記録ID: 21265
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沢登り
中央アルプス
奥三界山・川上川より
2003年05月24日(土) [日帰り]


- GPS
- --:--
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 1,179m
- 下り
- 1,245m
コースタイム
5月24日前夜道の駅のあずまや泊→川上川・竜神の滝・駐車場発(6:30)→標高830mあずま屋(7:40-8:00)→標高1200m二股(12:30)→左股から林道(12:50)→標高1460m夏道口(13:30)→山頂(14:30-15:30)→竜神の滝の車デポ(18:00)
過去天気図(気象庁) | 2003年05月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
・僕は二度目、松っちゃんは三度目の奥三界 奥三界山は二年前の夏、北西面の付知川東股川から二人で攻めた。この山の三方は美しいゴルジュの沢に囲まれている。特に南東面の柿其(かきぞれ)川の美しさは特級だという。しかし昔からの有名な林業産地の故、奥地まで林道が入り、沢はぼろぼろに荒れている。柿其、東股と登っている松っちゃんは、荒れ果てた源流を見てどうしても山頂まで行くパワーが湧かなかった。今回の南面、川上川からなら、最後は夏道があるので山頂を踏めるというわけだ。奥三界山は木曽の名峰の一つで、ご近所の山としては是非とも山頂を極めたい一峰。 ・あずま屋について 一か月にも渡って車で移動しながら山を登り歩くツアーを時折やる松っちゃんは、公園などにあるあずま屋を見つけるのが得意だ。地図をにらみ、くんくん嗅いでは良いあずま屋を突き止める。あずま屋は山登りの前夜遅く着いて、早朝までの数時間仮眠するのに良い場所だ。夜露にぬれないし、下手な小屋では湿気がたまってムカデでも出そうなものだが、あずま屋はたいてい新しく、風通しが良い。僕は以前あずま屋が嫌いだった。いかにも土建屋が整備した、作り物の自然風で、せっかくの風景を壊すおせっかいな遊歩道とセットだからだ。しかし前夜泊の実用性を考えると愛着さえ湧いてきた。近頃のものは特に、奮発して太い丸太を贅沢に使っている。いい加減な建材の建物に比べ、作りがしっかりしているからもしかしたら数百年もつかもしれない。などとも思う。 ・美しいけど堰堤だらけの沢 上等のあずま屋で早起きして、朝霧の中終点まで。支度をして竜神の滝を見る。5mほどの滝の周りは架け橋付きの遊歩道だらけ。いきなりぬれるのはまっぴらなので右岸の道からやり過ごして沢におりる。高さ4mほどの堰堤が頻繁に現れ、その度に脇の急な薮に入るのが結局最後まで続くが、その堰堤と同じくらいの量で美しい滝やゴルジュが姿を見せる。青青とした釜を胸まで浸かって左岸をへつる場は松っちゃんがぬるぬる微妙なホールドを掴んで抜け、僕はねばらずお助けヒモで抜ける。7mくらいの滝が時には二段続きで飽きずに現れ、深いゴルジュのどん突きの、手の出ないやつをどちらも右岸を二回巻く。標高830までは右岸のすぐ上に林道があり、凄く立派なあずま屋まであるのががっかりだ。 後半、とある二段の滝の一段目の左岸巻きで、ぬるぬるフェースを2mほど滑り落ち、下の釜に首まで浸かるハメに。しかしウエットスーツ地の腹巻きをしていてダメージは小。その二段目で松っちゃんトップで左岸をザイル出して直登する。ホールドの小さい壁だが首尾よく抜けてくれた。軽量20mザイルでトントンの距離。最後に標高930mの落差14mほどの「一ツ滝」を左岸から巻き、堰堤を超えると良い河原があったので1時間近くプチ焚火などして休む。沢ぐるみの新緑の葉影が日よけに良い。広々した二股は左又を選び、もうすぐ林道かと思ったらまた良いゴルジュが現れて、なかなか粘りの効いた沢だ。しかしそこもすぐ上の林道からの崩壊岩塊で相当埋まり、上半分は巨岩登りの趣。最後のガレ場から振り返れば、せっかくのゴルジュが林道工事のせいで台無しになっているのが見て取れる。 ・ 林道、夏道から山頂往復 崩壊ガレを登って林道にあがると間もなく自転車で下ってくるおじさんに会う。「びっくりした?いい案でしょ」と、とても自慢げだ。自転車の後ろには「春日井高校通学用」とシールがある。息子の自転車か。林道は程なくデブリのような土砂崩れで何度も寸断されながらも登山道入り口へ。林道に出てからの標高1300m以上は木が刈られてしまって山はほとんど丸裸だ。クマザサばかりの霧ヶ峰のような山だ。巨大切り株があちこちに散見される。山頂近くで傾斜が落ち、木曽五木の樹林が復活し、くぼ地に湿地や小さな沼も現れ、頂上についた。高さ3mほど、広さ4畳半ほどの木製展望台があり、腰を下ろしてギンビスを食べる。マルタイラーメンのスープ粉をなめると疲労から復活する。ここ数日、高気圧の下のはずなのに青空がなかなか見えない。視界はせいぜい1キロほどだろうか。ヒノキ、サワラ、ネズコ、コウヤマキ、アスナロのどれかは鑑定しかねるが、まっすぐな幹が山頂下のかろうじて残された林を作っている。下りは薄い地下足袋の足底でツボを刺激しながらトコトコくだる。車にたどり着く10分前くらいに夕だちにあったが、大したことは無かった。 ・ 再びあずま屋 この翌日は一本東の長野県領の「田立の滝」のある大滝川を登ろうと計画していたので、この日もその近くの、とあるあずま屋に投宿する。またしても絶妙の勘で探し至った。その前に19号線沿いの食堂でカツ丼を食べて、木曽妻籠宿を抜け富貴畑の一件宿温泉の露天風呂に入ったあとのことだ。「うるうの滝」という滝の前のそのあずま屋で翌朝起きると、前日知らぬ間に膝を痛めていたらしく、調子が悪い。あっさり二日目はやめにする。新緑の中20m近い滝の水音を少し遠くに聞きながら、とりとめない会話をして腰を上げ、中津川駅まで送ってもらった。 |
ファイル |
(更新時刻:2018/09/10 13:39)
|
写真
感想
裏木曽・川上川〜奥三界山
パーティー;米山、松原
5/24 竜神の滝駐車場発(630)銅穴の滝(740~800)二俣(1230)林道(1250)登山道取付(1330)奥三界山(1430~1530)駐車場着(1800)
登山道を盛り込んだ、寝技的山行。三度目の正直でやっとこさ奥三界の頂きへ。欲界・色界・無色界の狭間で我らは何を見るや?
川上川は短いながら廊下やそこそこの滝を配すも(アゼ滝も登り楽しんだが)、林道蹂躙の現実からはやはり目を背けることは出来ない。果たして、うぐい川へは行くことがあるだろうか? 【遡行図有り】
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5/24 竜神の滝駐車場発(630)銅穴の滝(740~800)二俣(1230)林道(1250)登山道取付(1330)奥三界山(1430~1530)駐車場着(1800)
登山道を盛り込んだ、寝技的山行。三度目の正直でやっとこさ奥三界の頂きへ。欲界・色界・無色界の狭間で我らは何を見るや?
川上川は短いながら廊下やそこそこの滝を配すも(アゼ滝も登り楽しんだが)、林道蹂躙の現実からはやはり目を背けることは出来ない。果たして、うぐい川へは行くことがあるのだろうか?
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