竜門小屋逗留
- GPS
- 56:00
- 距離
- 28.2km
- 登り
- 2,658m
- 下り
- 2,646m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
10年前の記録。有名な小屋番のEさんとIさんの二人が芋煮会をやっている所に泊めていただき次の日もそのまま以東往復したりして竜門小屋でダラダラ過ごして来た。山の男達のどこまでも尽きない山の話、美味しい山形の芋煮、美しい紅葉、初めて上から見た大鳥池、結局満足しきって大朝日まで縦走しなかったこと、色んな記憶が詰まった3日間だった。毎週のように朝日に通える人たちも身近にもいるが僕にとっては遥かな憧れの稜線の記憶。一昨年久しぶりに訪れた時石川さんが覚えていてくださったのにはびっくりしたけど、遠藤さんにはもう会えないというのがとてもとても寂しい。
(20090924日記)
実家からのマイホームドライバーの仕事を全うしてへとへとになり、とても前日登山口入りできず、朝6時に何とか起床、何とか道具をまとめて日暮沢小屋に10時に到着、10時半竜門の尾根を登高開始。睡眠不足に加えて前日までの実家での食いしごきで体が異様に重かった。クエン酸ドリンクやアミノ酸ドリンクを駆使してへばる体を誤魔化しながら、登ったが清太岩山迄の急登は地獄だった。やはり日頃登っているかどうかで尾根までの苦しさは全然違う。短めのコースにしてよかった。4時間半程度のコースタイムを6時間も掛けて竜門小屋に辿り着いた。
この日は小屋には管理人の遠藤さんと、三面コースの草刈りをやっていらっしゃるという石川さんのお二人しかいなくて、君も食べて、と山形風芋煮を御馳走になってしまった。くたくたになった体にはとても沁み渡る味だった。後になってから気がついたのだけど、よく噂に聞いていた朝日の名物小屋番の方達だった。山の面白いお話をたくさん聞いているうちにいつの間にか眠ってしまった。ふと夜半目覚めると雲がすっかり晴れて満点の星空が空を埋めていて感激した。
非常に天気が安定していて気温は10度以下でも風が弱いのであまり寒くなかった。それにとても静かだった。何度も夢見た朝日の稜線にいるのがとても不思議な感じがした。
(20090925日記)
さて、竜門小屋ですっかり元気を取り戻したので、当初、大朝日をリングして帰れたら本望だ、と思っていたところ欲が出てきて、以東岳まで行って一昨年挫折した大鳥池を見下ろしてやるべえと、思って管理人さんに相談したら、よく行く人いるよ、大丈夫でしょ、と励まして頂いた。そこで昼飯とビバークセットと水だけ背負って以東岳ピストンを敢行することにした。
この日も天気がよくてご来光を拝めた。管理人さんに以東岳はどれですか、と聞いたら昨日はガスの中で全然見えなかった稜線のはるか彼方に小さく見える山を指さされるので、思わず目を疑った。でもまあ行けるところまで行くべえ、と出発。稜線は紅葉真っ盛りでとても美しかった。寒江山の上りはピークが3つもあってうんざりしたけど雄大な景色の中を歩ける事に感激した。狐穴小屋まで着いたところで雲がわくわくわいてきて以東岳がすっかり見えなくなってしまった。これじゃあまあ行っても仕方がないなあ、と自分に内心言い訳しようとしていたら、狐穴小屋の管理人さんが、なあに、食料持っているなら山頂の小屋で少し昼食しながら待ってれば晴れるよ、明るい内に竜門小屋まで戻れるさ、と言われるので、やっぱり行くか、と決意を新たにして出発。しかしこの後の稜線はすっかりガスの中でしかも、中先峰の偽ピークに何度もがっかりさせられて、うんざりしたところ、急に空が晴れ上がってきて目の前に以東岳の頂上が見えた。空は実に真っ青で秋らしい色だった。山頂から北斜面だけなぜかガスが飛んで、大鳥池が見下ろせた。
青い空と雲が湧き上がる中に浮かぶ紅葉の稜線、そして熊の形をした伝説の池。
こんな風景は久しぶりにみた。本当に山頂だけ晴れていた。竜門小屋までの帰りもあるので後ろ髪をひかれながら雲の中の稜線に戻った。本当に体力不足で狐穴小屋までは何度も足がもつれた。いつも思うのだけれど、基礎トレーニング不足なのは明白だった。なんとか狐穴小屋まで戻って昼食。ちょうど、竜門小屋の管理人さん達が遊びに来ていて帰るところだった、場所取っとくからゆっくり帰っておいでと言っていただいたので、狐穴小屋で少しお昼寝してから、のんびり寒江山を越えて竜門小屋に帰った。寒江山の上にはよく見ると朝日軍道の跡が残っていて霧の中から騎馬軍団が現れるところを夢想して少しドキドキした。
夕方にはまたガスは晴れ渡って西朝日岳、袖朝日岳の稜線が夕日の中、紅葉に燃えて恐ろしく美しかった。この夜の小屋番さん達の山の話もさらに冴えわたって面白かった。でもやっぱりいつの間にか疲れてとろとろ眠っていた。とても気持ち良い眠りだった。
(20090926日記)
さて今日は下るだけなので、のんびり目を覚ました。
昨夜の同宿は山大のワンゲルの若者や、毎年来ているという常連の方や、冬山がメインなんだという熟練の人たちばかりで、朝もずいぶん早くから出立されて僕は結局びりの出発になってしまった。
お世話になった管理人さん達にお礼を言うと、だらだら竜門山を登り返した。時間的にはまだ、西朝日岳、中岳、大朝日を登ってハナヌキから下ってもよかったのだが何となく、勿体なくなって、もときたユーフン(熊糞と書くらしい)山の尾根を下ることにした。登ってきたときはガスが濃かったのとくたびれ切っていて気がつかなかったけどこの尾根が一番紅葉がすごかった。赤と黄色の錦模様で少しくらくらした。
しかし学生時代あんなにたくさん荷物を持って歩けたのに今はなんで軽量化しているのにきついんだろう、と下りながら考えていたのだが
学生時代 標準体重+25kg位の荷物
中年時代 標準体重+15kg位の荷物+標準体重をオーバーしている分の体重(10kg位)
という事に気がついたのだ。実は持っている荷物の量は変わっていなかった!!!うーん荷物をいつの間にか内蔵していたとは(-_-メ)。
ちなみに下山後は大井沢の温泉に入り、大井沢の入り口の蕎麦屋さんで新そば(夏そば)を食べて仙台に帰ったのでした。あーすっきりすっきり。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する