黒森山(念願叶った行きそびれていた山)
- GPS
- 03:12
- 距離
- 5.6km
- 登り
- 357m
- 下り
- 423m
コースタイム
- 山行
- 3:10
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 3:40
コースタイムには小休憩含みます
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
黒森山は、喜多方市山都町にある。そのこんもりした山容は、一度見たら忘れることは無いであろう。一度は登らなければ、と思いながら数十年、未だに実現していない。思いたったが吉日、急きょ計画を作って出かける。いよいよだ。登山口からの比高差は400mたらず、車の運転時間の方が圧倒的に長い。しかし、朝な夕なに眺めた故郷の山。どうしても一度は登らなければならない山なのだ。すでに山開きは終わっている。今日は一人旅だろう。
朝、4時半出発。西会津ICから下道を走り相川から登山口を目指す。ところが板ノ澤への道が、ナビを見ても分からない。板ノ澤の村の名前が出てこないのだ。ルートを板ノ澤にしたのは、尾根道と沢コースがあり周回出来るので、変化に富んでいると思ったからだ。朝早くから玄関の戸を叩くのは躊躇したが、煙突からモクモクと煙りの出ている家があった。これ幸いと行ってみると麹製造所である。声を掛けると、家の主人と思われるおじさんが出てきた。これから朝ご飯を食べるところだったようだ。話しても分からないだろうと、図を書いてくれた。お礼を言おうとすると、いきなり「熊鈴は持っているか」とおっしゃる。熊鈴は常備しているが大変なところなのだ、と改めて気を引き締める。今の季節は熊の動きが活発だとのことである。
後は登山口に一直線、と車を走らせると、また、道が分からなくなる。書いてもらった地図通り進んできたのに、分岐が三つあって分からないのだ。取りあえず、それらしきところを走っていると、ビニールハウス前に軽トラックが停まっていた。人影は見えない。行き掛けたが、漫然と走って間違うと大変なことになるので、車を停めてハウス内を伺うと、おばさんがいた。先ほど書いていただいた地図を見せると、地図上で親切に教えてくれた。当たり前だが地図通りなのだ。その通り進むと右手に道路が分岐した。右折して進むと舗装された道路だが道幅が狭すぎる。直ぐに戻って右折して直進。庭いじりをしていたおじさんに道を聞くと、戻ってきた道で間違いなかった。
「鏡桜を見て行ったらどうだ。ここから400m位だ」という。「鏡桜」というのは、道の駅のパンフレットで見たことが有る。池に映る姿の良い会津の三桜の中の一つらしい。他の二つは覚えていない。道を親切に教えてくれた人が、わざわざ教えてくれたのだ。知らん振りはないだろう。ここにまた来れるかどうかは分からない。いい機会でもある。そんなことよりもこれはもう義理人情の世界。否は無い。行ってみると小さな池。し〜ん、と物音ひとつしない。残念ながら花は散り葉桜だった。しかし、いい雰囲気だ。取って返して先ほど戻った道を進むと、登山口に続く林道へ入ることが出来た。砂利道を進み駐車場に出る。林道はその先まで続いている。
駐車場の看板を見ると「くじら山」の表示がある。黒森山はクジラ山とも呼ばれているようだ。こんもりした山容が、何となくクジラを想起させないこともないが、その本当の理由は分からない。林道は続いているが、直ぐに沢コースと尾根コースの分岐である。計画通り尾根コースを登り沢コースを下ることとする。ブナと五葉松の林立する尾根である。明るい雰囲気の道だ。ツツジやクロモジの花が盛りである。空は青々と広がり爽やかな気分で歩く。一時間弱で柴倉展望台。眺めもあり時間的にも良い休憩場所である。残念ながら霞がかった気象で遠くの景色はすっきりしない。鉢伏山から飯盛山、栂峰は見えた。栂峰、飯盛山は会津百名山に選ばれている。鉢伏山はそれに勝るとも劣らない。あとは磐梯山が見えてくれれば言うことなしだが、それは叶わない気象である。
イワウチワと新緑のブナ林を抜けて行く。静かだ。徐々に高度を上げる。ルートは緩やかに西進してピークに出てロープの下がる急な坂を下る。ピーク付近は、水が採れるかどうかは分からないが、地形的にはいいテント場である。下った鞍部が沢コースとの分岐である。今下ってきたルートは、案内板に「ジエットコースター」と明記されている。確かに急な坂には違いないが、それほどではない。まあ、これはロープを設置した人たちの遊び心がそうさせたのであろう。低山だから樹木が生い茂り見通しは良くない。しかし、樹間越しにそれなりの展望は有る。大きなウワミゾザクラの木が多い。花は盛りである。
右手に見通しが出て飯豊連峰が見えた。真っ白な飯豊連峰が青空に浮かぶがごとくである。まぢかに見る飯豊山の何と大きいことか。見通しがあるのは、展望確保のために樹木が伐採されたため、と思われるがそれと感じさせない雰囲気である。山頂付近は小広い平坦な地形で、二等三角点がある。全体としては見晴らしが良いとは言えない状況である。30分近く休んで下る。
”ジエットコースター”と分かれ沢コースへ進む。沢コースといっても水は無く涸れ沢である。苔むした石は安定した地形を思わせる。キケンマやスミレが多い。エンレイソウもある。紫のキクザキイチゲが一輪。背丈の小さなセンジュガンピ。思いがけず花が多かった。道は自然に沢の左岸を進むようになる。金鉱跡の標識が有るが寄らずに駐車場へ直行、無事山行を終える。
時間が早かったので、通ったことの無い稲荷峠を越えて帰ることとして、沼ノ平から直接一ノ木に出ようとしたら工事中で通行不能。工事は3年くらい続いていて、いつ開通になるかは不明とのこと。相川に戻って一ノ木に出る。いままで参拝したことの無い飯豊神社にお参りして稲荷峠を目指すと、ここも通行止め。山形に抜ける広域林道も通行止めのようだ。今頃の山間地の道路状況の事前把握は鉄則だ、ということを思い知らされる。来た道を戻り高速には乗らずにのんびりと、陽の高いうちに帰宅する。念願の山行を完遂することが出来たいい山行である。
コメント
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令和始まりに、念願の山に登頂おめでとうございます。村の一人たちに道を教えてもらったり、桜の名勝も教えてもらったりり、熊鈴の心配もして頂いて、迷いながらも気持ちよく登れて良かったですね。
クジラ山と言われるだけあって、こんもりした形の良い山ですね。
思い立ったが吉日と言いますが、黒森山は、大吉の1日になりましたね。
おはようございます。
ただ我一人、山と戯れた一日でした。ちっちゃな願いですが無事に行って来られて満足しています(^^;)
それにしても登山口まで迷走。地元の方々に助けられました。みなさん親切でしたね。いい山行でした。
では、また。
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