宮之浦岳(白谷山荘より往復)
- GPS
- 28:11
- 距離
- 28.3km
- 登り
- 2,531m
- 下り
- 2,300m
コースタイム
- 山行
- 0:42
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 0:50
- 山行
- 11:59
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 13:00
天候 | 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
船
|
コース状況/ 危険箇所等 |
白谷山荘に向かう途中で白谷川増水時は渡渉できない。 |
写真
感想
今回の旅で一番印象深いのは屋久島だ。
過ごした時間も長いし濃密な気がする。
九重山の後、指宿の道の駅で山川港活お海道に移動し車中泊した。
3日目はとりあえず開聞岳へ登る。
向かう途中にスッキリとあの三角錐が見えた。
不思議な山だ。なんでこの場所にこんなにすっきりとこの形が出来たんだろう。
開聞岳は岩が多く、雨だと滑りそうな岩質で注意が必要。
しかも山頂は暴風で体は振られるし、当然ガスで何も見えないし苦行のような山でした。
下山後、指宿の砂蒸し会館砂楽に行ったが入口で車が長蛇の列だったので諦めて普通の風呂屋にした。
昼食は地元のラーメン屋さんで鹿児島ラーメンに温泉たまごとネギワカメをトッピングして食べた。見た目よりたんぱくな感じのとんこつスープで美味しい。
さてと、いよいよ屋久島へ向かう。
高速船は4日目の朝9:10分鹿児島発11:45分宮之浦港着のトッピー3。
港の駐車場で車中泊した翌朝テント装備を背負って船に乗る。
船の窓から昨日登った開聞岳が見えた。
宮之浦港に着き、持ってきた昼ご飯を食べ終えた頃に白谷雲水峡行のバスが来たので乗った。料金は550円。
下車時は酷い雨でバス乗場で雨具を着て管理棟の係員に登山届を出すとこの雨だと渡渉個所が渡れないから待つようにアドバイスを受け、他にも待っている人がいた。
しかし、じっとしてるのも嫌だし自分の目で見て無理なら止めるし行けそうなら行こうと決めて出発する。
歩き始めると屋久島らしさがプンプンする森が広がり感激する。
渡渉個所に着くと、まあ足は浸かるが流されはしない程度だったので渡った。
雨の中、重いテントを背負って白谷山荘に着くと悪天候で時間が早いせいか、はたまた管理棟係員のアドバイスが効いているのか小屋は空いていた。
平成と令和の時代の区切りをまさか屋久島の山小屋で迎えるとはね。
さてさて、帰りの船は2日後の16:00時なので時間は十分ある。
どんな登り方でも対応可能なのでどうするか考えた。
テントを担いで高塚小屋に泊まり淀川口に抜けても良いし、縦走は止めて高塚小屋から先は軽量で往復でも良い。
しかし、ヘタレな自分は長距離でも白谷小屋から軽量で往復するのが楽かと考えてそのようにした。
翌朝、3時半に起床して朝食後に雨の中ナイトハイクで出発する。
花崗岩は表面がザラザラしてフリクションが良く効き雨でも滑らないので、斜めの木の根っこだけは踏まないようにしようと注意して歩く。
暗いし周りが良く見えないので途中で道を間違えて少し時間を無駄にした。
楠川分かれに合流後は鉄道跡がコースになっているので歩きやすい。
大株歩道に入るとウイルソン株や大王杉などの名だたる名木が次々に現れるがカメラが防水ではないのでザックから出して撮るまではしない。
縄文杉はさすがの存在感で、こればかりは撮っておこうとカメラを出して何枚か撮る。
縄文杉までは荒川口から来る観光客を意識した道の整備状況で歩きやすいが、その先は登山者向けとなり普通の登山道程度になる。
雨は更に容赦なく降り続き足元は泥濘が多く登山道は幾所で川の様になっている。
少し雨に打たれてみるかと雨具のフードを脱いで帽子も取って濡れるがままに歩いてみた。
髪から雨がしたたり落ちて眼鏡も曇るしさすがに歩きにくいので、手で雨を払い再度フードを被り歩く。
やがて山が開けてきて大きな花崗岩が点在する笹の原になる。
でも笹の葉が本土の葉よりかなり小さい、これがヤクシマダケ言うのかな?
山頂手前になると、島に渡ってからろくな物食べてないし長距離を歩いたものだからハンガーノックが襲ってきてヘロヘロだ。
山頂で、とりあえずなんか食べよとソイジョイ1本とプロテインバー1本を食べた。
体が元気なら糖質補給と少しの休息で回復する。
さてと雨で展望はないが気は済んだし戻るとする。
縄文杉辺りまで戻ると雨も止んで時間も余裕が出てきて気が楽になった。
そこで4人組の内一人が足を挫いた人達に出会って、お助け紐で支えられながら歩いている年配の人がいた。
自分は単独行なので気を付けようと引き締める。
暗くなる前に小屋に戻れたがシャツはずぶ濡れで自分の汗だか、雨が染みたのか分からないような状況で体が冷えて寒かった。
小屋で乾いた衣服に替えてお湯を沸かして飲むだけの当たり前の環境がとても有難く感じられた。
やっぱ心の満足って贅沢する事じゃないよね。
思うに今回の宮之浦岳はただの山歩きではない。
そりゃ雨の中、冷えた体で13時間も歩けば辛いし考えさせられることもある。
この先、くじけそうな時は「屋久島」と唱えてみよう。何か助けのおまじないになるかも知れない。
今日が令和の幕開けだ。なかなか刺激的でいいじゃないか。
屋久島の3日目は穏やかな日で、白谷雲水峡の奉行杉コースと弥生杉コースを歩いてバス停に戻った。
宮之浦港では乗船時間まで周辺散策して資料館で気になる本を見つけたので帰宅後注文したら翌日に届いた。
とにかく屋久島は素晴らしい。ここに来れて良かった。
milukuさん、おはようございます
雨の屋久島縦走お疲れ様でした!
自分は屋久島4回行って4回行って4回とも晴れだったので
雨でどれだけ冷えるのかわかりませんが
雨が降ってこそ屋久島!と言う人もいますし
また違う魅力があるんでしょうね〜
もっと飛行機も船も安ければ身近になるんですけどね🌁🚢🌁
(谷山からの貨物船が一番安いらしいですが・・・)
shevaさんコメントありがとうございます。
屋久島は気に入りました。大好きです。
山の思い出って不思議ですよね。
雨より晴の方が良いに決まっているのに、何故か雨とガスで煙る山達も悪い思い出にはなりません。
まあ晴れた山頂の眺めも見たかったのですが、雨に打たれて歩いた屋久島の13時間は味わいがありました。
今回の遠征で心残りがあるとすれば大崩山にも登りたかったです。
ですが祖母山の後は膝が痛み諦めました。
しかし九州は個性的な山が多いですね。
近ければ何度も行ってみたいですが遠いのでなかなかです。
でも阿蘇山が残っているので、機会を得て必ずもう一度行きます。
すばらしい文才じゃないですか!
まるでエッセイを読んでいるようで、
読み終わってしまうのが寂しかったですよ
それに「心の満足って贅沢することじゃない」
もうほんとコレには大共感です!
そして、自分や人生と向き合いながら歩ける「ソロ」
更に「降雨」というのが尚また良かったですよね
本当にすばらしいハイクでしたね!
お疲れやまでした!
共感して頂き、ありがとうございます。
山に限ったことではないですが物事は自分でやってみないと本当の事は解らないですよね。
過去を振り返っても13時間も雨の中を歩いた経験は無かったので屋久島では何かを得た手ごたえを感じました。
古い小屋の板間で乾いた衣服に着替えて暖かいお湯を飲んでホッとしたひと時が、しみじみと有難いものだと心に沁みました。
これって贅沢とは程遠いのに、その時自分が成しえた達成感と終えた安らぎで十分だと思いました。
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