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Yamareco

記録ID: 2211803
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山滑走
東海

【天生山地】御前岳

2020年02月08日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
17.6km
登り
1,719m
下り
1,727m

コースタイム

日帰り
山行
12:30
休憩
0:00
合計
12:30
5:40
60
白弓スキー場駐車場
6:40
260
野々俣谷右岸尾根取り付き
11:00
130
ジャンクションピーク(P1734m)
13:10
90
14:40
160
ジャンクションピーク(P1734m)
17:20
50
野々俣谷右岸尾根取り付き
18:10
白弓スキー場駐車場
天候 曇り時々雪
過去天気図(気象庁) 2020年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
白弓スキー場の駐車場に駐車(2020.2.8現在,白弓スキー場は積雪不足のためクローズ中)
コース状況/
危険箇所等
<積雪状況(2020.2.8現在)>
・ 野々俣谷右岸尾根の取り付き(820m)で新雪10cm程度,標高1300m付近で旧雪50cmの上に新雪20cm,主稜線(標高1700m付近)で旧雪1m以上の上に新雪50cmほど。さらさらのパウダーを予想していましたが,意外に重い雪でした。

<ルート概況>
(野々俣谷右岸尾根〜主稜線)
・ 野々俣谷右岸尾根の1369m付近?までは明瞭な切り開きがあり,無雪期でも歩けそうなくらいです。それ以降は藪っぽくなり,まだ藪は雪に埋まり切っていませんが,歩く分には支障はありません(滑降は一部を除きまだ難しそう。)。

(主稜線〜御前岳)
・ 三ノ谷の横断箇所は,まだ完全に沢が埋まっていませんが,スノーブリッジは多数あり,スキーを脱がずに渡れました。
・ 三ノ谷から御前岳への斜面は,上部はオープンな斜面もあり,スキーで気持ちよく滑降できる斜面です(それゆえ雪崩も注意)。御前岳の稜線は藪の頭がちょっと出ているくらいで,ほぼ真っ白な雪稜となっていました。
林道の積雪は10cmほど。側壁が切り立っているところもあり,雪が多ければ雪崩や片斜面が怖そうだが,現状では全く問題ない。
林道の積雪は10cmほど。側壁が切り立っているところもあり,雪が多ければ雪崩や片斜面が怖そうだが,現状では全く問題ない。
野々俣谷右岸尾根の取り付き。よく見ると林道が尾根を回り込むすぐ手前に踏み跡があり,楽に尾根上に上がることができる。
野々俣谷右岸尾根の取り付き。よく見ると林道が尾根を回り込むすぐ手前に踏み跡があり,楽に尾根上に上がることができる。
藪尾根だとばかり思っていたのだが,尾根上には明瞭な切り開きがあり歩きやすい。登山道なのか仕事道なのか目的は不明だが,しばらくは植林らしき形跡が認められるので,林業関係の道なのかもしれない。ところどころにビニールテープのマーキングも見受けられる。
藪尾根だとばかり思っていたのだが,尾根上には明瞭な切り開きがあり歩きやすい。登山道なのか仕事道なのか目的は不明だが,しばらくは植林らしき形跡が認められるので,林業関係の道なのかもしれない。ところどころにビニールテープのマーキングも見受けられる。
しばらく登っていくと植林らしき杉の木が消え,雰囲気の良いブナの森となる。
しばらく登っていくと植林らしき杉の木が消え,雰囲気の良いブナの森となる。
まだかなり藪が出ているが,歩く分には問題ない。ブナの大木も見受けられ,美しい尾根だ。
雪が降ったり止んだりする中,急登を喘ぎながら登っていく。視界があるだけありがたい。
まだかなり藪が出ているが,歩く分には問題ない。ブナの大木も見受けられ,美しい尾根だ。
雪が降ったり止んだりする中,急登を喘ぎながら登っていく。視界があるだけありがたい。
P1721mに到着。意外に時間がかかってしまった…。地図上だと一直線の尾根なので短く見えてしまうのだが,急登一方で標高を1000m上げたわけだから,時間を食うのも当たり前か。
この辺りからダケカンバが混じり始める。
P1721mに到着。意外に時間がかかってしまった…。地図上だと一直線の尾根なので短く見えてしまうのだが,急登一方で標高を1000m上げたわけだから,時間を食うのも当たり前か。
この辺りからダケカンバが混じり始める。
ブナとダケカンバの大木が並ぶ広い尾根を主稜線へ向かう。
ブナとダケカンバの大木が並ぶ広い尾根を主稜線へ向かう。
スキーの沈み込みは30cmくらい。そんなにラッセルは深くないが,意外に雪質が重く,脚にじわじわと疲労がたまる。
スキーの沈み込みは30cmくらい。そんなにラッセルは深くないが,意外に雪質が重く,脚にじわじわと疲労がたまる。
主稜線に近づくと,次第にオオシラビソの姿も。その間を縫ってスキーを進める。
主稜線に近づくと,次第にオオシラビソの姿も。その間を縫ってスキーを進める。
主稜線とのジャンクションピーク(P1734m)に到着。ブナとダケカンバの大木が並ぶ気持ちの良い平だ。
羊羹をかじりつつ少し休んでいると,雪が止んで,何と晴れ間が出てきた。
主稜線とのジャンクションピーク(P1734m)に到着。ブナとダケカンバの大木が並ぶ気持ちの良い平だ。
羊羹をかじりつつ少し休んでいると,雪が止んで,何と晴れ間が出てきた。
やはりブナの雪原の上の青空は美しい。僥倖である。
やはりブナの雪原の上の青空は美しい。僥倖である。
うっすらとだが,御前岳から栗ヶ岳にかけての稜線も見えた。はっとするほどの純白の稜線。
うっすらとだが,御前岳から栗ヶ岳にかけての稜線も見えた。はっとするほどの純白の稜線。
御前岳へは,三ノ谷からあの斜面を登り返さないといけないわけだが,結構標高差があるな…。
御前岳へは,三ノ谷からあの斜面を登り返さないといけないわけだが,結構標高差があるな…。
シールを剥いで,まずはP1734mの北側の鞍部へと滑っていく。
シールを剥いで,まずはP1734mの北側の鞍部へと滑っていく。
藪をかわしながら,気持ちの良いブナのスロープを滑る。
藪をかわしながら,気持ちの良いブナのスロープを滑る。
束の間の晴れ間と滑降を楽しむ。
束の間の晴れ間と滑降を楽しむ。
ちょっと雪が重めだが,浮遊感のある楽しいスキー。
ちょっと雪が重めだが,浮遊感のある楽しいスキー。
鞍部から三ノ谷の源頭部まで滑り込んだ。
鞍部から三ノ谷の源頭部まで滑り込んだ。
三ノ谷は,まだところどころ沢の流れが見えていたが,スノーブリッジは多数あり,スキーを脱ぐことなく対岸に渡ることができた。
三ノ谷は,まだところどころ沢の流れが見えていたが,スノーブリッジは多数あり,スキーを脱ぐことなく対岸に渡ることができた。
さて,スキーにシールを張り直し,御前岳の前衛峰へ登り返していく。かなりの急登で,息が上がる。
さて,スキーにシールを張り直し,御前岳の前衛峰へ登り返していく。かなりの急登で,息が上がる。
しかも,陽が差した影響か,この斜面は雪が盛大に腐っており,シールに雪団子ができるほど。まるで春みたいだ…。重くなったスキーをなんとか高みへと運んでいく。
しかも,陽が差した影響か,この斜面は雪が盛大に腐っており,シールに雪団子ができるほど。まるで春みたいだ…。重くなったスキーをなんとか高みへと運んでいく。
前衛峰のピークに近づくと,オープンな気持ちの良い斜面となった。
前衛峰のピークに近づくと,オープンな気持ちの良い斜面となった。
振り返ると,登ってきた野々俣谷右岸尾根が見えた。
振り返ると,登ってきた野々俣谷右岸尾根が見えた。
オオシラビソの生える前衛峰を越えると…
オオシラビソの生える前衛峰を越えると…
どーんと目の前に真っ白な御前岳が見える…はずだったのだが,ガスってる。さっきまでの晴れ間はなんだったんだ。
どーんと目の前に真っ白な御前岳が見える…はずだったのだが,ガスってる。さっきまでの晴れ間はなんだったんだ。
しばらく待ったが,なかなかガスは晴れず,これが精いっぱい。あきらめて御前岳に向かう。
しばらく待ったが,なかなかガスは晴れず,これが精いっぱい。あきらめて御前岳に向かう。
御前岳山頂に到着。丸くて小広い山頂だ。やはり何も見えないが,この季節なのだから仕方ない。むしろホワイトアウトでないだけでも感謝せねば。
御前岳山頂に到着。丸くて小広い山頂だ。やはり何も見えないが,この季節なのだから仕方ない。むしろホワイトアウトでないだけでも感謝せねば。
栗ヶ岳方面の稜線。晴れていれば,真っ白な美しい雪稜が続いているのだろう。
いつか栗ヶ岳まで歩いてみたいものだ。
栗ヶ岳方面の稜線。晴れていれば,真っ白な美しい雪稜が続いているのだろう。
いつか栗ヶ岳まで歩いてみたいものだ。
埋まりかけた木に山名板らしきものがかかっていた。文字は消えてしまっているが…。
1
埋まりかけた木に山名板らしきものがかかっていた。文字は消えてしまっているが…。
テルモスのお茶を飲み,アンパンをかじっているうちに,風が強まり,再び雪が降り始めたため,急ぎ足で山頂を後にした。
テルモスのお茶を飲み,アンパンをかじっているうちに,風が強まり,再び雪が降り始めたため,急ぎ足で山頂を後にした。
雪が空中を真横に飛ぶ中を,前衛峰へ。
雪が空中を真横に飛ぶ中を,前衛峰へ。
前衛峰からはシールを剥ぎ,三ノ谷へ滑降。樹林も疎で藪も少なく,一番楽しい斜面だった。
前衛峰からはシールを剥ぎ,三ノ谷へ滑降。樹林も疎で藪も少なく,一番楽しい斜面だった。
しかし下部は藪も出るうえ,登りで気づいた通り雪が腐っており,藪にとおせんぼされるわ,重雪に足を取られるわでなかなかの修行。
しかし下部は藪も出るうえ,登りで気づいた通り雪が腐っており,藪にとおせんぼされるわ,重雪に足を取られるわでなかなかの修行。
藪にどつかれながらも,無事に三ノ谷まで滑り込んだ。
藪にどつかれながらも,無事に三ノ谷まで滑り込んだ。
ジャンクションピークまで登り返し,振り返ると,一瞬だけガスが晴れ,御前岳の稜線が真っ白な姿で挨拶してくれた。
ジャンクションピークからは野々俣谷右岸尾根を忠実に引き返した。結構藪が出ていたため,スキーにシールを張ったまま下ってしまったが,もう少し藪が埋まれば,痛快な下山滑降ができそうな尾根であった。
ジャンクションピークまで登り返し,振り返ると,一瞬だけガスが晴れ,御前岳の稜線が真っ白な姿で挨拶してくれた。
ジャンクションピークからは野々俣谷右岸尾根を忠実に引き返した。結構藪が出ていたため,スキーにシールを張ったまま下ってしまったが,もう少し藪が埋まれば,痛快な下山滑降ができそうな尾根であった。

装備

備考 スキー使用。アイゼン,クトーは不要でした。

感想

 御前岳は,猿ヶ馬場山や三方崩山からその真っ白な姿を眺めて,気になっていた山だった。野々俣谷の右岸尾根や,御前岳から三ノ谷への斜面など,スキーで滑ったら楽しそうな斜面もある。今週中ごろからの寒波で藪も埋まったのではと思い,登ってみることにした。
 地図上では,御前岳までそう距離はないように見えるのだが,実際に登ってみると思った以上に時間がかかり,遠い山頂であった。野々俣谷右岸尾根は登り一方の急登がひたすら続くうえ,三ノ谷から御前岳への登り返しもこれまた急登で,よく考えれば疲れるのは当然なのだが…。
 今季最強の寒波でかなり積雪が増えたのではないかと期待していたのだが,残念ながらこの界隈の山ではそれほど降らなかったようで,結局,快適に滑れたのは一部だけで,大半は藪をかわすのに必死の右往左往スキーとなった(これはこれで楽しいのだが)。特に野々俣谷右岸尾根は,藪が埋まったらかなり楽しいスキー下山ができそうな尾根だっただけに,残念であった。まあ,逆にあまり雪が降りすぎてもラッセルが深くなり,山頂に届かなかったかもしれないので,痛し痒しといったところだが。
 ブナとダケカンバの静かで美しい森が広がり,三ノ谷の横断など変化もある楽しいルートだった。ただ、何となく御前岳の裏口からひょっこり入り込ませていただいている感がなくはない。今度は,東側の森茂峠方面から,栗ヶ岳を越え,真っ白な雪稜を延々と辿って,この山に登ってみたいと考えている。

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