鷲羽岳・水晶岳(新穂高温泉から日帰りピストン)
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- GPS
- 16:18
- 距離
- 44.4km
- 登り
- 3,240m
- 下り
- 3,235m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・新穂高有料第二駐車場 (無料駐車場も停めれそうでしたが距離を少しでも稼ぐためにあえて有料) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・危険な箇所はありません ・新穂高の登山ポストの用紙に鷲羽岳、水晶岳を追記して欲しい(簡略地図にない) |
写真
感想
一言「疲れた」。
百名山のガイドブックで、水晶岳は4泊5日とか出ていて「社会人には無理じゃん」と思っていました。が、ネットで調べてみると百名山を日帰りしている人とかいる。5万図で調べるとコースタイムの合計が24時間。普段の自分はこの地図の2/3くらいの時間がかかっている。ということは16時間か・・・いや、無理だろ、とも思ったのですが、午前2時に出発し夕方18時に戻ってくるなら「アリ」かなと。
しかし、今にして思うと地図のコースタイムは泊まりで、ある程度元気な状態での時間。これを一気にやるとこっちはいつも通りのタイムになるわけない。計画の段階からちょっと間違っていた・・・いまさらだけど。
金曜日、定時に会社を切り上げるはずが、同僚から「問題発生。19時から会議します」とのこと。この時点で睡眠ゼロでの挑戦が確定。仕事終えて、家に帰ったのが22時。ご飯食べて、シャワーを浴び、荷造りして24時出発。深夜2時に新穂高に到着。先週と違い、明らかに人の気配がない。すごい違和感。こんな時期まで登山するのおかしいのかな?と思いつつ、出発準備。
深夜2時30分に出発。当然真っ暗。だけど、先週と違い月が満月に近い状態で出ていて明るい。ただ佐俣林道終了して、鏡平までの小池新道は樹林帯でかなり暗かった。
鏡平に到着する頃には夜が明け始め、槍ヶ岳、穂高連峰がお目見え。先週よりずっと天気がよく、すごく綺麗だった。5時30分で、このころになると小屋の人たちも活動開始しており、みんなが山の夜明を楽しんでました。
鏡平をすぎ、弓折分岐を過ぎて稜線を歩いていると南に笠ヶ岳が見え、北には遠くにいろいろな山が見え始める。北側で一番目に付くのは白い大きな山。薬師岳かな?と思っていたけど、これが鷲羽岳だった。双六小屋について地図を確認すると、だいたいの感じがつかめた。天気がよくて先が見えたのはかなり助かった。ガスっていて、先が見えなかったら無理だったと思う。
双六小屋からは双六岳と三俣蓮華岳を登れるが、今回はパス。帰りに体力が残っていればね、と思いながら巻道ルートを進む。まあ、帰りに体力が残っているわけないと分かっていたけどね。巻道もアップダウンが微妙に続く。体力のある往路は気にならなかったが、復路ではかなりつらかった。特に、三俣山荘は100mくらい落ち込んだところにあるために、帰りは登り返しが相当つらかった。
三俣山荘までは登山者とすれ違う。が、皆帰り。双六小屋から水晶岳方向に向かうのは自分くらい。台風の影響か?
三俣山荘から鷲羽岳までは嫌がらせのような登りがある。景色が良かったので、つらさが半減してくれたが、ガスっていたら相当つらかったと思う。
鷲羽岳山頂は、本当に景色がすばらしかった。北アルプスを一望できる。北アルプスの中では一番の景観じゃないか、と思う。
さて、ここから水晶岳を見るとまだ遠い。ここまで登り7時間なので、ここで引き返せばいつもよりちょっと長い山歩きで済む。が、天気も良いし、ここまで来て引き返せるわけないので、先に進む。
鷲羽岳からは風が強くなってきた。フリースを着るが、なかなか寒い。が、雨具まで来てしまうと暑そうなので、その状態で鼻水たらしながらひたすら歩く。
ワリモ北分岐でもう一度水晶岳を諦めるか考えたが、ピークを取りにいくことにした。
微妙な登りの稜線歩きをして水晶小屋まで到着。ここに来て、風がさらに強くなる。ときどき飛ばされそうな強風までふく。水晶岳の最後ははしごもあるとネットでみていた。この風ではしごや岩場登りは怖すぎるだろう、と思い、本気で引き返すか悩んだが「もう少しだけ行って様子を見よう」と先を進むことにした。小屋からみると水晶岳まで遠そうだったが、時間的には近かった。最後の岩場も、危険な箇所は特になく、風は強かったが、危険を感じることはなかった。
出発して8時間半で、何とか目的の水晶岳に到着。が、満足感を覚えるよりも「早く帰らないとヤバイ」と風と寒さにやられ気味。
ワリモ北分岐から水晶岳に向かう道、往路は誰にも遭遇せず、ピークでも誰もおらず、復路で鷲羽岳でお会いした二人組み会うのみだった。水晶小屋も閉まっていたし、もうシーズンも終わりかな。個人的には涼しくなって、快適になってこれからというような気がするんだけど。
復路、ワリモ北分岐までは快調だったが、黒部源流ルートでの三俣山荘までが地獄だった。エネルギー補給の失敗もあったかもしれないが、岩場の下りと登り返しが今回で一番つらかった。ペースも落ち、このままではヤバイと焦り始める。
何とか三俣山荘までたどり着き、残っていたおにぎりとパンを摂取。塩飴も舐めて、一息いれる。ただ、食べた直後からすぐに回復とは行かず、三俣山荘から最初の登りもつらい思いをした。しかし、比較的なだらかな稜線歩きまで来ると徐々に回復。ペースも何とか回復し始める。双六小屋までは比較的いつも通りの帰りとなる。ただ、双六小屋から弓折分岐までがまた登り返しで、まったくペースが上がらない。弓折分岐のベンチで最後のエネルギー補給をし、あとは下りに。ただ、鏡平山荘からの下りが岩場の長い下りで非常につらかった。最後の方は、感情が「怒り」に変わっていた。今思うと何に怒ってたんだろう?自然を形成した何か?
左俣林道までは何とか明るい時間帯に過ぎることが出き、ホッと一息。行きは登りだったから、ヘッドライトで歩けたけど、下りはちょっと怖いと思っていたので一安心。
左俣林道は歩き始めて10分で真っ暗に。ヘッドライトでひたすら歩くが、疲れと睡眠不足で道端の大きな岩が女性の顔に見えたり、いろいろ幻覚見える。先週見たトランスジャパンを走っている人も似たようなこと言っていたなぁ、とか考えながら歩く。
1時間くらいで何とかゲートに到着。ゲートまで来るとホテルが近くにあり、灯りが見えて一安心。
車にたどり着いたのが18時45分くらい。全工程で16時間20分くらい。予想が18時間なのでほぼ予定通り。後半はバテバテで、絶対に時間オーバーすると思っていたので意外だった。
しかし、今回歩き遂げれたのはストックのおかげだった。ポリシー(?)を曲げて全工程でストックを使った。このコースは急登が少ないロングコースなのでストックは非常に有効だった。
日付的には日帰りだけど、日が登る前から歩きはじめ、日が暮れてから戻ってくる状態では日帰りとは言えないのかもしれない。けど、自分としてはやり遂げた満足感を得ることは出来た。
しかし、はぁ、疲れた・・・
コメント
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いや〜、これは真似できません。
さすがですね!
前回のレコに書かれていたNHKの日本アルプス縦走、観たい観たいと思って調べてみたら13日に東京でも放送してくれるみたいです。
非常に嬉しい^^
dzrさんのレコで読んでなかったら絶対スルーしちゃってました、感謝です。
同日同コースですね。
ちょうど源流に下ったところ、上下ですれ違いでしょうか?
この時期にこのコース、やっぱり変??? って、小屋が閉まっている事に気付いた時点で私も思いました^^
>ken1978さん
正直、今回の山行はちょっとやりすぎた気がしました。鷲羽岳、水晶岳からの景色は最高なので1泊でもう一回ゆっくり行きたいと思いました。
日本アルプス縦走、東京でも放送されるんですね。あれに出場されていた人たちなら今回の工程も楽勝なんでしょうねぇ
>yamasemiさん
コメントありがとうございます。
本当に同日同コースですね。驚きました!
時間的に私が鷲羽岳登っているときに、源流ルートを下られていらっしゃるのですれ違えなかったようですね。
この時期に、というかこのコースを日帰り自体が変だった気がします
私はGPSでログとりましたが44kmでした。やはり長いですよね。
お疲れ様でした!!
dzrさん こんんちは
水晶往復44キロ日帰り凄いですね。
チャレンジ精神に
>hakusan319さん
コメントありがとうございます。
自分の体力では、ちょっと無謀な挑戦でした
でも、これからも『安全に』限界にチャレンジしたいと思います。
dzrさんのこの記録(とyamasemiさんの記録)を読んで同じコースを2013年10月に行ってきました。ほぼ1.5倍の時間がかかりました。(^_^;)私もこんな時間で歩ければなあ。
ところで写真で「高瀬ダム」と書かれているのは、黒部湖ではありませんか?水晶-鹿島槍を結ぶ線の左にあることと湖面の形からの推測です。私の間違いならすみません。
それと、hakusan319さんは44kmと書かれていますが、私のGPSロガーでは往復で52kmでした。わずかに遠い無料Pからですが。
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