武甲山・大持山・鳥首峠から浦山郷(備忘録)
- GPS
- --:--
- 距離
- 22.8km
- 登り
- 1,566m
- 下り
- 1,575m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
当時は、浦山ダムができる前で、当時辿った浦山川沿いの車道は、現在秩父さくら湖の湖底にある。 |
写真
感想
大学生だった当時は、浦山口駅から2時間で武甲山山頂。
展望はすこぶるよかったことを覚えている。
身体の調子も良く、小持山、大持山もあっ気なく縦走した。
大持山から鳥首峠は、道がやや荒れていて遠かった印象がある。
浦山の舗装道は長かったが、バスの便も悪かったため、
結局、浦山口駅まで歩いてしまった。
山行のフィナーレはすでに陽が落ちていた。
以下、当時の記録をそのまま再現します。
武甲山は全山石灰岩で資源の少ない日本では貴重な山である。そのため山は年々削られ、昔は十近いコースがあったが、現在では2〜3コースがあるだけである。更に、昭和60年1月から西山道コースも通行止めになってしまった。しかし、展望は定評があるだけに山頂直下の採石場だけ目をつぶれば素晴らしい展望が得られ、なかなか良い山である。
あまり人が来なくなって、道もやや荒れだしたが、あえてコースを選ぶなら表参道、長者屋敷尾根、そして大持・小持山の縦走路と言ったところか。
今回は、長者屋敷尾根から登り、小持・大持を縦走して鳥首峠から日本三秘郷で、今なお古い風習の残る浦山郷に下ることにする。
【浦山口駅〜武甲山】
駅の改札口の右の階段を下りて、車道を右に曲がる。道は2分して左の登り坂になっている方をとる。ほどなく谷が大分深くなるころ左から道を合わす。
左手に橋立鍾乳洞(入場料100円)と橋立寺を横目で通り過ぎる。すぐに未舗装の道となり単調な林道歩きとなる。しかしながら、橋立川の流れは美しく、上部に行くと滝も出てくるのでダンプの通る表参道よりも、よっぽど楽しくたどれる。
しばらく行くと、道は川を渡り左岸に出て山腹を登って行く。この辺りは両神方面の眺望がよくきく。すぐに道は左に大きくカーブをして再び橋立川に沿って登って行く。
ここまで来ると、すぐに車道は終わって山道となる。山道はすぐに川を渡るが、この木橋付近は河原になっていて、休むには良い所だ。
右岸を5分辿ると道標がある。そして、山腹にジグザグについている道をとる。取りつきは大きなジグザグになっており急坂である。10回ジグザグを切ると道標を再び見出す。このあたりからジグザグも細かく刻みだし、更に急坂になる。暗い樹林帯だが、35回ジグザグを切ると明るい雑木林帯となり、38回でやっと尾根上に着く。道標も立っている。
展望がきき秩父盆地、両神山が見えるが、すぐ下の採石場が煩わしい。
緩やかな登りとなって、尾根上を忠実にたどる。辿る人が比較的少ないのか、草深い道であるが、道自体は明瞭である。ちょっとした小平地を過ぎると、チラホラと岩も出てきて急登となる。これも僅かで平坦となり、長者屋敷の頭となる。
昭和60年1月から左側の西参道コースは閉鎖され鎖がしてある。右側の山腹を巻く道はシラジクボへ、中央に登る道は武甲山直行の道である。
取りつきは砂状で非常に滑りやすい。急坂の道は左側に曲がり、すぐに右側にカーブする。ここからは奥秩父方面の展望が広がる。
ほどなく発砲除け待避所前に出て、その旨の看板が出ている。小屋の横は水の通り道になっており、少量ながら水を得られるときもある。
山腹を巻く相変わらずの急坂を登って行く。所々狭くなり滑りやすい所もある。約5分ごとに退避所が現れ、4番目の退避所で十字路になっている。
山頂の採石場がうるさいので、ここで弁当を広げる人も多い。奥多摩、奥秩父方面の展望が広がる。
山頂は、採石のため移され、標高も1,336メートルから1,295メートルとなった。真新しい立派な御岳神社とトイレを兼ねた待避所が立っている立っ。裏は展望台となっていて、南側を除き素晴らしい展望が得られる。直下の採石場さえ目をつぶれば、奥秩父から両神、上信越、筑波まで見られる。ことに両神と浅間が大きい。秩父市街はジオラマの様で、その間を這うように流れる荒川が印象的だ。
【武甲山〜大持山】
十字路から南に向かって急坂を駈け下りる。15分程で出シラジクボ。ここからちょっと平坦な道が続く。あたりの雰囲気はなかなかのもので、明るい雑木林が続く。再び急坂となる。背後の武甲山を見ながらどのくらい登ったかを励みにして登る。2,3回平坦なところを過ぎると小持山。
山頂は狭いが、西側の展望が広がる。岩場と木の根に苦労しながら下って行く。所所藪がかかっているが、道は明瞭である。鞍部を過ぎて急登すると展望の良いピークに到達する。ちょっと注意を要する岩場を下って、急坂を登り返し、2〜3回平坦な場所を通過すると樹林の中の大持山である。
【大持山〜鳥首峠】
尾根を緩やかに下って行くと、東側が伐採されている所に到着し、東京方面が見える。道は二手に分かれ、右に雑木林帯を下るのが鳥首峠への道。
鳥首峠への道はやや荒れて藪がうるさいが、すぐ平坦になり明るい雑木林帯の道となる。再び急坂となり下りきったところがカヤ平。昔は行けだったというから、辺りはちょっとした草原になっている。左に名郷の道を分ける。
ちょっとしたピークを過ぎ、再び急坂を駈け下りると、送電線の鉄塔をくぐる。ここからは奥多摩の展望が素晴らしい。
再び急坂を駈け下りると、鳥居が見え鳥首峠に到着する。ここまでちょっと長く感じられた。いかにも歴史のありそうな静かで好ましい峠である。今ではごく少数のハイカーしか訪れない。傍らにある祠がぽつんと一つ。何ともわびしい。
【鳥首峠〜浦山郷】
鳥首峠から浦山口駅までは3時間強。途中からバスの便があるが、終点発16時40分。何とも中途半端な時刻なので、浦山口駅に向かって歩いてしまおう。
道は山腹を巻く緩やかな下りである。あたりは暗い樹林帯である。しばらく行くと、水の得られる小沢を渡る。ちょっとした登り坂になるが、また同じような下り坂となる。沢の音が大きくなると、浦山郷の最奥集落の冠岩である。家が5件ほど、よくもまあこんな急斜面に家がへばりついていると感心させられる。
ここからは、沢沿いの良い道になり、右岸に渡りしばらく下って行き、工事中の林道を合わしなお下って行くと、有間乗越方面の林道に出る。これを右折。5〜6分で立派な舗装道となりポクポク下って行く。そして間もなく川俣だ。
【浦山郷巡り】
川俣から浦山口駅までは距離にして8km弱。バスが来たら手をあげて乗ることにして、まずは歩き出そう。
500ほど歩けば、毛附の集落でバスの終着点となっている。また、1km弱歩くと右に最も浦山郷の古来からの風習の残る武士平集落の道を分ける。武士平には是非寄ってみたいが、時間的にもう遅いので浦山川沿いの道を辿る。
さらに1kmほど歩くと、右手の山腹に山摑集落があり、左手の対岸には小さな浦山中学校がある。
少し歩くと橋を渡る。だんだんと谷も広くなってきて平地も出てくる。しばらく歩くと、また橋を渡り5分程で岳楽集落そして次いで浦山の中心である寄国土集落に着く。郵便局がある。右手には、石碑もある。
ここから先、1.5kmほどは集落がない。次の集落は道明石だが家はほとんどない。ここで武士平からの道を合わす。
しばらく行くと浦山川に架かるアーチダムがあり下流には発電所がある。ここまでこれば前方が開けて、荒川対岸の丘陵が見えてくる。落石除けのトンネルを2回ほどくぐると集落が出てきて、秩父鉄道の鉄橋が見える。今日登りにとった道と合わせ、浦山口駅に着いて、長かった山旅も終了した。
(2019年10月16日記)
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