6歳児とゆくスリルと絶景の山梨・御前山
- GPS
- 04:12
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 546m
- 下り
- 471m
コースタイム
天候 | 快晴 そして電車が止まるほどの暴風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
かえり:富士急行線都留市駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
猿橋駅から御前山: 整備完璧、迷うところなし 酔っ払っていたら速攻転落する岩の痩せ尾根 登るぶんには危険なし 御前山から馬立山: きれいな尾根道。 馬立山山頂の迷いやすいところは 倒木でふさがれていた 馬立山から田野倉駅: 倒木でふさいである、、、 ヤマレコ のマップでもピンク線がついていない、、、バリルート扱い、 でも荒れもなく倒木も大丈夫、きれいなルートでした |
その他周辺情報 | より道の湯 コロナも安心なくらいガラg |
写真
感想
晴れ予報の3連休である。
さあ!行こうぜ!山!!!
と意気込んだところで、木曜夜思いっきり夜更かしした息子は起きてこない。毎度のパターンである。いつ早起きできるのだろう、いつ権現山に行けるのだろう。
どうやっても起きない息子には呪文しかない。せえの、
「ホリデー快速ビューやまなしが復活したぞ、さあ乗りに行こう」
息子の眠い目をバチッと覚ますよい呪文だ。妻の「鉄道で釣るな」という不興を買うという副作用つきだが。
かくして9:02、新宿駅からホリデー快速ビューやまなしで出発! 始発から乗ると絶対に座れる2階建ての快速、高いところから眺める沿線風景がやはり気持ちいい。
さて、本日のおやま。早起きがダメだったので、駅からすぐ登れる御前山にする。大月秀麗富嶽十二景に最近加わった、標高700メートル台の山。ちょっとライトめなあたり、遅いスタートの今日にはちょうどいいだろう。
大月まで行き、猿橋に折り返して登山口に向かう予定。神楽山、御前山から馬立山を通って、時間があれば九鬼山にも登ろう。
が……どうもあゆみが遅い。もう到着時刻を過ぎているが大月に到着しない。そしてついに、鳥沢駅で止まってしまった。強風のせいで猿橋駅〜鳥沢駅間の鉄橋が渡れないのだという。
かなーり待ったが、まるで動かない。本来通過駅だが鳥沢駅で下車するのも可能になった、ということでグズる息子を引っ張り出し切符を改札に出したところで「運転再開しまーす」 マジか! 結局電車に戻り、大月で降りる。定刻より83分の遅れですってよ、奥様! 幸い、折り返す電車はすぐやってきた。
猿橋駅の南口に出て、右に進むと桂台ニュータウン入口。ってここで12時! こんなに遅い山登りって、、、あとは桂台に向かって歩き、トンネル?を越えたあたりで登山口が現れる。
なだらかな道を進み、森に入ってゆく。ジグザグをいちど経て、道は尾根に乗る。お昼を回ってしまったので息子の腹は減り、ここでおにぎりタイムとする。
なだらかな尾根道を進むと……なだらかじゃ、ぜんぜんなくなる。というか岩の痩せ尾根! 気を抜くと落ちるわこれ! こ、怖えェ!!
息子はと見ると、両手両足をうまく使ってひょいひょい登っている。なんだか楽しそう。た、頼むよ?
するとここで、先ほど電車を止めてくれた猛風が吹き上げてきた! と、止まって! ここで動いてるとブッ飛ばされる!
息子はと見ると、「この風は5年生」「この風は1年生」など、強さを学年にあてはめて遊んでいる。うん、まあ、大丈夫だな、、、
ゆっくり進んでいると、うしろからトレランのお兄さん登場。がんばれよ、と息子の頭をぽんぽんして颯爽と消えていった。
風に飛ばされそうなロッククライミングを越えると、尾根はなだらかに。神楽山と御前山の分岐から、神楽山に向かう。
しかし神楽山山頂、これが本格的になんにもない。すぐに折り返し、御前山へ。
尾根道を少し進んだら、ラスボス感たっぷりの巨岩が! そしてそれを巻き気味に、最後の岩登りである。ガシガシ登り、道が土にもどって空が真っ青に見えてきたら、御前山山頂!
これが! すっごい! 絶景!!
この日、強風がすべての雲を吹き飛ばして真っ青な快晴。そのなかに、白く輝く富士山がそびえている。
断崖絶壁のはるか下には小沢集落。猿橋のほうも見渡せる。それは見事な見事な景色。確かにこれは秀麗富嶽に入れておくべき山だ。
しかし息子よ。頼むからここでふざけんな。落ちる。パパほんとにこわいんだ。ごめんほんとやめて。笑いながらジャンプしないで!!!
この絶景のなかで、息子と約束していたミニインスタントアジア麺をいただく。息子はトムカーガイ、自分はチゲの麺。水筒のお湯でいただきます。これがまあ、なんとおいしいこと。
息子はさらに、大好きな「ぜりーめりんぐ」(ゼリー×スパークリングのこと)の新製品・エナジードリンク味をいただいている。富士山を背に、広がる絶景を眼下に、ケミカルなドリンク。まあ、うれしいならいいよね。
さあ、この美しい景色に別れを告げて、山をおりよう。今日も温泉に入ろう。目指すは富士急行田野倉駅、都留市駅そばの「より道の湯」に行くのだ。
なだらかにくだる尾根道にテンションをあげまくる息子。たしかにこれは気持ちいい。
道端にスミレが咲いている。春だね。花のつけねのところにミツがあって甘いのだと息子が言う。そうだっけ? そうかもしれないけど、このひっそり咲いてるスミレをブチってちぎる気にはなれないよ。そうだよね、って笑う息子。
と、道がのぼりにかわり、行く手に突き出たピークが見えた。えっのぼりなの、山おりてる感じがしないよ、と息子。そうなんだよ君、ここからふたつ山をこえるんだよ。
と、トレランのお兄さんが帰ってきた。どこまでいくんですか、と心配そうに言う。田野倉駅におりますよ、と答える。そう、このまま九鬼山に登ったら確実に日没する時間なのである。
菊花山からの道と合流、しばらく登ると沢井沢の頭頂上。菊花山側から来ると小ピークに登ってる感じすらなかったけど、今回はきちんとひとつピークをハントした実感がある。
そのまま尾根をくだり、またのぼる。息子も、以前ここを通ったことを覚えているという。
キブシの花が、道端におちている。鈴なりでかわいい花だね。これをよく見た息子、先のほうにいくにしたがって花が開いていない、という。そう、それは大きな発見だね。
尾根を進んでいくと、そのままでは越えられなさそうな大岩が出てくる。これをどっちかに巻いて進むんだけど、どっちだっけ? 息子「右!」
かくして大岩の下で左にトラバース、トラロープにつかまりながら進む。この岩の上が馬立山の山頂なのだ。
しかしこの馬立山、山頂に出てみるとまったく山頂感がない。ものすごい肩透かし感のある小ピーク野郎である。枝のすきまから富士山がちらちらのぞいている。
さて前回来た時は尾根を直進してしまい迷いかけたのだが、その方向には枝と倒木が積んであり「こっちじゃないよ」と教えてくれるようになっている。これはすばらしい。
一瞬だけジグザグ急降下、道がおだやかになったところで左折・札金峠方面と直進・田野倉駅方面が分かれる。ここをナベノテラスというらしいが、ヤマレコ以外でそんなの見かけない。
しかし、なぜか田野倉駅方面に、こっちじゃないよとばかりに倒木や枝が置いてある。人がこれから向かうルートをバリルート扱いにしないでもらえます? 立木に「田野倉駅」と書かれた木片が打ちつけてある。なにより、ここは前回歩いている。ルートは間違いない、問題は崩落などがないかどうか、、、
はたして、どうもしばらく人が入っていないような感じ(針葉樹の葉がつもりすぎてふかふか)はあったものの、去年通ったときと変わらない気持ちのよい尾根道だった。
問題は時間である。馬立山を通過した時点で、田野倉駅の電車まで残り50分を切っていた。この電車を逃すと温泉は絶望的だ。
前回もそんなふうにして急いだ気がするが、今回もスピードを上げ気味にして進む。軽快に進む息子、足がひっかかりまくりの父。ついには思いっきりつんのめり、転びはしなかったものの首筋の激痛、そしてしがみついた木で指を切り流血、の大惨事に。ひややかな目で見つめる息子。
何度も山に登り、そしておりて、を繰り返した結果、「急いで」とお願いしたら息子はえらいペースで駆け抜けられるようになっていた。おとうちゃんついてけません。速く進んでは、止まって父がついてきているか確認する息子。くだりのうまさは息子にもうまるでかなわない。
最後にちょっとだけ登り返して植野山、ここを過ぎるとジグザグとトラバースで高度をどんどん下げていく。軽快に進み、笹やぶを突き抜けたら登山口! ついに到着!
残り5分、ここから田野倉駅までもダッシュ! 走りすぎて体も顔も暑い! 全力をふりしぼって、田野倉駅に駆け込んだ。電車の出発まで残り2分、なんというギリギリゲーム!
あとは電車にゆられて都留市駅、より道の湯へ。ここはコロナを心配させないぐらい人影がまb 大変いい湯でした! ここ、そのスペックと人気がかけ離れすぎてますランキングNo.1である。あと少しくらいなら混んでもいいからみんな来てあげて。
帰りの電車はトーマス電車だったり、大月で特急の連結を見れたり。つくづく息子はついている。
何から何まで、本当に楽しい山登りになった。正午スタートのわりには充実感たっぷり。やはり運がよかったのかもしれない。
それにしても、ここまでの絶景があるのに、なぜこの御前山はそんなにもマイナーなのだろう。と考えてみたけど、どう考えても途中の岩登りのせいだな。
「景色のいい山があるんだよ、軽くハイキング気分で登ってみないか?」なんてデートに誘った結果がこれだったら、確実に恋がひとつ終わると思う。
標高とアクセスのよさからは考えられない本格っぷり、それがこの御前山なのだ。
※大月秀麗富嶽十二景20座のうち11座クリア! 残るは真木お伊勢山以外、雁ヶ腹摺山/姥子山/小金沢山/大蔵高丸/ハマイバ/滝子山/本社ヶ丸/清八山と超ガチなやつばっかり! 雪がとけたらチャレンジ!
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