誰もいない白馬岳、下山途中にアクシデントが山岳救助隊要請
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- GPS
- 04:21
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 1,650m
- 下り
- 990m
コースタイム
天候 | 早朝は晴れ次第に雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
台風17号も長野地区にはそれほどの影響もなく熱帯低気圧に代わり日本海に抜けたらしい、連休中を期待したのだが山行きは諦めて農作業に専念していた。24日は振替休日だったので台風一過を期待し旭岳を目指して入山した、この時期に大雪渓に入るのは初めてだ、明るくなる頃を見計らって家を出発、ほほ予定通り猿倉に到着、意外?にも駐輪場はガラガラ平日なのと台風の影響で登山者がいないのか。気にせずスタート、台風の傷痕は見当たらなかった。
程なく白馬尻に到着、既に小屋仕舞いの様子、当然だか雪渓の姿は見られす遥か上方にあるようだ、初夏ならば雪渓を上り詰めるのだが今は険しく落石の危険がある巻き道を行く。
落石があったらどこに避けようか考えながら左側斜面を気にしながら進む、ようやく雪渓に入る、初夏に比べて硬くなっていて所によって凍っていて滑り易いがアイゼンは不要だ、雪渓登りは直ぐに終わり夏道に入るザレた道でとても歩き難い、何故か調子が上がらず度々立ち止まるように、何度も小休止しながら最後の頂上山荘までのビクトリーロードに差し掛かる、序盤は天候の回復が期待されたが一面のガスで眺望は期待できない。稜線に着き旭岳を目指すもハイマツの露でびしょびしょになるので諦めて白馬岳を目指すことに、それにしても誰もいない登山は実に寂しく孤独なものだ。登頂するもガスが晴れる気配もなく動かないと寒くなるので直ぐに下山開始、石が濡れて滑りやすく慎重に下るがいつもの調子が出ない。
雪渓の手前まで下った所てのぼりで唯一出会った登山者に追い付いた。ちょっとした会話をして ザレた急斜面に差し掛かかった時の事である、今もフラッシュバックのように蘇ってくる、右足が石の間に挟まった形で左足がスリップし、そのまま左側に倒れた込んだ、転がり落ちる時見えた右足首があらぬ方向を向いているのがスローモーションの様に脳裡に刻まれている。瞬間これは折れたなと確信した、一頻り痛みが引けた後立ち上がろうとするが全く力が入らず、諦めて助けを呼ぶことに、登山者が全くいなかったが幸い今抜かしたパーティーが下って来るのを待ち、救助要請を大町警察に依頼、かなり手続きに時間がかかったが救助の手はずは済んだ。
天候が悪く視界が悪いのでヘリは飛べないので地上からの救助ということになりました。上原さん本当にありがとうございました。
また一緒に歩いていた台湾の若者はダウンジャケットを提供してくれ後に訪れる寒さとの戦いに効力を発揮出来たことは言うまでもない。
国内にいて外人に助けて貰うとは、本当に有り難い事です。
雨が降ったり止んだりの天気で次第に体も冷えて来て震える程の寒さが体を襲う、幸い娘から貰ったSOLエマージェンシーシートをザックから引っ張り出して使う、使うことはないだろうと思っていたが常に常備していたおかげで、雨と寒さを凌ぐ事が出来た『備えあれば憂いなし』正に実感した瞬間でした。
凡その到着時間は聞いたがいつ来てくれるかわかなぬ救助隊を待つ時間はとても長く感じた、右脚の支えが出来ない不安定な状態でその場に座り込んで、視界の悪い雪渓を見つめ、救助隊の姿を確認出来た時はこれでやっと助かったと言う思いは多分一生忘れません、これで生還出来ると安堵した瞬間でした。
さてこれからが問題です、隊員が小休止した後、5名の隊員が私を交代で背負って車止めの林道まで運んで貰いました。ただでさえ足場が悪い道を65kgある私を背負うわけですから大変なことです、本当に尊いことだと思うばかりです。
救助隊の車で猿倉駐輪場に到着すると緊急車が待機しており病院まで搬送してもらいました、検査の結果右足首両側踝骨折の診断、3日後の手術が決定しました。
結構重症らしく手術をしないと絶対に歩けないとのこと、今は手術待機中です、今はそれほど悲観的ではないのですがこれからまともに歩けるまでにリハビリをしっかりやって半年位かかるらしいので今シーズンはこれで終了です。
今回事故を起こしたのも偶然かもしれませんとは言え自業自得です。
たまたま登山者に出会ったこと、午前10時頃だったので救助隊が居たこと、ウルトライトダウンを提供して貰ったこと、エマージェンシーシートを持っていたことなど色々な要素が重なって大事に至らなかったと思います。
天候が悪かったり、夜になったりすれば翌日救助なんてことも普通にあることで数時間後に救助してもらえるなんてとてもラッキーなことだと思います。
あのままの状態で一晩過ごすなんてとても耐えられないでしょう。
もう一度いいますが『備えあれば憂いなし』軽量化に目が行きかちですが必要最小限は常備する必要性を痛感しました。
最後に通報してくれた上原さん、台湾の若者、救助隊と民間の救助隊のかた、救急隊の皆さま本当にありがとうございました。
ktoshimacさん。初めまして。
bergheil(ベルクハイル)と言うものです。
貴重な、遭難/生還記録の詳細なレポート、ありがとうございます。足の骨折で大変だったでしょうが、生還されてなによりです。
私も以前、雪山での遭難(過度の疲労による行動困難)、またそれとは別に、足の骨折の経験があり、人ごととは思えない内容でしたので、突然ですが、コメント記載する次第です。
1)遭難時用の装備;道迷い、怪我、天候不良などで下山ができず、山中で一夜を過ごすことを想定すると、ツエルト、ヘッドランプ、ゴアテックス製アウターなどは必須だと思っており、私は日帰りの山でも常に持って行ってます。今回、エマージェンシーシートが役立ったようで、なによりです。
2)足の骨折に関して;私は、ボルダリングでの事故にて、足のすねの骨を複雑骨折したことがあります。約5年前のことです。すぐ病院搬送、その翌々日に手術し、入院が2か月半、完治まで6か月、登山再開が8か月目でした。今は痛みもなく、普通に山も登れてます。くるぶしの骨折とのことで、骨折部位が私と違いますが、きれいに骨がくっつけば、たぶん、上記ぐらいのタイムスケジュールで、治るのではないか?と思います。私の場合、手術後3日目からリハビリも始まり、車イスにてトイレにもいけました。多少痛いですが、リハビリをしっかりやると、足の動きが悪くならなくて済みます。頑張ってくださいね。
ただでさえ稚劣な文章をスマホから打っています。
事故から一週間経ちますが未だ手術待機中です。晴れが酷くて傷口が閉じにくく感染の危険性を考慮して腫れが退くのを待っている状況です。
レコにも書いたかもしれませんが右足関節両果骨折と言うのが正式な診断名です、スクリューとプレートで固定するそうです、今は足首の支えがなくぶらぶらな状態でシーネ固定してないとフリーな状態です。
手術は怖いですが早く修復して1日でも早く歩けるようにならないとと思います。
今回の事故では大勢の方々にご迷惑を掛けてしまいました、今病室で冷静に思うことは職場や家族には継続的に迷惑をかけいち早くこの状況から脱したいと言うのが一番の願いです。
毎日することがなく、ちゃんちゃんとご飯が運ばれ1日無駄に過ごす。このままだと廃人になってしまいそうです。
なるべく筋肉を落とさない様にと筋トレを密かにしていますが効率的やりかたを専門家に教えて欲しいです。
最近の私の登山スタイルは軽量化です、無駄に荷物は増やさない。
最小限の装備で登山に臨みます。
コメント頂いた様な装備は今回の事故で必要だと身をもって感じました、お勧めは今回常備していたSOLエマージェンシーシートです、どうせ使うことはないだろうと思いながらもせっかく娘から貰ったのてザックの一番奥に入れっぱなしになっていたものです。
容積にしてフェイスタオルの半分位、重さにして20〜30グラム、拡げれば大人でもすっぽりと包む事が出来、雨風を凌ぐ事が出来、自分の体温を逃がさないためにその効果は身をもって実感しました。
一晩ビバークは精神的に耐えられませんがこれがあればきっと生き延びる事が出来るでしょう。
また今回は天候が悪くヘリが飛べなかったのて陸からの救助となりましたがヘリの場合民間のヘリだと数百万、捜索が必要だととてつもない金額になるようです、実は山岳保険に加入してなかったので救助隊5名中2名分の費用は別途請求が来るそうです、お金には変えられないのですが山岳保険の加入も強くお勧めします。
どんなに自信があったとしても明日は我が身と言うことお考え下さい。
偉そうなことを書きましたが自分自身への戒めです。
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