甲斐駒黒戸尾根


- GPS
- 36:34
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 2,504m
- 下り
- 2,525m
コースタイム
4/7 (晴れ時々雪・風強い)
5:45 竹宇甲斐駒ケ岳神社発-9:47 刃渡り-10:30 刀利天狗-11:30 五合目小屋跡/11:50発-13:20 七丈小屋着(小屋泊)
4/8 (終日晴れ・風強い)
6:15 七丈小屋発-7:49 約2700m地点(FIXロープ設置開始)-10:04 甲斐駒ケ岳山頂/10:20発-12:23 約2700m地点FIXロープ設置開始場所-13:10 七丈小屋/13:55発-16:00 刃渡り-18:10 竹宇駒ケ岳神社
※竹宇駒ケ岳神社からしばらくの間、GPSがうまくデータを拾ってくれなかったため、その部分のルートのログデータを消去しています。そのためスタート地点とゴール地点が少しずれています。
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
トイレ・自動販売機1台あり |
コース状況/ 危険箇所等 |
・雪が地面を覆いつくすようになったのは確か1600m位からだったと思いますが、その前でも所々凍結している箇所がありました。 ・五合目小屋跡から七丈小屋にかけての鎖・ロープは、1日目の通過時は凍っていたものもあり、握るとつるつる滑りました。気温が適度に上がっていた2日目は溶けていたので問題ありませんでした。 ・森林限界を超えてからは強い風が吹き付けてきて、体のバランスを奪われそうになる事がありました。 ・2700m地点からはサイドが切れ落ちている雪の壁を登る箇所が出てきました。特に下りは慎重に通過する必要があります。今回の山行では下りに備えて3箇所に固定ロープを張りました。 ・頂上直下の急斜面もうっかり足を滑らせたりアイゼンの刃を引っ掛けて転んだりでもしたらそのまま果てしなく滑落していくような所でした。ロープの用意がないとかなり(と言うかとても)怖いと思います。確実なアイゼンワークが必要です。 ・七丈小屋は通年営業。この時期は寝具なし素泊まりで3500円。寝具付き素泊まりで4500円。食事の提供は無いですが、カップラーメンやレトルトの白飯、お酒などは多少販売されていました。テント場もありテント泊も可能(1張600円)。ストーブの上にやかんお湯は自由に利用可能です。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
途中、シュカブラの急斜面で立て続けに2人のアイゼンが外れました。
幸いどちらも落ちていかずに済みましたが、血の気が一気に引きました。恐ろしかった・・・。
感想
都内ではちょうどお花見を楽しむ春うららな週末だった中、標高3000m近くある甲斐駒ヶ岳の山の中は、雪が舞い、風が強く吹きすさび、まだまだ冬の世界でした。
七丈小屋の小屋番さん曰く、ここ1週間程はほとんど雪が続いていて、4月4日を最後に登頂できた人はいなかったそう。
この4月7日も少し雪が降った分が積もっていましたが、山頂近くの急斜面は新雪の層の下に固いアイスバーン状の層があるので、ロープなしで登るのが怖いと思ったら、登らずにそのまま引き返してくるように、との事でした。
この日私達以外で小屋に泊まっていたのは、2人組のパーティー1組と、単独男性が2人。ほとんどが翌日山頂アタックでした。小屋番さんの話を聞いて小屋の中に一瞬緊張した空気が漂いました。
翌日、5時過ぎに起床して、それぞれに準備を済ませて出発。私達はハーネス履き、ヘルメットをかぶり、登山靴にアイゼンをはめて、ザックにFIX用に3本、コンティニュアスビレイ用に3本ロープを入れて行きました。CLとSLはザイルを所持。
アタックは予想していた通り一筋縄では行きませんでした。(6本ロープを使ったから六筋縄と言ったところ?)
樹林帯を抜けてからは西側から体ごと持って行かれそうな風に耐えながらじりじりと歩みを進め、滑落が許されない所にはFIXロープを張り、足場をなるべく安定させながら慎重に進みます。日の光に照らされ、てかてかと光った雪に覆われた山頂直下の急斜面には、2人1組になってコンティニュアスビレイをして直登。
気が付くと目の前には山頂の祠が立っていました。祠を見た瞬間、嬉しさと達成感でいっぱいでした。
生きてて良かった〜!と思える瞬間、自分をここまでたどり着かせてくれた人達とか、恵まれた天気とか、とにかく全部に対して感謝の気持ちに満たされる瞬間。これがあるから山はやめられないんだよなあ、と改めて実感しました。
他のメンバーも、自然とガッツポーズが出たり、思わずうるっときたり、それぞれ登頂の喜びをかみしめていたようです。
下山中、核心部を通過して七丈小屋に向かう斜面を下っていた時に、リーダーのアイゼンが外れる事態が発生。すぐに気付いてピッケルでうまくアイゼンをキャッチしたので事なきを得ました。
装着し直し、気を取り直して下り始めるや否や、今度は私のアイゼンが外れました。外れてから数歩の間、外れていることに気付かず、後ろから「アイゼンが外れてる!」と言われて初めて気がつきました。幸いアイゼンは斜面に刺さったまま動いていなかったので無事に履き直すことができました。
よく見てみると靴の大きさに対してアイゼンの幅が大きすぎていました。七丈小屋でアイゼンを調整しましたが、本来なら登山開始前にもっと点検して気付いているべきでした。要反省です。
その他にも、雪上歩行をもっと確実にすること、ロープワークのスムーズな操作など、反省点が色々とありました。今後の課題ができたという意味でも、とても充実した山行になったと思います。
食糧係としての感想:今回水餃子鍋にしようということで、鍋に使った白菜と人参とねぎを乾燥させて軽量化させてみましたが、なかなか良い出来だったと思いました。白菜は軽くなったのは良いものの、お湯に戻しても元にもどらないんじゃ・・・と思っていましたが、案外しゃきしゃきとしていました。準備するのに時間がかかるのが欠点ですが、時間の余裕があれば今後の山行にも使ってみようと思います。
冷凍の水餃子を持っていったので、運んでいる間に溶けて一体化してジャンボ餃子になってしまったのが惜しい点でした。外は寒いから溶けることはないかと思っていましたが、小屋の中の暑さは想定外でした(笑)。これもいい勉強になりました。
最後に、常にパーティーの事を考えてペース配分をとり、厳しい状況でもポジティブに振舞ってパーティーを先導していただいたCLのchomokintaさん、一番後ろから冷静に私達にアドバイスを与えていただいたSLのNさん、率先してFIXロープを張り、パーティーにとってどうすれば良いのかをいつも真剣に考えて話して下さったOさん、山でも多忙な仕事に追われながらもパーティーの雰囲気を楽しくして下さったhata-kさん、美味しいお酒を持ってきてくださったHさん、みなさんのお陰でとても満足した山行になりました。本当にありがとうございました。
山頂近くのロープのあたりですれ違った単独で来ていた者です。ロープやラッセル、はたまた、風の強い中、山頂まで行けた人がいる、という安心感など、有形無形の恩恵を受けて私も無事山頂に立つことができました。ありがとうございました。
風が強かったものの天気に恵まれてお互いとても良い山行ができて何よりです。
実はすれ違った時に「下りはロープなくなるけど大丈夫かな・・・」と少し心配していましたが、無事に戻られて安心しました。
natoshiさんの記録を拝見しましたが、日帰りだったのですね!とても驚きました。
駐車場に到着したのが私達の15分後だったとは。。。
私もそこまで歩けるようになりたいものです。
これからも更に充実した山登りを楽しんで行かれるよう、応援しています^^
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