鍬崎山(やりすぎ激パウ、激ラッセル!)
- GPS
- 10:01
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,750m
- 下り
- 1,737m
コースタイム
天候 | 雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
・あわすのスキー場の駐車場までマイカー。 ・無料で利用できる。 ・到着時点で降雪中、除雪前だったので車高が低い車は入らない方が良いかも。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆あわすのスキー場 ・ゲレンデを最短ルートで登ったが、ここは不整地バーンなのでそれなりにラッセルが強いられる。 ◆導水管〜大品山 ・下部の藪もだいぶ埋まって歩きやすくなっていた。 ・本当ならアップダウンがないようにうまくルート工作すべきだが暗闇&降雪で視界がなく無理やり感のあるルート取りとなった。 ・個人的には過去の山行の中で最も雪が深く大変だった。 ◆大品山〜鍬崎山 ・大品山から一旦鞍部までシールで下るがここも激パウで下り激ラッセルとなった。 ・1,756mの独標は藪が濃かったため巻かずに突破した。 ・通常なら山頂に近づくにつれて氷化してきてラッセルはなくなるはずだが今日は山頂まで激ラッセル状態が続いた。 ◆スキー滑走 ・トレースを外れると下りラッセルになるリスクがあったため基本登りルートを忠実に辿って滑った。 ・スキーを無くしたら間違いなく遭難なので無茶せず確実に下るように心がけた。 |
写真
感想
ようやく北陸にもガッツリ雪が降った。
2月にドカ雪はタイミングとしては遅すぎるがシーズンインからずっと高山ビッグ山行ばかりだったのでこれでやっと中低山を滑ることができる。
とはいえ一気にドッサリ降り過ぎたので雪崩リスクも大きい。
スタート地点の標高が低すぎる場所はまだ藪もうるさいだろう…ということでスキー場のゲレンデからアプローチができて尾根通しでいけるバランスのとれた鍬崎山へ行くことになった。
ほんの2週間前まであわすのスキー場も草ボーボーだったが今回のように一回ドカ雪が降れば息を吹き返す。
3時スタートの予定だったがちょっとだけフライング。
スキー場のゲレンデをラッセルしながら登っていく。
ゲレンデだからといって雪崩リスクがないわけではないのでスタートからビーコンオン。
こういう山スキーヤーに優しいスキー場で万一でも事故を起こして迷惑をかけてはいけない。
大品山の登山道へ入っていくとうっすら昨日のものと思われるトレースが残っていた。
それにしては雪が深い、たった1日で何センチ積もったのか。
いきなり膝ラッセル…この先思いやられる。
貯水池の尾根の取付きまで行くとなんとテントが数張…明かりが点いていて既に起きているようだった。
通り過ぎようとすると「早川さん?」と声をかけられた。
どうやらセンセーの登山研修所時代のお知り合いのようだった。
今日は大品山まで行くと言っていた。この雪でツボ足はきっと大変だろう…無事登頂できただろうか?
尾根に取付いてからも激ラッセルが続く。
3人で交代しながら回していく。
本当ならアップダウンができないように吟味してうまくルート工作すべきだが今回は暗闇&吹雪で視界がない上に寒いので細かいことは気にせずにとにかくラッセルし続けることを優先した。
大品山に到着するもまだ真っ暗…シールを着けたまま帰りのことを考えながら鍬崎山の鞍部へと落としていく。
ロッカーのPon2oonだがそれでも板の先が出ない程の深い雪だった。
雪は更に深くなり膝から腰、腰から胸へ。
Pon2oonで胸ラッセルとか少なくとも自分にとっては初めての経験だった。
去年パクと来た時はパクが機関車ラッセルしてくれたというアドバンテージがあったもののこれほど深いラッセルではなかったので6時間台で往復できたがこのコンディションでは相当時間がかかりそうだ。
この山の核心部はいつも1,756mの独標。
ここの2つの鎖場を登るか巻くか、どちらから巻くかというのがポイントとなる。
今回は激ラッセルながらやはり根雪が少ないせいで巻くのは難しそう…ということでYSHR先生と大魔人さんが際どくスキーで登り上げて突破した。さすがです。
後は徐々に風衝地帯になるのでラッセルもなくなるはず…だったがそううまくいかなかった。
どこまでいってもラッセルどこを歩いてもラッセル…いい加減嫌になってきた。
単独だったら心が折れていたかも。
先頭は激ラッセルで全身運動になるが後続はペースがあがらないので体が冷えてくる。
トップは薄着だがセカンド、サードはダウン着用でほぼ地獄装備というアンバランスぶり。
それほどまでに今日のパウダーは異常だった。
スタートから約8時間かけてようやくピーク獲得。
時間以上に長く感じた…というか疲れた。
視界がなくて天気が悪かったせいもあるかもしれない。
後はガンガン滑ってちょこっと登り返して滑るだけ。
だがトレースを外すと平坦地で下り激ラッセルになるリスクがあるのであまり冒険はできなかった。
忠実にトレースを辿りながらの安全滑走。
もし板を無くそうものなら間違いなく遭難、ヘリ救助ということになる。
それでもやっぱりスキーは速い。
登り8時間かかったのに下りは登り返しも含め2時間かからなかった。
スキー場に降りるとようやくオープンしたスキー場で親子連れがスキーを楽しんでいた。
欲を言えば薬師、立山の眺望を拝みたかったがやっと厳冬の鍬崎山を楽しめたので良しとしよう。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
初めまして。いつも凄い記録に感心しております。
ところで、あわすのスキー場の最短ルートを登られたとのこと。元関係者の当方から言わせていただきます。文章から察すると、下から見て左側の非圧雪バーンを登られたようですね。今後は、下から見て右側の、圧雪ゲレンデの端をハイクアップしてもらえればと。
理由は、圧雪バーンは圧雪車が入ることでリカバリー出来る。非圧雪バーンは、リフト代を払ってパウダーを滑りに来る皆が楽しみにしていた。パウダーゾーンがズタズタでがっかりしたという声も届いています。また、段差が出来て危ないです。
夜中であり、圧雪バーンが何処か分からなかった可能性もありますが、何回か訪れておられる場所でしょう。他のスキー場がどうかは不明ですが、今後気を遣って頂ければと思います。
また、その日はゲレンデが賑わう日曜日でした。狭い無料駐車場に、必要以上の車間を空けて、10台ほどの登山者らしき車が停めてあったと聞いています。それらにお二人のものが含まれていたかどうかは分かりませんが、スキー場運営者の落胆を想像出来ます。
以上、思うところを書かせていただきました。今後とも安全登山と願うとともに、いい記録を楽しみにしております。
コメントありがとうございます。
あわすのスキー場のご関係者とのことで改めてこの場を借りてお礼申し上げます。
スキー場目線でのご指摘ありがとうございます。
登行ルート、駐車場の件共に十分考慮させていただきます。
駐車場については出来るだけご迷惑をかけないように詰めて駐車したつもりですが除雪作業の邪魔にならないよう、他のスキーヤーの妨げにならないよう今後も考慮したいと思います。
大品山、鍬崎山登山の拠点として非常に理解のあるありがたいスキー場だと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
早速の返信ありがとうございました。非圧雪バーンをハイクアップするほうが、(他のスキー場は分かりませんが)あわすのスキー場にとっていいだろう、と勘違いしている人は多数おられると思います。ここを読んで少しでも多くの人が、そうではない、圧雪バーンの端っこのほうが、圧雪車で修復出来ると理解してもらえればと、敢えて書いております。
また、駐車は、ゲレンデの反対側(北側)の一番奥(東)に停めてもらうのがベストです。除雪車は、駐車場に積もった雪をゲレンデに向けて飛ばすので、クルマが邪魔になるからです。除雪作業がない日は、詰めてもらうだけでいいですが。
理想は、相乗り乗車ですね。お二人のように少人数ならともかく、無料の狭い駐車場に多い人数で一人一台は、けっこう打撃です。
以上、今後のお互いのためと、スキー場から登られる人への啓発として書かせていただきました。
こういう現場レベルのお話を聞くことはなかなか出来ないのでとても貴重です。
我々はもちろん、この記録をご覧いただいている他の山スキーヤーにとってもあわすのスキー場の事情を知る機会になるのではないかと思います。
ご助言ありがとうございました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する