硫黄岳〜横岳(過去レコです)。
- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.8km
- 登り
- 1,388m
- 下り
- 1,380m
天候 | 晴れのち雨も。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
それなりに危険個所あります。 |
写真
感想
美濃戸から赤岳鉱泉へ行き、硫黄岳に登って硫黄岳山荘に泊まり、翌日、横岳を縦走して地蔵尾根を下るという計画をたてた。2010年10月16日、朝6時に家を出て諏訪南ICに向かった。天気予報jでは今日は晴れ、明日は晴れ時々曇りというものであったが、空は雲で覆われている。諏訪南で中央委高速を降り、美濃戸口からロデオ状態で美濃戸のやまのこ村に至る頃には上空の雲も少なくなっている。やまのこ村の駐車場は満車であるが、予約済みなのでお兄さんが案内してくれる。長袖シャツを着込んで出発。10分程歩いて、10時、登山口から北沢の林道に入る。木々は色づいているが、楽しみにしていたカラマツはほとんど無いのが残念。ほとんど傾斜の無い林道歩きであるが汗がにじみ出て、長袖シャツを脱いでTシャツ一枚となる。1時間程歩くと林道の終点となり、橋を渡って北沢に沿って緩やかに登山道を登る。良く整備された登山道で、沢の崖には所々木道が掛けられ、快適に登る事が出来る。小滝や岩を滑るように流れる沢の水、普通の水であるが沢の岩が赤茶けているところを見ると鉄分が多いと思われる。この先の赤岳鉱泉と同じ由来の水なのだろう。マイナスイオンをたっぷり浴びて気分爽快。前半の林道歩きはつまらないが、後半は南沢より余程良い。空が開けて、林の向こうに横岳と大同心が姿を見せる。12時、赤岳鉱泉に到着。小屋の前のテーブルに座り、途中のコンビニで買ったオムスビを取り出して昼食とする。北沢では出合う人も少なかったが、行者小屋から来た人も加わって小屋は結構賑わっている。ここはすでに標高2000mを越えていて、じっとしていると汗をかいた背中が冷たくなってくるので早々に出発。硫黄岳への登山口に入り、10分程で小さな沢に出る。地図を見るとこの沢は北沢の上流でジョウゴ沢と記されている。ん、この沢の岩は赤茶けていないぞ? 鉄分を含んだ水はどうやら行者小屋方面の沢から流れ込んでいるものと思われる。ジョウゴ沢を渡ると急な尾根道となり、これをジグザグに登る。関西弁のグループがわたしを追い越して行くが、しばらくすると休んでいる。わたしは休まず登り続け先に進む。わたしが休んでいると彼らが再び追い越し、抜きつ抜かれつの繰り返し。雑木林がダケカンバの林となり、行く手に硫黄岳の荒々しい断崖を望む。登り着いたところは白い砂利が撒かれたような所で標識があり、右は硫黄岳、左は「峰の松目」とある。成る程、右手にはピラミダルな形をした硫黄岳が、左手には小高いピークが見える。ちょっと峰の松目に寄り道をして行こうとピークに登ると、「ここは赤岩の頭山頂」とある。峰の松目はまだまだ先の下った所にあるあの小さなピーク、そこへ行くのは断念。赤岩の頭からは、硫黄岳からのオオダルミ、そこから立ち上がる横岳のギザギザした稜線、そして赤岳、阿弥陀岳と稜線が続いているのが眼前に見渡せる。横岳の下には、山肌から飛び出したように、大同心が突き出ている。振り向けば東と西の天狗岳、その左奥には北横岳と蓼科山が黒々と、北八つの山々が連なっている。八ヶ岳連峰を一望だ。赤岩の頭から「赤岳鉱泉、硫黄岳、オーレン小屋・桜平」の分岐に戻る。以前、桜平からオーレン小屋、夏沢峠を経て本沢温泉へ行き、翌日雪の積もった硫黄岳に登った時、硫黄岳から赤岩の頭を通ってオーレン小屋に戻る周遊道があるのを知っていたが、硫黄岳の頂上ではその道がどこにあるのか判らなかった。ここでまたひとつ、八ヶ岳を理解出来た。硫黄岳に向かう砂利道は、まるで雪の積もったように白く見えるが、それもじきに終わり、ハイマツの中の赤土の急登となる。これをジグザグに登ると眼下に広がる森の中に、赤岳鉱泉の青い屋根が見える。あそこから登り始めて2時間、大分登ってきたんだな〜。赤土は岩礫に変わり、大岩の重なる斜面を岩を廻ったり、岩の間を登ったり。オオダルミの稜線から硫黄岳山荘の屋根も見え始め、そしてロボット雨量計の廃墟の横に登り着く。ここは広い硫黄岳山頂の一角。岩ゴロゴロの山頂には、夏沢峠からも横岳からも人がやってきて結構な賑わいである。風が強く、寒い。半袖のTシャツ姿はわたしだけ、ザックから長袖シャツを取り出して着込む。横岳、赤岳、阿弥陀岳、権現岳、以前来た時は真っ白だった山々が、今日は赤黒い地肌をまとっている。ケルンを辿って強風の吹き抜けるオオダルミを下る。溶岩の固まった尾根のほぼ真ん中、硫黄岳と横岳の鞍部、尾根の南側に身を潜めるようにして硫黄岳山荘は建っていた。美濃戸から歩き始めて5時間少々、山荘に入った時は3時を少し回っていた。3000円余計に払った2階の個室は6畳ほどの広い部屋。誰に憚る事も無く、ザックの中身を広げて身体を拭いて着替え。さっぱりして下の談話室へ。生ビールを飲み、勿論それだけでは足らず、持参の焼酎「三岳」をお湯割りで。すっかり出来あがって部屋に戻り、夕食までひとやすみ。すぐに、「夕食の準備が出来ました〜」と声が掛る。山小屋にしては豪勢な夕食を肴に、三岳のお湯割り。夕食後は何もすることが無く、まだ外は明るい6時に就寝。
雨が屋根を叩く音にうつらうつらしながら、翌朝は5時半に起床。11時間以上寝た勘定である。水は出放題で、歯磨き洗面に遠慮はいらない。なんとトイレはウォッシュレット、びっくり。朝飯、ご飯もみそ汁もお代わりして満腹。長袖シャツの下にダウンを着込み、これで寒さ対策は充分だろう。ほとんどの人が出発した7時、わたしも山荘を発つ。横岳へ向かう稜線上は、昨日にも増して強い風が吹き荒れている。横岳の稜線は鎖場と聞いているが、こんな強風の中、吹き飛ばされるんじゃないかと不安がよぎる。戻るにしてもオオダルミも同じく強風だろうし、横岳に登っている人の姿も見えるので、まあ大丈夫だろう、行ける所まで行ってみようと横岳への尾根に差し掛かる。広い斜面には登山道から出ないよう、緑色のロープが張られている。今は石ころが転がっているだけの斜面だが、夏のシーズンにはコマクサの大群落が見られると云う。35分程で台座の頭の鞍部に到着すると、今まで見えなかった東側の景色が飛び込んでくる。ヤッタ〜、富士山だ。曇天ではあるが、雲の上に富士山がくっきりと浮かんでいる。反対側を見れば、北アルプスの峰々が、北は白馬から南は乗鞍まで、こちらは青空の下、旭日を浴びて輝いている。台座の頭の鞍部からは岩稜となり、大同心を見降ろしながらの登りとなる。鎖場、梯子の連続であるが、足場はしっかりしていて、何故か風も止み、恐怖心は無い。岩稜の東に行ったり西に行ったり、鎖を伝って登ったり下ったり。山荘より1時間弱登った所に、「2,829 横岳」と記した柱が立っている。どうやらここが横岳の主峰である奥の院で、その先に見えるもう少し高い岩が横岳の最高点である大権現と思われる。大権現を巻いて少し下り、登り返した所に、「ここは三叉峰」と書かれた柱が立っている。海の口自然郷から続く杣添尾根の分岐があり、赤岳への道と硫黄岳への道が分かれる、その名の通りの三叉である。ここから一旦急降下し、登り返したピークが石尊峰。正面に赤岳がど〜んと構え、その手前の鞍部の稜線上に赤岳展望荘がぽつんと見える。その稜線の右側は絶壁、あんな所を行者小屋まで下るんだ。登って来た人が、「ここはこちらの道がいいよ。真っ直ぐ登った人が立ち往生しているよ」と教えて呉れる。真っ直ぐ登ると鉾岳。鉾岳の西側を巻く道は、それでも高度感たっぷりの鎖場。これを抜けて登った所が日ノ岳。日ノ岳からの下りは、これまた鎖場の急降下。天を指差す尖った岩峰は二十三夜峰。もう地蔵尾根も真近かだろうが、二十三夜峰を下った所で風を避けてひと休み。後ろから来た団体さんもひと休み。地蔵尾根の分岐は案の定、風が強い。お地蔵さんは、昨年と同様行者小屋を見下ろしている。大抵の人はここから赤岳に向かうが、一人だけ地蔵尾根を下ろうとしている人がいて、わたしが下ろうとすると、「ここは下りですよ」と云う。その人を追い越して急な崖を慎重に下る。昨年崩れていた梯子や懸け橋は新しくかけ替えられ、随分楽になっている。地蔵尾根の中程、風は無く、林の中に入って汗もにじみ出るのでダウンを脱ぐ。大同心と小同心、その向こうに昨日登った硫黄岳が見える。お地蔵さんから1時間弱、行者小屋に到着。小屋の前は賑やかで、テン場には色とりどりのテントが並び、コスプレ姿のあんちゃんまでいる。気持ちが悪〜い。行者小屋からは南沢を辿って下る。行者小屋から2時間、登山口に帰り着いた。硫黄岳山荘を出て5時間が経っていた。
やまのこ村で山菜うどんを食べ、美濃戸口までは悪路。近くの日帰り温泉、もみの湯で汗を流して帰路に着いた。中央高速道の渋滞は相変わらずだが、先週よりはまし。雨にも会わずに計画通りのミニ縦走、鎖場一杯で楽しかった〜。
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