【中ア】経ヶ岳(2296m)
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- GPS
- 10:30
- 距離
- 14.1km
- 登り
- 1,527m
- 下り
- 1,537m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
<平成16年秋>
前回登頂したのは平成16年10月23日。この日がどういう日だったか、みなさんご存知ですか?
その日、僕は経ヶ岳の山頂に山トモとテン泊していました。樹林に射し込む夕日が、漂いはじめた霧に、光の筋を刻んでいました。豚丼とたまごスープを食べ、まったり過ごしていた午後6時。
突然、二度にわたって山全体が大きく揺れ動きました。慌ててラジオをつけると、甲信越で大きな揺れ・・・と報じてます。
DOCOMOが通じたので、急いで自宅に電話しました。しかし、逆に「え?地震があったの?」と聞かれる始末。甲信越と言っても広すぎる。一体どこが!?
午後6時半、再び大きな揺れ。被災地の無事を祈りつつ、翌朝を迎えました。
そう、中越地震でした・・・あれからまもなく16年ですね。
平成7年の阪神・淡路大震災、平成23年の東日本大震災などなど、多くの自然災害の中で尊い命を落とされた方々のご冥福を、改めてお祈り申し上げたいと思います。
<大泉所ダム〜経ヶ岳>
前日の新雪で、大泉所(おおいずみどころ)ダムへの林道はガリガリに凍結しています。スタッドレスを過信してはいけません。雪も深いし。慎重にそろりそろりと登山口へ。
クロツグミの幻想的な鳴き声が、深閑とした夜のしじまにしみ入ります。うつろに聞いていると、夢かうつつかわからなくなりそうです。
さあ、登山開始。いつものことながら、睡眠時間2時間に満たないままでの登山。ノートレースの新雪や、超2000mを意識した冬山の装備がジワジワきます。
四合目で仲仙寺ルートに合流。メインストリートにもトレースはなし。ここでアイゼンに履き替えてカラマツ林を登ります。七合目、蔵鹿(ぞうろく)ノ頭。湧き立つ雲の向こうに、木曽駒方面が浮かび上がった。
八合目、望郷碑のピーク。胸のすくような展望。残念なことに南アルプス方面は厚い雲の中。それでも、木曽駒本峰あたりから御嶽山までのパノラマは素敵だ。大棚入山や奥三界山、小秀山などなど、懐かしい山々が居並びます。
目の前に、これから登る経ヶ岳2253mピーク&2192ピークが立ちはだっています。思わず武者震い。鞍部から登り返す場面が、この日の最大の展望スポット!
その先、黒沢山分岐からが試されるアップダウン。わかんに履き替えるタイミングを逸してしまい後悔。勢いだけで進軍です。股下までズボるたびごと、悪態をつきながらガシガシ、ラッセルしちゃう。頑固者は損だよなあ、まったく(笑)。
経ヶ岳登頂!お疲れさま、と自分を誉めてあげます。山頂の観音さま、ありがとう!
九合目ピークに戻り返す途中で、登ってくるご夫婦に出会いました。「山頂まで遠いですね〜」とねぎらい合います。
<経ヶ岳〜大泉所ダム>
黒沢山までは八&九合目看板の裏手から一旦高度を下げます。またまたガボりまくる(涙)。勢いに任せて下れないから辛すぎる。それより、もっともっと苦労させられたのが、広尾根の悩ましいコース取り。黒沢山尾根にきちんと乗るまでは気が抜けません。
2045ピークに到達した段階で、時間読みを迫られます。計画書に残してきたのは、黒沢山を越えてから東南尾根をトレースし、1675m三角点から尾根を選んで大泉所ダムに降下するライン。
この時点で既に天気は下り坂。季節風がますます強まって、容赦なく雪が吹きつける。急激に気温が低くなり、不用意にグローブをはずすと、途端に指の感覚がなくなった。ヤバイよ、これは。
タイムリミットを「2072mピークPM 2時」とします。尾根道は何となく切り拓きがあって、歩きやすいのが嬉しい誤算かな。
2072を越えたところで時間切れ。ガスがわき立ち、見通しゼロ。激しい雪は収まる気配もない。2045ピークに戻ってエスケープするか、△海里泙淪縦蠶未蠧佑湛むか、微妙な立ち位置です。決断の時です。
選んだのは名誉の撤退(笑)。突っ込むのはカッコイイけどね。撤収するにはそれ以上の勇気がいるんだよ。決断の決め手となったのは「時間に押される形で、バリルートをGPSに頼って歩いたって、面白くも何ともないだろう」・・・の一点です。
下山です。2045ピークからの東尾根はピンクテープのつけられた県有林管理下の『歩道1号』ルート。慎重にルートの探せる人ならば、たとえ道が雪に埋もれていても歩ける感じ。もちろん、個人の感想です。
砂防ダムに着地すると、そこが林道詰め。声のないガッツポーズでフィニッシュを決める(笑)。
また、ここに戻ってくる大義名分ができてしまったな(笑)。待ってろよ、マイ・ガール!
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