知床連山縦走
- GPS
- 32:00
- 距離
- 21.3km
- 登り
- 2,325m
- 下り
- 2,296m
コースタイム
15日:二ッ池5:50-6:45南岳6:55-7:40知円別脇8:00-9:00硫黄山取付9:10-9:25硫黄山9:45-10:05硫黄山取付10:25-12:30新噴火口最上部12:40-13:30カムイワッカ湯の滝
天候 | 14日:雨のち晴/15日:晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
木下小屋〜羅臼:登山ポストあり・人入り多数・整備良好 羅臼〜サシルイ:良好 サシルイ〜二ッ池:ハイマツ藪漕に苦戦 二ッ池:水没箇所多し 二ッ池〜硫黄山:晴れていれば問題なし 硫黄山〜新噴火口:沢にてクマと遭遇(クマに注意) 新噴火口〜登山口:多数のクマ糞を確認 カムイワッカ湯の滝ゲート:登山ポストおよび詰所あり |
写真
感想
「はじまりはいつも雨・・・」
(わかる人だけ笑ってください)
前日13日は生憎の雨。強い雨の降りしきる中、斜里町のそよかぜキャンプ場でテントを張りました。14日は5時に起床し、雨の降りしきる中、岩尾別の登山口へ向かいます。ラジオから流れる「北海道は大体晴れです。」の言葉を信じて・・・。
午前8時、ザックカバーと雨具を羽織り出発しました。全くテンションが上がりません。ただ黙々とメンバー共々歩いていきます。しかし、銀冷水に差し掛かったころでしょうか?雲間から希望の兆しが降りおりてきました。いつもより重い縦走装備を背負っているのにも関わらず、足と心が軽くなった気がしました。期待に胸を膨らませ、大沢を駆け上がります。すると羅臼平で堂々たる羅臼岳の姿が現れました。テンションは登山口のマイナス側からプラス側に一気に振り切れました。国後を眺めながら、登りを楽しみ羅臼岳に到着です。野付半島の砂嘴の形をくっきり拝むことができ、遠く斜里岳も臨むことができました。大感動です。
とはいえ道中はまだ半ば。羅臼平へ再び戻り、縦走路へ入線し幕営地を目指します。三峰へ登っている途中、林野庁の方とすれ違いました。どうやら三峰近辺でクマが出没したようです。いつもより念入りに笛を鳴らします。また、今まで下りてきた羅臼岳〜羅臼平でもリアルタイムで目撃情報があったとのこと・・・。知床という土地の恐ろしさを改めて感じさせられました。クマにおびえながらも晴れ渡った空の下をひた進みます。そして17時に幕営地である二ッ池に到着しました。前日の豪雨のせいか、辺り一帯が水没していました。周りの目をはばかりながら拝借したサークルの名前入りテントを広げます。夜は天の川と流星のコラボレーションを楽しみ、就寝。早朝発に備えます。
15日は4時に起床。朝焼けを背に朝露に濡れたテントをたたんでいざ出発です。そのままモクモク進んでいったのですが・・・。「クマスプがない!」クマスプレーを落としてしまったのです。幸いにも、有難くも後続の方に拾っていただけたのは良かったのですが、本当の悲劇はこの後に待っていました。「プシュ♪」異音とともに手には冷たさと熱さが、口と鼻には激痛が!ザックの脇にさす際、スプレーを誤噴射してしまったのです。よく見ると安全弁が外れていました。この一撃を喰らった後10分間はまともに呼吸ができませんでした。「これならクマでも一溜りもないか」身をもって知りました。
気を取り直し、硫黄山へ進路をとります。知円別の脇からはスリル満点の稜線を楽しみつつ、アップダウンを繰り返し硫黄山の肩に到着です。ちなみにクマスプの影響はこの頃まで続きました。ザックをデポして硫黄山へ向かいます。直下は岩場でしたが、三点確保で問題なく登れました。硫黄山のピークからは知床岳と昨日登った羅臼岳を臨むことができました。
「後は下るだけ。」肩に戻り、砂で覆われた雪渓の上を下っていきます。すると先頭のメンバーが・・・「クマです、クマ!」まるで気が動転した猿のようにおびえています。見てみると沢の対岸で若いクマがエサを啄んでいます。どうやら親離れした後だったようなので一安心ですが、こちらの存在に気づいていながら中々立ち去ろうとしません。仕方なく一挙手一投足を気にしながら、その場をやり過ごしました。その後も新たなるクマの存在に怯えながら、新噴火口・硫黄採掘場後と下っていき14時前に下山。カムイワッカ湯の滝ゲート横にて下山届・通行許可申請書の写しを提出し、バスにて岩尾別へ戻りました。
縦走初体験のメンバーたちに縦走の楽しさを伝えられたことが今回の山行の何よりの収穫です。そして、クマはやはり恐ろしいということ、クマスプもまた恐ろしいといことも勉強しました。
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