芦別岳本谷に雪崩の音が響く
- GPS
- 10:15
- 距離
- 16.6km
- 登り
- 1,914m
- 下り
- 1,909m
コースタイム
- 山行
- 9:16
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 10:14
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
丸木橋! |
その他周辺情報 | 温泉:ハイランドふらの |
写真
感想
先日,念願の本谷に挑んだものの,最後の最後で詰め損なってしまいました.パートナーは,「別にいいんじゃない」って感じでしたが,とても,そのままではいられませんでした.ラインが美しくない.
とはいうものの,当初,連休後半は下り坂の予報.がっくりでした... しかし,次第にいい感じになってきて,前日には,登山指数は "A" になりました.パートナーは,あまり乗り気ではないようでしたが,前日から,ペツルのアイゼンを準備したり,「絶対行くぞ」アピール.
納得できないことがあったとき,それをそのまま放っておくことができない.失敗の記憶は,時が経つにつれて次第に曖昧になる.それと共に気持ちも楽になっていくけれど,そういう風に曖昧にしていくと,結局,また同じ失敗を繰り返して悔しい思いをすることになる.以前は,仕方がないと諦めたり,むしろこっちの方が良かったとと考えようとしたり,失敗した理由付けをして納得しようとしたりしたこともあったけれど,最近は,そういうブレーキはかけないことにしました.「すっぱい葡萄」の理論は自分にはいらない.自分の思いに素直に真っ直ぐ従う.どんなことがあっても,自分の思い描いたようにやり遂げる.人生に残された時間は常に短い.
前回に比べて気温がだいぶ高い予報なので,雪崩れたり,踏み抜いたりするリスクを少しでも減らすために,早い時間帯に一気に登ってしまいたい.というより,早く行きたくってしかたがない.出発時間を早めるために,1時45分起床.4時30分.日の出を待たず,前回より30分早く出発.行者ニンニクもちらっと眺めただけで,どんどん先に進みます.
1週間で明らかに雪解けが進んでいます.そして,前回はスノーブリッジの下に埋もれていた夫婦沢の丸木橋が行く手に現れました.太い丸木ですが,濡れてヌルヌルしていて凶悪.とても渡る自信はなく,激流の夫婦沢を岩伝いに渡りました.丸木橋ルートを取ったパートナーは,途中で滑って進めなくなってしまったので,スリングで救助.
雪が溶けて踏み抜くようになってきているし,一部は,藪でルートが不明瞭.ユーフレ川本流を辿るだけなので迷うことはありません,沢はどんどん開いてきています.ゴルジュはまだ埋まっていましたが,先週あった大量のデブリは既に溶けてなくなっていました.
本谷の中は,気温が上がりだして,轟音と共に,細い枝沢から水と共にデブリが吹き出すように流れ落ちてきます.
デブリの中を丸く抉れた溝が刻まれています.「尻滑りの跡なのかな,こんなに急なところで...」と話しながら,歩きやすいので,そこを歩いたりしていました.でも,滑ってかえって歩きにくいので,脇によけてしばらくすると... 「ザアアー...」という音と共に,雪崩れていきました.小川級の雪崩.
次第に斜度が増していきますが,雪面が柔らかいので余裕があります.
そして,問題の地点にやってきました.前回は,右の斜面に向かい,間違いに気づいたもののクラスト斜面をトラバースできず,やむなくそのまま登りきりました.今度こそ,本谷を詰め上がります.
左手に芦別岳山頂部岩頭を見ながら急斜面を登る.あっけないくらいなんの問題もなく,余裕でザクザクと登っていけます.ピッケルもいらない.
9時30分.ついに本谷を登り切りました.9時51分,登頂!芦別岳,1726.1m.北海道のマッターホルン.風もなく,ぽかぽかだったので,しばし,まったり.10時17分,下山開始.
今回は,本谷を下ります.さすがに上部の急斜面で尻滑りする勇気はありません.アイゼンをはいているので,そのまま滑ると捻挫や骨折の危険もあるし,雪崩れる危険もあるかもしれないので,ゆっくり慎重に一歩一歩.それにせっかくの本谷を一気に通過するのがもったいない.
12時30分,ユーフレ小屋まで,帰ってきました.
問題の丸木橋.帰りは,岩伝いが難しそうなので,丸木から.乾いているから歩いて渡れそうだけれど,万が一の事を考えると怖くて...下りの丸木橋は余裕でした.
芦別岳は,行者ニンニクの山.行者ニンニクの畑!しばし,採取.
その後,旧道を延々と歩き,14時37分,帰ってきました.ついに,27年間越しの課題を達成しました.そして,また,来ますね.次は,またクラストして,絶対に滑落できない状況の時の白く輝く本谷へ.
温泉は,ハイランドふらのへ.コストパフォーマンスの高い温泉でした.
コメント
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こんばんは。本谷に向かう途中スライドし、少しお話しをさせて頂きました。
私達のパーティーは1300m辺りで、左岸からの大玉の雪崩れに合い
撤退してきました(全員無事)
もう少しだったのにとても残念でした。
お二人の登頂がとても羨ましいです
同じ飛行機雲を見ていたのになあーと思いました。
コメント,ありがとうございました.
ご無事で何よりでした.とても気温が高くなってきていたので心配していました.
次は,きっと登頂できますね.
私たちも2度目で完登できました.
harurunrunさん達が,次こそは本谷から山頂に立てますように!
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