乗鞍 剣ヶ峰山頂直下滑走&滑落
- GPS
- 06:09
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 1,449m
- 下り
- 1,448m
コースタイム
- 山行
- 5:38
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 6:10
天候 | 晴れ 曇り 下山後雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【登行】 ・休暇村ゲレンデの雪は薄くなってきた。賞味期限間近。 ・早朝のツアーコース入口急登の樹林帯はスリッピー。 ・位ケ原急登はスリッピー。直登出来ずジグを切る。 ・肩の小屋には向かわず朝日岳と蚕玉岳のコルを目指す。 ・朝日岳の斜面トラバース2760付近から氷化斜面になりクトー装着。 ・シュカブラを見つけてクトーで登る。 ・2900付近からジグを切りコルへ乗り上げる。雪は柔らかい。 ・剣ヶ峰山頂までの岩稜帯は岩を避けつつクトーのまま。 【滑走】 ・山頂〜2900付近まではスキーヤーズレフト側はやや重、ライト側はガリ。 ・2900〜2850付近まで滑落。のど手前の中央はガリ(←これで滑落)。 ・2850付近から少し落とせば快適もっさり。 ・位ヶ原台地斜面の雪は固い。 ・位ヶ原急斜面は雪が緩んでザラメ。以降、駐車場までザラメでスキーがよく走る。 ・ツアーコースの急斜面を降りたら右手の初心者コース側へ行けばスキーを脱がずにエコーラインの横断が出来た(賞味期限切れ間近)。 |
写真
感想
悪天なら富士見沢、天気が良ければ剣ヶ峰の偵察滑走として乗鞍岳に出掛けた。
休暇村ゲレンデ出発時には太陽も顔を覗かせており、少し寒さを感じるが風もなく穏やかなスタートとなった。
休暇村ゲレンデのベース部分は、先週に比べ大分融雪が進んでいる。来週はベースまで滑走してこれるか微妙な状態。
かもしかゲレンデの最初の急登は中央付近から登ったらエコーライン乗り上げの雪壁が高く、右へ歩いて先週と同じ場所から乗り上げた。
ツアーコース入口の急斜面に取付くとややスリッピーだ。途中から樹林帯へ入るが、こちらもトレースが固くスリッピーで登行するのにカニを交えながら難儀して登る。
ツアーコース全体も固い感じだ。一部の急な場所は適時ジグを切りながら登行していく。
ツアーコース終点でエネルギー補給し位ヶ原の急斜面に取付く。いつものように直登すると滑るのでジグを切りながら位ヶ原台地へ乗り上げた。
まだ剣ヶ峰には太陽の陽がさしている。
摩利支天の滑り台、富士見沢はシュプールだらけだ。この時間なら11時前には剣ヶ峰に登頂して昼前には下山ができる。セカンドプランの剣ヶ峰直下の偵察に予定変更する。後続は全くいない。
肩の小屋には向かわず朝日岳と蚕玉岳のコルを目指し2770付近の岩稜帯へ。この付近から氷化してきた為、クトーを装着。
直登、トラバースを交え高度を上げて行く。今回の山行の前にエッジをギンギンに研いでいたので氷化斜面でもエッジが良くかかる(これが後ほど滑落の一因となってしまうとは、この時は知る由もない...)。
2850くらいから積雪斜面となりジグを切りながらトラバースしコルに乗り上げる。
稜線に出るとやや風が出てくる。
剣ヶ峰山頂まで雪は繋がって見えるのでスキーのまま進む。途中で蚕玉岳と剣ヶ峰のコルから北東斜面をのぞき込む。スキーヤーズレフト側に雪が吹き溜まっているので快適に落とせそうだ。直下がダメならここから滑ろう。
稜線は剣ヶ峰まで雪が繋がっていて、最後の岩稜帯も岩を避けつつ山頂社殿裏へ。
登頂〜。
御嶽山、白山、穂高連峰も見えません。太陽も隠れてしまい少しガスも出てきたから写真を数枚撮ったら社殿の軒下で滑走準備。
社殿裏でスキーを履き山頂からGO〜。
上部は思ったほど固くない。スキーヤーズライトに移動してみるとやはり固くガリだ。スキーヤーズレフトに移動して数ターン。パウダーではないがガリの底付きもない。慎重にいけば十分滑れる。のどの手前までゆっくりと滑走し斜面を振り返る。スラフもない。
下部を確認すると斜面を直登したツボ足トレースがある。あえて斜度のあるクライマーズライトを登行しているという事はクライマーズレフト(スキーヤーにはライト)は固いのだろう。
一旦中央付近に行き、のどに向けて落とそうと滑走しだした時に山側スキーのテールエッジが氷化斜面に引っ掛かり、谷側スキーだけ走ってしまった。そのまま谷側スキーのエッジが抜けてしまい、リカバリーできず仰向けに転倒した。
ヤバイ滑落する。
エッジをかけて踏ん張るが急斜面で止まるはずがない。場所ものどの岩稜帯に向かっていく最悪の場所だ。「ぶつかる」スキーを思いっきり踏ん張って何とか岩をかわせた。踏ん張った衝撃でロックをしていたがスキーが外れリーシュコードごと吹っ飛ぶ。
踏ん張った事により今度は頭が下になる。
滑落方向右側(左肩側)に次の岩が来る。右のウィペットだけ必死に効かせ左肩を上げる。際どく岩をかわした。この岩の脇が段差になっていて体が宙に浮く。着地点が吹き溜まりでクッションになり衝撃で滑落停止。
ゆっくりと体を起こし息を整え体に異常がないか確認をする。特に異常はない。助かった。
外れたスキーを回収しに行かねば。滑落時に外れたスキーは下に流れて行かなかったので上部にあるはず。
アイゼンに換装し、ダブルウィペットで急斜面を登る。アイゼンを確実にけり込み一歩一歩慎重に登り上げると、スキーが見えた。
滑落停止場所から30m程度上部、岩の付近に少しだけ頭の出ていたハイマツに引っ掛かっていた。
斜面にへばりつきながらスキーをザックに固定しクライムダウンする。滑落停止場所まで戻りアイゼンからスキーに換装する。
慎重にワンターンしてみる。体もスキーも問題ない。
その後の雪は柔らかく快適にシュプールを刻み位ヶ原台地へ。剣ヶ峰方面を見上げると滑落した付近もガスの中だ。
位ヶ原台地の斜面は固い。ガリガリいわせながら位ヶ原急斜面に入る。位ヶ原急斜面からツアーコース急斜面の雪は緩んでザラメで快適にスキーは滑る。
ゲレンデは右手の初心者コースを行けばエコーラインの横断もスキーを脱がずに行ける。休暇村ゲレンデも終始ザラメ。
片付けをする際にシェルを脱いだら、左袖が破れていた。ミドルもインナーも破れていた。少し岩にヒットしていたようだ。怪我はかすり傷程度で済んだが死んでもおかしくない状況だった。
滑落した要因
直接的要因
・普段は、エッジをギンギンに研いでから両外スキーのテールエッジ20僂曚疋據璽僉爾罵遒箸掘▲坤蕕靴笋垢するのだが忘れていた。その為、テールエッジが引っ掛かった。
間接的要因
・観察滑走の為、ゆっくり滑っていたが気の緩みがあった(かもしれない)。
・ガスにまかれホワイトアウトになる前に山頂直下を降りたいと焦りがあった(かもしれない)。
・剣ヶ峰に立った際は、社殿で安全登行・滑走のお参りをするのだが、初めてお参りを忘れた。
対策
・道具の手入れは、しっかりと行う。自分の普段の感覚とマテリアルの感性にズレがあってはいけない。
・どんな時でも気を引き締めていく。
・余裕を持った行動時間。場合によっては撤退。
・お参りは忘れずに。
生きててよかった。
takkarinさん、お疲れさまでした。
際どかったですね、無事
が何よりです(マジで)
今回はお参り忘れたのが敗因でしょう(笑)
graveltrekさん こんばんは。
今回はマジで死ぬかと思いましたが、滑落中は意外と冷静でいられました。
コロナウィルスの無い山頂で、たくさん深呼吸をしていたら
お参りを忘れてしまいました。
次回登頂の際は、しっかりと念入りにお参りします。
本日takkarinさんの滑落現場検証に行ったのですが、位ヶ原を少し進んだだけで、風に倒され地吹雪に甚振られ、あえなく帰って来ました。
お参り忘れた天罰はまだ今日も効いてました(笑)
ただ、30センチの新雪は滑りやすくて、最高でしたよ(笑)
30僂凌契秡△泙靴ぁ
乗鞍はこの時期でも降雪があり、タイミングさえ合えばパウダーにありつけますね。
位ヶ原の急登を乗り上げると一気に強風が来ることありますよね。心が折れそうになる。
氷の粒も弾丸のように襲ってくるし。
板納めまで2か月...それまでにお参りしなくては。
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