安達太良山〜梅雨の晴間のつもりが耐風ハイク
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- GPS
- 05:27
- 距離
- 16.6km
- 登り
- 838m
- 下り
- 1,507m
コースタイム
13:23鉄山避難小屋-13:30鉄山-13:48矢筈森-14:00安達太良山
14:00安達太良山-14:49薬師岳-15:25奥岳15:32-16:24岳温泉
天候 | 小雨強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復 (バス)岳温泉〜二本松 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ガスのせいもあったが、何箇所かルートを外した ・鬼面山の下りがれ場を下り過ぎないよう ・箕輪山登り1570m付近小雪渓が残る。鬼面山からは右よりの雪渓を登る。 また、鬼面山鞍部から箕輪山まで粘土質の泥濘の道。雨後は転倒要注意。 |
写真
感想
日曜日は午後だんだん天候回復する模様で、東北は南部の方が良いようだ。そこでちょっぴり足を伸ばして、二十数年振り二度目の安達太良に出掛ける事にする。今回は二十数年前と全く逆コースで野地温泉までバスで楽をして岳温泉に下る計画だ。
福島駅前を出たバスの車窓から吾妻は雲の中だが、吾妻小富士が見え始めており、よしよし天候回復の傾向だ。だが、山道を上がるにつれ霧雨となり、特に安達太良方面のガスが濃く、吾妻方面は結構明るい。東吾妻に転進するか一寸迷うが、吾妻が晴れるならこっちもとたかをくくって野地温泉下車。降りたのは一人で他の客は皆浄土平のようだ。
ホテルの左が登山口になっている。道標にはブナッ子路となっていたが、たしかに立派なブナの登りから始まる。林床にはゴゼンタチバナやマイズルソウ、ツマトリソウなどの白い花が目立つ。稜線に出ると、風がビュンビュン鳴っている。イワカガミの群落も現れるが、とても写真に撮れない。
鬼面山のピーク付近では強風に雨も混じり、仕方なく山頂で合羽を羽織る。鬼面山からは岩ゴロの下りだが、ガスの中路を失い岩礫地を下り過ぎてしまい、登り返し時にスリップして右膝を打って雨具を破いてしまう。ルートに戻り箕輪山を目指すが、道は粘土質で各所で水溜り状態なのですぐに靴はぐしゃぐしゃ。傾斜が出てくると泥水の川と泥濘の登り。何度もスリップして転倒しそうになり、周りの木や草を掴んでなんとか登る。途中1570m付近で上が三叉に分かれた小雪渓に出て、道を探して時間ロス。道に上がったところで中高年の団体さんが降りてきた。こんな天気によくもまあと思うが、自分もそんなに変わらない年になってきているんだなとひとりごちる。その後も泥濘の登りを我慢し、強風吹きすさぶ無人の箕輪山に。晴れる気配もない。往路を戻ることもチラとよぎるが、とてもあの泥濘地を下る気にはならない。
ここからは、岩ゴロの道が中心になり、歩きやすくなる。気の早い石楠花が2輪ほど花をつけていた。鞍部から上り返した広い砂礫の尾根では西から吹き上げる風によろけながら群生するミネズオウを踏まないように気をつけ進む。合羽のフードが強風で振動しうるさい。ガスの中三角の陰が現れ、鉄山非難小屋に着く。中には誰もおらず、風の鳴る音と窓が軋む音が聞こえるばかりだが、小奇麗な小屋内で初めて一息入れる。
意を決して小屋を出る。ここから風はさらに強さを増す。時に尾根を少し東側に外したり、風に体を預け足で踏ん張りながら進む。風には時折硫黄臭が混じる。鉄山では尾根下に下る道を見落として直進してまたも時間ロス。戻って頂上崖下を巻く道は岩組みをイワカガミ、ミネズオウが飾りいい雰囲気だが、強風でなかなかうまく撮れない。矢筈森付近も濃いガスと強風は相変わらずだが、うるさい位設置された目印のお陰で不安はない。強風にも慣れうまく風の間を盗んで歩く。安達太良山も無人。頂上まで往復するが、直下の岩場にもイワカガミが揺れていた。
ここからは岳温泉目指し下るのみ。東面に下り始めると風も弱くなり、イワカガミやミネズオウが路端に揺れ、つつじも咲き残りが見られた。ゴンドラ付近まで下ってきて初めて雲の下に出て薬師岳から福島や二本松市街を見下ろせた。五葉松平を経てスキー場を下ると奥岳に出た。だが、車のない身にはここで終わりではない。合羽を仕舞い、車道をひたすら下る。通る車が少なく、鳥の声がよく聞こえるのが慰めだ。
小一時間で下りついた岳温泉ではバス待ち1時間。バス停すぐ近くの公共の湯「岳の湯」で汗を流した(本当に普通の銭湯風だが、しっかり温泉で¥300)。着替えだけでなく、履き替えの靴をもって来ていてよかった。帰りの列車の車窓から眺めると、安達太良には頑強に雲が纏わりついていたが、傾く陽を受け吾妻の稜線は一部浮かび上っていた。
晴間を求めて来たはずなのに、ガスと強風に翻弄された一日でした。安達太良は独立峰的だから特に風が強いのでしょうか。若かりし日、台風の中百間洞から赤石岳を超えた時のことをちょっと思い出しました(もちろんこの時の風は半端なかったですが)。でも、なんだか久しぶりに登山チックでそれなりに満足しました。
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