南木曽岳(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.8km
- 登り
- 768m
- 下り
- 754m
天候 | 曇り。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
それなりに注意が必要。 |
写真
感想
梅雨の中休み状態の平成15年6月22日、4時半に自宅を出発。中央道を中津川インターでおり、国道19号線から156号線を妻籠に向かい、南木曽温泉を過ぎた所で左折して林道に入った。しばらくして食事と水を購入していなかった事に気付き、156号線に引き返してガソリンスタンドの自販機でペットボトルのお茶を買ったが、おむすびを買うような所は見当たらなかった。南木曽岳(なぎそだけ)の案内本には、地元の学校登山コースで、頂上まで2時間程度と書かれていたので食事の必要はないと判断した。立派な避難小屋もトイレもある登山口の駐車場に着いた時には、すでに4台の車がとめられていた。駐車場の先の林道には車止めの鎖がかけられており、その右の「登山道近道」と記された南木曽山麓自然探勝園に入ったのは丁度7時であった。探勝園の中の道には木曾五木の「ヒノキ(檜)」「アスナロ(翌檜)」「コウヤマキ(高野槇)」を始め木々の説明があり、それを読みながら緩い登りを歩き、あずまやをやり過ごすと林道に出た。所々花崗岩が露出した山肌沿いの、白っぽい砂礫地を歩くと左側に標識の立つ登山口がある。清流に架けられた丸木の橋を渡り、林の中のおだやかな道を登ると道は左右に分岐しており、「左南木曽岳に登る、右頂上からの下山道」の案内がある。案内に従って左の山肌の道に向かうと、今までとは打って変わり急登の連続となる。道が途切れた所には間伐材の橋が架けられているが、半分腐りかけの木もあり、80キロの体重を支えてくれるか心配になる。左手に「金時の洞穴」と記されており、身を乗り出して覗くとそれらしき岩屋が見える。この山は金時山とも呼ばれており、金時さんの伝説があるのだろう。駐車場から歩き始めて40分が経った頃、「喉の滝」と案内のある岩に到着。ザックを下ろし一息入れて眺めると、右手の樹間から細い滝が垣間見える。滝壷はなく、水は地下に吸収されるとの説明が記されている。そこからすぐの登山道脇に、「金明水」の標識が立てられている。案内本には最終水場と書かれているが、それらしきものは見当たらない。水分補給を当てにしていた人にとっては相当ショックなことであろうが、こういう事はよくある話しなので水分は始めからザックに入れておくべきであります。大きな花崗岩の上に根を張り巡らした大木が立ち並ぶ中の登山道は急登続きで、鎖場を緊張しながら登る。間伐材で作られた梯子が所々に架けられているが、大分古びており一歩ずつ壊れないか確かめながら登る。喉の滝から30分で細い尾根上に工事現場が現れ、そこでザックをおろし小休止をとる。左右ともに深い谷となっている所に足組が作られ、テントが張られているが人の気配はない。眼前の岩の積み重なった壁には鎖が垂れ下がり、ここを登れと云うように赤ペンキで左矢印や右矢印が印されている。恐る恐るそれを登り切ると大きなつるつるした岩が現れ、下は谷底である。岩肌には真新しいワイヤーが縦て横に張られ、50cm程の四角型が作られている。鎖は無く、このワイヤーに足を掛けて登る以外に方法はないが、一歩踏み外せば谷底に墜落というスリリングな登りを行うことを決心するのに暫し時間を要した。岩を迂回して、作りかけの丸太の橋や階段があり、もうすぐこんな危険な場所を登らなくても済みそうだ。学校登山の山と書かれていたが、小学生がこんな所を登れるはずはなく、別の登山道から登ったものに違い無い。さらに急登が続き、歩幅も小さく足ものろくなる。大木の根っ子の間に出来た穴や、岩の切れ目に張り付いているコケは光り苔なのだろうか、奥の方のコケは光っているような気もする。イワカガミの群生地という案内があり、崖にへばりつくようにうちわ状の葉っぱがひしめいているが今の季節、もう花はない。急登に嫌気がさし、頂上はまだかまだかと登り、ようようの事で頂上が見える緩やかな道に出た。右手の断崖絶壁が「かぶと岩」なのだろう、その名の由来を記した説明板がある。そこから一息で丁度9時、南木曽岳頂上1677mに辿り着いた。頂上は木に囲まれて眺望はない。下山道を少し行くと左手に見晴台と書かれた岩があり、そこに登るとさえぎるものは無く展望が広がるが、あいにくの曇り空で遠くの山々は見る事が出来ない。下山道は林の中の登山道とは打って変わって、四面が広がった明るい原っぱの中を通る。白く立ち枯れた木がポツンポツンと立つ以外は一面にクマザサの緑が広がり、点在する大きな白い石がアクセントをつけ、遠くの山並は見えないが気分は爽快そのものである。汗まみれの身体にひんやりとした風があたり、これまた快い。避難小屋の脇を通り、「蘭(あららぎ)方面」の案内に従い、下山道を下ったり登ったりする。晴れていれば恵那山が見えるのだろうか、摩利支天の岩からの眺めも得られない。摩利支天から逆戻りして「アララギ登山口」の指標に従って下山道を下るのだが、ここから先は気の休まる事の無い急な斜面である。鎖場あり、梯子あり、根っ子の階段ありの急坂を、時にはストックを使って飛び下りながらの下山が延々と続く。岩によじ登り辿り着いた所は崖の先端で、これを飛び下りると一気に数百m下りることができるが、必ず死ぬので後戻りすると岩だらけの溝状の下山道が別れていた。登りも汗をかいたが下りもおとらず汗をかき、口の中がからからとなって脱水症状が出始めた頃、ようやく「右登山道、左下山道」のある分岐に着いた。10時50分であった。ペットボトルの最後のお茶を飲み干し元気を付け、緩やかな傾斜の道を歩いた。途中、清流の水で口を洗い、ついつい飲み込んでしまったミネラルウオーター南木曽の水は胃にしみた。11時15分、駐車場に到着したが、登りより下りの方が時間を要した。駐車場は満車で、林道の路肩にも30台以上の車がとめられていた。その割りには山の中で人に会う事が少なかったと思った時、登山道と下山道が分けられている理由が解った。この山の頂上付近の眺めに魅せられて多くの人が登るのだが、道は狭く急峻で、人がすれ違う時に起こる危険を防ぐための方策であろう。
南木曽温泉に立ち寄りひと風呂浴びた後、昼飯がてらにビールを飲み、一寝入りして帰途に着いた。
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