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Yamareco

記録ID: 229171
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

鷲羽岳・水晶岳(新穂高温泉から日帰りピストン)

2012年09月29日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
9
2~3泊以上が適当
GPS
16:18
距離
44.4km
登り
3,240m
下り
3,235m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

新穂高温泉(2:30)〜わさび平小屋(3:30)〜鏡平山荘(5:30)〜双六小屋(7:00)〜<巻道ルート>〜三俣山荘(8:30)〜鷲羽岳(9:25)〜水晶岳(10:50)〜ワリモ北分岐(12:00)〜<黒部源流ルート>〜三俣山荘(13:00)〜双六小屋(14:45)〜鏡平山荘(16:15)〜わさび平小屋(18:00)〜新穂高温泉(18:45)
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2012年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
<駐車場>
・新穂高有料第二駐車場
 (無料駐車場も停めれそうでしたが距離を少しでも稼ぐためにあえて有料)
コース状況/
危険箇所等
・危険な箇所はありません
・新穂高の登山ポストの用紙に鷲羽岳、水晶岳を追記して欲しい(簡略地図にない)
スタート地点。新穂高の有料駐車場。ガラガラ。先週まではかなり停まっていたんですが。
2012年09月30日 14:26撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
9/30 14:26
スタート地点。新穂高の有料駐車場。ガラガラ。先週まではかなり停まっていたんですが。
わさび平小屋。午前3時半。寝静まっています。
2012年09月30日 14:26撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:26
わさび平小屋。午前3時半。寝静まっています。
登山口。ここから山道に。
2012年09月30日 14:26撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
9/30 14:26
登山口。ここから山道に。
大ノマ岳かな。5時20分くらい。やっと白み始めました。
2012年09月30日 14:27撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:27
大ノマ岳かな。5時20分くらい。やっと白み始めました。
鏡平の池と夜明の槍、穂高。
2012年09月30日 14:28撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:28
鏡平の池と夜明の槍、穂高。
槍。
2012年09月30日 14:29撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:29
槍。
鏡平山荘。5時半。出発時間でにぎわっていました。山荘のご主人がビールっぽいものをジョッキで飲んでいるのが気になりました。
2012年09月30日 14:29撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
9/30 14:29
鏡平山荘。5時半。出発時間でにぎわっていました。山荘のご主人がビールっぽいものをジョッキで飲んでいるのが気になりました。
朝焼けと紅葉と槍
2012年09月30日 14:30撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:30
朝焼けと紅葉と槍
すみません。槍が好きなんです。
2012年09月30日 14:30撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:30
すみません。槍が好きなんです。
夜明の穂高岳。
2012年09月30日 14:30撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:30
夜明の穂高岳。
乗鞍。
2012年09月30日 14:31撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
9/30 14:31
乗鞍。
弓折分岐。この標高2500m。水晶岳は2986mだからあとの登りは大したことないだろう、と甘く考えてました。このあとのアップダウン、帰りは地獄のようでした。
2012年09月30日 14:32撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:32
弓折分岐。この標高2500m。水晶岳は2986mだからあとの登りは大したことないだろう、と甘く考えてました。このあとのアップダウン、帰りは地獄のようでした。
北アルプス。
2012年09月30日 14:33撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:33
北アルプス。
笠ヶ岳。先週はあっちから見てたんだよなぁ。
2012年09月30日 14:35撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:35
笠ヶ岳。先週はあっちから見てたんだよなぁ。
遠くに鷲羽岳と水晶岳が見えます(中央やや奥)。が、このときはあれが目的地だと気づいておらず。
2012年09月30日 14:36撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:36
遠くに鷲羽岳と水晶岳が見えます(中央やや奥)。が、このときはあれが目的地だと気づいておらず。
双六小屋のテント場。景色も良いし、かなり良さそう。
2012年09月30日 14:36撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:36
双六小屋のテント場。景色も良いし、かなり良さそう。
双六小屋。
2012年09月30日 14:36撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:36
双六小屋。
分岐点。双六岳を登るのは諦め巻道ルート。
2012年09月30日 14:37撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
9/30 14:37
分岐点。双六岳を登るのは諦め巻道ルート。
2500m以上は紅葉してました。今年はかなり綺麗。
2012年09月30日 14:37撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:37
2500m以上は紅葉してました。今年はかなり綺麗。
三俣蓮華岳と丸山。残念ながら回避。
2012年09月30日 14:47撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:47
三俣蓮華岳と丸山。残念ながら回避。
右から鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳。
2012年09月30日 14:48撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:48
右から鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳。
三俣山荘にヘリで荷揚げ中。
2012年09月30日 14:48撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
9/30 14:48
三俣山荘にヘリで荷揚げ中。
鷲羽岳への最後の登り。高低差が400mあり、視覚的にダメージきます。
2012年09月30日 14:49撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:49
鷲羽岳への最後の登り。高低差が400mあり、視覚的にダメージきます。
三俣山荘。
2012年09月30日 14:49撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
9/30 14:49
三俣山荘。
鷲羽岳の中腹から三俣蓮華方向。雄大です。
2012年09月30日 14:52撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:52
鷲羽岳の中腹から三俣蓮華方向。雄大です。
登っても、登っても・・・
2012年09月30日 14:52撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
9/30 14:52
登っても、登っても・・・
中央右が黒部五郎岳。ずっと遠くに見えるのは白山か?
2012年09月30日 14:55撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:55
中央右が黒部五郎岳。ずっと遠くに見えるのは白山か?
三俣小屋から見えていたのはピークじゃなかった・・・似非ピーク・・・
2012年09月30日 14:54撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:54
三俣小屋から見えていたのはピークじゃなかった・・・似非ピーク・・・
表銀座
2012年09月30日 14:57撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:57
表銀座
真砂岳や野口五郎岳方向
2012年09月30日 14:57撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:57
真砂岳や野口五郎岳方向
鷲羽岳山頂。北アルプス全体を一望できます。今まで登った山で景観は一番じゃないかと思います。
2012年09月30日 14:56撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:56
鷲羽岳山頂。北アルプス全体を一望できます。今まで登った山で景観は一番じゃないかと思います。
鷲羽岳から水晶岳。まだ遠い。というか、本当に行く?
2012年09月30日 14:58撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:58
鷲羽岳から水晶岳。まだ遠い。というか、本当に行く?
ワリモ岳頂上。岩場が右手にあって、道の横にそっと標識が置いてある感じ。
2012年09月30日 14:59撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 14:59
ワリモ岳頂上。岩場が右手にあって、道の横にそっと標識が置いてある感じ。
ワリモ北分岐。水晶岳に行くべきか、帰るべきか。一瞬だけ悩んでGO!
2012年09月30日 15:00撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
1
9/30 15:00
ワリモ北分岐。水晶岳に行くべきか、帰るべきか。一瞬だけ悩んでGO!
遠いし、登りがある・・・。水晶岳は別名が黒岳。名の通り黒い。
2012年09月30日 15:00撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 15:00
遠いし、登りがある・・・。水晶岳は別名が黒岳。名の通り黒い。
水晶岳に向かう稜線からの鷲羽岳、ワリモ岳。
2012年09月30日 15:01撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 15:01
水晶岳に向かう稜線からの鷲羽岳、ワリモ岳。
水晶小屋。人気がないので変だなと思ったら、昨日で終了だったようです。
2012年09月30日 15:01撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
1
9/30 15:01
水晶小屋。人気がないので変だなと思ったら、昨日で終了だったようです。
水晶岳山頂。水晶小屋からは台風の影響か、強風に悩まされました(引き返そうかと思った)。ワリモ北分岐から歩いているのは自分だけ。こんな時期に登るのは物好きだけ?
2012年09月30日 15:01撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 15:01
水晶岳山頂。水晶小屋からは台風の影響か、強風に悩まされました(引き返そうかと思った)。ワリモ北分岐から歩いているのは自分だけ。こんな時期に登るのは物好きだけ?
鷲羽岳方向。遠くに槍や笠ヶ岳も見えます。
2012年09月30日 15:02撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 15:02
鷲羽岳方向。遠くに槍や笠ヶ岳も見えます。
黒部五郎岳方向。
2012年09月30日 15:03撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 15:03
黒部五郎岳方向。
高瀬ダム湖が見えます。
2012年09月30日 15:03撮影 by  NIKON D5000, NIKON CORPORATION
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9/30 15:03
高瀬ダム湖が見えます。
雷鳥。毎週会いますね。
2012年09月30日 15:05撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
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9/30 15:05
雷鳥。毎週会いますね。
ワリモ北分岐。裏に「大町市」とあるということはここ長野県か。
2012年09月30日 15:06撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
9/30 15:06
ワリモ北分岐。裏に「大町市」とあるということはここ長野県か。
岩苔乗越。黒部源流ルートを使いました。が、ここから三俣山荘までが異常につらかった。
2012年09月30日 15:06撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
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9/30 15:06
岩苔乗越。黒部源流ルートを使いました。が、ここから三俣山荘までが異常につらかった。
河原の横に雪が。しかしここの道、写真のように河原の岩場なので足へのダメージが尋常じゃない。
2012年09月30日 15:07撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
9/30 15:07
河原の横に雪が。しかしここの道、写真のように河原の岩場なので足へのダメージが尋常じゃない。
ひっそり石碑がありました。ここから三俣山荘までが少し登り返しなのですが、この登りが一番しんどかった。エネルギー補給に失敗していたのも影響していたかも。
2012年09月30日 15:07撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
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9/30 15:07
ひっそり石碑がありました。ここから三俣山荘までが少し登り返しなのですが、この登りが一番しんどかった。エネルギー補給に失敗していたのも影響していたかも。
14:30。出発してから12時間経過。今までの行動時間の最長は12時間。ここからは未知の領域。
2012年09月30日 15:08撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
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9/30 15:08
14:30。出発してから12時間経過。今までの行動時間の最長は12時間。ここからは未知の領域。
双六山荘まで戻ってきました。台風接近のせいなのか、時期的なものなのかテントは1、2張りしかいません。
2012年09月30日 15:08撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
9/30 15:08
双六山荘まで戻ってきました。台風接近のせいなのか、時期的なものなのかテントは1、2張りしかいません。
夕方からは曇り。槍もすっかり雲に覆われてます。
2012年09月30日 15:08撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
9/30 15:08
夕方からは曇り。槍もすっかり雲に覆われてます。
鏡平からわさび平までの小池新道。河原の岩場という感じで、下りは猛烈に足にダメージ来ます。
2012年09月30日 15:08撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
1
9/30 15:08
鏡平からわさび平までの小池新道。河原の岩場という感じで、下りは猛烈に足にダメージ来ます。
何とか帰ってこれました。左俣林道に入ったところで18時となり、一気に暗くなりました。林道はずっとヘッドライト頼り。疲労、睡眠不足で真っ暗な林道歩きするといろいろ幻覚みえます。
2012年09月30日 15:09撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
1
9/30 15:09
何とか帰ってこれました。左俣林道に入ったところで18時となり、一気に暗くなりました。林道はずっとヘッドライト頼り。疲労、睡眠不足で真っ暗な林道歩きするといろいろ幻覚みえます。
愛車まで何とかたどり着けました。19時ちょっと前ですが、真っ暗。
2012年09月30日 15:09撮影 by  Canon IXY DIGITAL L4, Canon
9/30 15:09
愛車まで何とかたどり着けました。19時ちょっと前ですが、真っ暗。

感想

 一言「疲れた」。

 百名山のガイドブックで、水晶岳は4泊5日とか出ていて「社会人には無理じゃん」と思っていました。が、ネットで調べてみると百名山を日帰りしている人とかいる。5万図で調べるとコースタイムの合計が24時間。普段の自分はこの地図の2/3くらいの時間がかかっている。ということは16時間か・・・いや、無理だろ、とも思ったのですが、午前2時に出発し夕方18時に戻ってくるなら「アリ」かなと。
しかし、今にして思うと地図のコースタイムは泊まりで、ある程度元気な状態での時間。これを一気にやるとこっちはいつも通りのタイムになるわけない。計画の段階からちょっと間違っていた・・・いまさらだけど。

 金曜日、定時に会社を切り上げるはずが、同僚から「問題発生。19時から会議します」とのこと。この時点で睡眠ゼロでの挑戦が確定。仕事終えて、家に帰ったのが22時。ご飯食べて、シャワーを浴び、荷造りして24時出発。深夜2時に新穂高に到着。先週と違い、明らかに人の気配がない。すごい違和感。こんな時期まで登山するのおかしいのかな?と思いつつ、出発準備。

 深夜2時30分に出発。当然真っ暗。だけど、先週と違い月が満月に近い状態で出ていて明るい。ただ佐俣林道終了して、鏡平までの小池新道は樹林帯でかなり暗かった。
鏡平に到着する頃には夜が明け始め、槍ヶ岳、穂高連峰がお目見え。先週よりずっと天気がよく、すごく綺麗だった。5時30分で、このころになると小屋の人たちも活動開始しており、みんなが山の夜明を楽しんでました。

 鏡平をすぎ、弓折分岐を過ぎて稜線を歩いていると南に笠ヶ岳が見え、北には遠くにいろいろな山が見え始める。北側で一番目に付くのは白い大きな山。薬師岳かな?と思っていたけど、これが鷲羽岳だった。双六小屋について地図を確認すると、だいたいの感じがつかめた。天気がよくて先が見えたのはかなり助かった。ガスっていて、先が見えなかったら無理だったと思う。

 双六小屋からは双六岳と三俣蓮華岳を登れるが、今回はパス。帰りに体力が残っていればね、と思いながら巻道ルートを進む。まあ、帰りに体力が残っているわけないと分かっていたけどね。巻道もアップダウンが微妙に続く。体力のある往路は気にならなかったが、復路ではかなりつらかった。特に、三俣山荘は100mくらい落ち込んだところにあるために、帰りは登り返しが相当つらかった。
 三俣山荘までは登山者とすれ違う。が、皆帰り。双六小屋から水晶岳方向に向かうのは自分くらい。台風の影響か?

 三俣山荘から鷲羽岳までは嫌がらせのような登りがある。景色が良かったので、つらさが半減してくれたが、ガスっていたら相当つらかったと思う。
鷲羽岳山頂は、本当に景色がすばらしかった。北アルプスを一望できる。北アルプスの中では一番の景観じゃないか、と思う。
さて、ここから水晶岳を見るとまだ遠い。ここまで登り7時間なので、ここで引き返せばいつもよりちょっと長い山歩きで済む。が、天気も良いし、ここまで来て引き返せるわけないので、先に進む。

 鷲羽岳からは風が強くなってきた。フリースを着るが、なかなか寒い。が、雨具まで来てしまうと暑そうなので、その状態で鼻水たらしながらひたすら歩く。
ワリモ北分岐でもう一度水晶岳を諦めるか考えたが、ピークを取りにいくことにした。
微妙な登りの稜線歩きをして水晶小屋まで到着。ここに来て、風がさらに強くなる。ときどき飛ばされそうな強風までふく。水晶岳の最後ははしごもあるとネットでみていた。この風ではしごや岩場登りは怖すぎるだろう、と思い、本気で引き返すか悩んだが「もう少しだけ行って様子を見よう」と先を進むことにした。小屋からみると水晶岳まで遠そうだったが、時間的には近かった。最後の岩場も、危険な箇所は特になく、風は強かったが、危険を感じることはなかった。
出発して8時間半で、何とか目的の水晶岳に到着。が、満足感を覚えるよりも「早く帰らないとヤバイ」と風と寒さにやられ気味。

 ワリモ北分岐から水晶岳に向かう道、往路は誰にも遭遇せず、ピークでも誰もおらず、復路で鷲羽岳でお会いした二人組み会うのみだった。水晶小屋も閉まっていたし、もうシーズンも終わりかな。個人的には涼しくなって、快適になってこれからというような気がするんだけど。

 復路、ワリモ北分岐までは快調だったが、黒部源流ルートでの三俣山荘までが地獄だった。エネルギー補給の失敗もあったかもしれないが、岩場の下りと登り返しが今回で一番つらかった。ペースも落ち、このままではヤバイと焦り始める。
 何とか三俣山荘までたどり着き、残っていたおにぎりとパンを摂取。塩飴も舐めて、一息いれる。ただ、食べた直後からすぐに回復とは行かず、三俣山荘から最初の登りもつらい思いをした。しかし、比較的なだらかな稜線歩きまで来ると徐々に回復。ペースも何とか回復し始める。双六小屋までは比較的いつも通りの帰りとなる。ただ、双六小屋から弓折分岐までがまた登り返しで、まったくペースが上がらない。弓折分岐のベンチで最後のエネルギー補給をし、あとは下りに。ただ、鏡平山荘からの下りが岩場の長い下りで非常につらかった。最後の方は、感情が「怒り」に変わっていた。今思うと何に怒ってたんだろう?自然を形成した何か?

 左俣林道までは何とか明るい時間帯に過ぎることが出き、ホッと一息。行きは登りだったから、ヘッドライトで歩けたけど、下りはちょっと怖いと思っていたので一安心。
 左俣林道は歩き始めて10分で真っ暗に。ヘッドライトでひたすら歩くが、疲れと睡眠不足で道端の大きな岩が女性の顔に見えたり、いろいろ幻覚見える。先週見たトランスジャパンを走っている人も似たようなこと言っていたなぁ、とか考えながら歩く。
1時間くらいで何とかゲートに到着。ゲートまで来るとホテルが近くにあり、灯りが見えて一安心。

 車にたどり着いたのが18時45分くらい。全工程で16時間20分くらい。予想が18時間なのでほぼ予定通り。後半はバテバテで、絶対に時間オーバーすると思っていたので意外だった。
しかし、今回歩き遂げれたのはストックのおかげだった。ポリシー(?)を曲げて全工程でストックを使った。このコースは急登が少ないロングコースなのでストックは非常に有効だった。

 日付的には日帰りだけど、日が登る前から歩きはじめ、日が暮れてから戻ってくる状態では日帰りとは言えないのかもしれない。けど、自分としてはやり遂げた満足感を得ることは出来た。

 しかし、はぁ、疲れた・・・

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コメント

すごいです!!!
いや〜、これは真似できません。
さすがですね!

前回のレコに書かれていたNHKの日本アルプス縦走、観たい観たいと思って調べてみたら13日に東京でも放送してくれるみたいです。
非常に嬉しい^^
dzrさんのレコで読んでなかったら絶対スルーしちゃってました、感謝です。
2012/10/1 23:06
お疲れさまでした!
同日同コースですね。
ちょうど源流に下ったところ、上下ですれ違いでしょうか?
この時期にこのコース、やっぱり変??? って、小屋が閉まっている事に気付いた時点で私も思いました^^
2012/10/1 23:47
コメントありがとうございました
>ken1978さん

 正直、今回の山行はちょっとやりすぎた気がしました。鷲羽岳、水晶岳からの景色は最高なので1泊でもう一回ゆっくり行きたいと思いました。
 日本アルプス縦走、東京でも放送されるんですね。あれに出場されていた人たちなら今回の工程も楽勝なんでしょうねぇ

>yamasemiさん

 コメントありがとうございます。
本当に同日同コースですね。驚きました!
時間的に私が鷲羽岳登っているときに、源流ルートを下られていらっしゃるのですれ違えなかったようですね。

この時期に、というかこのコースを日帰り自体が変だった気がします
私はGPSでログとりましたが44kmでした。やはり長いですよね。
お疲れ様でした!!
2012/10/2 0:12
お疲れ様でした
dzrさん こんんちは

水晶往復44キロ日帰り凄いですね。

チャレンジ精神に
2012/10/2 13:44
Re:お疲れ様でした
>hakusan319さん

 コメントありがとうございます。

自分の体力では、ちょっと無謀な挑戦でした

でも、これからも『安全に』限界にチャレンジしたいと思います。
2012/10/2 22:26
真似しましたが時間ははるかに
dzrさんのこの記録(とyamasemiさんの記録)を読んで同じコースを2013年10月に行ってきました。ほぼ1.5倍の時間がかかりました。(^_^;)私もこんな時間で歩ければなあ。

ところで写真で「高瀬ダム」と書かれているのは、黒部湖ではありませんか?水晶-鹿島槍を結ぶ線の左にあることと湖面の形からの推測です。私の間違いならすみません。

それと、hakusan319さんは44kmと書かれていますが、私のGPSロガーでは往復で52kmでした。わずかに遠い無料Pからですが。
2013/10/12 9:58
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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