが、まずは「郡界分岐」に向けて高度を上げていきます。
植林されたっぽい針葉樹林、それより大きな針葉樹林帯(天然木?)、ぶな林と
次々に植生が変わっていきます。

このあたりで、またヘビ踏みました(|||- -)
さらにテンションダウン…。
ヘビは苦手だなぁ…。全身に鳥肌立つんだよなぁ…。

出発したときは晴れていたはずなのに、ふと気が付けばなにやらガスっぽくなってきています。
薄暗く、冷気漂う森の中はどうにも薄気味悪く、こんな木を見ても

「なんかドラクエに出てくるモンスターみたいだなぁ、気味悪い…」
みたいな事しか思い浮かびません。
気持ちの良い木漏れ日の登山道であれば、
「立派な木だなぁ」
というまっとうな感想を抱くのでしょうが…。

登山開始からおよそ45分、標準コースタイムに遅れること5分で第一チェックポイントの「郡界分岐」到着となりました。
ここは分岐とは名ばかりで、地形図にも書いてある昔の道は藪の中に消失し実質的には一本道です。

郡界分岐で小休憩をして、次のチェックポイント「前山分岐」に向かいます。
樹木はますます立派になって、いよいよ森の深部へ入っていく雰囲気。

踏み跡はわりとしっかりしているのですが、どうやらここ数年登山道には人の手が入っていないようで、あちこちに倒木があり、中にはこんなジャングルジムのような場所も…。

ガスはますます深くなってきます。
そして…熊の糞発見…。
和賀の山ではふつーに登山道に熊の糞があるとは聞いていたけれど…。

もうね、私は基本的にビビリーなんで、そっこーでラジオのボリュームを最大にして
クマ鈴を手で強制的にかき鳴らしました。出て来るんじゃねーぞ〜。
静かな山行がウリの山なのに、一人で騒がしいことこの上ないわけで(笑)

倒木とクマの恐怖に脅かされながらも、ほぼ標準コースタイムどおりに「前山分岐」に到着します。
壊れた看板が修理されていました。
で、修理された方のブログも見つけてしまいました(笑

ここの分岐点も、かつては道があったのかもしれませんが現在は実質的に一本道になっています。

花の季節にはやはり少々遅いのか、登山道沿いにはあまり花の姿は見られません。
そのかわり花の後の「実」があちらこちらに実っていました。
ブルーベリーみたいなものや、赤やオレンジのものなど花ほどではないですが、緑一色の山の中に彩りを添えます。

前山分岐を過ぎるとコースの傾斜は緩くなりますが、かわりに藪っぽくなってきます。
尾根筋に出て、木の高さが低くなり日当たりが良くなってきたからでしょうか。
たまに樹木がとぎれていたりすると、ごらんの通り道が判然としないくらいです。

そして濃いガスが、この藪にたっぷりと露を残していくので胸から下はびしょぬれに…。
昔、なにかのCMで「パンツの中までびしょぬれだぁ」というフレーズがありましたが、まさにそんな感じ。ゴアテックスも機能性素材もまったく効果無しであります。

登山道のすぐ横には深く切れ込んだ谷があるのですが、ごらんの通り真っ白。
何にも見えません。
ガイドブックによると、このあたりからは岩手山や御所湖が見えるようなのですが…。

うっぷ! いよいよ藪が濃くなってきました。
うあ〜、なんだか藪で溺れそうな気になってきます。
藪っぽい山に、この季節に入っちゃいかんなー。
やっぱ春か秋がベストシーズンなんだなぁ…。

背丈の低いブナの森。
なんだかここも薄気味悪い感じ。
ただ、藪がないだけ歩きやすいので今の我々にはありがたい区間です。

二人ともだんだんと無言になってきたところで突然ぽっかりと視界が広がります。
ここは沢尻岳山頂直下の野原のようです。
やっと藪から解放されて二人とも息を吹き返しました(笑)

登山口を出発してから、およそ2時間半で沢尻岳山頂到着です。
これから向かう大荒沢岳もすっかり雲に隠れて見えません。
…なんだかな〜。大展望を楽しみ登ってきたのにコレでは…。

悔しいのでちょっと念力を送ってみましょうか。

=== うーん、晴れろ〜 >>>>>>>>>> ===

おや!?

=== もっと晴れろ〜 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ===

=== 晴れた(笑 ===

どうやら願いは神様に通じたようです♪
これも私の日頃の行いが(略

ウソのように綺麗に晴れ上がった稜線上を大荒沢岳に向かいます。
やはり晴れた方が花も綺麗ですね♪

沢尻岳から大荒沢岳への道は、これもまた藪っぽい道でした。
藪の背丈は腰のあたりくらいまでなのですが、びっしりと密生しており沢尻岳への登り道より抵抗が大きく辛いモノがありました。

1m…、いや50兩茲梁下が見えないほどの藪が、こんなに怖いモノだとははじめて知りました。
なにせ、自分が次に踏み出す先に道があるのか、岩があるのか、もしかしたら穴が空いているのか体重をかけて初めて分かるのですから。
藪山歩きされている方がいますが、いや〜もう心から尊敬いたします。

空に向かって登り詰めていくような急坂を、最後の一踏ん張り。

やがて大荒沢岳山頂直下の草原に出ます。
ちょうどニッコウキスゲが満開のようです。
今年は八幡平のニッコウキスゲを見ることができなかったのでちょっとうれしい感じ♪

残念ながら登山道の近くにはあまり咲いていませんでした。
規制ロープも木道も無いので、一瞬「ちょっと近くに行って撮ろうかな?」とも思ったのですが…間違って踏みつけたり、折ったりしたら申し訳ないので遠くから楽しんでおくことにしました。

山頂直下の草原をゆるゆると登り詰めていくと大荒沢岳山頂です。
(正確にはもう少し先が山頂ですが、まともな道があるのはここまでなので…)
藪から解放されたツートンさん、ものすごく嬉しそう(笑

雄大な和賀の山々も、見事に顔を出してくれました。
この景色…知れば虜になる和賀の山々…なるほど。
多くの山屋さんがハマるのも分かる気がします。

また藪に戻るのが、正直とてもおっくうでしたが後ろ髪を引かれる思いで山頂を後にしました。
とんぼがお見送りしてくれました。

帰りは藪の露も乾き、同じ道を戻る気安さも手伝って、びっくりするほど楽に戻ることができました。
往路、あれほど気味が悪いと思っていた森の中も木漏れ日差し込む美しい森だと思いましたし。
天気やコンディションが、これほど精神に及ぼす影響が大きいとは…。

ただ、下りの藪こぎで何度もスリップしてちょっと危ない場面もありました。
藪の歩き方には、まだまだ精進する余地がありまくりのようです。

途中、誰にも会わないので「今日は山に入ってるの我々だけかな?」と思いましたが
登山口まであと数十分というところまで下山してきたところ一組のご夫婦とすれ違いました。登山と言うよりは、木や花を楽しみに来たそうです。
結局、登山中に出会ったのはこの二人だけでした。
本当に静かな山なんですね〜。

最初はどうなる事かと思いましたが、なんだかんだとけっこう楽しめた山行となりました♪

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