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Yamareco

記録ID: 22611
全員に公開
沢登り
道南

狩場山・須築川

2007年09月01日(土) ~ 2007年09月02日(日)
 - 拍手
GPS
31:49
距離
23.0km
登り
1,876m
下り
1,880m

コースタイム

9月1日:須築橋(5:10)→Co300(8:00)→Co420(9:15-35)→Co570(11:50-12:10) →Co680C1(13:30)
9月2日:C1(5:40)→ヤブ漕ぎ開始(7:10)→山頂(8:25-9:10)→須築橋(12:50)
天候 両日晴れ
過去天気図(気象庁) 2007年09月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
● 狩場山・須築川

【ルート】須築川→茂津多ルート下山

道内屈指のゴルジュ沢の須築川。現役パーティーに入れてもらった。壮絶なゴルジュを期待して踏み込んだのだがむしろ印象は、愉快な「おフロの遊園地」だった。広く大きな狩場山を一本槍でひと突きの快適ルート。滝三つ以外は全部直登できた。

前夜は札幌からバスで来た二人を八雲で拾って須築河口へ。土日雨だった天気予報は金曜日の午後から劇的に変わった。「土日晴れ、その後一週間は雨」と。始めの数時間は河原歩き。体が温まった頃に泳ぎの淵が始まる。Co300は新宿ゴールデン街のウラ路地よりも狭い淵になっていて、「ようこそ須築へ、いらっしゃ〜い」という雰囲気のところを犬かきで泳いでいく。

そこからはくねくねの天井の高い洞窟探検風だが、ザラザラの砂岩で摩擦が効くので全部水流真ん中突破。高い滝でもないし落ちても水瓶で、どんと行けという感じだ。

Co420二股から先がS字峡。沢の真ん中を高さ100m以上の柱状節理で取り巻かれた岩峰が塞いでいる。どこかの世界遺産みたいな眺めだ。これのせいで沢がS字に曲がり屈曲している。

6mほどの滝があり、初めて捲く。左岸のフェイス状を登ってクライムダウン。ザイルなし。残置ハーケンがメタメタ打ってある。多すぎるのでいくらか頂くその後も楽しいゴルジュや数メートルの滝が連続する。

プール付き3m滝は登れそうもなく右岸少し登って斜めに懸垂する。残置ハーケンあり。

その後も楽しめる函滝を幾つか越えると、どうやら登れない7mの滝。左岸側の縦リスの入った壁を登ってクライムダウン。ここで初めてザイルでビレーする。ハーケンが1m毎に打ってある。ここは確かに易しくはない。その後も函や小滝は続くが、だんだん沢が開けてきて遠くに570二股が見えてきた。もしやさっきのがヤカンの底か?もっと凄いのを身構えていたのでやや拍子抜けした。

とはいえまだまだ遊園地は続く。二股を越えれば落差10m弱のハングの滝を右岸草付きから捲き、相変わらず泳いで取り付き水流にホールドを探す滝が続く。ニシキヘビのモンモン模様のきれいな滝もあった。沢は明るく開けていき、太陽が降り注ぎ、快適この上ない。

Co760、地図にある12m滝は右岸をノーザイルで登る。小さいながらもカチカチ決まるホールドがある。まだ時間に余裕があるので、天場を探しながら登っていく。流木豊か、眺め抜群の場所があり、Co680mで泊まる。この上にも良い天場はいくらでもあった。

焚き火の脇で刈ったイタドリを敷いたベッドを作りごろ寝した。空が朱色に、群青色に変わり、北斗七星がカシオペアに位置代わりし、遅い月が山の端を這い、最後に空が白み始めた。眠ったり覚めたり薪を足したりだがツエルトのない夜は空の移ろいが見えて良い。

翌朝も晴れ。羊雲や絹雲が浮かぶ秋の空だ。水はやがて涸れるが、夏道のように快適な涸沢をつめ、最後のヤブを1時間ちょっと漕いで山頂少し東側の道に出た。ササ→カンバ→ハイマツだがミックスでもなくまあまあのクラスのヤブ。
南側の大草原を見下ろす山頂は誰にも会わなかった。須築川を見下ろす。奥尻、遊楽部が見える。

茂津多コースは長いが好きなコースだ。人通りが少ないせいか地面が柔らかく、のんびり歩ける。前半は展望を楽しみ、後半はブナ林を楽しむ。傾斜が緩いので膝に来ない。牧場の散歩道風。

20年前、遊楽部に登るのに前夜泊した瀬棚駅は廃線で今は温泉になっている。汗を流して富美栄でメンチカツ定食。瀬棚で一番の大衆食堂だ。食後はせたな名物甲田菓子店の岩シュー。ここでしか食べられない。
Co300の狭い函。横町入り口風。
2007年09月03日 04:09撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 4:09
Co300の狭い函。横町入り口風。
8:25の函
2007年09月03日 04:10撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
9/3 4:10
8:25の函
8:39の滝
2007年09月03日 04:12撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
9/3 4:12
8:39の滝
8:42の滝
2007年09月03日 04:13撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 4:13
8:42の滝
8:45の滝
2007年09月03日 04:18撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
9/3 4:18
8:45の滝
8:55。日向の岩で体温を上げる。トカゲタイム。
2007年09月01日 08:57撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/1 8:57
8:55。日向の岩で体温を上げる。トカゲタイム。
9:13の滝。細かいスタンスのトラバース
2007年09月01日 09:13撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
9/1 9:13
9:13の滝。細かいスタンスのトラバース
Co420二股の岩峰。柱状節理に囲まれている。
2007年09月03日 06:12撮影
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9/3 6:12
Co420二股の岩峰。柱状節理に囲まれている。
初めて捲いた6m滝。左岸のがばがば壁をノーザイル。向こう側はクライムダウンで3mほど降りる。
2007年09月03日 04:27撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 4:27
初めて捲いた6m滝。左岸のがばがば壁をノーザイル。向こう側はクライムダウンで3mほど降りる。
10:00捲いた6mのクライムダウン。次の滝がさっそく見えている。
2007年09月03日 04:27撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 4:27
10:00捲いた6mのクライムダウン。次の滝がさっそく見えている。
10:13の函。
2007年09月03日 04:30撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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10:13の函。
10:28函付き滝は右岸数メートル登って斜め懸垂。長さは6mほど。
2007年09月03日 04:31撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 4:31
10:28函付き滝は右岸数メートル登って斜め懸垂。長さは6mほど。
斜め懸垂のようす。
2007年09月03日 04:31撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 4:31
斜め懸垂のようす。
10:35の函
2007年09月03日 04:32撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
9/3 4:32
10:35の函
10:36の函
2007年09月03日 04:32撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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10:36の函
ヤカンの底の滝。画面より右の壁を登る。
2007年09月03日 04:36撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 4:36
ヤカンの底の滝。画面より右の壁を登る。
ヤカン滝左岸壁のコンテ。
2007年09月03日 04:36撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
9/3 4:36
ヤカン滝左岸壁のコンテ。
ヤカン滝登り終えたところ。後ろは越えてきた狭いゴルジュ。
2007年09月03日 04:36撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
9/3 4:36
ヤカン滝登り終えたところ。後ろは越えてきた狭いゴルジュ。
11:50の滝
2007年09月03日 04:45撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 4:45
11:50の滝
12:20の滝。Co570二股のすぐ先。右岸の草付きを軽く捲く。
2007年09月01日 12:20撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
9/1 12:20
12:20の滝。Co570二股のすぐ先。右岸の草付きを軽く捲く。
12:37の滝!
2007年09月03日 04:46撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 4:46
12:37の滝!
12:39の滝
2007年09月01日 12:39撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/1 12:39
12:39の滝
12:44ニシキヘビ柄モンモンの滝。
2007年09月01日 12:44撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/1 12:44
12:44ニシキヘビ柄モンモンの滝。
13:03の滝。もう空が広い。
2007年09月03日 12:06撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 12:06
13:03の滝。もう空が広い。
13:10、Co760の通称20mの滝。12mにしか見えなかった。
2007年09月03日 12:07撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/3 12:07
13:10、Co760の通称20mの滝。12mにしか見えなかった。
C1。Co860あたり
2007年09月01日 17:22撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/1 17:22
C1。Co860あたり
山頂の三人
2007年09月02日 09:10撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/2 9:10
山頂の三人
前山から狩場山
2007年09月02日 09:56撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
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9/2 9:56
前山から狩場山

感想

● 狩場山・須築川

【ルート】須築川→茂津多ルート下山

道内屈指のゴルジュ沢の須築川。現役パーティーに入れてもらった。壮絶なゴルジュを期待して踏み込んだのだがむしろ印象は、愉快な「おフロの遊園地」だった。広く大きな狩場山を一本槍でひと突きの快適ルート。滝三つ以外は全部直登できた。

前夜は札幌からバスで来た二人を八雲で拾って須築河口へ。土日雨だった天気予報は金曜日の午後から劇的に変わった。「土日晴れ、その後一週間は雨」と。始めの数時間は河原歩き。体が温まった頃に泳ぎの淵が始まる。Co300は新宿ゴールデン街のウラ路地よりも狭い淵になっていて、「ようこそ須築へ、いらっしゃ〜い」という雰囲気のところを犬かきで泳いでいく。

そこからはくねくねの天井の高い洞窟探検風だが、ザラザラの砂岩で摩擦が効くので全部水流真ん中突破。高い滝でもないし落ちても水瓶で、どんと行けという感じだ。

Co420二股から先がS字峡。沢の真ん中を高さ100m以上の柱状節理で取り巻かれた岩峰が塞いでいる。どこかの世界遺産みたいな眺めだ。これのせいで沢がS字に曲がり屈曲している。

6mほどの滝があり、初めて捲く。左岸のフェイス状を登ってクライムダウン。ザイルなし。残置ハーケンがメタメタ打ってある。多すぎるのでいくらか頂くその後も楽しいゴルジュや数メートルの滝が連続する。

プール付き3m滝は登れそうもなく右岸少し登って斜めに懸垂する。残置ハーケンあり。

その後も楽しめる函滝を幾つか越えると、どうやら登れない7mの滝。左岸側の縦リスの入った壁を登ってクライムダウン。ここで初めてザイルでビレーする。ハーケンが1m毎に打ってある。ここは確かに易しくはない。その後も函や小滝は続くが、だんだん沢が開けてきて遠くに570二股が見えてきた。もしやさっきのがヤカンの底か?もっと凄いのを身構えていたのでやや拍子抜けした。

とはいえまだまだ遊園地は続く。二股を越えれば落差10m弱のハングの滝を右岸草付きから捲き、相変わらず泳いで取り付き水流にホールドを探す滝が続く。ニシキヘビのモンモン模様のきれいな滝もあった。沢は明るく開けていき、太陽が降り注ぎ、快適この上ない。

Co760、地図にある12m滝は右岸をノーザイルで登る。小さいながらもカチカチ決まるホールドがある。まだ時間に余裕があるので、天場を探しながら登っていく。流木豊か、眺め抜群の場所があり、Co680mで泊まる。この上にも良い天場はいくらでもあった。

焚き火の脇で刈ったイタドリを敷いたベッドを作りごろ寝した。空が朱色に、群青色に変わり、北斗七星がカシオペアに位置代わりし、遅い月が山の端を這い、最後に空が白み始めた。眠ったり覚めたり薪を足したりだがツエルトのない夜は空の移ろいが見えて良い。

翌朝も晴れ。羊雲や絹雲が浮かぶ秋の空だ。水はやがて涸れるが、夏道のように快適な涸沢をつめ、最後のヤブを1時間ちょっと漕いで山頂少し東側の道に出た。ササ→カンバ→ハイマツだがミックスでもなくまあまあのクラスのヤブ。
南側の大草原を見下ろす山頂は誰にも会わなかった。須築川を見下ろす。奥尻、遊楽部が見える。

茂津多コースは長いが好きなコースだ。人通りが少ないせいか地面が柔らかく、のんびり歩ける。前半は展望を楽しみ、後半はブナ林を楽しむ。傾斜が緩いので膝に来ない。牧場の散歩道風。

20年前、遊楽部に登るのに前夜泊した瀬棚駅は廃線で今は温泉になっている。汗を流して富美栄でメンチカツ定食。瀬棚で一番の大衆食堂だ。食後はせたな名物甲田菓子店の岩シュー。ここでしか食べられない。

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