奥三界岳(過去レコです)。
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- GPS
- --:--
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 1,270m
- 下り
- 1,270m
天候 | 晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2004年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
それなりに注意が必要な場所はありませ。 |
写真
感想
「三界」には「遠く離れた所」という意があるが、そのまた奥といういかにも山奥と云った名前の山で、麓の何処からも見る事が出来ない。そんな奥まった山に登る気は無かったが、小秀山で自信がつき、夏山トレーニングにとこの山を選んだ。岐阜県と長野県の境に横たわる阿寺山地の南に位置し、夕森公園が登り口となっている。事前に勉強した所では、この山の登山道は三つの要素から成り立っている。まずはジグザグの急登、ついで長い林道歩き、最後は直登に近い急登であり、所要時間は7時間である。平成16年6月19日、中央道を中津川インターでおり、国道257号線を田瀬で右折し県道3号線に入り、坂下に向かう。川上村(かわうえむら)に入ってから、夕森公園の案内に従って行くと公園の総合案内所がある。さらに進むとバンガロー村があり、その左手の林道に入ると間もなく車止めとなり、その手前に駐車スペースがある。車が3台とまっているのを見て、まずは一安心。7時半、車止めの横から林道に入り、川上川の清流を右に見ながら歩く。歩き始めの準備運動に丁度良いが、普通車でも充分走行可能な立派な林道である。東屋が現れ、その奥に「銅穴の滝」が見える。車止めから「天然公園」へ向かう道を30分歩くと、「奥三界、一つ滝、アゼ滝」の標識があり、これに従って右に分かれる道に入る。階段を川まで下ると吊り橋がかけられており、橋の入り口に「定員一名」とある。吊り橋をゆらゆら揺らしながら渓流を渡り登山道に入る。等高線の混んだ尾根をつづら折りに登るのだが、短くジグザグを繰り返すような所では斜め登りとはいえ結構な急登である。汗をかきながら、脈拍を抑えるようにゆっくり登る。時々遭遇する糞は、クマさんのものかおサルさんのものか? ザックに付けたカウベルとストックに付けた鈴をひとしきり賑やかに鳴らす。ヒノキの林の間から陽が射し込んで来て、もうそろそろ尾根上かと思うがなかなか着かない。吊り橋から1時間経ち、やっとの事で林道に登り着き、ザックをおろして給水す。ひと息ついてなだらかな傾斜の林道を歩き始める。右側はるか下のイセ谷から水の音が聞こえ、谷の向こうにこんもりした緑の山が見える。夕森山かと思ったがそれは間違いで、林道をさらに進むとその山の奥に笹でおおわれたさらに高い茶色の山が見え始め、これが夕森山である。林道は夕森山の手前まで続いており、先は長い。林道を歩く事50分、「昇竜の滝」に着く。滝はドドドーッと落ちるものであるが、そそり立つツルツルした茶色の岩肌をなめるように、白い水が何段も滑り落ちる。未だ見た事がない静かな滝で、滝壷は底まで澄み透っている。滝からすぐの橋の手前に、左に奥三界への道が∧字型に分かれる。橋の向こうに作業小屋があり、その前の広場にライトバンが1台とめられているが人影は無い。苔むした石の間からチョロチョロと水が流れており、タオルを水に浸して顔を拭き、水筒に水を補給す。案内本によれば、天然公園分岐からここまでのコースタイムは1時間とある。わたしはほぼ倍の時間がかかったが、いくら何でも1時間で登れる人はいないだろう、いい加減な事は書くものでは無い。また同本によれば、ここから奥三界に向かう林道が続く筈であるが、車は絶対に通れない道である。右側は石の露出した崖で、そこから転げ落ちた大きな石がゴロゴロと道をふさいでいる。石の上を伝って歩くと、所々、石が途切れた所があり鋪装の跡が見える。以前ここは車も通れる林道であった事がわかるが、よくもまあこれだけ崩れたものだと感心しつつ、上から石が転がり落ちて来ない事を祈りながら進む。林道は右側から斜めに石が積み重なり、石を踏み外せば左下の谷に転落という事にもなりかねない。窓が壊れた小屋が現れ、この林道は終わって再び登山道となる。ロープを掴んでの登りから始まり、息の切れる急登をよたよたと登る。笹原に出て給水のため一服すると、わたしよりは若いと思われるが白髪混じりの中年男が、息を切らす事もなくスタスタと追い抜いて行く。わたしは再びよたよたと歩き始め、左トラバースで少し下ると涸谷となる。赤いリボンを目印に、水も流れる涸谷を登り切ると左にピークが見える。やっと頂上かと思いきやピークを巻いて下り始め、ぬかるんだ平坦な道が続く。先程追い抜いていった男がもう下りて来るのに出会うが、「人種が違う、自分は自分」と自らに言い聞かせる。再び登りにかかり、よたよたとこれを登りきり、12時丁度、最後まで目指す頂上を見る事が無く頂上に到着した。頂上の櫓に登って周囲を見渡すも、生憎の天候で遠望は効かず。途中で水筒に入れた山の水は妙な味がするのでそれ以上は飲まなかったが、この水を沸かしラーメンを作って食べた。ガスも這い上がって来て何も見えなくなり、雨の来ないうちにと12時35分頂上を出発した。涸谷を下り、トラバースの途中の水場で頭から水をかぶり、ついつい飲んでしまったこの水は旨かった。ペットボトルに給水し、それ飲みながら下った。1時間半かかって「昇竜の滝」に到着した頃にはペットボトルは空になっていた。ここで再び一服し、妙な味のする水ではあるがペットボトルに給水し、ここからの林道歩きはこの水でうがいをしながら快適に歩いた。とは云ってもそのうち、この林道はこんなに長かったかと思われ始め、足取りも重くなった頃、行きとほぼ同じ時間を要して2時50分、登山道への入り口に到着した。ここでも一服し、ストレッチをしてから急なジグザグ道を滑らないよう気を付けながら下り始めた。はるか下に聞こえていた川の音もだんだんと近付き、やっと吊り橋のかかる川上川に降り立った。吊り橋の下の清流で顔を洗い、何度も頭から水を浴びると精気が戻って来た。川原に腰をおろして渓流の眺めを一人占めにし、しばし仙境の気分にひたった。道草を食って車に帰り着いたのは4時8分で、頂上を発ってから3時間43分が経っていた。案内本によるコースタイムは、登りが3時間半、下りが2時間50分であるが、わたしが要した時間は登り4時間半、下り3時間半と大幅に違っていた。
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