利尻山 海抜0からの360度の眺め
- GPS
- --:--
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 1,690m
- 下り
- 1,733m
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
鷲泊登山道は全体的に踏まれているので問題ありません。 9合目付近がガレているので注意が必要です。 |
その他周辺情報 | 利尻富士温泉 |
写真
感想
宿に送迎の予約をしておいた。5時である。けっこうな時間であったが念のため早めに行った方が良いだろう。当初は自転車にてキャンプ場まで行きそこから登山を始めようかと思ったが、キャンプ場までけっこうあるらしく(まあチャリダーの目測では行ける範疇でしたが)登山前に余計な体力を費やしたくないためお願いしました。同宿の人と共にキャンプ場まで行く。何か話そうと思ったがなんともきっかけがなかった。そういう意味でいつもの悪い癖が出たかもしれない・・・さて、キャンプ場であるが特に大きくもなく駐車場の周りにバンガローやキャンプスペースがあった。予想ではもう少し大きなところだと思っていたが・・・使用はしませんが。
最初の目的地は日本百名水のひとつである甘露泉水という湧き水が出ているところで三合目あたりらしい。スタートしてしばらくは石畳の舗装された道が続いていて歩きやすかった。ペースが上がりそうだったが意識的にゆっくり歩くようにする。どうも後半が劇坂になるらしいんで・・・確かに麓から見ていると頂上付近が尖がっていて嶮しそうである。まだ朝早いのでやや明るく照らされた靄の中を森林浴もかねて歩く。朝早いので涼しく心地よい。もっと寒いかと思ったが意外に天気もまあまあと言える。ただ頂上はまったく見えない(最もここから見えるのかどうかわからんが・・・)
石畳道はけっこう長く続いていて3合目の甘露泉水まで続いていた。ここから本格的山道に入るようだ。この辺でポン山への遊歩道と分岐になっていた。ここで遭難した人もいるらしい・・・ここからは石が多くなかなかごつごつしていよいよ登りが始まるんだなという感覚です。ずっと林の中なのであまり変化がなかったが気候がなかなか心地よいので苦にはならなかった。
野鳥の森
4合目あたりでガスの中に入ったらしくあたりは真っ白だ。遠くの景色は見えない。この辺で野鳥の森チックなネーミングがあった様子である。丸太のベンチがあり数人が休んでいる様子だ。私もここでパンを食べてこれからのエネルギーに備える。ちなみに登山にあたって水分補給場所は甘露泉水以外にはないらしく2Lの水が必要らしい。これほどになるとかなり荷物だが、万が一の為、2Lペットボトルのお茶を持ってゆくことにした。宿にいらない荷物は置いてきたので軽量化はしたもののかなりの重量であった。パンは3つほどありあとはカロリーメイトなどもある。その他着替えなど最低限の荷物のみである。
あいかわらず景色は見えないが逆に森の中の幻想的な霧の風景で心地は良かった。だんだんと景観が変わってきたなと感じるようになったのは5合目を超えたあたりからだろうか。ここからはハイマツ帯になってきて時折遠くの景色を拝むことが出来る。ガスってたのは5合目あたりだったらしく、その上に来ると雲海として確認することが出来る。麓からはまったく上の方を確認出来なかったので、こうして景色を眺めることが出来たのは良かった。
ちなみにトイレであるが富士山のように衛生的なトイレがあるわけではない。一応トイレ小屋はあるがそれは簡易であって携帯トイレを使用する場所でしかない。無論、大自然でするようなことはNGである。植生に悪影響を及ぼす為だ。なので一定の間隔(大体合目の節目にある)にある簡易トイレまで我慢するといった内容だ。私ですが、そんなに悩まされることはなかった。下痢とかに見舞われたら悲惨だろうな・・・・ちなみに携帯トイレは島のいたるところで売っているようである。私は宿で売ってたのでそこで購入した。
長官山にたどり着いた。なんか碑みたいなものが建ってた気がする・・・(ここだったか)、ちょっと狭目のスペースだったがここからとうとう最終目標の利尻山のピーク(北峰)が霧の中からうっすらと姿を現す。山の形状からも険しそうなのは良くわかった・・・ここからが登山の正念場というところか・・・聞いた話によると、崩れて崖みたいになってるとか・・・ここからはお花畑地帯と言って良いほど綺麗な花が咲いていた。この段階でかなりバテていたので少しは癒されましたね。ただ道がただならない。もう岩がごろごろしていてロッククライミングみたいな状況でしたしもう足腰がやられましたね・・・しかも早朝から歩きっぱなしなんでも体力の消耗も激しかったです。
岩場だけならまだふんばりが利くもののこれが9合目以降になるとガレ場と化す。これは砂地の急斜面みたいな感じで這って歩く他ないくらいだ。現にどんどんすべってうまく踏み込めないロープに頼るなとは言うが、ロープにつかまらないと前に進まないような内容である。この辺が道が崩壊していると言われる部分であろう。土嚢などが積まれていて登山道の崩落を防ぐような処置がされていた。えぐれているようなところがいくらか見られやはりそれが植生に悪影響を及ぼしているのだろう。。。きついとは言われていたが実際に体験してみて実感した。ただし下りの方がさらにきついと後ほど思い知ることになるが・・
ようやく頂上である。大体11:00くらいかまあまあ予定通りの到着であった。他には私と同年代くらいの男性や年配の方々が多かったという印象だが。見晴らしは確かにすばらしい、ガスで360度とまではいかないが遠くの方まで見渡すことが出来る。北海道や礼文なども見えるしこれまでの行程でも望むことが出来た。頂上には小さな祠のようなのがあった。頂上を実感することが出来る。ここから南峰へ続く道があったようだが現在は崩落して行けないらしい。ここには30分ほど滞在していたと思う。お互いの写真を撮ってもらったりちょっとしたやり取りをしたり・・・するとだんだんとガスってきてこれ以上の展望は期待出来そうにないのでこの場を後にする。
8合目のいわばもかなりきつい・・・急斜面の岩場といえばわかりやすいだろうか。。。このようなごつごつした場所で転ぶわけにもいかずしっかりと足をふんばりながら進む。もうこの辺からは抜かれっぱなしでしたね。。いや言い訳ですが私には本業(ツーリング)とかの余力も残しておかないといけないんで下手にペース上げて降りるなんてのは出来ないんですよね。最悪転倒などして怪我でもしようもんなら計画そのものが白紙になりかねない。もう膝が笑ってましたがね(爆)。途中で岩場につまずいて足を痛めました・・・・しかも何度も・・・後々爪が割れて内出血してたんですけどけっこう痛かったですわ・・・
長官山を越えるとようやく一安心というところです。ここまでの下りはかなりキツい。足場がもう下り専門じゃないですから。富士登山みたいにちゃんと整備された下山道があるわけではなくまさに登山道をそのまま下るみたいな荒っぽいもんですよ。そういう意味では一歩前を行く感じですね。ただ2000m程だとまだ空気や気候条件はそれ程激しくないので登りやすいといったら登りやすい部類なのかもしれません。3000m級だと明らかに薄くなりますしね・・・
行きに通ったこのガレ場・・・富士山の砂走りのようにはいかない・・というのもあんな砂地が広々と続いているわけではなく時折石などが転がっている為、走るなんてとても出来ません。しかも両脇が崖だったりするんでとても・・・滑り落ちるといった表現が正しいかも、現に何度もすべって転びました。登りで足の消耗が激しく踏ん張りがきかないんですよ。そこでずるずるっと足をすべらせてしりもちをつくという流れです。中には滑り台のように下っていった箇所もあるくらいです。おかげで、ずいぶんの人、おばちゃんにまで抜かれました。ただ無事に生還することの方が大事なんでゆっくりと確実に足を運ぶことに専念しました。早朝に出たのが功を奏したのか時間の方は余裕でしたんで。。下りに要する足の負担というかかなり応えます。しかもこんな不安定な足場だとより痛みは鮮明に・・・というかこの後の計画、8時間コースやツーリングに影響が出ないのだろうか。。不安だ。
7合目あたりも断然楽になったものの疲労の中岩場がごつごつした下りをゆくのはさすがに応えました。足も痛く、明日は確実に筋肉痛だなあと思いながらゆったりと確実に降りるのでした・・・7合目まではあわただしく抜かれまくったのですが、それ以後は殆ど抜かれませんでしたね。どうやら早朝の第一波全員に抜かれた模様で・・・(^^;すれ違う人は幾人かいました。外人さんとかも来てましたね。ただこの時間から登るということは野宿(?)なんでしょうかね。。。夜間登山はけっこう難しそうだが(というか遭難するのでは)
この後、森林地帯に入り、たんたんと進むわけであるがここもなかなか長く感じた。やはり景色が単調だったのもあるが何より疲労がけっこうあったので楽しむ余裕がなかったからかもしれない。このあたりの道はしっかりしているので迷う心配はない。このまま分岐点まで行き、甘露泉水までたどり着いた。ここでもうゴールしたような気分でしたね。あとは舗装路を行きキャンプ場に行くだけでしたから・・・このあたりになるとキャンプ場から(?)のハイカーも見られるようになりました。もうよろよろでしたわ・・・自分はてっぺんまでいったから遅れをとっているのだ〜とうったえたくなったり・・・
キャンプ場から宿に連絡。別に時間的に麓まで降りる時間もあったんですが面倒くさいんで。まあ、届けとか出してるんでそれの方が良いでしょう。迎えは20分くらいで来た。そこから10分程下る。
宿の主人(というよりお兄さん)によると行きで同じく送迎した人はまだらしいとのこと。あれ?頂上でちょっと話した人って今朝の人ではなかったのだろうか・・というかまだ暗かったんであまり顔覚えてません(汗天気予報では曇りとのことだったが実際行ってみると雲の上だったので見晴らしが良かったとか話した覚えが・・あと、天気予報はまったく当てにならないとか・・・ころころ変わるといった。
帰りはせっかくだから温泉に送迎して欲しいと頼んでいたのでそこで降りて満喫した。昨日の温泉と泉質が違う様子でしたね。こっちはちょっと単純泉のような印象?露天では本日登って来た利尻山が展望出来てまさに絶景風呂でしたね。温泉後の水も良かったあれって山の湧き水とかなんですかね・・冷えていたのもありますが良かったので何度かおかわりしました。
その後、下って宿へ・・・宿まではさほど距離はなくゆったりと町並みを眺めて歩くちょうど良い距離だった。あまりせわしなくゆったりと時間が流れている雰囲気がある。
晩飯ですが、とりあえずフェリーターミナルの方へ行けば何かあるだろうということで行った。しかしながらいくらかの店は店じまいの雰囲気だった。一番端にさとう食堂という店がまだ空いてたのでそこに入る。いらっしゃいと出向かいがあった。今日利尻登山をしてきましたという旨を話すと、「じゃあ、ごはんをサービスするね」と大目のごはんを入れてもらった。とりあえず3色丼を頂いたのであるがうまかった。というのもごはんができたてほかほかだったので具材がひきたつひきたつ!普通、〜丼なるものはごはんをある程度作りおき(?)しているようで冷めているのだがここのはほかほかだった。特にいくらとの相性はすごい・・・今迄食べたので一番うまいかもしれない・・・
外に出ると颯爽と店じまいをされてました。ちょっとひっそりとした港前で貨物船らしき船が稼動していた。利尻富士はいつのまにやら雲が晴れ頂上迄見えてましたね。夕陽に照らされて赤く染まってました。なんとも感無量だった〜と一人で感動しつつ宿に戻ったのでした。
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