6歳児とゆく意外とハードな菊花山・馬立山
- GPS
- 05:46
- 距離
- 5.8km
- 登り
- 553m
- 下り
- 515m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰り:富士急行線 田野倉駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
手作り整備といった趣き 踏み跡は明瞭、でも一部迷いそうなところも |
その他周辺情報 | 都留市駅すぐ「より道の湯」 |
写真
感想
息子といっしょに山登りを始めて、あともう少しで1年になる。
それまで山登りがどんなものか知らなかった我々は、7月8月の暑い時期には高地の山以外登らないものだ、ということさえ知らなかった。
2か月のあいだ耐え忍び、迎えた9月。さあ登ろうぜ、6歳になった息子よ!
きのこを愛してやまないこの保育園児のために、きのこがたくさん生えているという滝子山を目指すことに。
新宿から滝子山に行くには、バスタ新宿から甲府方面の高速バスに乗り「中央道笹子」バス停で降りると便利だという。
まだねむい息子を必死にせかしてバスタ新宿、チケット売り場に駆け込む! 発車10分前! セーーーフ!!
係員さん「中央道が渋滞してまして、笹子まで3時間ですね」
終了!!!!!!!
いや、せっかくの、気温の落ち着いた初秋の週末ですよ、おめおめと引き下がるなんてできないよね!
ということでバスタから向かいのJR新宿駅に走る。ホリデー快速ビューやまなしに乗る。指定を取らずとも2階席が空いている。こりゃー極楽だ。眺めのいい特別な電車に乗れて息子もハイテンションである。立川に着く頃にはきっちり飽きてたけど。
話は飛ぶが、前日夜に彼は巨大ニンニクをオリーブオイルで焼いて食べていた。ニンニク大好きな息子は猛烈な勢いで食べていた。
果たして、ホリデー快速ビューやまなし2階席。息子がガス漏れを起こしている。ひどいにおいである。車内が空いていてボックスシートを我々が独占できているからまだよかった。
と思いきや、高尾からとても優しそうな老夫婦がボックスシート対面に座ってしまった。ぼくは何年生? あら、まだ保育園なの。山が好きなの? そう、気をつけてね。そんな風にとても優しい言葉をかけてくださる御二方にとんでもないガスをかけないように願い続けて、大月駅に到着。残念ながら願いは叶うことなく、心の中でご夫婦に謝り続けた。当の息子は素知らぬ顔、てめー、、、!
さて、大月から登れる山にしよう、ということで、菊花山から馬立山、九鬼山を経て富士急行線・禾生駅を目指すルートを設定する。早く山を降りられたら温泉に入ろう。
ヤマレコのマップを見ながら進もう。大月駅前のロータリーから右に向かい、国道にぶつかったところから山側に進む。
大きなバイパス道をアンダーパスすればそこが登山道、、、のはずだけど、これ墓地だな、、、何度もいったりきたりしているうちに息子がガチギレしだす。はよう登らせろや!
やっとのことで探し当てた登山口は、バイパスの歩道わきにあった。どうりで何度アンダーパスをくぐってもお墓にしか巡りあえないわけだ。登山口は探し当てるようなものではないんだけど。
菊花山の登山道は、最初から急斜面の九十九折り。加えてヤブがかなり茂っている。パパはなぜこの山を選んだのか、もっと他によい山があったのではないか、と息子によるきびしい尋問が続く。
きのこひとつあれば息子の機嫌が直るのに、と思っていたら、息子が地面にへばりつく。ギンリョウソウ! 「ギンリョウソウがいるっていうことはベニタケたちもいるはずだね!」と目を輝かせる。実際、ほどなくしてドクベニタケ? の幼菌を見つけた。
九十九折を抜けると、送電線の鉄塔。そのまわりが開けていて、天上の草原のようでなんだか気持ちいい。バッタが飛び交っている。バッタ取りしようぜ! となる息子、いやバッタはまたこんどな。
道は少し楽になるかな? と思ったけれど、ここからはロープ場・くさり場がどんどん登場する。息子はアスレチックみたいで楽しいみたいだけど、菊花山、さては初心者向けじゃないな?
登りがひと段落したところで、息子がキノコを見つける。紅色が鮮やかなイグチだ。
「あ、たぶんこれはカラマツベニハナイグチ。ねえパパ、ここにはえてるきはカラマツ?」
あ、うん、これカラマツだね。
「じゃあまちがいないね」
いや君、いつのまにイグチ同定できるようになってんの? しかも植生の条件までつけて?? こんなに当たり前みたいにさらっと???
息子と菌の親密具合に軽くおののきつつ、またくさり場を登っていく。ほどなくして、菊花山頂。眼下に大月の街が広がって、とてもいい景色!
先客がおひと方、絶景を前にお茶していらした。何でも、無辺寺からルートの芝刈りをしながら登ってきたそうで、菊花山は「お散歩」とのこと。大月を挟んで見える岩殿山よりわずかに標高が高いこと、でも人気は1/10なこと、この山の頂上には蝶がたくさんいることなどを教えていただく。
さて今日はここでお昼にしよう。滝子山のつもりで多めに作ったうめおにぎり、息子は今回もかぶりついてくれる。
さて出発、次の山頂は「沢井沢の頭」。道はいちどくだり、また次の尾根に向かって高度を上げていく。
息子お待ちかねのキノコたちも顔をのぞかせ始める。わー真っ白なキノコー、根元にたまごの殻があるねー。「どくつるたけだね、もってかえろう」 いやあの、劇物やんけ! 「でもパパたべちゃだめだからね」 食べんわ!!
ここで僕も息子も人生初の、野生のアケビの実を見つけた。落ちていた実なので虫食いだけれど、うすむらさき色がとってもきれい。
そして尾根までの最後の登り、これを登れば、って、めちゃめちゃ急坂!! 息子もこれには軽くブチギレ、再び「なぜここにしたのか」という問いかけがスタート。もうちょっとがんばって! ほらお空見えるでしょ、あそこまでだから!
尾根に上がると、勾配はゆるやかに。岩っぽい道を少し登って、沢井沢の頭。そして少しくだって、焦るくらいの急坂を手をつきながら登れば、馬立山山頂だ。
あまり景色の見えない山頂だけれど、息子はあまり気にせずコガネムシと遊んでいる。少し休憩。
ここから札金峠を経て九鬼山、禾生駅へのルートを考えていたけれど、これでは時間がかかりすぎて温泉タイムがとれない。それは息子としても許せなかろう、ということで田野倉駅におりるルートに変更。それでも、温泉の時間はギリギリだ。富士急の電車は本数が少なく、ひとつ乗り逃すと1時間近くロスしてしまう。
さあ馬立山からおりていこう、道しるべのほうへ進もう。少しラフで、少し歩きづらくて、少し木が多くて、少し踏み跡が不明瞭だけど緑いっぱいだから、、、
間違えてないかこれ???
ヤマレコのマップで確認。うん、こっちは道でもなんでもない、単なる尾根だね!!
戻って確認したところ、道しるべのすぐ近くから尾根の下に向かうのが正しいルートでした。文明の利器があって本当によかった、、、、!!!
温泉に向かうために、電車に間に合うために、急ぎ足でおりていく。またこれがなかなか急、、、。この菊花・馬立のルートはけっこうハードだ。
ほどなく札金峠への道と分かれ、田野倉方面へ。谷に向かう札金方面と違い、こちらはのんびりした尾根道。軽快に進む、、、かと思いきや、キノコがバリエーション豊かに生えている。
アカイボカサタケあり、見事なサルノコシカケあり、美しいドクツルタケの幼菌あり。ウラベニホテイシメジかクサウラベニタケか、というキノコも生えていて、指で押した模様みたいのはあるなあ、なんて話していたら電車の時間が迫ってきている! 息子さん、いまコガネムシはほっといてくれない? え、だめ?
このルートは高度をゆるやかに上下させながら、いくつかのピークを通過する。うちひとつは植野山というそうだが、ヤマレコマップ上で山頂マークがついているものの標高のみの名無し扱い。実際、山頂の手作り標識もほぼ完璧に消えていて、「植」だけが読める状態だった。
さあ急げ急げ、電車に間に合いますように! キノコや虫とたわむれてしまったので、もはや余裕がまるでない。このルートを通る人は少ないのか、倒木がそのままだったり蜘蛛の巣ひっかかりまくりだったりヤブこぎみたいに進んだりしたけれど、なんとか下山!
そこから田野倉駅までまたダッシュ、もう走れないよーという息子を励ましまくって、16:24の電車に駆け込みセーフ。
この頑張りをたたえるべく、温泉「より道の湯」に向かい、息子が愛してやまない(がママに止められる)コーラをプレゼント。あとで僕が怒られた。
滝子山はきっとこんなものではないのだろう。けれど、その代替として気楽に選んだにしては、クサリ場やロープ場、急坂の多いそれなりに大変なルートだったと思う。こんな道をあっさりクリアして温泉のツボ湯に思うぞんぶん浸かる息子が今日は実に頼もしかった。
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