金峰山、甲武信ヶ岳、雲取山(57代秋合宿)
- GPS
- 100:45
- 距離
- 57.3km
- 登り
- 3,816m
- 下り
- 4,274m
コースタイム
11/12 7:00大弛峠小屋−14:35甲武信ヶ岳−15:00甲武信小屋(C2)
11/13 6:10甲武信小屋−12:50笠取小屋(C3)
11/14 4:45笠取小屋−14:35雲取山荘(C4)
11/15 6:45雲取山荘−7:05雲取山−12:00三峰神社
天候 | 11/11 曇、11/12雪、11/13 晴、11/14 曇、11/15 雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2005年11月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
11月11日 瑞牆山荘−金峰山−大弛峠小屋(C1)
5:30韮崎駅にて起床。ポリタンに水を汲み、予約していたタクシーで瑞牆山荘へと向かう。山間部に差し掛かると紅葉が眩しく、徐々に瑞牆の奇岩帯が姿を現す。瑞牆山荘に到着後、早速準備体操。奥秩父縦走と言えば、早大ワンゲルの錬成や秋で定番であり、ここから入山するのはすでに三回目で、勝手知ったるもの。個人的にはまたかという感じだが、今回は秋入部で、縦走が初めてという新人相馬がメンバーに加わり、錬成合宿の意味合いも含まれる。
7:15瑞牆山荘出発。出発早々、リーダーがクラブ系の怪しい曲を口ずさみ始めるが、ノリの良い二年生には好評。すぐに何人かの隊員が洗脳されてセッションを開始。謎な雰囲気の中、着実に隊は進む。樹林帯を抜けて稜線にでると、下界に紅葉の絨毯が広がり、西方に八ヶ岳の山並みが広がる。岩稜帯を進んで行くと、南に大きく裾を広げた富士山とも御対面。個人的には、この周辺が奥秩父で最も景色が良い部分であると思っている。金峰の山頂に聳える五畳岩を目指して、巨岩の上を進んでいく。
12:30金峰山の手前の広場に到着。例の如く五畳岩に登りに行くもの数名だが、最後のステップでビビって、結局上までは登れない。山頂では強風が吹き荒れ、体感温度はかなり低め。看板の前で記念写真を撮って、そそくさと退散する。
朝日岳を経て、樹林帯を抜け、15:40 大弛峠に到着。幕場には他にも登山系サークルらしきグループが幕営している。夕食を食った後、ミーティングで初日の反省をし、21:00に就寝。
11月12日 大弛峠−甲武信ヶ岳−甲武信小屋(C2)
4:00起床。テントから出て外を見ると、深々と雪が降っており、一面の銀世界。可能性を考えないでは無かったが、まさかの雪中行動である。例の登山グループは今日、金峰山に登る予定だったそうだが、大雪にかなり戸惑っている様子で、我々に「こんな日は登山できるんですかね。」となめた事を聞いてくるので、金峰方面は岩稜帯が続くので、雪でスリップしたら危険ですよと忠告しておく。結局、昨日タクシーで大弛峠に来たばかりにもかかわらず、新しい登山者を連れてきたタクシーで早々に帰ってしまった。我々も、天候が少し収まるまで様子見。
本日は樹林帯の行動なので、問題なくいけるだろうということで、7:00大弛峠小屋出発。こういう時は、普段使用を敬遠されがちな目出帽が重宝される。夢の庭園を通り、国師ヶ岳へ。行動してしまえば、雪の寒さはほとんど感じないが、残念ながらやはり山頂での視界はなし。奇抜な目出帽を被った新人コンビが良い味を出している。視界もないので、奥秩父最高峰の北奥千丈ピストンも今回はカット。樹林帯へ向かって雪道を進む。
国師ヶ岳から甲武信ヶ岳の稜線は、奥秩父主稜線でもかなり地味な部分であり、ひたすら視界のない樹林帯を歩くのみとなる。ただ、樹林帯が雪よけとなってくれるので、今日に限っては意味があるように感じなくはない。休憩中、新人相馬がやたらビックカツを食べているが、どうやら彼は相当なカツ好きらしい。
長い樹林帯を抜け、急な登りを詰めて、14:35 甲武信ヶ岳山頂到着。吹きっ晒しの山頂はさすがに寒い。幾つか差し入れを出すが、寒さで手が凍傷になりそうである。ここも写真撮って早々に退散。
15:00甲武信小屋到着。やたら人が多いので何かと思ったら、合同慰霊祭ということであった。甲武信小屋では、毎年11月の第二日曜に、奥秩父で亡くなった登山者達を弔っているとのことである。小屋は人で溢れているが、テント泊の登山者はあまりいない。天気予報によると、明日は晴れそうで、すでに空には星々が瞬いている。外があまりにも寒いので、L の断行で上級生ミーティングを山小屋でやっていたら、後の方でさすがに注意されてしまった。T.P.のお茶で温まり、21:00 就寝。
11月13日 甲武信小屋−雁坂峠−笠取小屋(C3)
4:00起床。小屋のおじさんがやたらと親切にしてくださり、何故か皆と握手をした後、6:10甲武信小屋出発。この人物こそが、かの有名な徳ちゃんの様であったがが、あまり確証は持てないまま別れてしまった。昨日の雪景色とは一転、山は完全な無積雪期の様相。黄金色の日の出に照らされ、富士山が淡く紅に染まっている。
コルの笹平の小屋で一本を取り、破風山の登りへ。稜線からは展望が開け、木賊山や鶏冠山などの山も良く見える。ただし、肝心の山頂は周囲を木に囲まれて展望がない。この辺の稜線は埼玉と山梨の県境でもあり、たいてい両県の看板があるが、何故か破風山の表記が、埼玉側では破不山となっている。そのまま稜線を辿って、雁坂嶺へと至る。
雁坂嶺からは、日本三大峠で、武田信玄の軍事要路でもあった雁坂峠へと下る。雁坂峠に着く頃には、残念ながらガスが出てきており、武田信玄の絵が描かれた看板で、それと分るだけ。仕方がないので、サクサク進む。
あまり展望のない水晶山を経て、古礼山を巻くと綺麗な円錐形の笠取山が見えてくる。昔、あそこから自転車で人が下っているのを見た気がするが、あれは幻だったのだろうか。雁峠の急坂を駆け下り、笹の茂る丘を抜けて、12:50笠取小屋到着。本日は7時間弱という、比較的楽な行程であったが、その分明日が長くなる。テントを張ってうだうだとしていたら、小屋の主人が小屋に招いてくださり、暖房器具で温まりながら、いろいろと小屋に関するよもやま話を聞かせてくれた。最近では、多摩川の水源の水を汲むという企画で、某芸能人が来たらしいが、結局面倒くさがって適当にその辺の水を汲んで帰ったそうである。そのうち、山岳サイクリングの集団がやって来たので、テントに戻り食当開始。明日の行程はやばいぐらい長いと新人を軽くビビらして、20:00就寝。
11月14日 笠取小屋−雲取山荘(C4)
3:00起床、4:45笠取小屋出発。ガスの中、主稜線を南からトラバースする登山道を進む。この道は沢が無数に道を横切り、絶好の読図機会となるので、新人の読図を念入りにチェックしながら進む。いい加減薄暗い登山道に飽きたところで、ようやく将監峠に到着。今日の行程はまだまだだというのに、新人はかなり疲れが溜まっている様子。しかし、まだまだ地味なトラバース道は続く。
鹿対策の柵の続く道を行き、竜喰山、大常木山を巻いて、飛龍山へと進む。単調且つ長い行程に、新人のペースもかなり落ちているが、二年コンビの無尽蔵にメモリーされているかの如き歌のメドレーに励まされながら進んで行く。
飛龍山を巻けば稜線上の道となり、比較的景色も楽しめるようになる。ここで、またしてもL が、急に動物の鳴きマネを始めるという奇行を始めるが、釣られてマネするもの数名。相当、隊が煮つまってきている証拠である。
三ツ山を越え、狼平に差し掛かる頃、可愛らしい鹿を発見。我々を見てすぐに逃げて行ったが、新人池田がコールで呼びかけたら律儀に返事をしていた。少し行くと、登山道に大きな丸太が転がっており、それをジャンプダッシュで越えようとした新人池田は、豪快に前のめりに転んでいる。足が悪いなら、いい加減自重しろ!
雲取直前の急坂を左へトラバースし、雲取山荘へ。急傾斜のトラバースで、あまり整備されてない悪路だったので、本日の長い行程に精根尽きかけている新人は追い打ちを受けられている様子。
14:35雲取山荘到着。随分と立派な山小屋である。本日は10時間行動で、連日の疲れもあって、新人はさすがにお疲れのご様子。頑張って夕食の食当をやってもらい、最終夜へと突入。今回もたくさんの差し入れが出てくる。今合宿は、同期の御手洗のツッコミもあり、随分と二年栗原の武勇伝が明らかとなったが、最終夜もそんな感じのノリ。栗原はリアルに「恐ろしい子…」である。話の合間に、何故かクリリンがビビるときのセリフ、「あ、あ…ぁ…」が多用される。全体の反省では二年、新人共に目立ったミスもなく、無難に合宿が成功したなという感じであり、いい雰囲気での最終夜。最終的には、やたらと池田の膝に抱きつく相馬に同○愛者疑惑がかけられた後、日が回ったころにいい加減、シュラフに潜り就寝。
11月15日 雲取山荘−雲取山−三峯神社
5:00起床。朝飯を食べた後、空身で雲取へピストン。独特な雰囲気の登山道を駆け登り、7:05雲取山頂到着。あいにくガスで視界はないが、相馬の「池田が好きだ!」発言に皆納得の表情。ワンゲルでは御馴染の東京都最高峰であるが、実は数日前に新人二人はフォロワンでも来ている。再び幕場に戻った後、テントを撤収して三峯神社へと下山開始。
雲取ヒュッテから先は綺麗に整備されているが、ところどころ切り立った危ない尾根道を進んでいく。途中で横切る芋木ノドッケは、芋ノ木ドッケとも書かれており、名称がはっきりとしない謎のピーク。途中の登山道では、不思議な白い物体が降り注いでいて、なかなか幻想的である。そろそろ皆の歌のレパートリーが切れて来たので、Lから同じ歌を歌うことが許可される。ガスの中、白岩山を経由し、霧藻ヶ峰へ。この山は秩父宮夫妻がサルオガセ(霧藻)から命名したそうであり、岩肌に秩父宮夫妻のレリーフがある。暗い樹林帯を、下山パワーで進む。小雨の降る中、またしても盛り上げ上手のLの始めた、両手を振りながらの大合唱でラストスパートを掛け、最後の鳥居を潜ってゴールイン。最後は多少北上しているが、奥秩父横断成功で、合宿も無事に終了。
下山口にある三峯神社はイザナギとイザナミを主祭神とする立派な神社であり、ザックを置いてしっかりと参拝。片手を上げている大和武尊の銅像がチャーミングである。風呂では、新人相馬の白いモチ肌が大人気。
最後の打ち上げは三峰口の食堂で行う。奥秩父山行のメリットは近くて安いということなので、比較的お金にも余裕があり、贅沢に料理を注文する。二年ぶりの奥秩父縦走で、あまり目新しい感覚は無かったが、雲取から三峰の登山道は、参拝路として比較的面白かった。また、雨に沈む晩秋の紅葉も、なかなか乙なものである。無事に秋入部の新人も錬成が積めたので、これからの積雪期が本当の勝負でもある。はたして、これで上手く行くのか不安も大きいが、まずは秋成功で一安心。満腹になり予約していたタクシーに乗り込むと、皆すぐに爆睡。通い慣れた西部秩父の駅で解散と相成った。
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